関東学院の部活動を通じての人間教育
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関東学院の部活動を通じての人間教育
関東学院は1919年に横浜の地で産声を上げ、2009年に創立90周年を迎えました。
関東学院中学校高等学校では08年より週6日制の新カリキュラムがスタート、
同時に中学校新校舎も竣工し、
学院の伝統を守りながら教育のさらなる充実に取り組んでいます。
関東学院の源流は、明治初期に横浜山手に創立された
横浜バプテスト神学校です。
関東学院の設立にあたり、キリスト教をもって建学の精神とし、
「人になれ 奉仕せよ」を校訓に掲げました。
以来、関東学院では「人」をはぐくむ教育として文武両道を重視し、
学習指導とともに部活動にも力を入れています。
生徒はそれぞれ自分の好きなこと、得意なことに思う存分打ち込みながら、
机上では養うことの難しい、人としての豊かな心、人生への前向きな態度、
将来への夢などを、仲間とともにはぐくんでいます。
では、生徒たちはどのように部活動に取り組んでいるのでしょう。
今回は、ハンドベル、オーケストラ、マーチングバンドの三つの音楽系部活動を取材しました。
■関東学院中学校の部活動
豊富な部活
ヨットやワンダーフォーゲル、マーチングバンド、オーケストラ……、関東学院の部活動はバラエティーに富んでいます。
部活は中学生と高校生がいっしょに活動し、交流を深めるための貴重な時間ともなっています。
部活の多くは、学院の歴史のなかで先輩から後輩へと大切に受け継がれてきました。
新しく生まれた部活も生徒の自主性や団結力が強く、部としての成長が早いのも関東学院ならではのこと。
生徒たちが長い歳月をかけて学院の文化をはぐくみ、その文化のなかで生徒自身がはぐくまれていく――そうした風土が、
豊富で活発な部活動に象徴されているといっていいでしょう。
運動部
陸上競技 サッカー バスケットボール 野球 剣道 硬式テニス バレーボール 卓球 少林寺拳法 ワンダーフォーゲル 空手 ハンドボール スキー ラグビー ヨット 水泳 ソフトテニス
文化部
インターアクト ハンドベル 将棋 生物 マーチングバンド 鉄道研究 パソコン 美術 オーケストラ 地学研究 写真 書道 漫画研究
=取材報告=
桜のつぼみが膨らむ季節、関東学院を訪れて三つの部活動の練習風景を見せてもらいました。
■ハンドベル
現在部員は10人。

年に一度の定期演奏会をひかえ、練習も山場を迎えていました。
パート練習では高校生の先輩が中学生に丁寧に教え、
気になるところをくり返し練習します。
みんな真剣そのもの。
遊んでいるような部員は一人もいません。
部屋中が緊張感と意欲に満ちています。
やがて顧問の先生が来て、合奏練習に入りました。
先生の指揮のもと、演奏会の曲目の一つであるオッフェンバックの「天国と地獄」が演奏されます。
ハンドベル特有の美しい音の響き、息のぴったり合った表現力豊かな演奏ぶりにすっかり引き込まれ、
終わったときには思わず大きな拍手を贈りました。
■オーケストラ
オーケストラ部は部員100名の大所帯。
今年で創設5年目の若い部ですが、春には早くも第2回定期演奏会が
開かれます。取材した日は演奏会直前。
演奏会のプログラムは、ロッシーニ作曲・歌劇「アルジェのイタリア女」序曲、
「シンコペーテッド・クロック」「フィドル・ファドル」、
映画「スター・ウォース」メドレー、そしてメインはベートーヴェンの
交響曲第5番ハ短調「運命」。
正直エッと驚くような立派な曲目ですが、大丈夫なのでしょうか……と
ちょっぴり余計な心配を抱きながら、
礼拝堂で行われている
合奏練習をのぞくと―― 練習はいつにもまして熱が入っているようす。
顧問の先生の指揮により、歌劇「カルメン」前奏曲を演奏していました。
弦楽器のしっかりとした響き、管楽器の美しい音色、オーケストラとして調和のとれたハーモニー……、
とても中高生とは思えないほどのすばらしい演奏に驚嘆させられました。
■マーチングバンド
日本の草分けといわれ、全国にその名を馳せる関東学院マーチングバンド。
「開港の地・横浜にふさわしい活動を」との思いから、戦後間もない1952年に誕生しました。
以来マーチングバンド全国大会、神奈川県マーチングフェスティバル等への常連出場校として、
これまでグランプリを初め文部科学大臣賞など数々の賞に輝いています。現在部員120名、今年で創設57年を迎えました。
取材したときはちょうど定期演奏会を数日後にひかえ、市営体育館を借り切っての練習が本番さながらに行われていました。
打楽器や管楽器を演奏しながらの複雑なフォーメーション、フラッグ(旗)を用いたダンス、……華麗でパワフルなマーチングバンドに
魅了されない人はいないでしょう。その完成度の高さに脱帽しました。
第43回 マーチング・バトントワーリング関東大会の模様(金賞団体)
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■三つの部活を見て
どの部活も、生徒たちの真剣さと情熱がひしひしと伝わってきました。
そして、子どもが内に秘めている可能性とは、大人の予測をはるかに超えたものだと実感。
関東学院はそれを引き出す教育力のある学校であることも教えられました。
「生徒にゆだねている」と学院の先生は言います。
先生が生徒を引っ張るのではなく、後ろにまわって支えているのですね。
その支える手は大きくて温かい――それを知ったことが、今日の取材のいちばん大きな収穫といえそうです。
関東学院中学校高等学校 入試広報委員会副委員長・オーケストラ部顧問
繁下 拓也先生のお話
関東学院は学習も一生懸命、部活も一生懸命。欲張りな学校なのです(笑)。
どちらもがんばり、広い視野を養い豊かな経験を積むことで、
自分の将来が見えてくる。
また、中学生から高校生まで異学年の生徒がいっしょに切磋琢磨することは、
必ず将来に役立ちます。
生徒たちは地道な練習を一生懸命くり返していますが、
これがとても大きな意味を持ちます。それは自信です。
自信は何もしないでは身につかないし、速成ではぐくまれるものでもない。
「自分はがんばってきた」と実感してはじめて自信を持つことができます。
また意欲も養われます。
自分が好きなことに打ち込んで身についた自信や意欲は、必ず学習や学校生活に反映されます。
進路への関心も早いうちから持つようになる。
関東学院では高2からコースが文系と理系に分かれますが、生徒を見ていると中学3年生くらいから
少しずつそういうことについて考えるようになり、高校生になると自分から大学のオープンキャンパスに出かけたりするようになる。
それは部活で先輩の姿を見ていることも影響しているだろうと思います。
時間の使い方なども、生徒たちは自分で考えるようになりますが、それも部活がプラスになっています。
みんな多忙なものだから時間のやりくりが上手になるんです。中学では宿題や小テストが多くあります。
まず机に向かう習慣をつけ、基礎を身につけることがねらいです。
高校生になると参考書を手に持って校内を歩いたりする姿が見られるようになるし、電車のなかで単語帳をめくったりしていますね。
女子に比べかわいかった男子中学生も(笑)、高校生になるとぐんと成長しますよ。
生徒をせかせるのではなく、じっくり教育し、じっくり気づかせ、豊かな人間性と学力を保障していく。
関東学院はずっとそういう教育を重視してきたし、これからもその姿勢に変わりありません。
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