少子化や公立離れなどを背景に私学志向が高まり、中学受験者はこの10年ほど増加傾向が続いています。
公立離れのきっかけの一つとなったのは、文部科学省が「ゆとり教育」の一環として実施した2002(平成14)年の学習指導要領改訂です。
学習内容を3割削減し、完全学校週5日制を実施したことなどから、学力低下への懸念が広がりました。逆にこれが私学に追い風となったのです。カリキュラムや授業の工夫などを進め、学力維持・向上に努めた私立中学校は人気が高まりました。
さて、首都圏(1都3県)の中学入試状況を見てみましょう。
| 入試年度 | 首都圏 受験者数 |
全国小6 児童数 |
首都圏小6 児童数 |
首都圏割合 | 受験率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2000年 | 38,500 | 1,326,960 | 308,363 | 23.2% | 12.5% |
| 2001年 | 39,300 | 1,301,375 | 305,742 | 23.5% | 12.9% |
| 2002年 | 38,500 | 1,239,194 | 290,560 | 23.4% | 13.3% |
| 2003年 | 40,400 | 1,214,274 | 288,047 | 23.7% | 14.0% |
| 2004年 | 43,200 | 1,217,419 | 293,219 | 24.1% | 14.7% |
| 2005年 | 44,700 | 1,203,193 | 290,241 | 24.1% | 15.4% |
| 2006年 | 47,100 | 1,192,343 | 293,775 | 24.6% | 16.0% |
| 2007年 | 52,000 | 1,232,292 | 307,011 | 24.9% | 16.9% |
| 2008年 | 52,500 | 1,182,241 | 295,792 | 25.0% | 17.7% |
(児童数は文部科学省の学校基本調査、受験者数は四谷大塚のデータより。
また、公立中高一貫校の受験者数は除いております。)
少子化が進行するなか、逆に首都圏では小6児童の割合が増えています。
全国では児童数が減少しているのにもかかわらず、地方の過疎化・大都市の人口増加にともない、首都圏の小6児童数はこの10年ほど30万人前後で推移し、大きな減少は見られません。
そして、2000年度の中学受験者数は38,500名で、8人に1人の割合だったのが、2008年度は52,500名を突破、5.6人に1人が受験しています。
こうした傾向は今後も続くとみられ、受験者にとってこの先も厳しい受験環境に変わりないでしょう。
一方、気をつけておきたいのは、近年、公立中高一貫校が増えているということです。
首都圏で、すでに12校あります(2008年度実績)。
東京は千代田区立九段中等教育学校、都立小石川中等教育学校、都立両国高等学校附属中学校など5校に加え、
2008年には都立武蔵高等学校附属中学校(以下、都立武蔵)、都立立川国際中等教育学校(以下、立川国際)が開校、
両校とも08年度の入試では東京都の中高一貫校7校中、男女ともに実質倍率上位1位、2位を占めました(都立武蔵男子14.4倍、女子15.2倍、立川国際男子11.0倍、女子17.0倍/上記は全て一般枠)。
同じく千葉では08年度に県立千葉中学校が、茨城では県立並木中等教育学校が開校。
これらの学校のほとんどが倍率二桁、あるいは二桁に迫る勢いで推移しています。
神奈川では09年度に初の公立中高一貫校として、設立母体が県立相模大野高校の相模原方面中等教育学校(仮称)、県立大原高校の平塚方面中等教育学校(仮称)が開校します。
こうした公立中高一貫校の新設の動きが中学受験に影響を与えるのは必至です。
受験者にとっては学校選択の幅がより広がることを意味します。
私立との併願はもちろん、公立中高一貫校の入試、特有の「適性検査」入試を行う私立中学校も出てくるでしょう。
(くわしくは「東京都・中学入試動向」参照)
小学4年生ごろから準備を始める家庭が多くなっています。4科目受験の場合、準備にはやはり3年程度は必要でしょう。
ちなみに、通信教育のZ会では小学3年生から受験コースを設けています。進研ゼミでは4年生から中学入試レベルの問題も含めた挑戦コースを設けています。
塾では新4年生として3年生の3学期の2月から受験カリキュラムを設けているところが多くあります。また3年生対象に受験を前提とした準備期間のコースを設けているところも。
受験準備の開始時期を考える上で、塾などのこうしたシステムは目安の一つとなります。しかし塾側の都合も入っているわけなので、むろん絶対ではありません。
受験科目数や公立中高一貫校の適性検査、どのあたりのレベルの学校をめざすのかなどを考えながら決めるといいでしょう。
また、子どもにとって受験準備の2~3年間は決して短い年月ではありません。お子さんの成長や性格、学習状況を考慮しながら検討する必要があるでしょう。
