中学受験スタディが特別取材した私立中学の特徴ある教育

Special Report - 立教女学院のクリスマス賛美礼拝

立教女学院のクリスマス賛美礼拝

PHOTO立教女学院中学校・高校では、毎年12月にクリスマス賛美礼拝を行っています。

クリスマス賛美礼拝は4月のイースター礼拝と並んで、キリスト教の重要な行事。創立130余年の歴史をもつ立教女学院でも、伝統行事として受け継がれています。

12月21日に行われた高校のクリスマス賛美礼拝を取材しました。


PHOTO午後2時30分。パイプオルガンの前奏とともに、クリスマス賛美礼拝が始まりました。礼拝の行われる場所は、学院のシンボルともいえる聖マーガレット礼拝堂です。

同礼拝堂は、昭和初期に竣工した中世ヨーロッパ・ロマネスク様式の建築。時を重ねたその姿は格調高く、指定保存文化財となっています。

礼拝堂には、高校生全学年560名余が集っています。


PHOTO立教女学院高校のクリスマス賛美礼拝の大きな特徴は、ヘンデル“メサイヤ”が歌われること。

聖歌隊による合唱、ソプラノ、アルトによるアリアとレチタティーヴォ(独唱)、全員合唱と、音楽が礼拝の中心となっています。

礼拝音楽を大事にするのは立教女学院の伝統であり、立教女学院が属する聖公会(英国国教会)は音楽を重視する宗派です。


PHOTO聖歌隊の澄んだ歌声が、礼拝堂に広がっていきます。聴いていて心が洗われるよう。聖歌隊は生徒の希望者を募り、オーディションによって選ばれます。

ソプラノ、アルトの独唱は、この日のために招かれたプロの歌手が担当。それぞれ美しく敬虔な歌声を響かせます。

生徒全員による三部合唱は圧巻です。その歌声はすでに大人の女性のもの。響きに厚みが感じられます。


PHOTO高校生は音楽の授業やLHRの時間を使ってメサイヤを練習します。そうやって3年間毎年練習しているから、高校3年生になるともうすっかり暗唱できています。

生徒代表によるイザヤ書の朗読、福音書の朗読、そして礼拝用書の全員朗読も行われます。

生徒代表は学年ごとに一人。救世主キリスト出現の預言と、キリスト降誕を朗読します。


学年を追うごとに、その意味内容をしっかりととらえて朗読していることがわかります。聖書の理解の深まりと、心の成長の過程が伝わってくるようでした。

PHOTO説教は、今年は川越基督教会の大橋邦一司祭が行いました。

かつて立教新座中学・高等学校のチャプレンを務めた大橋司祭は、生徒が平和学習に力を入れていることにちなみ、「平和」をテーマとして説教をしました。

「平和」を表すヘブライ語「シャローム」の意味は、「満たされている」ということ。一人でも苦しみを抱える人がいれば、「シャローム」とはいえない。


PHOTOキリストが生まれた時代にすでに世を覆い、人々を抑圧していた帝国主義のことも取り上げ、司祭は平和の尊さと、その意味を生徒に問いかけました。

クリスマス賛美礼拝のクライマックスは、ハレルヤの合唱です。

生徒、先生、礼拝堂に集うすべての人たちの大合唱が、まるで光のように輝きをともなって響き渡り、礼拝堂全体が感動に満ちていました。


PHOTOクリスマス賛美礼拝の締めくくりは、ハンドベル奉奏です。ハンドベルクワイヤーが“Oh Holy Night”を奏でました。

ハンドベルの神秘的な響きと、美しい旋律が心に沁みます。生徒たちは身を乗り出すようにして奉奏を見守り、聞き入っていました。

聖歌隊と同じく、オーディションによって選ばれたハンドベルクワイヤーは、この日のために、朝、昼、放課後に練習を重ね、息のぴったりと合った奉奏を行いました。


PHOTOパイプオルガンの後奏が、クリスマス賛美礼拝の終了を告げます。時刻は4時をまわっています。

生徒たちは静かな夕暮れのなか、中庭の大きなクリスマスツリーをながめながらそれぞれ家路につきました。

立教女学院が大切に受け継いできたクリスマス賛美礼拝。それは人に披露するためにあるのではなく、純粋にキリストの誕生を祝い、神に祈りを捧げる礼拝であることを、取材を通して改めて教えられました。


PHOTO生徒たちは6年間、本来のクリスマスを立教女学院で身を持って体験します。

学院を巣立ったのちも、毎年クリスマスにはきっとどこかの教会で、あるいはこの聖マーガレット礼拝堂で行われるOGによるクリスマス礼拝で、または心のなかで、キリスト誕生を祝い、神に祈りを捧げることでしょう。


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オルガニスト 岩崎 真実子さんのお話

パイプオルガンの音楽とともに進行するクリスマス賛美礼拝。パイプオルガンは、礼拝に重要な位置を占めています。その演奏者である岩崎さんに、お話をうかがいました。岩崎さんは立教女学院の卒業生であり、学院のオルガニストを務めています。

PHOTO立教女学院では、明治の初めに創立したころからパイプオルガンが身近にありました。もちろん当時の日本では極めて珍しい楽器に違いありません。

礼拝堂と音楽は、キリスト教にはなくてはならないもの。そしてパイプオルガンは立教女学院にとってなくてはならないものなのです。

現在学院には4台のパイプオルガンがあります。このオルガンは1998年に聖マーガレット礼拝堂の2代目のオルガンとして完成・奉献されました。3段鍵盤43個ストップの大きな楽器です。

