中学受験スタディ

東京女学館中学校の“品性”と“リーダーシップ”をはぐくむ教育

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東京女学館中学校の“品性”と“リーダーシップ”をはぐくむ教育


東京女学館は、日本の女子高等教育の先駆けとして1888年に創設され、今日まで120年の歴史を刻んできました。

その設立の目的は「諸外国の人々と対等に交際できる国際性を備えた、

知性豊かな気品ある女性の育成」です。

鹿鳴館が華やかだった明治期、欧米に比べ女子高等教育の遅れを痛感した

当時の内閣総理大臣・伊藤博文が中心となって設立しました。

東京女学館の教育目標「高い品性を備え、人と社会に貢献する女性の育成」

には、設立当初の精神がそのまま生かされています。

創設以来一貫して新しい時代に活躍する新しい女性の育成を行ってきた

東京女学館では、 この教育目標は21世紀の国際化社会が求める女性像でも

あるととらえ、その実現にさらに力を入れています。

では、東京女学館ではどのような教育を行っているのでしょう。

今回は校長インタビュー、生徒自治による学校づくりをとおした自主性・リーダーシップ育成についてと、

2004年に開設された国際学級について取材しました。

東京女学館 館長・理事長
中学校・高等学校 校長
福原 孝明先生のお話


東京女学館は教育目標として「高い品性を備え、人と社会に貢献する女性の育成」を掲げています。
関東学院の部活動を通じての人間教育
「品性」について、女学館では人格や教養、知性などを含むものととらえています。

なぜなら品性とは、思いやりのある豊かな心、広い教養、 深い知性がともなって、

初めて身につくものだからです。

また、「人と社会に貢献する女性」とは、リーダーシップを備えた女性をあらわしますが、

リーダーに求められる資質として第一に必要なのは品性です。

21世紀は女性が男性とともに社会で活躍する時代といわれています。

そうした時代が求める女性とは、品性とリーダーシップを身につけた女性です。

では、具体的にどういう資質・能力が必要なのか。

私たちはちょうど10年前、 創設110周年を迎えたのを機に、それについてじっくりと考えました。

そして浮かび上がってきたのが、自主性や国際性、英語の運用能力です。

東京女学館の伝統に照らしつつ、今後はこうした資質・能力の育成に力を入れるために、

私たちは改革を行うことにしたのです。

改革の一つが生徒自治です。自分たちの学校生活や行事などを生徒会が中心となって考え、運営するよう、

私たちは思い切って生徒にゆだねました。実際に体育大会を生徒に任せてみると、私たちは驚かされました。

生徒は司会進行や審判などをすべて行い、しかもきちんと時間通りにやり通せたのです。

それまでは審判などは先生がやったのですが、そうすると生徒から必ずクレームが出る(笑)。

ところが、生徒が審判をやったら一つも出なかった。クラブ活動も代表者によるクラブ幹事会が組織され、

下校時間などのルールづくりをすべて自分たちで行っています。

私たちは子どもの可能性に改めて気づかされました。

自らそれを引き出すチャンスを教師が与えればいいのだと、生徒から教えられたのです。

そうすれば自主性やリーダーシップも自然に伸びる。

私たちは生徒が正規の方法で話し合って決めたことは尊重しようと決め、見守っています。

もう一つの改革は、国際学級の開設です。国際化の時代をふまえ、英語の能力を養成することが主なねらいですが、

東京女学館では英語をコミュニケーションツールとして使いこなし、実社会で活躍できる日本女性を育てたいと考えます。

したがって、日本文化や歴史に関する学習など、調和のとれた教育をしっかりと行っていきます。

また、国際学級も一般学級も、ともに重視しているのはインクルーシヴ・リーダーシップの育成です。

それは突出したリーダーシップではなく、人と支え合いながら社会に貢献する精神であり能力です。

東京女学館が求める生徒は、この学校でみんなとともに積極的に学ぼうとする子どもです。自分ひとりで学ぶことはできません。

人間関係を築き、仲間と高め合いながら学んでほしいと思います。


東京女学館中学校の生徒会活動

東京女学館では、生徒自治による 学校運営を推進しています。生徒自治は、生徒会活動を 中心に行っています。

東京女学館の生徒会は、中学校・高等学校、それぞれが独立した組織であり、 かつ、多くの場面で互いに協力しながら進めています。

また、クラブに関しては、中学・高校両方にまたがる 「クラブ部長会」があり、 その代表である「クラブ幹事会」が約35のクラブと同好会をまとめています。

組織図(右図)


■新年度の生徒会活動〜「中学代表会議」のもようを取材しました〜

「代表会議」は執行委員会や各委員会、クラスから出された議題を審議する会議であり、大変重要な役割があります。
関東学院の部活動を通じての人間教育
週一回の代表会議では、バスの乗り方や食堂・エレベーターの利用法など、