最大のメリットは中高一貫校で6年間、学ぶことにあります。
難関大学への受験準備は中学校での学習段階から重要で、私立の中高一貫校の多くが進学を照準に効率的なカリキュラム編成や弾力的な授業を行っています。
たとえば先取り学習として、高2もしくは、高3の1学期ごろまでに高校の教育課程を修了し、以降は大学受験対策の授業を行う、また英語・数学等主要教科で習熟度別授業を実施する学校が増えています。
特に英語はほとんどの私立学校で重視されています。公立中学で週3~4時間のところを、私立中学では週5~6時間以上。
例えば、栄光学園中学校では週7時間の英語を設定しています。更に英会話の授業も設け、ネイティブ教師とのT.T.(ティーム・ティーチング)により少人数で行う学校がほとんどです。
このほかのメリットとして、高校受験がないのでゆとりある学校生活を送ることができる、6年間を同じ生徒集団や先生と過ごすため、人間関係を深めることができるなどがありますが、これらは本人の適性や家庭の考え方とも関係するものであり、それぞれ自分にとって何がメリットかを考える必要があるでしょう。
私立では6年間一貫して独自の教育を行っているため、原則的に高校入試を行わない学校もあるので注意してください。
首都圏、特に東京の学校は完全中高一貫校が多いのが現状です。
中学募集のみの学校は以下のとおりです。
東京都男子校で麻布、武蔵、駒場東邦、早稲田、暁星など、
神奈川男子校は浅野、栄光学園、聖光学院、逗子開成など。
東京都女子校は桜蔭、女子学院、雙葉、白百合学園、東洋英和、立教女学院など
神奈川女子校は湘南白百合学園、清泉女学院、フェリス女学院、横浜共立学園、横浜雙葉など。
東京都共学校では渋谷教育学園渋谷 また、公立中高一貫校も、東京の桜修館、小石川、立川国際、九段は高校募集を行っていません。
学校の入学試験の難易度の目安として、合格可能性を表すものとして偏差値が広く使われています。偏差値を判定するのは、学習塾が大規模の受験生に対して行なう模試などがそれに当ります。
(得点 - 平均点)÷標準偏差[分散、ばらつき具合]× 10 + 50で
求められ、ある人の得点が、平均点と同じだった場合、その人の偏差値は50となります。
一般には教科の違いや問題の難易度の違いにより、各試験の平均点や標準偏差は異なるため、様々な試験の成績を、単なる100点満点等の点数だけで、単純に比較することはできません。
従って、それらを常に平均点が偏差値50、標準偏差が10となるスコアに変換し、比較可能な数値にするために用いられます。
注意すべきなのは、高校受験の偏差値の場合、中卒者の97%に及ぶ高校進学者の大部分が模試を受けた者であるのに対し、中学受験の模試を受けるのは小学生のごく一部であり、平均的な小学生よりも学力の高い受験生が主体であるため、同じ併設型中高一貫校であっても、中学受験時の偏差値の方が高校受験時の偏差値よりも低くなりがちということです。
例えばA学園中学校の入学偏差値が50だったとすると、併設のA学園高校の偏差値は65であるという風になります(上位難関校はこれほど変わりません)。
よって、偏差値は、大手進学塾の模試などを受けたとき、自分がどの程度の位置にいるかを相対的に計る数値のこととなります。
受験集団が変われば偏差値も変化するため、あくまでも目安として考えるべきもので、絶対的な数値ではありません。
どの模試を受けるかによっても数値は変わってきます。
首都圏では三大模試と呼ばれる模試があり、それは四谷大塚(合不合判定模試)、日能研(全国中学入試センター模試)、首都圏模試センター(統一合判)の三つです。
いずれも受験者約1万人に及ぶ大規模模試であるため、自分の位置を知るうえで参考になります。このなかで四谷大塚および日能研は上位難関校を志望する受験者が多く受け、偏差値は首都圏模試センターのものより5ポイント程度低めになります。
中学受験全般で、平均的な偏差値を知りたい場合は、首都圏模試をお薦めします。
首都圏の学校別偏差値の一部を紹介すると、
男子校で70以上は筑波大学附属駒場、開成。
69~65は聖光学院第2回、麻布、栄光学園、駒場東邦など。
64~60は海城第2回、芝第2回、浅野、立教新座、学習院など。
女子校で70以上は桜蔭、
69~65は豊島岡女子学園、女子学院、浦和明の星女子、雙葉、白百合学園。
64~60はフェリス女学院、学習院女子、洗足学園、鎌倉女学院など
(以上2007年12月9日実施の四谷大塚合不合判定模試)。
先に述べたように、偏差値とは相対的なものです。
また、例えば、鶴亀算や旅人算など、私立受験用に勉強すれば偏差値を上げることはできます。だから、模試は自分の学力位置を知るうえで参考になりますが、始めのうちはたとえ偏差値が低くても落胆する必要はありません。
また、気をつけたいことは偏差値のみで学校を選ばないことです。私学教育の価値は偏差値のみで計ることは当然できません。むしろ、偏差値に反映されないその学校のよさ、特色を見極め、お子さんにあった学校を選ぶことが大切です。
