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受験の基礎知識

中学校選びや入試に役立つ受験の基礎知識

中学男子校の御三家とは

中学受験の世界に足を踏み入れると必ず耳にする言葉、「御三家」――今回は、東京大学の合格実績を誇る男子伝統校、開成・麻布・武蔵の三つの学校について紹介しましょう。
そもそも御三家とは、江戸徳川将軍家の一族で、尾張徳川・紀州徳川・水戸徳川を指す言葉です。ただ、中学受験でこの用語が使われるようになったルーツは諸説あり、正確にはわかりません。

ちなみに、女子御三家とは、桜蔭・女子学院・雙葉の三校。

 

開成中学校

所在地 東京都荒川区西日暮里(山手線・京浜東北線・東京メトロ千代田線西日暮里駅より徒歩2分)
創立年 1871年  

創立者 佐野鼎
生徒数 905名(21クラス) 

高校での外部募集 100名

 

建学の精神・校風
校名の「開成」とは、中国の古典『易経』に記されている言葉が由来で、「開物成務:人間性を開拓、啓発し、人としての務めを成す」という意味です。この校名が教育理念そのものであり、めざす生徒像です。学校では建学の精神として「開物成務」はじめ、「質実剛健」「自主自立」「進取の気性と自由の精神」、「ペンは剣より強し」を掲げています。校風は自由闊達。

 

学びの特色
英数国社理の主要各教科は独自カリキュラムの授業を実施し、教員手作りの自主教材・プリントを多用した授業を行います。教科書や学年の枠にとらわれず、幅広く、深く学び、創造性や思考力、活用力を高めます。レポートや論文など書く機会も多く設けています。生徒の自主性の尊重を基本方針とし、習熟度別授業やコース分けは行いません。高校では大学受験のための演習授業や、進路に応じた選択科目を豊富に設置しています。

 

大学合格実績
2015年度は、東大185名で全国トップの不動の座を守り続けています。

京大10名、一橋大・東工大・旧5帝大*は34名、国公立大学は312名、早慶上智は43名、GMARCH*は61名、医学部は153名(卒業者数398名)。
また近年の大きな特徴として、海外大学の合格者・進学者が伸びていることも見逃せません。2015年度は、Harvard University(英)、Boston University、Bucknell University、U.C.L.A.、Wesleyan University、University of California,Irvine、Colorado College(以上米)、北京大学(中)など17大学に計17名が現役合格、うち6名程度が進学しています。学校として海外進学ガイダンスや、海外大学からの出張授業の実施など、進学希望者を後押ししています。本格的なグローバル社会を目前に、日本の学校教育において私学、公立を問わず海外大学への進学が新たなテーマとなりつつあります。その先陣を切るのも、やはり開成であるようです。

※旧5帝大:北海道大学・東北大学・名古屋大学・大阪大学・九州大学。
※GMARCH:明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学・学習院大学。
※国公立大学は大学校、準大学含む。

 

2015年度の入試結果
募集人員 300名
志願者数 1222名
受験者数 1171名
合格者数 395名
実質倍率 3.0
偏差値 72(四谷大塚偏差値。以下同)

 

入試科目
国語 50分・算数 60分(各85点)・理科 40分・社会 40分(各70点) 合計 190分 310点。合格最低点は223点。受験者は例年1000人超で、7割強の得点を狙わないと合格できない超難関校です。

 

麻布中学校

所在地 東京都港区元麻布(地下鉄日比谷線広尾駅より徒歩10分ほか各線の麻布十番駅、六本木駅より徒歩15分)
創立年 1895年  

創立者 江原素六
生徒数 913名(21クラス)
高校での外部募集 なし

 

建学の精神・校風
「自主・自立」を建学の精神として、仲間を大切にしながら豊かな人間性を育むことを理想の教育に掲げています。校風は自由闊達。基準服はあっても基本的に服装は自由です。一人ひとりの自主性を尊重し、学業も行事も部活もすべて生徒主体で行い、自ら努力、協力することが麻布の伝統です。

 

学びの特色
独自のカリキュラムで、教員手作りの教材を用いて基礎をしっかりと身につけたうえで、高度な学びへと進みます。進度も速く、中2・中3で高校の内容に入ります。入学試験から卒業まで一貫して「書かせる」教育を重視し、各教科でレポートなどに取り組みます。国語では中3で共同卒業論文を課しています。土曜日の「教養総合」の授業では、学年や教科の枠を超えたテーマで数十に及ぶ講座を設置。教員や外部講師が担当し、生徒は興味・関心に合わせて選択します。

