中学受験TOP注目の中学校 特別企画 「教育の特長」徹底解剖!  品川女子学院中等部の「教育方針」の巻

〜品川女子学院中等部の「教育方針」の巻〜
  京浜急行線北品川駅から徒歩1分、パステルカラーの美しい色調で統一され、採光を考えた明るい校舎、正面入り口はイン
  ターフォン式で安全面も配慮された品川女子学院。その誕生は大正14年、女学校としてスタートし、昭和の学制改革により品川
   中学校・高校に。平成3年、校名を「品川女子学院」に改称、中・高一貫教育をスタートさせ、今年で創立82年を迎えました。 
  「世界をこころに能動的に人生を創る日本女性の教養を高め、才能を伸ばし、夢を
 育てる」
ことを目的とする品川女子学院では、生徒の   自主自立の精神を尊重し、一定
  の枠にはめることはしません。
   現在、その教育方針を「28プロジェクト」によって実践しています。
  では、「28プロジェクト」とは何なのでしょう。編集部が取材してきました!

「28プロジェクト」とは?
    28歳になったとき社会で活躍している女性を育てること。
    それが品川女子学院の教育方針、名づけて「28プロジェクト」です。 

※昼休みの中庭にて
なぜ「28歳」なの?
   28歳を女性としての人生のターニングポイントととらえているからです。
  一般的に、大学を卒業して就職、仕事が板につき始めるのが25歳前後、最近は大学院に進学する人も多くなってきてい
  ますが、
少しずつ責任ある立場へとキャリアアップする年齢が28歳くらい。また、結婚や出産を経験するなど、女性として人生の転機を迎える時期が、28歳なのです。
    その時に、自分の力を発揮できる女性、社会に積極的に働きかけ、活躍できる女性を、学院では育てることを目標として
    います。結婚・出産などでキャリアを一時中断しても、自らの意志で力強く道を切り拓き、社会復帰をかなえることのでき
    る意志や資質・能力を備えた女性を育てたいと考えています。
         
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「28プロジェクト」 ― 中1からの「ライフデザイン教育」
 仕事、結婚、出産、子育てなど、自らの人生を主体的に、見通しを立てながら生き生きと取り組むための意欲と知性をはぐくむ教育。 品川女子学院ではそれを「ライフデザイン教育」と名づけ、重視しています。
 「ライフデザイン教育」には、当然キャリア教育の視点も入っています。キャリア教育は、職業観や勤労観をはぐくむと同時に、一人ひとりが自分の個性に気づき、自ら進路を選びとる意欲・能力を育てることが目的です。そのためにはマナーやコミュニケーション力など、社会人として必要な資質を総合的に養っていくことも大切。
 品川女子学院では、「28プロジェクト」の柱の一つとして「ライフデザイン教育」を据え、地域・日本世界へ
と視野を広げながら学ぶ機会
を多く設けています。その具体的な中身とは・・・?
体験型重視の学習
中等部1年生の学習テーマは「地域を知る活動」2年生は「日本を知る活動」3年生は「世界を知る活動」とし、それぞれに沿った体験型学習を展開しています。

 たとえば1年生は、宿場町として栄えた歴史をもつ品川の特色を生かした学びを行っています。「品川探検」では地域の伝統産業を取材したり、また、町づくり活動として、国土交通省と協力して学校前の道に花を植えたり。こうした体験的学習を、学年が進むごとに行動範囲を広げなら行っています。
 しかしこれだけではありません。品女ならではのユニークで実践的な体験型学習をここに紹介しましょう。
■品女版体験学習その1:「教科イチ押し施設見学会」■
 どこの学校でも社会見学を行っていますが、見学場所については、多くは学年の先生たちが決め、学年ごとの見学となっています。
 これに対し、品川女子学院では、授業での学習と体験学習をしっかりと結び付けていこうという意図のもと、教科ごとに見学施設を推薦する「教科イチ押し施設見学会」を実施しています。その見学先は、大使館や大学の研究室、裁判所など、まさに多彩、そして視野を大きく広げることのできる場となるものばかりです。
 生徒は希望する施設を選択、12月旬に設けられている総合学習日」に、学年縦割りで中等部から高等部までいっしょに出かけます。


