品川女子学院の「起業体験プログラム」
起業本番!―白ばら祭が開催されました―
去る9月20日(土)・21日(日)、品川女子学院では白バラ祭(学園祭)が開催され、高等部1・2年生の「起業体験プログラム」はいよいよ会社設立・実行本番を迎えました。
今年は4年生(高等部1年生)6クラス、5年生(高等部2年生)5クラスの計11クラスが「起業体験プログラム」に取り組んできました。
各クラスの起業内容を紹介しましょう。
| 企画名 | 内容 | |
| A組 | (株)ART OF SOAP 「こじショ」 | 環境に配慮した石けんの販売 |
| B組 | てらお文具品女店 「てらお文具」 | オリジナルバインダー・ルーズリーフ販売 |
| C組 | 三浦工房 「31アイスクリーム」 | 31アイスクリームのカップアイス販売 |
| D組 | 株式会社スマッシュ 「グリコ祭り」 | グリコの商品を賞品としたゲーム |
| E組 | (株)teddyくま 「teddyくま~4Eに行きty~」 |
tyのぬいぐるみ販売 |
| F組 | 福猫屋 「ちたまコーポレーション」 | フェアトレード商品の販売 |
5年生
| 企画名 | 内容 | |
| A組 | (株)A娘 「eco屋」 | オリジナルデザインのエコバッグと タンブラーの販売 |
| B組 | (株)Mju: Mju: 「41-ICE in WONDERLAND-」 |
クッキーサンドアイスクリームの販売 |
| C組 | イトウ家の食卓 「米2CLUB」 | あったかいおにぎりとつめたいお茶の販売 |
| D組 | log5D 「けんけんのチュロス屋さん」 | 焼きたてチュロスの販売 |
| E組 | モーリーの森 「モーリーとカレー工場」 | スープカレーとライスのセット販売 |
昨年は飲食企画のみだったのを今年は非飲食の物品販売企画も加えて業種の幅が広がり、規模の大きい企画となりました。
当日は台風接近のハプニングにみまわれながらも、クラスが一丸となって会社運営に挑戦、VC(ベンチャーキャピタリスト)を引き受けてくれた卒業生の先輩の応援も得ながら二日間の活動を終えました。
「起業体験プログラム」はこれで終了ではありません。翌22日(月)に開催される株主総会・会社解散・表彰式をもって仕上げとなります。
↓今回はその株主総会~表彰式を取材しました。↓
=取材報告=「起業体験プログラム」の総仕上げ―株主総会が開催されました―
9月22日(月)午前、決算報告書作成……各クラスの責任者として社長と会計が会議室に集合、決算作業を行います。すでに白バラ祭期間中に毎日売上を集計し、監査役の担任の先生の承認を経ているので、それをもとに決算報告書を作成します。
会議室には「起業体験プログラム」の監修役であるプロの投資家をはじめ現役の公認会計士、弁護士などのアドバイザー、VCも同席。生徒はこれらの支援者からアドバイスをもらいながら、自分たちで決算報告書を仕上げていきます。このあと株主総会がひかえており、それまでにあまり時間はありません。限られた時間でテキバキと決算報告書を書き、総会にそなえます。
11時30分より株主総会開始……4・5年生全員が体育館に集合。各クラスとも生徒一人500円で自社株を買っているので、全員が株主です。
6月に行われたVCへのプレゼンテーションの時と同様、生徒はすみやかに集合し、司会のかけ声とともに会場はしんと静まりました。でも、この日は6月のピリピリと緊張した空気とは少し異なり、白バラ祭での起業活動を経験した生徒たちの達成感や満足感、そして気持ちのいい疲労感が会場全体を満たしているようです。

会場には引き続きVC8名と、「起業体験プログラム」監修役の投資家をはじめとするアドバイザー、保護者など10人が出席、同プログラムの総仕上げとなる株主総会を見守ります。
クラスごとの営業報告が始まりました。各クラス約5分、発表はパワーポイントを使用しながら、以下の順で手際よく行われていきます。
1.監査報告。会計監査役の担任の先生が承認します。
2.事業概略の報告。
3.損益計算書と貸借対照表の説明。売上高、売上目標額、税引前利益、利益目標額、税引後利益、一株当り配当金等の報告がなされます。
4.質疑。株主の質疑を行います。
5.決議。決算→利益配当金→会社の解散の順で、株主の承認を得ます。
2.-事業概略の報告では、事業展開上の工夫点や反省点も明らかにされます。「一日目の売れ行きがよかったため二日目の仕入れ数を増やすなど、適切な商品管理によって利益を伸ばすことができた」「売れ行きの悪いものはセット販売に切り替え、割安感を出したのが成功した」「予想以上の売れ行きで商品の在庫が尽きてしまい、あとの時間をむだにしてしまった」「途中で販売方法を変更したため、お客を混乱させてしまった」「商品展示の仕方をもっと工夫するべきだった」など、成果や課題が具体的に報告されました。4.-質疑ではVCより鋭い質問がなされます。「他の店舗よりも立地条件が不利な場所での営業となったが、お客の呼び込みなどはどうしたか」との質問に対しては「宣伝人員を多くして対応した」と応答するなど、内実のともなった質疑が交わされました。
全クラスの報告終了後、アドバイザーとVC、保護者から助言や感想が寄せられました。「log5D」のチュロス販売(5年D組)で配当金が3,390円と過去最高額を記録したのをはじめ、「(株)teddyくま」(4年E組)、「モーリーの森」(5年E組)など数クラスが1,000円以上の配当金を出し、全クラスとも努力の成果が見られたこと、このプログラムが「社会貢献・環境への配慮・客(社会)との交流」という意義ある経験をもたらしたこと、企業は常にリーガルリスクを念頭に置かなくてはならないこと、株主である生徒たちは自分の投資した500円の使い道について厳しい目を向け、もっと質問するべきであることなど、具体的で熱心な助言がなされました。
活動によって得た利益は、ユニセフやWFP(国連世界食糧計画)、NGOを通じた途上国への教育支援、地域の緑化など、クラスで選んだ団体・機関へ寄付します。