民主党の鳩山由紀夫代表は昨晩16日、首班指名選挙で選任され、第93代、60人目の首相となりました。
今後の教育はどうなるのか、民主党のマニフェストの子育て・教育部分だけをクローズアップしてみました。
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「国民の生活が第一。」
(一部抜粋)
民主党は、「国民の生活が第一。」と考えます。その新しい優先順位に基づいて、すべての予算を組み替え、
子育て・教育、年金・医療、地域主権、雇用・経済に、税金を集中的に使います。
生活の安定が希望を生み、意欲的になった心が、この国全体を押し上げていきます。
国民を苦しめている古い仕組みを終わらせ、
すべての人が生きがいと働きがいを持てる国を、
あなたと民主党でつくり上げようではありませんか。
いよいよ、政権交代。
民主党代表 鳩山由紀夫
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とあります。
子育て・教育に焦点を絞りますと、見出しは下記の通りです。
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2 子育て・教育
中学卒業まで、1人当たり年31万2000円の「子ども手当」を支給します。
高校は実質無償化し、大学は奨学金を大幅に拡充します。
具体的には、下記の通りです。
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2子育て・教育
10.出産の経済的負担を軽減する
【政策目的】
○ほぼ自己負担なしに出産できるようにする。
【具体策】
○現在の出産一時金(2009年10月から42万円)を見直し、国からの助成を加え、
出産時に55万円までの助成をおこなう。
○不妊治療に関する情報提供、相談体制を強化するとともに、
適応症と効果が明らかな治療には医療保険の適用を検討し、支援を拡充する。
【所要額】
2000億円程度
11.年額31万2000円の「子ども手当」を創設する
【政策目的】
○次代の社会を担う子ども1人ひとりの育ちを社会全体で応援する。
○子育ての経済的負担を軽減し、安心して出産し、子どもが育てられる社会をつくる。
【具体策】
○中学卒業までの子ども1人当たり年31万2000円(月額2万6000円)の「子ども手当」を創設する
(平成22年度は半額)。
○相対的に高所得者に有利な所得控除から、中・低所得者に有利な手当などへ切り替える。
【所要額】
5.3兆円程度
12.公立高校を実質無償化し、私立高校生の学費負担を軽減する
【政策目的】
○家庭の状況にかかわらず、全ての意志ある高校生・大学生が安心して勉学に打ち込める社会をつくる。
【具体策】
○公立高校生のいる世帯に対し、授業料相当額を助成し、実質的に授業料を無料とする。
○私立高校生のいる世帯に対し、年額12万円(低所得世帯は24万円)の助成を行う。
○大学などの学生に、希望者全員が受けられる奨学金制度を創設する。
【所要額】
9000億円程度
13.生活保護の母子加算を復活し、父子家庭にも児童扶養手当を支給する
【政策目的】
○ひとり親家庭の自立を支援する。
【具体策】
○2009年度に廃止された生活保護の母子加算を復活する。
○母子家庭と同様に、父子家庭にも児童扶養手当を支給する。
○5年以上の受給者等を対象に行っている児童扶養手当の減額制度を廃止する。
○在宅就労の促進、保育所の優先入所、離婚時の養育費支払の履行確保などの総合的な支援策を講じる。
【所要額】
500億円程度
14.保育所の待機児童を解消する
【政策目的】
○縦割り行政になっている子どもに関する施策を一本化し、質の高い保育の環境を整備する。
【具体策】
○小・中学校の余裕教室・廃校を利用した認可保育所分園を増設する。
○「保育ママ」の増員、認可保育所の増設を進める。
○「子ども家庭省(仮称)」の設置を検討する。
15.全ての人に質の高い教育を提供する
【政策目的】
○学校の教育環境を整備し、教員の質と数を充実させる。
【具体策】
○全ての人にとって適切かつ最善な教育が保障されるよう学校教育環境を整備し、教育格差を是正する。
○教員の資質向上のため、教員免許制度を抜本的に見直す。教員の養成課程は6年制(修士)とし、
養成と研修の充実を図る。
○教員が子どもと向き合う時間を確保するため、教員を増員し、教育に集中できる環境をつくる。
○公立小中学校は、保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家等が参画する「学校理事会」が
運営することにより、保護者と学校と地域の信頼関係を深める。
○現在の教育委員会制度を抜本的に見直し、教育行政全体を厳格に監視する「教育監査委員会」
