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私立中学

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うえのがくえん

上野学園中学校 

スクール特集(上野学園中学校の特色のある教育 #1)

上野公園でフィールドワーク!独自のアクティブラーニングで成長する生徒たち

台東区にある唯一の私立中学校。地の利を活かし、上野公園で独自のフィールドワークを展開しています。3年目の成果を取材しました。

疑問を出し、仮説を立て、調査、検証、発表。考える力を磨く「思考・探究サイクル」

上野学園のアクティブラーニングは「疑問→仮説→調査→検証→整理→発表→評価→疑問~以下同」という思考・探究サイクルに基づき、行われます。まずは、週1回、フィールドワークに出掛け、「疑問~整理」までを繰り返すところからスタート。先生からは何度もチェックが入り、生徒たちは鍛えられていきます。そして、学期の終わりにまとめとして「発表→評価」の時間をとります。中学1年次は、動物園や博物館をめぐってのサイエンスプログラム。比較したり、特徴を発見したりしながら調査内容をまとめ、発表までの流れをつかみます。中学2年次では、上野公園の魅力と課題についてのソーシャルプログラムに取り組みます。さらに中学3年で卒業研究と、段階を踏んで進みます。 今回取材したのは、中学2年生の「発表→評価」の時間。1学期に行った「上野公園の魅力と問題点」について調査内容をまとめ、学年全員の前で5分間の発表を行うというもの。男女5人程度、6つの班に分かれており、テーマはそれぞれの班が決定。高齢者、外国人、若者など、ターゲットを絞った調査から「遊べるスポット」といった楽しげなテーマまで内容は多彩です。3分の質疑応答でも、次々と手があがり、積極的。最後に、2分の評価時間があり、それぞれの発表について自分の言葉で考えをまとめます。

コミュニケーション能力や、挑戦心も身につく

それぞれの発表は、「仮説」に基づいています。たとえば「外国人にとっての魅力は、成田空港からのアクセスがよいこと」という調査では、上野公園にいる外国人10人に直撃インタビュー。「英語がわからないときは、何度もお願いした」と、大人でも勇気のいることに挑戦。トライそのものにも大きな意味があると感じました。また、仮説が実証されなかった場合も、きちんとその理由を説明。生徒たちが、論理的な思考や説明に慣れているのも印象的でした。 模造紙によるレイアウトは、それぞれに特徴があり、カラフルで見やすく、見やすさを考慮している点が印象的。一生懸命考え、調査してきた苦労も伝わってきました。生徒たちは、ここからまた新たな疑問を抽出し、2学期にまたステップアップしていきます。次の発表も、楽しみになりました!

クリティカルシンキング科主任 竹澤陽介先生に聞く

このプログラムにどんな狙いがあるのか。クリティカルシンキング科主任・教務部主任の竹澤陽介先生に、目的や成果を伺いました。

竹澤陽介先生

Q:このプログラムをはじめたきっかけは?

竹澤先生:3年前の創立110周年にあたり「どんな生徒を育てたいか、何ができる子に育てたいか?」を教員間で真剣に話し合った末、このプログラムに行き着きました。合格実績という数字にこだわるのではなく、考える力を持ち、グローバル社会を生き抜く力のある人材を育てたいという思いです。

Q:思考・探究サイクルの狙いを教えてください。

重視しているのは「疑問→仮説」の部分です。中学生はまだ、主観的に物を見る年齢。たとえば「バクはおとなしそうだから、草食動物だろう」といった風にです。そこでまず、中1では、疑問を生み出すことにこだわります。そして中2で、主観や思い込みではなく、客観性を持つよう指導します。国語の教科とも連携し「ファクト(事実)」と「オピニオン(意見)」を区別するよう丹念に教えていきます。

Q:「疑問出し」の練習は、どのように行うのですか?