中学受験にかかる費用として、主に塾(および家庭教師)費用、教材費、模試費用、受験料があります。
塾に通い始めるのは多くは小学4~5年生から。
月謝は受験教科数(2教科または4教科)によって異なり、また大手進学塾か個人塾かによっても異なります。
さらに学年が進むごとに月謝が高くなり、大手進学塾だと4年生は月謝3万円前後、5年生は月謝4万円程度、6年生は月謝5~6万円かかります(4教科)。
このほか土日・夏期冬期などに特別講習が加わり、費用は幅がありますが年間でおよそ10~30万円が月謝とは別にかかります。もちろん、教材費は別途。
家庭教師は家庭教師センターを利用した場合、入学金1万円~2万5千円前後。月謝は学生教師だと1万5千円~3万円、プロ教師だと4万円~8万円。
最近では、家庭教師を6年生のときに塾と併用するパターンが多くなっています。
模試は3千円~5千円前後でたいてい年6回ほど受けています。
入試受験料は1校当たり、2万前後~3万で、近年では5~6校併願する受験者が多くなっています。
ここでは小学3年生2月から6年生の1月まで大手進学塾に通い始めたとして、受験までにかかるおよその費用を挙げます。
約3年間で254万円。
家庭教師を利用しないとしても200万円はゆうに超えることになります。詳細は以下のとおりです。
なお、個人塾や通信教育などを利用した場合は、この金額よりも低く抑えることができることもあります。
○3年間で受験準備にかかる費用
・塾関連費用………計1,880,000円
【内訳】
入会金 20,000円
(月謝)
4年生 30,000円×12ヶ月=360,000円
5年生 40,000円×12ヶ月=480,000円
6年生 60,000円×10ヶ月=600,000円
夏期・冬期等特別講習 100,000×3年=300,000円
教材費 年間 40,000円×3年=120,000円
・模試 5,000円×6回/年×3年=90,000円
・家庭教師費用(6年生のとき家庭教師センターのプロ教師を利用した場合)
入会金 20,000円
6年生 40,000円×10ヶ月=400,000円
・受験料 25,000円×6校=150,000円
塾費用+模試費用+家庭教師費用+受験料=2,540,000円
中高6年間にかかる費用として、公立と私立を比較してみました(以下データは2006年度「子どもの学習費調査」文部科学省より)。
注1 学習費総額…(学校教育費、学校給食費および学校外活動費の合計)
注2 学校教育費…(授業料、修学旅行・遠足費、入学金・施設設備費等学校納付金、寄付金、教科書費、文具等学用品、部活・学校行事等教科外活動費、通学交通費、制服など)
注3 学校外活動費…(学習塾、家庭教師、家庭用参考書問題集、習い事の月謝など)
○幼稚園から高校までの15年間の学習費総額
注・学習費総額とは、学校教育費(授業料、修学旅行・遠足費、入学金・施設設備費等学校納付金、寄付金、教科書費、文具等学用品、部活・学校行事等教科外活動費、通学交通費、制服など)、学校給食費および学校外活動費の合計。
幼稚園から高校まですべて公立に通った場合は570万9千円、幼稚園のみ私立に通い、あとは公立に通った場合は659万1千円となっています。
小学校のみ公立であとは私立に通った場合は1,054万7千円、すべて私立の場合は1,678万4千円となっています。
このデータから、「幼稚園および中高が私立の場合」の学習総額費は、「幼稚園のみ私立であとは全て公立の場合」の1.6倍となります。
| 公 立 | 私 立 | |
|---|---|---|
| 幼稚園 | 729,962円 | 1,611,457円 |
| 小学校 | 2,003,070円 | 8,240,327円 |
| 中学 | 1,414,387円 | 3,800,593円 |
| 高校 | 1,561,758円 | 3,131,439円 |
| 幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高校 | 学習費総額 |
|---|---|---|---|---|
| 公 | 公 | 公 | 公 | 5,709,177円 |
| 私 | 公 | 公 | 公 | 6,590,672円 |
| 私 | 公 | 私 | 私 | 10,546,505円 |
| 私 | 私 | 私 | 私 | 16,783,762円 |
○中学・高校の各学年別の学習費総額
| 公 立 | 私 立 | |
|---|---|---|
| 1年生 | 479,500円 | 1,531,913円 |
| 2年生 | 401,329円 | 1,079,003円 |
| 3年生 | 533,558円 | 1,189,677円 |
高校
| 公 立 | 私 立 | |
|---|---|---|
| 1年生 | 591,742円 | 1,273,924円 |
| 2年生 | 494,651円 | 913,986円 |
| 3年生 | 475,365円 | 943,529円 |