を設置する。
○生活相談、進路相談を行うスクールカウンセラーを全小中学校に配置する。
○国際社会の中で、多様な価値観を持つ人々と協力、協働できる、創造性豊かな人材を輩出するための
コミュニケーション教育拠点を充実する。
【所要額】
600億円程度
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子ども手当ての経済効果について、第一生命経済研究所の熊野氏は下記の通りに語っています。
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民主党の経済政策が注目されている。政権交代ということになれば、民主党の政策が実行されるからである。
そこで、民主党の政策プランのうち、代表的な子ども手当について経済分析をしてみた。
将来、子ども手当で教育費が賄われると予想すれば、家計はどう行動するだろうか。
教育費に備える貯蓄が減り、教育費を稼ぐために働いていた配偶者は就労を手控えるだろう。
<月額2.6万円の手厚さ>
民主党の主要政策である「子ども手当」。子供が生まれてから義務教育期間である中学卒業まで、
1人当たり月額2.6万円(年額31.2万円)が支給される(初年度月1.3万円)。
民主党の方針では、中学卒業後も国公立高校の授業料相当額が助成され、
大学生にも無利子奨学金などが援助されるので、
家計の教育費用がかなり広範囲で補助されるかたちになる。
まず始めに、なぜ子ども手当2.6万円という数字が現れたのかを考えると、
1世帯当たりの教育費に相当する金額を援助するという発想があると推察される。
総務省「家計調査」に基づく教育関連費は、最近こそ1世帯当たり2.0万円(2008年、2人以上世帯)と
なっているが、過去の時系列データをみると1992─98年には2.5万円前後であった。
ただ、2.0万円(2008年)は子供のいない世帯を含めた加重平均値なので、
1人当たりの子供の教育負担に変換して考える必要がある。
18歳未満の子供人数が0.64人なので、2.0万円を加重平均の人数で割り戻すと
18歳未満1人当たり3.1万円となる。こうした一連のデータ確認をしてみると、
子供が居れば1人当たり2.6万円という根拠は、それほど正確に計測されたものではなさそうである。
視点を変えて1人当たり毎月2.6万円という子ども手当が支給されたならば、どの年齢、
どの所得階層の教育関連費用が全額カバーされるだろうか。
「家計調査」では、世帯主年齢別には、加重平均の人数で割り戻した1人当たり
教育関連費が2.6万円以下になるのは、45歳未満の年代の範囲内になっていた。
推察すると、子供が中学・高校・大学と大きくなるほどに負担が加速する下で、
だいたい中学生になる直前までは月2.6万円(子供12歳、夫42歳、妻40歳)でカバーされるようだ。
年収別では、世帯の経常収入が月40万円以下のクラスター
(全体の61.3%、世帯2人以上の勤労者)の世帯の教育関連費用が月2.6万円で
収まるという結果になっていた。
これらの結果からは、月額2.6万円の金額はかなり手厚い印象になる。
<家計貯蓄率と若年就業率は低下していく作用>
次に、こうした家計の教育関連費用が公的支援で肩代わりされると何が起こりそうか
という作用を考えてみたい。思想としては、これまでの福祉制度は、
就労を迎える前の未成年者よりも、就労期を終えた高齢者を社会保険で支援することに
軸足が置かれてきた。
一方、家庭が子供を養育するときは、教育の義務的範囲は支援しても、それ以上のレベルの教育や
育児の基本部分は自助が求められてきた。子ども手当が導入されると、社会的に少子高齢化を
是正する政策目標が重視され、政府が支援する子育てに介入する範囲が一気に拡大するという
バランスの変化が起こるだろう。
ここで注目したいのは、家計の将来負担に対する備えが、私的貯蓄もしくは公的貯蓄によって
支えられてきたという関係である。長い間、日本の家計貯蓄率(私的貯蓄)の高さを説明する要因として、
公的貯蓄の少なさと裏腹の関係にあると指摘されてきた。
仮に子ども手当が持続的に実行され、子育てコストが公的に支援されるようになると、
今まで家計が私的貯蓄で支えてきた教育資金などが少なくて済むようになる。
すると、家計は将来消費(教育費)への備えを手控える分、能動的に家計貯蓄率を低下させる可能性がある。
この貯蓄率低下に反応して、銀行・保険会社では、
これまで資金流入していた部分が減ってしまうことが予想される。
もうひとつ重要なのは、子育て費用を自己負担する作用が解消されると、
配偶者の就労行動も変化してしまう影響である。これまでは、配偶者が働く動機として、
子供の教育費用を賄うという目的が大きく存在していたと考えられる。
