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雲雀丘学園中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(雲雀丘学園中学校の特色のある教育 #1)

「本物の学び」を通じて、夢をみがく、可能性をみがく

語学研修、大学や研究機関との連携などさまざまな分野の体験学習から「本物の学び」を実感させ、得意分野を伸ばして社会で活躍できる個性をひきだす雲雀丘学園の教育とは?

雲雀丘学園が目指す教育とは /景浦 正二 校長先生のお話

本校が目指しているのは「本物の学び」です。人間の土台を築く大切な中学・高校の時期に、進学のためだけではなく、学ぶことの大切さ、おもしろさを知って、自ら一歩進んで学びを深める姿勢を養ってほしいと願っています。
学びの基礎を築くことはもちろん大切ですが、そこからぐっと一歩踏み込んだ深い学びの本質を掴み、学びのモチベーションをあげて、もっと先へ進んでみたいと思えるような気づきを持ってもらいたいと思います。社会に出てから活躍できる人間になれるよう、中学・高校時代で興味をとことん突き詰めていける基礎をしっかりとつくるべきだと思います。そのために、この6年間にさまざまなものに触れ、体験できる場を与え、興味への入り口を自分で見つけていく手助けをしたいと考えています。

本校では平均的な人間に育てるのではなく、生徒それぞれの個性を伸ばし、とがった人間に育てたいと思っています。そのために、まずは自分の得意な分野を見つけてほしいです。生徒たちがこんなことをやってみたいと思えるような機会を教育課程を外れた放課後の時間に設け、追求させたいと考え取り組んでいます。子どもが本来持っている力を引き出すのが「本物の教育」だと考えています。得意分野を伸ばし、社会に出てからも活躍できるよう、個性、特徴を持った人間に育ってほしいです。
たとえば、昨年は科学技術、理科、数学に関する観察、実験、実習などの体験的・問題解決的な学習活動を支援するSPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)に採択され、近畿大学が研究するマグロの完全養殖から「日本の食糧を守る〜水産資源の確保〜」について、醤油の町として知られるたつの市で「醗酵から学ぶ食品の科学」について、中学1・2年生が体験学習を行いました。大学3回生で学ぶような授業を体験し、生徒たちも興味津々で取り組んでくれ、大学進学後の学びについて考えるきっかけになったようです。今年は物理・科学・生物分野での取り組みが動きつつあります。
4年制大学を卒業してもなかなか就職先が決まらない昨今の社会状況の中、大学へ進学することだけが学びの目的であってはいけません。大学進学がアドバンテージにはならない世の中だからこそ、大学卒業後の先を見据えた進路指導をしていかなくてはならないと考えています。

今年度のキーワードは「融合」です。突き詰めてみれば理系でも文系の要素は必要になります。研究発表などの論文はみな英語で発表されていますし、理系だからといって英語が全くできなければ、世界で活躍する研究者にはなれません。逆も同じで、英語力だけがあっても何を伝えたいのかという基になるものがなければなりません。何を発信したいのかという本質的なものがなければ、英語力も発揮できないでしょう。入り口は興味関心であっても、つきつめていけば、あらゆる要素が絡み合って学びは成り立っています。そのため、文理融合の観点を大切にしています。

