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和洋九段女子中学校
スペシャルレポート <第6回>

多様な個性と学習歴を評価!
2019年度は7種類の入試を導入

PBL(問題解決型授業)をはじめとする21世紀型教育に取り組んでいる和洋九段女子中学校。この教育をさらに発展させるため、2019年度は、思考力や適性検査型、英語コミュニケーション、PBL型といった新しい入試を導入。全7種類を設定した。入試広報室長の川上武彦先生にそれぞれの試験の特徴について取材した。

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入試改革の背景と思い

和洋九段女子中学校は2016年度より、PBL(Problem Based Learning)型の授業の導入、グローバルクラスの新設をはじめとした教育改革をスタート。現代社会に必要な力やスキルを養う21世紀型教育を推進している。そして2019年度の入学試験も改革を図り、7種類の試験を実施することになった。入試広報室長の川上武彦先生は、多様な入試を導入した理由を次のように話す。

PBL型の授業を通して、未来を生きる力を育成

「私たちが教育活動を行う上でもっとも重視しているのは、生徒たちが将来、世の中に出た時にいかに人と協働して価値あるものを創造できるか、自分の夢を実現できるか、ということです。そのディプロマポリシーに沿ったカリキュラム改革を進めて来ました。しかし、その教育をより充実させるための入試ができているのかを再考し、よりアドミッションポリシーが伝わる入試を設定致しました。出口を見据えて、6年間の一貫教育を実践する。そのための入口も考えていこうと入学試験の見直しに至りました。

入試広報室長 川上武彦先生

最近、AIの発達に伴って“なくなる仕事”“なくならない仕事”という話題をよく耳にします。たとえばレストランのコックさんはなくなるが、シェフはなくならない、経理の事務員はなくなるが、経理のマネージャーはなくならない、そのようなランキングが出ています。総論としては、新たな価値を生み出したり、デザインしたりする仕事は生き残っていくと考えて良いでしょう。
生徒たちには、価値を創造できる人に育ってほしいですし、その力を養っていくのが、学校の役割です。本校では、英語教育やICTを活用した授業に力を入れていますが、それは現代社会を生き抜くための道具として、語学力やITを使いこなす力が大切だからです。ただし、語学力やICTリテラシーは、何かをデザインする際の筆に過ぎない。大切なのは、自分や世界の将来というキャンバスに、何を描けるのかということです。できれば、人が幸せになるような、自分も満足がいくような明るい絵を描いてほしいと願ってます。
そんな力を磨いていくのに、PBL型の授業はとても有効です。様々な価値に触れながら、自分を表現し、周りの反応を確かめ、ブラッシュアップしていく。そうしたPBLの積み重ねは、自分の未来をデザインする力につながるので、学校としても、さらに活性化させていきたいと考えています。そういう前提のもと、私たちはいろいろな個性、価値観をもつ子どもたちを受け入れていこうと、多様な入試を行うことにしました」

互いに影響を与え、共に成長する環境へ

2019年度の入学試験は、一般(国語・算数・社会・理科の4教科と国語・算数の2教科)、英語、英語コミュニケーション、適性検査型、思考力、海外帰国生試験の7種類。2月5日にも試験日を新設し、一般生の試験回数は計6回となった。

「小学生時代に自分が打ち込んできたことや学んできたことを何らかの形で表現できる場を作ろう、それぞれの活動や学習歴を評価していこうと考えた結果、7種類の試験になりました」と川上先生は言う。
「12歳にして、何らかの完成した力を持っているということはまずありません。それだけ、子どもたちは様々な可能性を秘めているということなのです。そして、小学生の時はそれほど勉強に興味をもっていなかったけれど、英語でコミュニケーションをとることはできる、反対に英語は0からのスタートだけれども、国語や算数の勉強をしっかりやってきた…など、子どもにも様々なタイプがあり、そのどちらもが周囲に良い影響を与えます。多様な個性が集まることで相乗効果が生まれ、共に成長することができるのです」

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英語に特化した入試の導入

多様な生徒を受け入れるために、同校は入試を大きく変革。そのなかで、英語1科目及び英語コミュニケーションという英語に特化した試験も新しく導入する。また、海外帰国生入試も、これまでの国語・算数の必修から、英語を含め、自分の得意教科を選択できる制度に変更する。

