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されじあんこくさいがくえん

サレジアン国際学園中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(サレジアン国際学園中学校の特色のある教育 #4)

上智大学との連携、デュアルディプロマの導入等21世紀型教育を推進

2022年、星美学園から校名を変更し、共学校となったサレジアン国際学園中学校高等学校。現在の教育活動や今後の取り組みについて、募集広報部部長の尾﨑正靖先生に話を聞いた。

21世紀に活躍するために必要な「考える力」を強化

2022年度、同校は「21世紀に活躍できる『世界市民』の育成」を教育目標に掲げ、新たなスタートを切った。2年目となった今「私たちは、“21世紀は激動である”ということをより認識するようになりました。そういう時代だからこそ『考える力』をつけることが必要であり、教育プログラムでも『考える力』の強化に力を入れています」と尾﨑先生は言う。

「特に論理的に考えることを大切にし、今年度からはロジカルシンキングのメソッドを中学から導入しています。本校の特徴であるPBL型授業*に加えて学年集会や委員会、クラブ活動などにもロジカルシンキングのフレームワークを取り入れ、学校生活全般で『考える力』の育成を図っています」

「このような教育活動は説明会などでも話しており、それに賛同をしてもらえているのか、本校の入学生は、本科クラス、インターナショナルクラスに関係なく、自分の意見をしっかり言える子が多いです。授業中も積極的に発言し、PBL型授業では活発な議論がされています。なかには人前で話すのが苦手という生徒もいますが、アクティブ・ラーニング型の授業を経験していくうちに慣れていきますね」

*PBL型授業(Project Based Learning)…1つの正解のない課題に対して、生徒が主体的に最適解を構築していく学び。トリガークエスチョンを投げかける→個人で最適解を構築→グループでディスカッション→グループの結論選択→プレゼンテーションというプロセスを経る。

▶︎募集広報部部長 尾﨑正靖先生

本科クラスでは、4学年が一緒に学び合う「ゼミナール」の活動が始動

同校の本科クラスは、PBL型授業を軸に主体的に考え発信することを重視し、その過程を通じて論理的思考力や創造力、言語活用力の育成を図っている。また、生徒が興味関心のあるゼミナールを選択して、探究活動を行う「個人研究」を実施している。

現在、開講しているゼミナールは「文藝批評・文化論ゼミナール」「Math-Lab~数楽研究室~」「プログラミングゼミ」「理論物理学研究室」「E研」「野生生物研究室」「クラブヒストリア」「entrepreneur(アントレプレナー)養成講座」の8講座。毎週金曜日の5、6、7校時に中2~高2の生徒が集い、大学のゼミナールのように学び合いをしているという。

「2023年度より、目指していた4学年によるゼミナール活動がスタートしました。中2~高2の生徒が同じ文献を輪読したり、一緒に実験をしたり、また、昨年から個人研究に取り組んでいる高2の発表を下の学年が聞いて、質問や議論をしたり、各ゼミナールのやり方で活動しています。そして、高校2年生は最後に、研究の集大成として論文を執筆します」と尾﨑先生は説明する。

「今年、一番人気だったゼミナールは、環境問題やエネルギー開発について研究する『E研』でした。おそらく小学生の時からSDGsの勉強をしていることも理由の一つでしょう」。なお尾崎先生は「entrepreneur養成講座」の指導教諭である。

ゼミナールは、実験の仕方など研究に必要なスキルや基礎知識などは担当の教員が指導するが、それ以外は原則、生徒主体で活動する。また、企業やNPO団体などとも連携を図り、例えば「E研」では、海洋プラスチックを使ってキーホルダーを作る取り組みでNPO団体とコラボレーションしたりもしている。

さらに、この10月、同校は上智大学と高大連携協定を結んだ。本科クラスは、上智大学の研究室とゼミナールでコラボして研究活動を行う予定だ。早ければ今年度の開始を目指しているという。

インターナショナルクラスでは、デュアルディプロマプログラムの導入が確定

インターナショナルクラスは、英語習熟度別にアドバンストグループ(AG)とスタンダードグループ(SG)の2つのグループで授業を展開している。ホームルームはAGとSGが混在し、外国人教師と日本人教師のチームで担任、副担任を務め、基本的に英語でクラス運営をしている。

