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スクール特集

中学受験スタディが特別取材した私立中学の特徴ある教育

Special Report - 報徳学園の進路指導とは

 リーダーを育てる男子校
「体験型・挑戦型の教育プログラム」インタビュー

写真スタディ:二宮尊徳の報徳思想を柱に、社会で活躍できるリーダーを育てる男子校・報徳学園。
今回は住友正博校長先生に教育の考え方、最新の取り組みについてお話を伺った。

報徳学園の教育の基本となるのは「以徳報徳」。互いを尊重して異なる考え方にも耳を傾け、個々の特性を活かす姿勢を学ぶこと。そのために取り入れているのが、机上では学べない「経験知」を身につける体験型・挑戦型のプログラムだ。

 

 

 

住友正博校長先生:「自ら積極的に課題を発見して解決できる力を身につけることが、これからの社会で最も重視される力だと思います。与えられるだけでなく、果敢に行動を起こせるように、暗記の学習だけでなく、自己表現力の育成をテーマにした意義のある体験を重ねられるプログラムを多数用意しています。たとえば、自然体験学習やボランティア活動などを通して、男子校らしく活発に人との交わりを恐れない若者の育成を心がけています。今後も工夫ある学校行事を取り入れていく予定です。
また、学習面では生徒と教員、保護者を結ぶツールとして学習記録を残す手帳を活用しています。記録を振り返り、反省し、課題を見つけ、目標に向かって自ら取り組んでいけるチャレンジ学習を実践。卒業後も自分に目標がなければ、夢や理想を追いかけることはできません。人を引っ張っていくこともできません。豊富な学習量をこなすなかで、生徒自身が自己を探求し、表現力を養い、チャレンジできるような学習プログラムを用意しています」。

 

スタディ:未来のリーダーとなる人材の育成を目標に掲げる報徳学園では、学年を越え、縦割で行う行事も多い。体育大会のほか、春夏の年2回行っている学習合宿でも縦のつながりも大切にしている。

 

住友正博校長先生:「さまざまな年代、人とのつながりのなかで社会生活は成り立っています。先輩が後輩の面倒を見る縦社会の仕組みが学べる環境を多く用意し、リーダーシップを養い、互いに刺激し合えるよい風土を育んでいます」。

 

スタディ:また、スピーチコンテストなど、人前で話す機会を多く設けているのも特徴。
国際社会でも活躍できる人材を育成するため、グローバル教育にももちろん力を注いでいる。

 

住友正博校長先生:「Ⅱ進コースでは、中1からネイティブによる英会話の授業を実施しており、教科書以外に50万語を目標とする多読を重視しています。中2では2泊3日の国際交流合宿を行い、外国人留学生の京都観光ガイドを勤め、語学力を身につけるとともに、コミュニケーション能力の育成にも取り組んでいます。中2終了時には、一人でホームステイをして語学を学ぶ意義する語学研修、高1の春休みには、セブ島で2週間の語学研修を行っており、将来の活躍のステージが海外にも広がっていくように指導しています」。

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スタディ:「以徳報徳」とは、感謝と真心をこめて地道に努力をし、適正な度合いを設けて計画的な暮らしを行うこと。そして生まれた余力を、未来の自分と他社のために分かち合うことだ。元気で規則正しい生活を送ることで、知識と心と体力を身に付け、社会貢献へと人を導くリーダーシップを培う。そのために、報徳学園のⅠ進コースでは独自のCDE「キャリア発達教育」に取り組んでいるという。

 