○学校教育費
注・学校教育費とは、授業料、修学旅行・遠足費、入学金・施設設備費等学校納付金、寄付金、教科書費、文具等学用品、部活・学校行事等教科外活動費、通学交通費、制服など。
公立中学校は13万3千円。この内訳の構成比で最も高いのは通学関係費(通学交通費、制服、かばん・上履き等通学用品費)の27.6%(3万7千円)、次いで教科外活動費の19.9%(2万6千円)となっています。
私立中学校は95万8千円。この内訳の構成比で最も高いのは授業料の42.9%(41万1千円)、次いで学校納付金等の26.1%(25万円)となっています。
公立高校は34万4千円。この内訳の構成比で最も高いのは授業料の32.7%(11万2千円)、次いで通学関係費の21.8%(7万5千円)となっています。
私立高校は78万5千円。この内訳の構成比で最も高いのは授業料の41.2%(32万4千円)、次いで学校納付金等の27.5%(21万6千円)となっています。
中学
| 公 立 | 私 立 | |
|---|---|---|
| 学校教育費 | 133,183円 | 957,893円 |
| 授業料 | - | 410,918円 |
| 修学旅行・遠足・見学費 | 25,317円 | 65,462円 |
| 学校納付金等 | 15,611円 | 250,391円 |
| 図書・学用品・実習材料費等 | 24,682円 | 38,525円 |
| 教科外活動費 | 26,497円 | 49,354円 |
| 通学関係費 | 36,819円 | 135,916円 |
| その他 | 4,257円 | 7,327円 |
高校
| 公 立 | 私 立 | |
|---|---|---|
| 学校教育費 | 343,922円 | 785,289円 |
| 授業料 | 112,296円 | 323,652円 |
| 修学旅行・遠足・見学費 | 32,519円 | 53,723円 |
| 学校納付金等 | 48,165円 | 216,343円 |
| 図書・学用品・実習材料費等 | 36,568円 | 37,414円 |
| 教科外活動費 | 34,648円 | 41,869円 |
| 通学関係費 | 74,804円 | 105,884円 |
| その他 | 4,922円 | 6,404円 |
○学年の学習塾費
平均額
支出した平均額として、中学校は公立52万6千円、私立35万7千円、高校は公立23万7千円、私立で43万3千円となっています。
高校の学習塾費の平均額は私立が公立を上回っていますが、これは私立に通う生徒の進路の大半が大学進学であるのに対し、公立では就職・専門学校など複数の進路があることが考えられます。
中学
| 公 立 | 私 立 | |
|---|---|---|
| 1年生 | 119,632円 | 99,048円 |
| 2年生 | 148,012円 | 106,400円 |
| 3年生 | 258,464円 | 151,387円 |
高校
| 公 立 | 私 立 | |
|---|---|---|
| 1年生 | 50,243円 | 84,112円 |
| 2年生 | 68,064円 | 114,712円 |
| 3年生 | 118,516円 | 233,956円 |
志望校選びは決して容易なことではありません。どの家庭にとっても大きな悩みどころです。志望校選びも受験準備のうちの大きな仕事だと思って、早い段階からじっくり検討しましょう。
○学校説明会・オープンキャンパス・体験入学・学校行事等
近年、私学は生徒獲得のために積極的に情報発信を行っています。受験者もそれをおおおいに活用し、志望校選びに役立てたいもの。
学校説明会は、教育方針や校風、カリキュラムの内容、授業の特徴、入試のねらい(どんな能力を見るかなど教科別の説明)などについて、学校が直接説明を行うための催しです。
実際に学校に行って雰囲気や設備、教師や生徒のようすをじかに見たり、感じたりすることのできる重要な機会となります。
校内見学や受験者対象の部活動参加プログラムを行うなど、学校によってさまざまな説明会を行っています。
またオープンキャンパス、体験入学等、個別相談会など学校を見学・体験する機会も多く設けられています。
たとえば、本郷中学校では、クラブ体験入部ができるオープンキャンパスで保護者は別プログラムで学校説明会を実施。
和洋国府台女子中学校では体験教室として「英会話」「琴」を開催。
川村中学校はオープンスクールとして一日の学校体験を開催、国語・理科・社会・算数の授業体験やクラブ体験ができます。
広尾学園中学校では18時からトワイライト説明会を開催。
自由学園男子部中等科は説明会と同じ日に希望者対象に個別面談も開催。
星野学園中学校では学校説明会のほかに、日・祝日を除きいつでも学校見学ができます。
学校説明会には1,2校行っただけでは学校の特徴・ウリは何なのかが読みとりにくく、他校との比較もできません。最低でも5~6校は回るようにしたいものです。
10校以上回る家庭も多くあります。また、小学4年生から学校説明会へ参加する家庭も少なくありません。