学校生活における改善すべき点についてもつねに話し合っています。

また、行事においても体育大会審判、記念祭受付など責任ある仕事を担当しています。

取材をしたのは、ちょうど中学の入学式の日。生徒会は新役員による代表会議を始めていました。

今日決めるのは、バスの整列指導当番のローテーション。

東京女学館では多くの在校生が通学にバスを利用します。

そこで高校と中学の生徒会が交代で、学校の最寄り駅のバス停で整列指導を行っています。

明日から新入生も通い始めるため、しっかりと整列マナーを教えていかなくてはなりません。

ローテーションを決めるのも大事な議題の一つ。生徒たちは活発に意見を出し合っています。

生徒会長・副会長はそれらの意見を受け入れながら、落ちついて議事を進行させていました。

生徒会顧問の先生はその場にいるものの、一言も口をはさみません。

生徒も先生に助け舟を要請することもなく、すべて自分たちで決めていきました。

こうしたようすから伝わってきたのは、生徒たちの学校自治への意欲や責任感です。

また、自分の意見や提案をはっきりと話すことのできる活発な気質もうかがえました



東京女学館中学校の国際学級


■設立の背景

東京女学館では、設立当初より外国語教育を重視してきました。

設立目的である「諸外国の人々と対等に交際できる国際性」を養うために、明治期には英語科のほか理科や数学など、

多くの科目の授業が外国人の女性教師により英語で行われました。そうした授業では、生徒たちはノートも英語のみでとり、

先生が文法や綴りを赤ペンで丁寧にチェックしたという記録が残っています。

国際学級は、こうした外国語教育の蓄積をもとに開設されました。



■設立のねらいと特色

「21世紀は女性の時代」といわれ、女性の積極的な社会参画がますます求められています。

そして、現代社会は急速にグローバル化しています。こうした状況をふまえ、時代の要請にこたえるために、

国際教育に特化した「国際学級」を2004年4月より開設しました。

東京女学館の国際学級は、帰国生と一般生がともに学び合うクラスです。一学年6クラス中、1クラスが国際学級です。

クラスの定員は42〜45名。中1のクラス担任は英語を母国語とする教員と日本人教員の2人体制です。

“東京女学館の生徒としてのアイデンティティを共有すること”を大切にし、学校行事、学年行事、生徒会、クラブ活動は、

国際学級と一般学級がともに活動します。

こうした特色をはじめ、高1ではカナダ・オーストラリアの提携高校に1年間の派遣留学制度を設けるなど、充実した国際教育を行っています。

 

■英語の授業について

授業時間は週8時間です。

1) Regular English 週6時間(レベル別3分割授業)

3人の教員(ネイティブスピーカー教員2人、日本人教員1人)が担当します。生徒の英語力により3つのレベルに分け、

それぞれに合わせた教材で学習します。

また、レベル別とは異なるグループを組み、さまざまなプレゼンテーションやプロジェクトに取り組みます。

2) Extra English 週2時間(レベル別2分割授業)

2人の教員(ネイティブスピーカー教員1人、日本人教員1人)が担当します。

文法の学習を中心とした授業を行います。


国際学級主任・英語科担当
クリスタル・ブルネリ先生のお話
 

東京女学館の国際学級では、国際性を備えた女性として

“異文化理解ができる女性リーダー”を養うことを大きな目標としています。

そうしたリーダーに必要な資質・能力として、私たちはコミュニケーション力と

インクルーシヴ・リーダーシップを重視します。

これは言いかえれば、自分がどの社会、どのグループに属しても、

そこに溶け込みながら自分の力を発揮できる力や意欲、態度のことです。

私たちはそれを生徒にはぐくみたいと考えています。

その意味で、国際学級として帰国生と一般生がともに学ぶことの意味は

大きいと思います。

帰国生の海外滞在国はアメリカやヨーロッパ、アジア、アラブ首長国連邦など20カ国を超えます。

こうした帰国生と日本で生まれ育った一般生、一人ひとり大きく異なるバックグラウンドをもつ生徒たちが6年間をともに過ごすのです。

まさに国際学級が異文化コミュニケーションの場なのですね。こうした特徴を生かして、英語に限らずどの授業でも

グループワークを多く取り入れています。

国際学級は今年で6学年がそろいましたが、高校3年生は団結力がとても強いクラスに成長しましたよ。

国際学級の入学試験は英語が必須ではありません。私たちが重視しているのは英語への興味や意欲です。

ゼロから英語を学ぶのでも大丈夫。努力次第です。英語の授業は基本的に英語のみで行われ、小テストなども毎回あります。

「どうしても英語を学びたい」という意欲が大事です。自分から学校の図書館で英語の本を借りて読むような生徒は伸びますね。

もう一つ大切なことは、いろんな教科をまんべんなく学ぶことです。英語はコミュニケーションのためのツール。

英語を話すことができても、話す中身を持たないことには意味はありません。他の教科も学んでこそ英語力が生きるのです。

だから、国際学級では英語に重点を置きつつ、全教科のバランスのとれた教育を行っていきます。



 

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