英語1科目と英語コミュニケーション入試を新設

「本校はグローバルクラスを設置したり、英語の授業数を多くとるなど、英語教育を強化しています。英語力が重要なのは言うまでもないことですが、英語が好き、英語で会話ができるというのも1つの個性であり、能力です。そうした児童を対象に、英語に特化した2つの入試を新たにつくりました」と川上先生。
1つは英語1科目の試験。「昨年度は、英語を含めた3教科の入試を行いましたが、今回は英語だけの試験を設けました。リスニングを含む50分間のペーパーテストで採点を行います」
もう1つは、英語エッセイ(1コマ)と英語の面接(1コマ)を組み合わせた英語コミュニケーション入試。「エッセイは、将来の夢などオーソドックスなテーマを提出し、それに沿って自由に書いてもらいます。面接は、ネイティブスピーカーの教員が質問をした内容に答えるという対話形式です。
英語1科目の試験は、英語が好きで自ら英語の学習をしてきた子どもたちにぜひチャレンジしてもらいたいですね。一方、英語コミュニケーションは、特に英語を勉強してきたわけではないけれども、両親のどちらかが外国籍であったり、国内のインターナショナルスクールへ通うなど、英語に触れる環境で過ごしてきたりしたことによって、英語で日常会話ができる、自分の考えを表現できるという児童向けになるかと思います。どちらの試験も英検3級以上のレベルを想定しています」

海外帰国生入試も2019年度から変更となり、国語・算数・英語から2教科を選択、もしくは英語だけで受験することが可能となる。「こちらも、より多様な生徒を受け入れるために、試験科目の選択の幅を広げました」と川上先生。
また、特待生の選抜は、2月3日に行う特待選抜入試(国・算または国・算・社・理)及び海外帰国生入試で実施される。

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偏差値で測れない新タイプの入試

2019年度の入試は、適性検査型、思考力など、偏差値では測れない新しいタイプの試験も実施。また、同校が取り組んでいるPBLの授業を模したPBL型の試験も新たに設置した。

ルーブリックのB・C軸に沿った入試問題

同校では、教科学習や行事の課題、またその評価などにルーブリックを取り入れ(図1参照)、それを入試にも活用している。ルーブリック表の見方は、縦軸が対象のレベルや規模、難易度を表し、入試に反映しているのは横軸のほう。A軸は知識の習慣や理解思考、B軸は論理的思考、C軸は創造的思考を示しており右に進むに従って、思考の質が上がる。

そして、同校や、公立一貫校などが入試に取り入れている適性検査型は、B軸を中心とした内容になっている。「教科にとらわれない題材を出し、文章を読解したり資料やグラフを読み取りながら問題を解いていく力をみていきます。公立一貫校を志望している受験生にもトライしてもらいたい内容になっています」と川上先生。

思考力試験は、ルーブリック上ではB軸からC軸へと展開し、B軸で求められた論理的思考を使い、導き出した考えを自分の言葉で表現していく。「思考力試験も、知識を問うのではなく、文章や図表などに入れてあるヒントを読み取りながら答えを導いていきます。この試験では、読解力に加え、自分なりのアイデアを伝達したり表現したりする力が求められます。対策としては、日頃から世の中の出来事に問題意識をもち、私ならこう考える、疑問だから調べてみようという習慣をつけると良いでしょう」

PBL型の授業を実施して評価するPBL型入試

さらに同校の特徴的な教育スタイルであるPBLも入試に導入することになった。PBL型試験は、実際にPBLの授業を行い、受験生たちの取り組む様子を加点法で採点する。まずは教員が授業の流れなどを説明(アイスブレイク)。その後、テーマについて、個人でタブレットなどを使って調べ、考えをまとめる。それから、3~4人のグループで話し合い、最後に集約した意見を発表する。
「以前、受験生を対象に入試対策勉強会を行ったことがあり、その時のテーマは『初めて日本を訪れた外国の方に紹介したい日本文化は?』というものでした。私たちの想像以上にいろいろな意見が出され、グループの話し合いも建設的でしたね。採点は、テーマに沿った意見を考えられているか、自分の考えを伝えているか、他の人が話しやすい雰囲気を作っているか、自分の意見と違う時に質問形式で相手に問いかけられているかなど数項目で行っていきます」

同校の7種類の入試に対応する問題集

そして同校では、入学試験の対策として、問題集も作成している。「学力の基礎を養う問題集<国語編>と<算数編>」はルーブリックのA軸の問題を、「学力のジャンプアップのための問題集」はB・C軸の問題を収録。これらの問題集は、学校説明会や入試の勉強会などのイベントで配布している。

このように7種類という多様な入試には、「教科の勉強をコツコツとしてきた子、英語でコミュニケーションができる子、文章を書くのが好きな子、発表をするのが得意な子など、それぞれの個性や能力を積極的に評価しよう。そして、同校のPBL型の授業やグローバル教育をはじめとした教育活動で、一人ひとりのもつ可能性を伸ばし、社会で活躍できる女性を育てていこう。」という学校の強い思いがあることを、取材を通して感じることができた。

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