■品女版体験学習その2:「起業体験プログラム」■

高等部1年生、2年生全クラスを対象に行っているのが「起業体験プログラム」
実際の起業そっくりの本格的な取り組みに、品女の教育力と生徒の活力が余すところなく発揮されます。それはどのようにして行われているのでしょうか?
総合的な学習の時間やHR、夏休みなどを利用して、品女の文化祭・白ばら祭での実行を目標にクラス単位で起業準備を進めます。
● プログラムでは、実際の株式会社設立と同様の手続きを踏みます。
   生徒たちは事業計画書を作成商品・サービス・諸費用・利益の使い道(配当金、リサイクル費用、寄付など)などを書き出します。そして、商品・原材料仕入れ先、保存・調理方法なども決め、仕入れ先企業との交渉を行います。 
また、投資契約書を作成し、資金集めにまわります。投資家となるのは品女の卒業生たち。大学生となった先輩から

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 実際に事業資金を投資してもらいます。定款、登記簿も作成し、株券を発行、さらに経営戦略、広告なども検討します。白ばら祭後は売上高、税引き後利益等を出し決算、そして会社の解散。 これらの活動をすべて生徒が行い、先生はあくまでもサポート役に徹します。


 ◇中等部も白ばら祭に向け、体験学習を展開◇
  中等部でも高等部の「起業体験プログラム」に負けない活動を行っています。白ばら祭での発表会に向け、クラスごと
  にさまざまな体験学習
に取り組んでいます。
     たとえば、昨年の中等部2年生のあるクラスでは、学年の学習テーマ「日本を知る活動」に沿って全国の「駅弁」につい
  て調査・研究
しました。さらに、自分たちで駅弁を企画。これを品川にある弁当製造会社に持ち込み、見た目に美しくダイエッ
   ト効果もある駅弁「千紫万紅(せんしばんこう)」を企業とともに開発。白ばら祭当日、研究発表を行うとともに、品川駅で実
 際に
「千紫万紅」を発売しました。
■品女版体験学習その3:「企業とのコラボレーション」■
 品女では、学校での学習と実社会をつなげる活動をつねに模索しています。その一環として、総合的な学習の時間などを活用し、さまざまな企業と協同で商品開発などを行っています。 その一端をご紹介すると――
◇常盤薬品×中等部3年生=眠眠打破ハードグミ「起(き)まずいじゃん」
中等部3年生が常盤薬品と組み企画・開発したものです。
常盤薬品の社員より講義を受けたあと、クラスごとにグループワーク。商品名やキャッチコピー、商品パッケージのデザインなどを考え、最終的に企業が採用商品を決定。生徒全員が真剣勝負で臨みました。
◇サンリオ×高等部=「品女キティ」
 高等部有志がサンリオと組み、品女の制服を着たキティちゃんを開発しました。
総合的な学習の時間で「キャラクタービジネス」について調べ学習をしたのをきっかけに、自分たちもキャラクター商品を開発してみようと、生徒自らサンリオに取材。その後、サンリオに地道に働きかけながらついに「品女キティ」を開発、引き継いだ後輩たちが白ばら祭での発売を実現させました。
利益はカンボジアの学校建設のために寄付する予定です。あわせてカンボジアの教育状況についての調べ学習も行いました。
◇POKKA×高等部=「桃恋茶(とうれんちゃ)」
 高等部の生徒がポッカコーポレーションと組み、企画・開発したものです。
白ばら祭での味見アンケート、パッケージデザインをめぐっての校内アンケートなど、生徒たちは精力的に活動。企業へのプレゼンテーションも行い、商品化をかなえました。
※写真は、左上から「品女キティ」・「起まずいじゃん」・「文房具宅配の企業とのコラボ企画資料」・「桃恋茶ロゴ」 ・「企業にプレゼンテーション中の生徒」
 これらの学習では、企業の商品開発や広告、営業などいろいろな部署より28歳くらいの女性を招き、講義をしてもらいます。その上で生徒は活動開始。
 こうした体験によって、自ら考え、実行する力プレゼンテーション力法律の知識、顧客やユーザーなど他者の立場になって考える力など、生徒たちは机上の学習だけでは身につけることのできない力を総合的に養っています。同時に、自分の興味・関心、将来への夢を実社会と結びつけながらはぐくみ、早期から目的意識をもって各教科の勉強に取り組むようになります。
定期試験・補習講習と年7回の個別面談
 これまで見てきたように、品川女子学院の「28プロジェクト」とは、「ああしなさい、こうしなさい」といった教師主導の指示型の教育ではなく、生徒が自ら考え、行動するための気づきや発見の場、豊かな出会いの場を柔軟に設定する、生徒主体の自立型の教育であるといえます。それはもちろん放任などではなく、先生たちは生徒一人ひとりの成長を見守る温かいこころで、懇切な指導を行っています。こうした教育は、学習指導や個別面談にも貫かれています。
 では、定期試験と個別面談についてみてみましょう。
■中間・期末試験は、各教科とも以下の構成で作成されます。
      「基礎」=80%以上の生徒が解答できる問題 4割
      「標準」=50%以上の生徒が解答できる問題 4割
      「発展」=20%の生徒が解答できる問題 2割
 