開催時期は早い学校では5月から始まり、入試直前の1月まで行う学校もあります。
9月以降は説明会や文化祭のシーズン。土日を中心に目白押しとなるので早めにスケジュールを組みましょう。
また訪れた学校への通学経路や所要時間、周辺環境などもチェックしておく必要があります。
○大学進学状況を調べる
併設高校の大学合格(進学)実績状況を確認することも志望校選定のうえで大事なことです。
その学校の卒業者数に対して、どの大学に何人合格しているかを調べるようにしてください。
また、国公立を希望するのか私立なのか、学部は医学部かなど、およその将来の進路希望に照らして調べるとよいでしょう。
大学の附属校などの場合は、内部推薦合格状況を調べる必要があります。
内部推薦には、高校在学中の成績が一定水準以上(慶應義塾普通部、成城学園中学校、聖心女子学院中等科、和洋九段女子中学校、日本女子大学付属中学校など)、
高校在学中の成績が一定水準以上で推薦試験に合格した者、あるいはこれにプラスして生活態度、人物も加味するケース(文京学院大学女子中学校、芝浦工業大学中学校、明治大学附属中野中学校、成蹊中学校、玉川学園中学部など)、
高校在学中の成績、素行、出席状況など学校生活にかかわることを総合的に判断(早稲田中学校、早稲田実業学校中等部、立教女学院中学校など)――など、学校により条件が異なります。
また、近年は多くの大学附属校で他大学進学者数が増えており、そうした学校ではそれに対応した進学指導を行っています。
内部合格率の高い学校は、首都圏では慶應義塾大(慶應義塾―日吉―、慶應義塾女子、慶應義塾湘南藤沢、3校とも100%近い)、
青山学院大・青山学院女子短期大(81.1%)、日本女子大(84.8%)、法政大(法政大中87.6%、法政二85.9%)、明治大(明治大学明治中92.7%、明治大学中野75,7%、明大中野八王子80.6%)、立教大(立教池袋89.2%、立教新座83.2%、立教女学院65.7%、香蘭女学校46.6%)、早稲田大(早稲田54.3%、早稲田実業97.5%)。
(以上2008年度データ弊社調べ)
○適性・家庭の教育方針と照らし合わせる
学校が学習の場であることは言うまでもありませんが、生活の場であることも忘れないでください。
その意味で校風が受験生の性格に合っているかを考えることはたいへん重要です。
男子校・女子校・共学校いずれがよいかについても、本人の適性に照らして考える必要があります。
さらに、たとえばミッション系の女子校でも、カトリックは概して面倒見がよく家庭的な雰囲気、プロテスタントは自主自律を重視、比較的自由な雰囲気など、それぞれ校風が異なります。
こうしたことに加え、家庭の教育方針と合致しているかを検討する必要もあります。
本人の適性について考える際、塾や家庭教師の先生などの客観的なアドバイスを参考にするのもよいでしょう。
また学校説明会などに行く目的は、第一にお子様(受験生)の適性や家庭の教育方針と合っているかを確かめることにあります。
加えて、各校の入試の過去問題も参考になります。試験にも相性があるから、自分の受けやすい試験のほうが当然有利ですし、意外に学校と合致していると言えます。
なぜなら学校側は入試によって欲しい人物像(の学力)をシグナルしているからです。
○塾も家庭教師もお子様のタイプと合ったところを
塾を選ぶとき、お子様(受験生)のタイプとしてどの塾が合っているかということも、塾の授業システムや料金等とともに検討する必要があります。
ここでは大手塾とそれ以外の塾について、選ぶ際のポイントを挙げておきます。
大手塾…主要駅周辺に教室を構えアクセスがよく、広範囲から生徒が集まる。母集団が大きいため情報を大量に収集・蓄積できる。大勢の友だちとともに勉強するので励みになる。一方、こうした大集団では萎縮し疲れてしまう子ども出てきます。また、御三家(開成・麻布・武蔵、桜蔭・女子学院・雙葉)などに合格させることを目的としたカリキュラムのため、塾の早いテンポについていかれない子どもも。
小規模・個人塾…長く続けている塾などでは、ベテランの教師がきめ細かく指導する。地元密着型であるため地域の生徒が集まる。大集団で萎縮してしまう子どもも、同じ地域の友だちとなら勉強しやすい。一方、アクセスが必ずしもいいとは限らない。情報量では大手に敵わない塾も多い。
○個別指導塾の利用の仕方
個別指導塾は、1対1で教えるのではなく、多くは生徒約3人対教師1人という形をとっています。こうした塾では大手塾に通っている受験生の復習のサポートも引き受けています。
生徒は自分が使っている大手塾のテキストを持ってきてもかまいません。
苦手教科の対策として個別指導塾を利用するのも一つの方法ですが、どの塾を選ぶかはよく検討する必要があります。
個別指導塾は大学生講師も多く、期待するほどの効果が得られない場合もあります。だから、本人がはじめに体験授業を受けることはもちろん、保護者も個別指導塾の教室へ行って授業のようすを見学しましょう。
○家庭教師の選び方