景浦 正二 校長先生

人間力を養う学校活動について

グローバル化、国際化にも早くから取り組んできました。
中学2・3年生の希望者で実施しているカナダ・プリンスエドワード島への研修は過去に10回、延べ300人が参加しており、今年は50名を超える希望者が出ています。参加前には行き先の文化や歴史を調べる学習も行っていますし、戻ってからは成果の振り返りも行っています。この研修では語学力の向上はもちろん、自立も1つのテーマにしています。1週間のホームステイで「もっと勉強して語学を習得すれば、現地で知り合った人たちへもっと上手に感謝の気持ちを伝えることができるのに」という思いが芽生え、帰国後は語学力を磨くために勉強に励むようにもなります。この気持ちが「本物の学び」に繋がる大事なことだと思うのです。この研修に参加した経験は生徒たちの日常の過ごし方を変える良いきっかけとなっています。語学の壁を乗り越え、自分で判断して行動する経験をしたことで、責任感が芽生えリーダーとして人を引っ張っていける生徒に育ってくれています。
また、沖縄の伊江島は中学生、北海道の道央でのファームステイは高校生全員が参加します。親元を離れた普段とは違う生活のなかで、自分と親、他人のことをじっくりと考える機会が持てます。このような学びの機会は、思春期にはとても大切な教育だと思って取り組んでいます。

勉強と部活動をしっかりと両立している生徒が多いのも本校の特徴でしょう。高校から入学してきた生徒にも、できるだけクラブ活動に参加することを勧めています。勉強だけではなく、ほかのこともしっかりと頑張り抜く力を養い、両立するためにメリハリを効かせて取り組んでいくことが、どちらの成績も伸ばす秘訣だと思います。実際に、進学実績が上がると同時に、クラブ活動の実績も伸びています。囲碁で全国チャンピオンに輝いた生徒は、阪大に現役合格しています。運動部でもサッカー部で選抜チームにいた生徒は京大へ、野球部や剣道部からは阪大へと進学を決めています。中高生の時代は持っている力をどのように使うかと考えるのではなく、二兎も三兎も追って、力をぐんぐん伸ばしていってほしいです。部活動での経験もまた、人間力を育てる大切な要素だと思います。

学校改革と同時期にスタートさせたのが環境教育です。人間力と学力を兼ね備えた社会で活躍するリーダーを育てたい。そのために学校を変えよう。その柱として特に自分たちの生活そのものを支える環境を見つめ直し、自分自身の生き方もしっかりと考えていこうということで始めた取り組みです。授業時間を削らず、従来の学校行事に環境教育のエッセンスを採り入れるようにしてスタートさせました。
中学1年生では北雲雀きずきの森で、里山保全体験を実施しています。
中学2年生で実施している大山での林間学舎では、サントリー天然水奥大山ブナの森工場の協力を得てブナの森に湧く良い水について学びます。
中学3年生では沖縄でのファームステイと合わせて平和学習を行うほか、沖縄特有の亜熱帯植物や珊瑚の問題について、琉球大学に協力いただき学ぶ機会を設けています。
また、身近なところでは環境活動を全校生徒に提案する環境大使を希望者から募り、クラブ活動のような感覚でさまざまな活動に参加してもらっています。
2005年の愛知万博で開催された子ども環境サミットに、本校の中学生が参加したことがきっかけで始まった本校の環境教育ですが、現在では環境フォーラムを毎年6月に開催するなど、定着してきました。この環境フォーラムでは環境大使の生徒が主体となって、司会も運営も生徒たち自身が行い、それぞれが1年間で学んだことを発表する場となっています。
高い人間力を身につけてもらうための取り組みとしてはじめた環境教育。現在北欧へ留学し、森林について学んでいる卒業生がいるのですが、この生徒は「私の研究の原点は中学2年生のときに参加した愛知万博の環境サミット。この経験があるからこそ、いまの自分がある」と言ってくれ、本校の環境教育の成果がしっかりと形になって育ってくれていることに教員一同、大変嬉しく思っています。

大学や研究機関との連携について

「本物の学び」を生徒たちに実感してもらうために、鳥取大学、徳島大学、名古屋大学などの協力を得て、大学での本格的な研究体験ができるサイエンスキャンプを夏期休暇中に2泊3日で行っています。対象は中学3年生から高校2年生の希望者で、自分の興味関心のある分野について、大学の先生にしっかりと研究指導をしていただきます。今年で3年目になりますが、毎年約20名ほどの生徒が参加しており、生徒たちの興味の幅を広げるよいきっかけになっています。この取り組みを始めてから医学部志望の生徒が年々増えてきています。
偏差値から大学を決めるのではなく、「こんな研究ができる大学へ行きたい」と思えるような体験を、多感なこの時期に積み重ね、この大学へ行くためには、どんな学習が必要なのかを考えられるようになってほしいです。