 こうした方式により、生徒は自分の理解度について具体的に確認し、勉強に生 かすことができます。また、品女ではすべての生徒が確実に授業を理解できるよう、  きめ細かな手当てを行っています。定期試験結果に応じて補習・追試を行うほか生徒全員に課題を出し、試験休み中に復習することになります。
 さらに、希望者対象に上位育成を目的とした講習も実施しています。このほか日常的に小テスト・補習等が行われています。
※職員室前の質問スペースは、いつも賑わっています。

■生徒・保護者の個別面談=年間計7回
     担任の先生と生徒の個別面談・・・ 4月・6月・9月・11月・2月の5回実施
     担任の先生と保護者面談・・・・・・・ 7月・12月の2回実施
  個別面談が年間計7回という充実ぶり。先生と生徒、保護者と信頼関係をしっかりと築き、生徒一人ひとりの成長をうな
  がす体制
ができています。
躍進する進学率・学力アップ状況
  品川女子学院が「28プロジェクト」をスタートさせてから6年が経ちました。その間、教育の成果は確実に上がっています。
教科の学習に加え、実社会に触れる体験型学習を積極的に取り入れることで、生徒の目的意識や学習意欲がより向上していることは明らかです。 それを示すものの一つが、学力および進学状況。下記はその一部を示すグラフです。

 ●左図:個人別の偏差値推移(記載の大学に進学した生徒の高1〜高3までの偏差値推移)を表しています。
 ●右図:難関私大への過去3年間における進学者数を表しています。(グラフ上の数字は合格者数)
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品川女子学院 広報部長 平川 悟先生のお話
 「28プロジェクト」を立ち上げるにあたり本校では外部の方の力を借りて社会と学習を結びつけていくことを大きな意図としました。学校を開いて地域や企業の人たちに協力してもらうという活動が、今の学校教育に足りない点ではないでしょうか。そのことが、日本の子どもたちが学校での学びをどう自分の進路や職業と結びつけたらいいのかわからなくなった原因の一つだと考えます。「28プロジェクト」を中途半端ではなく、できる限り徹底してやろうと決めたのです。
 生徒たちは勉強に部活に、体験学習にと、充実した学校生活を送っています。みんなスケジュールが詰まっているので、生徒は手帳を持ち歩き、先生や部活の伝達事項などをどんどん書き込んでいるんですよ。こういう習慣のなかで、今自分がなにをするべきか、自ら優先順位をつけて行動することを自然と学んでいきます。それが学習態度にも反映し、勉強時間や勉強内容などを自分で考えて効率的に取り組むようになります。
 わたしたちは生徒を、意欲や興味・関心を持ち、自分らしく生き生きと学ぶ人を育てたいと考えています。だから、失敗も歓迎。そこから大きなものを学び、さらに人間として成長できると信じています。
取材を終えて・・・
 「28プロジェクト」という個性的な教育方針を打ち出している品川女子学院では、生徒ものびのびと個性を発揮し、生き生きと学んでいることがわかりました。その「個性の発揮」とは、一人ひとりが勝手に自分のやりたいことを主張するのではなく、他者の立場を考え、自分の責任を果たすことを忘れずに力を出し切っていく、いわば「社会のなかの自分」を意識しながら自己実現をめざす活動であることも、取材を通して伝わってきました。
 生徒たちの自主自立の精神自治力下支えしているのは、先生方です。白ばら祭など学校行事はすべて生徒の手で行い、企業とのコラボに関しても、最初に企業へアポイントメントを取ることから生徒が手がけます。つい大人が口を出してしまいたくなるのをぐっとこらえ、先生方は大きな度量をもって黒子に徹した指導をこころがけているのです。
 また、先生方が教科指導と体験型学習を意識的に結び付けているのも印象に残りました。たとえば国語では、書く力、発表する力を重視するほか、シラバステーマを設け、中等部1年生では1学期前半「ことば・平和」、後半「環境」、2学期前半「人間」、後半「自分」、3学期「福祉」とし、教科書だけに頼らず多様な教材を駆使しながら、教室での学習と体験学習を交差させています。
 この先も品川女子学院の教育力はさらに向上し、学校全体が伸びていくことは間違いないでしょう!
■品川女子学院中等部についてもっと知りたい方は・・・  http://www.shinagawajoshigakuin.jp/