家庭教師については、まず目的に合わせてどういう家庭教師を望むのかをはっきりさせておく必要があります。
予算、性別、年齢、人柄や指導のしかた(厳しい指導がいいのか、優しい感じの先生がいいのかなど)を検討するほか、曜日や時間帯なども考えて選びましょう。
家庭教師センターを利用する場合は、こうした要望を具体的に伝えましょう。受験対策として選ぶのだから、やはり経験豊かなプロ教師を利用したいものです。
○首都圏大手進学塾…三大塾と呼ばれるサピックス・日能研・四谷大塚について見てみましょう。
・サピックス
「難関校に強いサピックス」として定評を勝ち取っています。復習型の授業スタイル。毎回の授業でその日に使う教材を配布→授業終了時に復習教材配布、帰宅後に各自復習→次回の授業で小テストというサイクルで進める。
進度が速く、教材プリントや宿題が非常に多いので、学力の高い子ども向き。1~2ヶ月に1度クラス替えを実施。
・日能研
復習型の授業スタイル。4・5年生は隔週土曜にカリキュラムテスト(復習テスト)を実施、これと公開模試の結果を合わせてクラス替え、さらにクラスの中で席替えも行い、競争させていく。特に神奈川の難関私立中学校に強い。
・四谷大塚
有名なテキスト「予習シリーズ」に象徴されるように基本的に予習型の授業。平日の授業プラス毎週土日にテストという1週間単位の学習システムをとる。さらに5週に1度の総合テストで理解度を確認、10週ごとにクラス替えを行います。
保護者の授業参観はいつでも受け付ける。「予習シリーズ」は通信販売も行っています。
○大手三大塾に迫る塾
・早稲田アカデミー
早稲田実業・早稲田中学の合格に強いほか、東京の男女御三家の合格実績も伸びています。四谷大塚のテキスト・カリキュラムを共有する“四谷大塚YTネット”の加盟塾で、テキストは四谷大塚の「予習シリーズ」を使用しています。
・栄光ゼミナール
1クラス12人という少人数制が特徴。公立中高一貫校に対応した「進学開発コース」もあります。大手塾の多くが2科目・4科目のパッケージとして科目が固定されていますが、栄光ゼミナールは1科目のみからの受講も可能。
・市進学院
オリジナルのテキスト教材をその日の授業で配り、復習型の授業を進めます。大手塾より3割ほど安い授業料で効率的な学習をうたい、小テストや家庭学習用のプリントで定着を強化していきます。
・希学園
希学園はもともと浜学園(関西の三大塾の一つ)から分離してできた塾。全国最難関校の呼び名も高い関西の雄、灘中学校を目指すカリキュラム。
講義別の綿密な年間計画表に基づいて復習型授業を行います。
毎週の復習テスト、月1の公開テストによってクラス替え。
宿題の電話質問も常時受け付けるなど面倒見のよさも特徴の一つとなっています。
04年より東京へも進出。目黒、たまプラーザ(横浜市)にも教室を持ちます。
このほか地域密着型として定評ある塾をあげると、啓明舎は東京・お茶の水エリアで力を発揮。東京・中野に拠点を置くキャップは首都圏7教室で展開。
川崎市に拠点を置く川崎予備校は地元での知名度がだんぜん高い。
日能研が神奈川エリアで実績を上げるなか、横浜西部に2教室を持つ啓進塾は「麻布に強い」と人気を集めています。
このほか神奈川エリアでは私立中の合格実績が高い中萬学院、CG啓明館、千葉エリアでは東大進学会、大塚進学ゼミナール、埼玉エリアではエデュコなどががんばっています。
○家庭教師
塾で体系的に学び、家庭教師によって苦手教科や弱点部分を集中的・部分的に学ぶといった位置づけで考えるといいでしょう。
大手塾の復習を家庭教師といっしょにやるというパターンが多く見られます。
家庭教師を大別するとプロ教師と学生教師がいます。受験対策用としてはプロ教師が適しています。
家庭教師の探し方として主に、家庭教師センター、知人の紹介・口コミ、インターネット・銀行などでの掲示板――があります。
手っ取り早くプロ教師を探せるのは家庭教師センターですが、授業料は割高になります(「中学受験にかかる費用」参照)。また家庭教師センターを利用する場合、その事務所を直接訪ねて料金等を聞き、センターの質や信用度を確かめてから依頼するかどうかを決めましょう。
○試験日・サンデーショック
男子御三家の開成・麻布・武蔵をはじめ、駒場東邦、早稲田中学校(第1回入試)、女子御三家の桜蔭、女子学院、雙葉、共学校の早稲田実業学校中等部など難関校は例年、東京・神奈川の入試解禁日の2月1日に行われます。
ところが、2009年はサンデーショックの年となります。サンデーショックとは2月1日が日曜日に当った年に、キリスト教系女子校に起こる現象のことで、日曜礼拝を推奨するプロテスタント校の多くが入試日を移動させます。さらに、これに合わせて戦略的に入試日を移動する学校も出てきます。
2009年度入試において2月1日から2日に変更する主な女子校は、女子学院、東洋英和女学院、立教女学院、恵泉女学園、(ちなみに横浜ではフェリス女学院、横浜雙葉、横浜共立)。