 

大学合格実績
2015年度は、東大88名で全国トップ3の地位を誇ります。京大も堂々の15名。開成はじめ首都圏上位校の東大志向に対し、例年京大にも多く合格者を出している点にも、麻布の「自由闊達」の精神がうかがえます。国公立はこのほか一橋大18名、東工大16名など。私立大学は早稲田大154名、慶應義塾大134名、東京理科大54名、上智大15名。医学部は北海道大、千葉大、東京医科歯科大、筑波大、東北大、大阪大、信州大、山梨大、岐阜大、浜松医科大など(以上国公立)、日大、東京医科大、慈恵医科大、昭和大、順天堂大、日本医科大、聖マリアンナ医科大、獨協医科大(以上私立)など(卒業生者数295名)。

 

2015年度の入試結果
募集人数 300名
志願者数 916名
受験者数 895名
合格者数 387名
実質倍率 2.3
偏差値 67

 

入試科目
国語 60分・算数 60分(各60点)・理科 50分・社会 50分(各40点) 合計 220分 200点。合格最低点は118点。2013年に新校長・平秀明先生就任により校長若返りを経て、受験者数が大きく伸びています。

 

武蔵中学校

所在地 東京都練馬区豊玉上(西武池袋線江古田駅より徒歩7分、西武有楽町線新桜台駅より徒歩7分)
創立年 1949年  

創立者 根津嘉一郎
生徒数 522名(12クラス)
高校での外部募集 なし

 

建学の精神・校風
建学の精神として「武蔵の三理想」を掲げています。「東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物・世界に雄飛するにたえる人物・自ら調べ自ら考える力ある人物」――この「三理想」のもと、本物に触れ、自ら考え自ら学ぶ活動、国際交流など時代を先取りする教育を行っています。質実剛健で自由な校風です。

 

学びの特色
開成や麻布の生徒数900人規模に対し、武蔵は500人。少人数教育が大きな特色です。きめ細かく、かつハイレベルな教養教育を実践できるのは少人数ならでは。英語は創立以来クラス2分割の少人数授業、中学理科の実験・観察も同様。中3の社会はクラス2分割でゼミ形式により、卒業研究に取り組みます。第二外国語も伝統の教育です。中3以降でドイツ語・フランス語・中国語・韓国朝鮮語を設置し少人数授業を行います。期末試験後の特別授業では、教科の枠にとらわれず、楽しく知的好奇心をかきたてるテーマで学びます。

 

大学進学実績(合格実績は非公開)
2015年度は、国公立大は東大27名、京大7名、東工大5名、一橋大11名、北海道大4名、東北大7名、大阪大3名、東京医科歯科大2名、国公立大計92名。私立大は早慶上智44名、東京理科大2名など。医学部は、国公立大15名、私立7名(卒業生数168名)。
海外大学への進学指導にも力を入れ、海外進学担当としてネイティブ教員を配置しています。海外大受験の情報収集、海外大の入試広報者を招いての進学ガイダンス、出願書類等の準備支援などきめ細かくサポートします。武蔵大学との高大連携も活かし、大学で行われる留学準備講座や、提携先のテンプル大学ジャパンキャンパスにて行われるサマースクールを受講できます。海外研修制度も充実し、5カ国十数校に生徒を派遣しています。さらに、海外進学奨励金制度も魅力です。海外大に直接進学した生徒に上限300万円を、海外大進学をめざす生徒に上限100万円を給付します(ともに審査あり)。2015年はカピオラニ・コミュニティカレッジ(ハワイ)に1名進学。今後の海外進学動向が期待されます。

 

2015年度の入試結果
募集人員 160名
志願者数 531名
受験者数 519名
合格者数 185名
実質倍率 2.8
偏差値 62

 

入試科目
国語 50分・算数 50分(各100点)・理科40分・社会40分(各60点) 合計 180分 320点。合格最低点は188点。

 

以上、男子校御三家は、紛れもなく日本のトップ校であり、伝統校であり、それぞれが揺るぎない信念のもとプライドを持って教育を行っています。そうした共通点を持ちながらも、校風や雰囲気は当然異なります。学校の立地環境も校風に少なからぬ影響を与えます。各ご家庭で、ご両親がお子さんの偏差値だけでなく、個性・適性をよく考え、手助けしながらともに学校選びを進めてください。

 

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