子育て負担(*注)が減れば、若年配偶者の就労動機が低下して、労働供給が減る結果を導くと考えられる。
<子ども手当にはバラマキ防止措置が必要>
日本国憲法により義務教育は無償と定められている。
子ども手当は、それ以上の範囲を現金支給という自由度の高いかたちで支援するものである。
すでに義務教育の無償化は保証されているので、子ども手当がカバーするのはそれを越える範囲になる。
その場合、子ども手当の使途に制限をつけないと、教育費用とは関係ない使途に使われ、
手当ての趣旨が曖昧になる。
そうした曖昧さは、子供のいない世帯がなぜ減税を受けられないかという批判を生むことになるだろう。
現金給付という公的支援の方式は、厳格さが低下する点において問題がある。
そうした弊害を防止するには、必需的な財サービスの購入に関して、購買者の側ではなく、
供給者の側に価格補助を設けた方が厳格性を保てる。
公的支援を、塾・家庭教師費用、子供の衣料費・食料費などの使途を特定して、価格補助ないし、
経費申請を認めることが、厳格性を保つためのセカンドベストの方法になるだろう。
もう一つ、公平性の観点からみれば、高所得層にまでも支援を必要とするかという問題点もある。
高所得者は、子供のために必要最低限の教育費用をかけられないことに困っていない。
筆者は、バラマキ批判に配慮するために、子供手当には支給対象の所得制限を課すのが当然だと考えるし、
そのための技術的な整備も不可欠だとみる。
子育て支援によって、低所得層への経済的ハンディを解消させるという意味合いを強めるのならば、
現金支給ではなく、税額控除のかたちで経費申請を認めることが最も望ましい方法であろう。
<教育費をサポートする根拠を確認する>
前述したように、誰のための教育費のサポートかという支援の範囲を明確にすることは
極めて重要な論点である。義務教育の範囲内ですべての教育費をサポートするのは、
国民の権利だとしても、それ以上の範囲でサポートすることには公平性の観点で問題が生じる。
それは、経済的格差を背景にした教育内容の格差が助長される可能性があるからだ。
専門家の間ではよく知られている事実であるが、教育費ほど必需的ではない支出はない。
「家計調査」(2008年)では、所得に対する財サービス別の支出弾性値が最も高いのは
補助教育費(4.22)であり、教育費全体(3.20)でも他項目よりも高いことが確認できる。
支出弾性値とは、消費支出が1%増えたときに、各費目が何%増減するかという係数で、
支出弾性値が1以上の項目は選択的支出(奢侈品)に分類される。
「教育費は必需品」と直感的に述べる人が多い背景には、子供の教育に集中的にお金をかけたいという
願望が強くそこに表われている。つまり、経済的に余裕のある人にまで現金支給すると、
その資金がより高級な教育サービスへと向かう競争を促す可能性がある。
限られた教育機会に対し、経済的余裕のない人と、余裕のある人が同額の現金支給を受けて競争したならば、
経済的余裕のない人がその立場を改善できない問題が残る。
裕福な人ほど高額の教育サービスを受けられるという傾向が、公的な教育支援を通じて社会的に許容できない
範囲まで広がらないよう、十分配慮することは必要だろう。
<消費刺激効果>
家計の教育費に対する経済的負担を、政府が肩代わりする措置は、公平性の観点を無視して考えると、
消費刺激効果は相対的に大きいとみることができる。
なぜならば、2つのルートで家計の需要シフトが起こると予想されるからである。
1つは、子供の教育費に優先的に割り当ててきた資金が自由になると、
その資金はよく似た性格の消費使途に使われると考えられるからだ。
教育費は前述したように、支出弾性値が高い消費費目である。ある家計が限られた所得を、
優先的に教育費に回している場合、支出弾性値の高い別の消費支出が潜在的に我慢されていると考えられる。
もしも、そうならば、教育負担に対して、現金支給や無償化・助成が行われることで、家計が我慢していた
別の支出弾性値の高い使途に新たに資金が回ることになる。例えば、子供のための使途として、
塾・習い事の月謝や、受験費用に回ることがあり得る。
別の分野では身の回り用品、洋服・家具・外食なども弾性値の高い支出である。
もう1つのルートは、家計が将来子供のために負担しなくてはならない支出の減少を予想して、
現在消費を増やす作用である。
子供手当は、異時点間の消費・貯蓄選択の配分を見直しさせて、現在消費を増やす(使途を特定せず全般的に)。
家計貯蓄率が低下することは、消費刺激と通じる作用である。
*注:子ども手当の財源確保のために配偶者控除が廃止された場合は、
その分、労働供給が減る作用が減殺される。配偶者控除によって増税される所得税・地方税は、
概ね年間7.1万円と、子供手当年間31.2万円の範囲内。
一人ひとりにあった学校選びを応援します。中学受験スタディ