サンデーショックによって例年とは異なる併願校の組み方が可能になる一方、他校の受験倍率や難易度などに少なからぬ影響を与え、併願対策で頭を悩ませなくてはならないことにもなります。また、昨年度の入試データが参考にならないケースが多くなります。併願でいえば、女子御三家の「1日=桜蔭、2日=女子学院」の組み合わせが可能になります。また「1日=雙葉、2日=横浜雙葉」「1日=桜蔭、2日=フェリス」といった組み合わせも可能に。
入試回数は、難関校は1回のみですが、多くの学校が3回以上行っています。ただし、回を重ね、後半になるごとに難易度が高くなるため、なるべく1回目で受かるようにしたいものです。
また午後入試が中堅校を中心に広まっています。学校が志願者確保のために実施するようになったもので、難関校の試験が集中する2月1日だけでなく、同じく人気校の入試が多い2日も、午後入試を行う学校が増えています。
例えば、2月2日の高輪(男子校)の算数のみの午後入試は有名。これにより午前―午後と同日併願が可能になりましたが、試験は体力・精神力ともに消耗するもの。併願対策は志望優先順位をよく考えましょう。
ちなみに東京都の国立中学・公立中高一貫校(一般枠)は例年2月3日のみとなっていて、国立中学・公立中高一貫校(一般枠)同士の併願はできないシステムになっています。
○入試教科
・私立
ほとんどの学校が4教科(国語・算数・理科・社会)です。2教科(国語・算数)入試、または4科と2科の選択入試(募集人数も入試の種類によって変わります)を行っているところは少ないが、偏差値40~50代の学校で2教科入試を採用しているケースも見受けられます。
ちなみに2教科入試は倍率が決して低くないことに注意してください。青稜中学校(共学)は4科・2科選択入試で4回実施、うち2回目(2月2日)の入試では4科入試の実質倍率が3.8、2科は15.5。玉川学園(共学)も選択入試で2回実施、うち1回目(2月1日)は4科入試の実質倍率が男子1.7、女子2.0、2科は男子3.2、女子1.5。
明法(男子)も選択入試で3回実施、うち2回目(2月2日)の4科入試の実質倍率2.4、2科は4.0。女子聖学院(女子)も選択入試で4回実施、うち3回目(2月4日)の4科入試の実質倍率3.9、2科は13.0となっています(以上2008年度)。
・国公立
東京都の国立中学は8校あり、それぞれ選抜方法が異なります。たとえば首都圏最難関校と呼ばれる筑波大附属駒場では4教科と小学校の報告書で選抜。
筑波大学附属中学校は小学校の全教科(国語・算数・理科・社会・音楽・図工・家庭)にわたり筆記試験、体育実技を実施。
お茶の水女子大附属中学校は4教科。
東京学芸大学附属小金井中学校は国・算・面接・報告書、
東京学芸大学附属世田谷中学校は4教科と報告書、
東京学芸大学附属竹早中学校は4教科と面接、報告書
といった選抜方法であるため、個別の対策が必要になります。
公立中高一貫校の適性検査は科目別の知識を問うだけでなく、教科横断的に複数の教科を組み合わせたり、活用したりするなど、解く力、考える力が総合的に試されます。こちらも個別の対策が重要です。
・傾向
中学入試で、面接を行う学校は減る傾向で、むしろ、受験しやすい入試(午後入試や算数入試など)にする方向へ向かっていると言えます。
面接は、男子校のほとんどで実施しなくなってきましたが、女子校や共学校ではまだ行われています。
面接は学力試験ほど重視されませんが、ボーダーラインにいるときに、面接が合否判定に大きくかかわることがあります。
また、面接があることによって、受験者に少し負担感を与え、学校側は第一志望層を多く取り込みたいという狙いもあるようです。
・形態と主な質問
面接の形態は、受験生のみ、保護者同伴、保護者・受験生別、受験生のみのグループ面接などがあります。
どの形態の面接でも受験生に共通してよく聞かれることとして、志望動機、得意(不得意)教科、入試の感想、小学校時代の思い出・クラブ活動、入学後入りたいクラブ、趣味・特技、将来の夢、友人関係、家族のこと、小学校での欠席・遅刻の理由、併願校について――など。
こうした項目については、はっきりと答えられるようにしておくとよいでしょう。
グループ面接では、手を挙げて答えさせることもあります。
グループ面接を行っている女子学院では、以上の一般的な質問のほかに、グループ(5人)で自分の小学校自慢をし合う、5つの箱を重い順に並べ中身を想像して発表し合うなど、ディスカッション形式も取り入れていますが、こうした学校はそれほど多くはありません。
・面接のチェックポイント
学校が見るポイントとして、態度や言葉遣い、服装、性格、生活習慣、校風への適性など基本的なことが挙げられます。
ひどく落ち着きがなかったり、いかにもその場にそぐわない格好をしていたりなどの極端なケースを除き、面接で大きなマイナス点をつけられることはありません。だから受けるほうも不安がらず普通に答えるようにすれば大丈夫。
しっかりとした受け答えができるよう練習する必要はありますが、本番で緊張して多少言葉につまっても、それで不合格になることはありません。
