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現代社会で必要な力を養うPBL

主体的に協働し、自ら問題解決のできる女性の育成を図っている同校。その教育の一環として、PBL(問題解決)型の授業を導入し、生徒たちは、提起された問題について、情報収集、考察、グループディスカッション、プレゼンテーションを行う。論理的思考力や表現力、コミュニケーション力などを養うPBLは、2020年の大学入試改革にも対応している。

今年、創立120年を迎える和洋九段女子中学校は、伝統校の誇りを受け継ぎながら、時代の変化に対応した教育に取り組んでいる。その1つが、PBL( Problem Based Learning)と呼ばれる、双方向で進行する問題解決型の授業だ。このPBLを導入した目的を、入試広報室長の川上武彦先生は、次のように語る。

「多様化が進む世の中になり、生徒たちが社会に出た時、正解が1つでない問題に直面することは数多くあります。そういう状況では、周りと協働して問題を考えたり、解を合理的に選択する力が必要になってきます。当然、コミュニケーションの力も求められるでしょう。私たちはこうした力を養い、社会で活躍する女性に育ってほしいという思いをもって、PBL型の授業を取り入れました。もちろん、2020年に改訂される大学入試も意識し、それを見込んだ内容となっています」

川上武彦先生

PBLの授業は、教師がトリガークエスチョンを提起するところから始まる。「質問も正解が1つではなく、なおかつ、生徒の探求心を触発するものを用意します。その後、教師はファシリテーターに徹し、生徒自らが情報収集、考察、グループディスカッションを行い、解を導いていきます。その時に大切なのは、相手の意見を頭ごなしに否定してはいけないということ。批判禁止をルールにしています」と川上先生。「というのも、これから社会に出ると、バックボーンの違う人と一緒に過ごしたり、仕事で1つのプロジェクトに取り組んだりする機会が多くあります。自分と異なる意見をどれだけ理解し、受け入れられるかが、とても大切だからです」
生徒たちは、批判されない安心感のもとで、いろいろな意見を出し合い、最後に選択した解を他のグループにプレゼンテーションする。その過程を通して、判断力や思考力、表現力を磨いていく。

< PBL(問題解決)の流れ >
[ トリガークエスチョン ]⇒[ 情報収集 ]⇒[ 考えを整理 ]⇒[ グループブレスト ]⇒[ 選択 ]⇒[ 決定理由をレポート ]⇒[ プレゼンテーション ]

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論理的思考力と伝える力が向上

昨年度から全教科でPBL型の授業を開始。生徒が主体的に情報収集するなど、アクションを起こす学びを通して、積極性が身につき、活発な授業が展開している。また、論理的に考える力や、相手を説得できるようなプレゼンテーションの力も、生徒同士が刺激を与えながら向上している。

全教員が1年以上研修を受け、昨年度から本格的にスタートしたPBL型の授業。中学1年生も、PBLの流れを教わりながら、取り組みを始めている。たとえば、6月の本科クラスの英語の授業。生徒たちは、ファーストフード店を舞台に、英語を使って店員と客のやり取りをしていた。商品の値段を聞いたり、おつりの金額を伝えたり、習ったばかりの英語を駆使し、はつらつと実演。グローバルクラスでも、グループワークを中心に、オールイングリッシュで話し合いをしたり、発表をしたり、実践を中心とした授業を展開。グローバルクラスの英語力の高い生徒は、別室で取り出し授業を行い、外国人教師とフリートーキングを交え、スピーキングの練習を重ねていた。

上級生たちは、1年間のPBLの授業を経験して、どんな変化があったのだろう。中学3年生を多くみていたという川上先生は「学年初めの4月と終わりの3月では、授業に対する取り組み方が全く違う」と効果を実感している。「PBLは、全員参加型の授業です。加えて、自分から情報や知識を取得しなければならないので、受け身ではいられません。相当アクティブになってきましたね。また、座学の授業では、話し合いも席の周りの生徒しかできませんが、PBLはメンバーを変えてグループを作るので、普段は話さない生徒とも意見を交わします。クラス全体が活性化してきました」

生徒の発言の仕方にも成長が見られると川上先生はいう。「最初のころは、自分の考えを述べる時に『私は○○だと思う』といった主観が入ったり、感情的な発言が多かった。その都度、教員が『どういう理由でそう思ったのか』『考えのもとになる数値はどうなっているか』などと指導し、生徒自身も経験を積んでいくうちに『△△だから□□である』という客観的な話し方ができるようになりました。論理的に考える力が身についてきたと感じます」
また、発表やプレゼンテーションの向上については「生徒が切磋琢磨していることも大きい」と川上先生は指摘する。「友達がかっこよく発表し、周りを説得している様子を見て『自分もそうなりたい』と思う。生徒同士が、互いに刺激を受け合っていますね。教員から『こうしなさい』と指図されるよりもずっと吸収が早いし、やらされている感がないので、素直に前向きになれるようです」

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主体的に協働し、社会貢献できる女性へ

PBL型の授業における問題解決能力や表現力などは、ペーパーテストで測りにくいため、今年度から新しく導入したルーブリックで評価。PBLを通じて、自ら問題を見つけ、周囲と協働し、解決できる力を養うこと。そして、価値あるものを創造し、社会に貢献できる女性を育成することを目標としている。

生徒たちの積極性や、論理的思考力、表現力を養うPBL型の授業。2年目の取り組みに向けて、川上先生に課題と展望を伺った。
「PBLの授業は、まだ確立しているわけではありません。トリガークエスチョンの出し方や、授業の進行の仕方などを、教員全員で検証し、より良いものへと改善していきます。
また、PBLの評価も整備していく必要があります。自分から情報を取りに行き、周囲と協働して最適解を作り上げるという授業を行いながら、知識を問うペーパーテストで評価するのはよくありません。よって、本校は今年度からルーブリックを導入し、判断力や表現力など、ペーパーで測れない力を評価することにしました。どういう観点、基準で評価するかを、あらかじめ生徒と共有できるのも、ルーブリックの良いところです。

そして既に、成績のつけ方を変更している点もあります。従来は、中間・期末の定期考査を8割、残りの2割は課題やノート提出などを評価の対象にしていました。今年から、ペーパーテスト5割、それ以外を5割にしている教科もあります。評価の割合は、教科によって異なりますが、ペーパーテストだけに偏らず、またテストの内容も選択形式ではなく、自分の考えを書く問題へと変えています」

「次に展望ですが、行きつくところは、生徒自身がトリガークエスチョンを提起できるようになったらよいと考えています。ニュースや読んだ本などから、気になることを取り上げ、『今度のこのテーマで話し合いをしたい』と、生徒から発信をするのです。このように、今問題になっていることを、自分から見つけ出し、その解決方法を周りの人を巻き込んで考えていく。生徒たちには、正解が1つではない問題に対して、積極的にチャレンジしてほしい。そして将来、新しいもの、価値あるものを創り出し、社会に貢献できる女性へ育ってほしいと願っています」

【次のページへ】和洋九段女子中学校のスペシャルレポート<第3回>

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