PHOTO音楽は人の心に直接訴えかけます。生徒たちはこの礼拝堂で、オルガンとともに全員が一つになって歌いながら成長する。

それによってキリストの教えを感じとり、祈りの心を知る。言葉を超えた深いところでの体感であり、キリスト教の本当の理解と信仰に結びついていくのではないでしょうか。

私はこの学校でパイプオルガンと出会いました。中学に入学し、礼拝堂でオルガンの響きを初めて聞いたときの感動が忘れられません。

それまでピアノを習っていたのですが、自分はそのときオルガンをめざそうと心に決めたのです。

パイプオルガンは宗教と切り離せない楽器。音楽大学でオルガンを学ぶときも、まずキリスト教の知識と理解が必要です。

PHOTO私にはすでに聖書や詩編、聖歌など、キリスト教の素養が備わっていました。それはまさに立教女学院のおかげなのだと、大学生になってから気づかされましたね。

音楽だけでなく西洋の芸術全般、文学・歴史もキリスト教と深くかかわっています。

たとえば宗教画を鑑賞するとき、そこになにが描かれているのか、聖書を知っているからよく理解できます。


海外の教会を訪れたときは、お祈りや教会内での作法が身についているし、教会の建物などの見方も知っています。立教女学院で身につけた教養は、一生の宝となり、自分を支えてくれる。

そのことを実感するのは、学校を卒業し大人になってからなのですね。

岩崎 真実子さんプロフィール

立教女学院高校を経て、東京藝術大学音楽学部器楽科オルガン専攻卒業。
ニューイングランド音楽院(米国)大学院修士課程修了。

現在、立教女学院および国際基督教大学オルガニスト等を務める。
コンサートオルガニストとしても国内外で活発な演奏活動を行っている。
CD「装え、愛する魂よ」「エピファニー」「主の祈り」「雲中供養菩薩」を制作。

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生徒のお話 ~クリスマス賛美礼拝を振り返って~

お話をうかがった烏羽(うば)さんと尾亦さんは、ともに高校3年生。今年が高校生活最後のクリスマス賛美礼拝となりました。そのお二人に今日の思いを語ってもらいました。
(以下、烏羽さん:U、尾亦さん:O)

PHOTOU:今日のクリスマス礼拝で一番感動したのは、全員の合唱です。もう胸がいっぱいになりました。これでお別れだと思うと寂しいです。

O:私は小学校からこの学校で過ごしたので、12回目のクリスマス礼拝です。自分にとっては、クリスマスといえばこの賛美礼拝。

今日は重厚感のあるパイプオルガンの音を聞いていたら、泣きそうになりました。卒業しても、ここにまた礼拝に来ます。


U:私は中学校から入学したのですが、振り返ると中学生のころは、クリスマス礼拝の合唱曲を、3月に行われる合唱交歓会と同じような感覚で歌っていたんですね。

PHOTOでも高校生になってから、みんなといっしょにメサイヤを歌うことの一体感を強く感じるようになった。このとき初めて、キリスト教を体感したのだと思います。

最初はまったく知らない世界だったけれど、聖書の時間や礼拝で、徐々にキリスト教を学んできました。

今では礼拝の意味や、はじめは難しくてよくわからなかった説教の意味もわかるようになりました。


PHOTOO:私の小学校のクリスマス礼拝の思い出は聖劇です。羊飼いや羊、マリア様が出てきて、キリスト誕生の劇を見せてくれる。楽しい礼拝でした。

U:朝の礼拝も、中学生のころは新鮮だったけれど、そのうち慣れてたまにちょっと眠たくなっちゃったり(笑)。

でも高3になるとまた気持ちが変わり、これではいけないなと。そのころから、日常のなかで神を感じることができるようになったと思います。


PHOTOO:礼拝って、一人ひとりが自分と向き合う時間なんです。みんなで聖歌も歌う。教会暦をもとに、毎日違う聖歌を歌うんですよ。中・高6年間で、ほとんどすべての聖歌を歌えるようになります。

U:聖マーガレット礼拝堂で私が感じるのは、温かみです。ほどよい暗さのなかにオレンジ色の灯りがともり、木の椅子に座って礼拝をする・・・温かいなあと思うんです。

O:ここで毎日礼拝しているから、その順序もやり方もひとりでに身についてしまう。今日のクリスマス礼拝も、全員が自然に行動できます。


U:今日の説教は難しいなと思いながら耳を傾けました。礼拝が終わって教室に戻ると、先生が説教のことを話題にしたんです。先生は、国家は国民あっての国家なのだと。まず国民なのですよと。

学校も、生徒あっての立教女学院なのです、あなたたちがいるから、すばらしい合唱もできるのですよと言ってくれました。それを聞いて私は、一人ひとりが大事なのだと思いました。


PHOTOO:私は説教を聞いて思ったのは、救世主は赤ちゃんだった。赤ちゃんは力のない小さな存在ですよね。その赤ちゃんによって平和がもたらされた。

だから、私も、自分のような小さな存在でも、平和に携わることができるのではないかなと考えました。


PHOTOU:学校生活の一番の思い出は・・・、高2のとき副生徒会長をやったことですね。文化祭の実行委員長もしましたし、学内のボランティア団体のみんなと老人ホームや幼稚園に行ってボランティア活動をしたり、とても充実していました。

O:私は朝の礼拝も忘れられないし、中3のときフィリピンのトリニティ・ハイスクールに短期留学したことも印象深いです。

フィリピンでは、ものすごく温かい歓待を受けました。学校では生徒が積極的に授業を受けていて、大いに刺激を受けました。ホームステイも良い思い出です。

思い出はほかにもいっぱいありすぎて・・・。

U:そうそう、尽きないです。


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