写真住友正博校長先生:「中1では3sをまず身につけることからはじめています。整理・整頓・掃除といった身の回りのことを、しっかりと自分でできるようになる。節度ある生活を通して、自分の中にある徳(資質)を伸ばしていくことが大切です。
なぜやらなければならないかを伝えて理解させるために、誰でもいつでも片付けられる物の配置を考えて、壇上でプレゼンテーションを行います。報徳学園ではプレゼンテーションの機会を多く設け、自らの言葉でしっかりと発言できる人材を育成しています。中2では自分が他者からどう見られているのか、を深く掘り下げていきます。自分が知っている自分、他人が知っている自分を理解することで、他人とのコミュニケーションを円滑にすることができます。どんなにがんばっても自分ひとりでは何も実現できません。なぜなら自分では気づかないことだからです。夢の実現、目標達成のためには他人からの協力が必要だと学び、友人、家族、教員など「いろんな人が知っている自分」を知ることで、自己成長を促しています。中3では自分を理解したうえで、徳をいかせる職とは何かを考えていきます。どんな職業に就き、どんなキャリアを積み上げていきたいのかビジョンを明確にしていきます。そして高1の段階で、理想の自分になるために具体的にはどうすべきか、具体的な進路決定を行っています。偏差値やイメージだけで大学を選ぶのではなく、あくまでも自分らしい生き方で社会に貢献できる人材となることを目指し、進路指導でも、大学進学がゴールだとは考えていません。進学の先にあるものを目指して、6年間を有意義に過ごしてもらいたいと考えています」。

 

スタディ:社会で信頼され、役立っている自覚を持ちながら活躍できる人材を育成するためには、6年間の学校生活の中で機会をつくりたいとの想いから、今年度は学校施設がさらに充実したそう。

 

写真住友正博校長先生:「ICT機器の導入を進め、プロジェクターを各教室に設置しました。電子黒板を使ったアクティブラーニングで、各教科で動きのある積極的な参加型授業をどんどん取り入れていきたいと考えています。先日、兵庫県社会科研修会で利用したのですが、ICT機器の活用により教員と生徒の距離がさらに縮まり、会話のキャッチボールが盛んな楽しい授業となりました。たとえば、プロジェクターで地図を投影すれば、簡単に古い地図と重ねて説明ができるので、教員が図を描くよりもわかりやすく、板書の時間も短縮できて、より深い説明の時間を取ることができます。生徒も前を向いて授業を受けてくれるので、授業に取り組む姿勢がわかりやすく、コミュニケーションの取れた授業が展開できます。聞くだけでなく、自分でやってみることで勉強の仕方がわかってきます。生徒が興味を持って勉強に取り組めるよう、新しいツールも取り入れながら、自ら学べる機会を今後も増やしていく方針です。教員も新しい取り組みに好奇心を持ってチャレンジしていくことが大切だと考えています。まだまだはじめたばかりの取り組みですが、生徒の歓びを糧に、自分たちもより知識を深め、授業を展開していきたいですね」。

 

写真スタディ:また、勉強とともに部活動を頑張る生徒が多いのも報徳学園の特徴だ。ここ2〜3年はトータルで50〜60 名が国公立大学への進学を決めており、Ⅱ進コースでは在籍者の8割が国公立大学に合格している。文武両道、学習あってのクラブ活動のスタイルを貫いている。

 

 

 

住友正博校長先生:「報徳学園では部活と勉強の両立は絶対基本です。スポーツ活動にも力を入れて取り組んでもらえるように、今年度はグラウンドに人工芝とタータントラックを敷設しました。人工芝には雨の日でもすぐに乾き、晴れの日は土ぼこりが立ちにくいというメリットがあります。雨あがりもすぐに練習ができ、服が汚れにくいのが好評です。音を吸収してくれるので、近隣への騒音も減少できているのではないかと思います。折角の設備ですので、いずれは近隣の方とのコミュニケーションの場として、生徒たちとなにか貢献できる活動を考えたいですね」。

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写真スタディ:最後に、住友校長先生からのメッセージを紹介しよう。

 

住友正博校長先生:「生徒を認めて温かく見守ることが生徒の前向きな力を付けると信じ、教師と生徒、そして保護者のみなさんにも喜んでいただける教育を行うこと、信頼関係を築いていくことが大切だと思っています。成長期の男の子の行動は、お母さま方にはなかなか理解しづらい面もあると思いますが、報徳学園は100年の伝統ある男子校です。この伸び伸びと学べる風土は男子校ならでは。これまで培ってきた学園の歴史と経験豊富な教員が、家庭で、社会で、地域で、職場で、周囲との協調性を図れる紳士、リーダーとなれるように、しっかりとサポートしていきます。徳を重んじる報徳学園は、いま文部科学省が期待する道徳を持った人材育成ができる学校だと実感しています。国外でも、慣れ親しんだ地域社会でも、どんな場でも世の中に尽くせる人材、平成の二宮尊徳を育てていきたいと思います」。

 

 

 

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