「亀の子マップ」「グラフィックオーガナイザー」と呼ばれる手法を用い、頭の中の考えを紙にまとめていきます。ただ調べるのではなく、疑問を生み出す。当たり前と思っていたことを、当たり前ではなくしていく。何度も繰り返し練習することで、疑問が洗練されていきます。

Q:中2の1学期では、何を重視しますか?

中2の1学期では、正当性、論理性を教えます。まず、各班10個以上の仮説を立て、根拠や客観性を基準に、3~4個に絞っていきます。上野公園に調査に行ったり、インタビューをしたりし、思い込みとわかれば、その仮説は捨てます。1か月をかけて、仮説を練り直していきます。人を説得できるのは、きちんとした調査結果であることも伝えます。再調査することで、仮説が補強され、整理されるのです。 教師からたくさんのダメ出しをされ、挫折も味わいます。そこで諦めないことが、自信に つながります。そうするうちに「自分たちで納得できない」と感じて「再調査したい」「10人にはインタビューしたい」と、自ら申し出てくる班もあるんですよ。 なかには調査が未熟なこともありますが、1学期は正当性、論理性の基礎を習得することを重視。発表のスタイルも自由で「自分で考えて」と、生徒たちの自主性にまかせています。

Q:中2の2学期は?

2学期は、遠足で鎌倉に行きます。鎌倉は一度しか行けないので、事前調査、疑問、仮説立てはしっかり練り込みます。一度でものにする努力も、生徒にはいい経験ですね。 以前は、行事とフィールドワークは別々という考えだったのですが、今は、同時にフィールドワークも行える行事は一緒にとらえていくようにしています。

Q:そして、3学期は?

3学期は、いよいよPBL学習(問題解決型学習)に入ります。1学期は5人、2学期は3~4人、3学期は2人1組のペアと、次第に人数を減らしていきます。中3では1人でプレゼンをしますので、そこに至る過程を意識しています。 ただし2年の段階では、グループの意義も大切にしています。助け合い、時に邪魔し合い、いいところも悪いところもわかり合う。“葛藤”をさせるためのグループ構成です。

Q:外部の大人にインタビューするのは、大変そうですが。

生徒たちは、最初こそモジモジしていますが、そのうち一人でどんどん声をかけられるようになります。 また、我が校は入学時の成績順でA組、B組に分かれているのですが、A組がリーダーシップをとるかと思いきや、コミュニケーションがうまく、取材で引っ張るのは、B組の生徒が多かったりします。発表が上手なのは、A組のほう。それぞれ得意なところを引き出し合うことで、いい影響を与え合っているなと思います。 特にB組にとっては、自信がつき、意欲につながります。今の時代は、ペーパーだけの学力ではない。そういったことを意図し、AB混合のグループ編成で行っています

Q:生徒たちも、すごく成長しそうですね。

フィールドワークで体を動かす分、記憶に刻まれるプログラムなんです。今の中学3年生が、中1からプログラムに関わった最初の代で、現在、卒業研究に取り掛かっています。本当に、いろいろな面で成長していますね。たとえば、仮説の段階で評価まで見通し「これではダメだ」とやり直すなど、サイクルを考えることができるようになりました。 私が一番感動するのは「お互いのことをきちんと見よう」という姿勢がどんどん出てくる点です。自分ができることをやろう、相手が求める言葉掛けや行動をしようという協力姿勢には、驚かされます。自分のことだけでなく、グループとしてどうか、考えられるようになるのも、大きな成長です。 また、3年のPBLの発表は達成感が非常に高く、終わって泣く生徒までいます。自分自身をさらけ出し、ぶつかり、葛藤しながら、みんなで同じ壁を乗り越えていく。部活動と同じ感覚なのでしょうね。

Q:素晴らしい取り組みですが、今後の目標は?

正解のないプログラムなので、毎週会議を開き、話し合いながら、よりよい形をめざしています。おかげで、教員同士のコミュニケーションがより活発になり、協力体制も高まっています。今後も、ブラッシュアップしながら、続けていきたいと思います。

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