スクール特集(細田学園中学校の特色のある教育 #1)

2019年4月、開校!dots【原体験】教育で未来を拓く力を育成
「さまざまなフィールドで、世の中の発展をリードする人間を育成する」ことを目標に掲げ、2019年春に開校する細田学園中学校。中高6年間で、どのような教育を行っていくのか、取材をしました。
2019年4月に中学校を新設し、中高一貫教育を導入する細田学園中学・高等学校。同校は、生徒たちがこれからの時代を力強く生きるために、「未来創造力」「国際力・英語力」「人間力」の育成を柱に、dots【原体験】を重視した教育を展開していきます。その内容について、副学園長の持田直人氏に話を聞きました。
2040年の世の中を見据えた教育
「私たちは、中高一貫教育をスタートする上で、2040年の未来を想定し、様々な取り組みを行っていきたいと考えています。2040年は、ちょうど一期生が33、34歳になり、自分の仕事や人生に邁進されているころと思います。今以上にAIやテクノロジーが進化し、情報量が爆発的に増え、医療の発達による倫理の再検証なども予想される時代です。また、変化のスピードが加速し、それに伴って新たな問題や課題が生じたり、職業や生き方そのものも変わっていくことでしょう。将来、生徒たちがこうした世の中に出て、いかに対応し、生き抜いていくか。その力を育成することが、私たちの使命であり、中高6年間という多感な時期に、たくさんのdots【原体験】を提供する教育を行っていこうと考えました」と、持田直人氏は言います。
同校では、dots【原体験】の質の高さ・深さ・幅を考慮し、教科学習をはじめ、学校行事や部活動など、すべての教育活動をデザインしています。そして、「未来創造力」「国際力・英語力」「人間力」の3つの力の育成を目指します。
▶副学園長 持田直人氏
「DITO」メソッドで「未来創造力」を育成
「これからの未来は、変化のスピードが加速し、不確実性が増大します。そんな時代に必要な力は、状況を見極めて、問題点を分析する『捉える力』、問題解決に向けて『考える力』、周りを巻き込み、行動する『動く力・動かす力』、失敗してもあきらめない『乗り越える力』であると考えています」と持田氏。
同校は、その4つの力を「未来創造力」と定義し、その力を育む学びの手法として、「DITO」メソッドを採用しています。「DITO」とは、「Define(定義する)→Input(入力する)→Think over(熟考する)→Output(出力する)」の一連の行為であり、これを繰り返し行うことで、多面的に深くdots【原体験】を獲得します。
▶※(イメージ)写真は高等学校の生徒となります。
「なかでも私たちは、Define(定義する)を、そして、同じ意味合いをもつDecision(決定する)の力を重視しています。これまでの日本の教育は、教師が生徒に一方的に教える受動的な授業が主流であったため、この“D”の力が身につきませんでした。最近は、生徒が主体的に問題解決をするPBL型の授業やアクティブラーニングが注目されていますが、その場合でも、教師が『これについて考えましょう』と課題を与えていることが多いようです。しかし、私たちはもう一歩踏み込んで、生徒自身が課題を定義したり、決定する授業を実践していきます。自分は何に興味・関心があり、何をやりたいのか、どんな問題をどう解決していきたいのか、自分で決めるのです。例えば、理科の研究や実験の内容を自分で決めて検証したり、英語では、自分の決めたテーマでプレゼンテーションをしたりします。「DITO」メソッドは、全教科で取り入れます」
自分で決める力が未来につながる力へ
「そして、“D”の能力をつけることは、自分の進路や人生を見出すことへとつながっていきます。それに自分で決めるからこそ目標に向かってがんばる意欲も生まれてくるのです」
大学進学に関して、同校では、2020年の入試改革を踏まえ、問題発見力や分析力、思考力、表現力などを養う様々なプログラム、カリキュラムを用意しています。また、受験に必要な教科、科目を主要分野に分け、それぞれの分野で段階別の問題を作成した「段階別到達度テスト」を導入し、きめ細やかに進学をサポートしています。「しかし、受験を突破するには、最終的に本人の意欲、モチベーションがもっとも必要です。自分で決める力が、進路を切り拓く力になるのだと確信しています」。
「国際力・英語力」の養成を強化
「これからの時代は、ますますグローバル化が進んでいきます。そうした社会で活躍するためには、高い英語力と、様々な国の人とコミュニケーションをとる力などの国際力を身につけることが不可欠です」と持田氏。学校では複数の外国人講師を交えて、少人数グループによるチームティーチングの授業を実施し、スピーキングの能力を養成。スピーチやプレゼンテーション、ライティングも中学校から指導を行い、4技能をバランスよく身につけます。また、毎日、海外の講師とオンラインで英会話のレッスンをしたり、2週間、英語の環境でマンツーマンに近いレッスンを受けるイングリッシュキャンプ、国際体験学習などを実施し、使いこなせる英語力や国際感覚を磨いていきます。
▶※(イメージ)写真は高等学校の生徒となります。
海外大学進学を視野に入れたプログラム
さらに、持田氏は、海外の大学進学に向けたカリキュラムも取り入れていきたいと話します。「今は、進学の選択肢に、国内の大学だけでなく、海外の大学も含まれる時代になりました。しかし、現状ではまだ、海外大学へ進学するのは、海外経験のある帰国生やインターナショナルスクールの生徒、保護者が特別な教育を熱心にさせている家庭の子どもが大半です。そういう特殊なものではなく、普通に中学・高校に通いながら、国内の難関大学でも海外大学でも選択できる道を作っていきたい。理数系の教育など、日本の教育は海外と比べても優れているものが多いので、その良さは残しながら、海外大学へ進学できるスキームを構築したいと考えています。
また、海外の有名大学に訪問して、学生たちと交流をしたり、協働して学ぶ機会を設けたり、早い段階での長期海外留学、海外大学生とのオンラインによる進路指導など、様々な国際プログラムを検討しています」
▶※(イメージ)写真は高等学校の生徒となります。
部活動や学校行事で「人間力」を育成
「人間力」の育成において、同校は、部活動や学校行事を大切にしています。部活動では、仲間と切磋琢磨しなから、チームワークや努力することの大切さを学んだり、生徒主体で行う体育祭や学園祭では、コミュニケーション力や行動力を育んでいきます。また、宿泊行事や社会科見学、理科見学などの校外学習も豊富で、生徒たちはたくさんのdots【原体験】を得ます。
さらに、独自の面白い取り組みとして、選択クラブ(集中教養講座)を夏と冬の2回、実施します。これは、生徒たちが入部している部活以外の講座を選び、参加をするというもの。「例えば、サッカー部の生徒が、茶道や吹奏楽を体験したり、同じ運動系でも、バスケットボールをやってみたり…。通常、部活は1つしか入れませんが、他にも興味のあることを、いろいろ体験してみたらいいと思うのです。もちろん、1つのことを追求する良さもあります。双方のいいとこ取りができないかと考え、年に2回、各5日間の講座を設けてみました。もしかしたら、この体験が将来、役に立つかもしれませんし、多感な時期に、幅を広げることも良いのではないかと思っています」。
▶※(イメージ)写真は高等学校の生徒となります。
このように細田学園中学校では、dots【原体験】教育を通して、「未来創造力」「国際力・英語力」「人間力」を養い、未来の社会で、力強く生きる若者を育てていきます。
▶※(イメージ)写真は高等学校の生徒となります。