今年は理系だけでなく、文系分野として同志社大で発掘に関わる研究体験型教育プロジェクトも組んでいます。

大学との連携によるサイエンスキャンプ

高校2・3年生を対象にサントリー生物有機化学研究所にて、月曜〜金曜までの5日間連続で研究者に付きっきりで指導をしていただく、最先端科学実験教室・研究者体験も実施しています。参加によって教科書だけではわからない実験の楽しさと大切さを実感したという生徒は、在学中に「日本生物学オリンピック」本選で銅賞を受賞。アトピー性皮膚炎を研究する医学の道を志したいという思いを高め、広島大学の医学部に現役合格しています。生徒のモチベーションをあげさせる「本物の学び」が、しっかりと根付いてきている証だと思っています。

最先端科学実験教室・研究者体験(サントリー生物有機化学研究所)

学校改革について

行きたい進路へ進んでいける実力を付けることを目的に、よりきめ細やかな指導をするため2007年に高校で、2008年に中学でコース制を導入し、学校改革を行いました。東大、京大、阪大などの超難関国立大学を目指し、中高6年間を同じコースで学ぶ「一貫選抜コース」と、高校から選抜特進・特進の2つに分かれる「発展コース」の2コース制です。このコース制導入により、生徒一人ひとりが早い段階から大学受験に備えた明確な進路目標を持つことで、国公立大学合格者率は右肩上がりで伸びています。今年は現役で3割が国公立大学へ進学しています。
本校の一貫選抜コース、発展コースはどちらのコースでも同じことを学べるカリキュラムを組んでいます。ただ、違うのはスピード。電車に例えるならば急行か各停かの違いだけです。目指すゴールはどちらのコースでも一緒だという考えで取り組んできたことで、レベルの差がなくなりました。伸ばす先は一緒という姿勢で取り組んで来た成果はしっかりと出ています。

今後の学校改革の展望について

どちらのコースもレベルがどんどん上がって来ている状況で、一貫選抜コースと発展コースの合格基準点の差はどんどん縮まってきています。以前は30点くらいの開きがあったのですが、いまは7点くらいにまで接近しています。元々、このコース制の導入は子どもの力を伸ばすことが目的でした。一貫選抜コースと発展コースの力が近づいてきたいま、学校改革は次のステージへと進める時期だと考えています。そこで、2015年度の募集ではコース制をなくし、一貫選抜コースのみで行う予定です。
英数で行っていたパワーアップゼミはもっと科目を増やし、今後はコースがなくなるので中学でも導入していきたいと考えています。また、6年間という中高一貫教育ならではのゆとりを活かして一貫選抜コースで採り入れていた、「探求」の授業はさらに分野を増やしていきたいと思っています。

そして、学校でやらせる学びのスタイルを、自分で予習をし、学校ではもう少し深い学習を行うというスタイルに変えていくことで、学びの時間数を増やさなくとも大丈夫なようにしていきたいと思っています。そのためには質の高いよりすぐられたカリキュラム編成を基に、とがった研究、講座などをプラスしていけるようにしたいと考えています。
これからはますます、生徒が自分で課題を見つけられるようになることを目指さなければいけないと思います。

目指す生徒像は?

やらされることから自ら進んでやる学びを追求する生徒集団、やってみなはれ精神で実践力旺盛な生徒集団、生徒活動などを通じて自治力に富んだ生徒集団になってもらいたいと思います。

自分でやってみたいと思ったことは、強制されてやらされることよりも粘り強く取り組むことができると思います。中高6年間の間に、やりたいことを大いにやってほしいと思います。

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