インターナショナルクラスについて尾﨑先生は「AGは英語、数学、理科、社会のイマ―ジョン教育がしっかり実現されています。英語の先生が数学を教えるのではなく、専門分野を持つ外国人教師が英語を使って指導するので、英語と専門分野の両方を習得することができます。SGはオールイングリッシュの授業を行っていませんが、1年間で飛躍的に英語力が伸びています。朝終礼は英語で行いますし、日本語があまり得意ではない外国籍の生徒や帰国生などが、英語を日常的に使っていることも大きいと思います」と話す。

英語力の向上はGTECのスコアにも表れ、昨年度のSGの中1生は、1年間でスコアが平均200ポイントアップしたという。「なかには350ポイント伸びた生徒もいて、実質、英語検定3級から準2級へレベルアップしたと言えます。特にスピーキングの力がみんな伸びていますね」(尾﨑先生)

今後インターナショナルクラスでは、高校課程にデュアルディプロマプログラム(DDP)を導入することが確定している。DDPとは、国内の学校に通いながら、海外校のカリキュラムも同時に学び、2つの国の卒業証書(デュアルディプロマ)を取得できるプログラムのこと。最大のメリットは、海外大学の進学がしやすくなることだ。同校には世界97カ国に姉妹校があり、現在はどの姉妹校とDDPの提携をするか調整中で、2026年度に開始する予定だという。

自分の考えを伝え、互いを認め合う学校づくり

同校は、インターナショナルクラスだけでなく、本科クラスにもインドや韓国、バングラデシュ、中国など、外国籍の生徒が在籍し、さまざまなバックグラウンドを持つ生徒が共に学んでいる。「まさに国際学園という名にふさわしくなってきました。こうした環境を生徒も自然に受け入れ、肯定的に捉えているようです」と尾﨑先生は言う。

「本校は学園祭で、中1全員に『サレジアンでの6年間をどう過ごすか』というテーマでプレゼンを課しているのですが、その準備段階で生徒が学校について書いているものを見ると『多様性のある環境がいい』『自由で開かれている』『互いの個性を認め合っている』『みんなが自分らしくいられる』といった感想を持っている子が多くいました」

また、中1生にプレゼンを必須化していることについて尾﨑先生は「21世紀で活躍するには、考える力に加え、自分の意思を伝えることも重要です。そこで、まずは教育目標である『21世紀に活躍できる世界市民はどういうものか』を各自に想定させ、それぞれの解釈をもとに『自分はこういう人間になるために、こんな6年間を過ごします』という意思表示を1人8分間行うことにしました。今は本番に向けて練習をしているところですが、ほとんどの生徒が自分の考えを持ち、プレゼンもできています」と話す。

2026年に新校舎が完成。海外姉妹校との交流を促進

同校は、上智大学との高大連携、デュアルディプロマプログラムの導入のほかにも、今後の取り組みとして、海外姉妹校との交流を再開、促進していく予定だ。

「2024年3月には、星美学園の時から行っていたフィリピンの姉妹校との交流を再開します。サレジアンは教育及び社会事業に従事している修道会なので、そこには必ず学校があります。その姉妹校の生徒と文化交流をし、修道会が支援する地域との交流やボランティア活動なども行います。フィリピンでは、これまでと同様ストリートチルドレンへのボランティア活動を行う予定です」と尾﨑先生。

「フィリピンとの交流をきっかけに、サレジアンだからこそできる海外交流を具体化していきたいですね。その1つに、サレジアン版の世界的な学校交流を実現したいと思っています。最初はASEANの姉妹校10カ国くらいから生徒を招き、サミット的な交流ができたらよいと考えています」

さらに同校は、現在のキャンパスとは別の場所に、地下1階、地上5階の新校舎を建設中だ。現校舎の1.4倍の広さとなる新校舎は、2026年9月の使用開始を予定している。「教室にはプロジェクターを複数設置し、議論やプレゼンなどができる吹き抜けの多目的スペースを作り、理科実験室にはそれぞれラボを併設します。また、現校舎も富士山やスカイツリーが望めますが、新校舎はさらに見晴らしがよく、5階にはオープンテラスも作ります。開かれた学校の雰囲気を体現できる校舎となっています」(尾﨑先生)

新しい学校になって2年目のサレジアン国際学園は、21世紀型教育の充実化に向けて邁進している。

<取材を終えて>
取材をして、まず感じたのは学校に勢いがあるということ。生徒に必要な教育や、可能性を伸ばす取り組みをすぐに実現しようと前進している。また、世界97カ国の姉妹校があることも、この国際化の時代において強みだ。新校舎も建設され、そうした環境で生徒たちがどのように成長していくのか、その軌跡を追ってみたい。

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