保護者同伴の場合も、ごく普通の親子であり、志望の意思をきちんと伝えられれば問題ありません。神経質にならず、普段のときと同じように対応しましょう。
親は子どもの付き添いくらいのつもりでゆとりを持って臨むといいでしょう。お子さんの話を途中でさえぎったり、親子で答えが大きく食い違ったりしないよう注意してください。
・保護者への主な質問
保護者への質問としては、志望動機・なぜその学校を選んだのか、本校の印象、通学経路、家庭での教育やしつけについて、子どもとの会話時間など、親からみたわが子の性格、月のお小遣い――などが挙げられます。
大切なことは、その学校の教育方針への理解や共感を表すことです。キリスト教主義の学校ならば、それへの賛同が必要です。
またカトリックとプロテスタントでは校風が異なります。プロテスタント校のほうがより自主自律を重んじる傾向にあるので、お子さんの適性を考慮に入れて選んだうえ、お子さんにも学校についてあらかじめ基本的な理解を持たせておく必要があります。
・服装
服装は、「ふだんの服装で」という学校が多く、これもことさら気にする必要はありません。一般的な服装として、女子はブラウス・ブレザー・スカート、男子はシャツ・セーター・長ズボン。
ズボンはジーンズなどカジュアルなものは避けたほうがいいでしょう。服装に迷った場合は、その学校の制服を見て参考にするといいでしょう。
母親はグレーや紺のスーツが一般的。父親はダークグレーや紺のシングルのスーツが一般的。父母とも華美な印象でないものがいいでしょう。
・面接実施校
面接のある学校として、東京都女子校は桜蔭(受験生グループと保護者別)、学習院女子、川村、白百合学園、聖心女子学院(以上保護者同伴)、東京女学館、雙葉(以上受験生のみ)、女子学院(受験生グループ)、など。
神奈川女子校は北鎌倉女子学園、湘南白百合学園、捜真女学校、横浜雙葉(以上保護者同伴)清泉女学院(受験生)、フェリス女学院、横浜共立学園(以上受験生グループ)など。
千葉女子校では和洋国府台女子(推薦入試のみ保護者同伴)。
茨城女子校では聖徳大学附属聖徳(受験生のみ)。
東京都男子校はサレジオ、修徳学園(以上保護者同伴)、聖学院(受験生のみ)ほか8校(帰国子弟・特待生・帰国生を対象とした面接が主)。
神奈川男子校は逗子開成(帰国生対象)と慶應義塾普通部(受験生グループ)。
東京都共学校は慶應義塾中等部(一次試験合格者対象。受験生のみと保護者同伴)、自由学園、聖徳学園、成蹊、玉川学園、明星、和光(以上受験生のみ)、明星学園(受験生2名ずつ)、帝京(受験生グループ)、など。
神奈川共学校は慶應義塾湘南藤沢(一次試験合格者対象。受験生のみ。受験生、保護者別)、東海大学附属相模(受験生グループ)など。
千葉共学校は志学館、千葉国際(以上保護者同伴)、秀明八千代、日出学園(以上受験生)、東海大学附属浦安、麗澤(以上受験生グループ)など。
埼玉共学校は浦和ルーテル学院、秀明、聖望学園(以上受験生)など。
茨城共学校は茨城キリスト教学園、常総学院(以上受験生)、北浦三育(受験生・保護者別)など。
・多摩地区を中心に相次ぐ新設校
冒頭で述べたように、2008年の首都圏中学受験者は5万2千人を上回り、5.6人に1人が受験する状況となりました。今後は私学の新設校や校舎移転、共学化、公立中高一貫校の新設などが相次ぐことから、中学受験の動きはさらに活発になっていくでしょう。
私学の新設校としては早稲田大学高等学院の中学校(男子)が2010年に練馬で開校、中央大学附属中学校(共学)が小金井市に2010年に開校。
学校移転・共学化等では法政大学の附属中学校(男子校)が2007年に三鷹市に移転し、共学の法政大学中学高等学校を開校。また明治大学附属明治中学校(男子校)が2008年に調布に移転、同時に共学となり、人気が更に上昇しています。
公立中高一貫校では、2010年開校予定として、母体が都立富士高校(中野地区)、都立大泉高校(練馬地区)、都立南多摩高校(八王子地区)、都立三鷹高校(三鷹地区)。
こうしてみると、特に多摩地区で激しい変動が起きていることがわかります。今後は私学をふくめ多摩地区の受験分布図に大きく影響していくでしょう。
また公立中高一貫校の誕生により、私学の入試スタイルも変化することが予想されます。公立中高一貫校の自ら考え自ら解決する力を総合的に見る適性検査が、私学入試のあり方に影響を与え、適性検査入試を取り入れる私立中学も出始めることでしょう。
・難関私立校・中堅校の動向
難関私立校の人気は今後さらに高まり、私学は二極分化も予想されますが、ではその分中堅校は入りやすくなるのでしょうか?
実際は、はっきりと教育の特色を打ち出している中堅校は入りにくくなっています。たとえば女子校の品川女子学院(28プロジェクト)、三輪田学園(読書指導)、共学の広尾学園(生徒個人別の学習システム)などは近年急速に受験実質倍率が伸びており、狭き門になってきています。
学校は偏差値だけでは計りきれない教育の価値や独自性、文化を有しているものであり、それを発揮した私学は人気が高まっていくでしょう。