東京立正中学校/SDGsへの理解を深める課題解決型の学習

課題解決型の学習を通してSDGsへの理解を深める。身近な課題に取り組むボランティア活動では、地域の子どもや高齢者と交流。

SDGsへの理解を深める課題解決型の学習

●地域貢献や社会貢献につながる学びや体験
東京立正中学校・高等学校では、生徒が自ら地域貢献や社会貢献活動につながる将来設計を描けるように、SDGsの学びや体験をカリキュラムに取り入れている。2021年度には、中学全体で大学教授による「SDGsワークショップ」を実施。SDGsができた背景や身近なSDGsについて学び、身近な課題についてグループごとに発表した。イノベーションコース(中入生は全員同コース)の高校生は、子ども食堂や寺子屋でのボランティア活動に参加したり、高2の課題解決型研修旅行でカンボジアを訪問し、SDGsへの理解をさらに深めていく。
「17のゴールについて学びますが、課題に取り組むときにゴールは意識していません。取り組んだ結果、『実は○番に当てはまるよね』という気づきにつながればよいと思います。世の中の課題や身近な課題を考えるときに、SDGsの視点を持つことが重要です。将来の目標が決まっていない生徒も、SDGsに取り組むことで他者を支える視点が加わります。SDGsの学びや体験を通して、自分自身のことだけでなく、周りのこともプラスして考えられるようになってほしいです」(SDGs委員会代表/原子桂輔先生)

●イノベーションコース(高校生)の取り組み
2021年度から公益財団法人五井平和財団を通じて晃華学園中学高等学校、麗澤中学高等学校と交流を深め、2022年度から3校協働SDGsプロジェクトが本格的にスタートした。イノベーションコースの高1と高2が参加して、「福島から考える持続可能な未来」というテーマに取り組んでいる。
「積極的に頑張っている様子など、教室での授業では見えてこない姿も見られます。高齢者や子どもなど、普段は関わる機会が少ない世代と生徒たちが接する姿を見て、『そんな行動ができるんだ!』と驚くことも多いです」(高2イノベーションクラス担任/水谷鮎実先生)

●SDGs入試と学びのつながり
同校では独自入試として、SDGs入試を実施。SDGs入試で入学する生徒に対しては、小学生の頃にやってきた取り組みを事例として共有したり、ワークショップで経験を活かして発言するなど、全体を引っ張る存在になることが期待されている。

生徒インタビュー

Mさん 高2(中入生 イノベーションコース)
Aさん 高2(中入生 イノベーションコース)

地域の高齢者や子どもたちとの交流

これまで取り組んできたことについて教えてください。
東京立正中学校
Mさん
いくつかのボランティア活動に参加しました。1つは、子ども食堂です。夏休みの宿題を手伝って、お昼にはご飯を作って一緒に食べました。すでに学びの機会を作るスペースができているところに、ボランティアとして参加できるのは貴重な体験だと思います。もう1つは、高齢者向けのスマホ相談会です。アラームの設定やメールアドレスのパスワード忘れた場合など、高齢者の小さな困りごとを解決するお手伝いをしました。
東京立正中学校
Aさん
私も子ども食堂のボランティアに参加しましたが、Mさんとは違うグループで生活に困っている人々に食品を無料で配布する活動でした。配布する食品は、企業や市民団体などから提供していただいたものです。それを無料で配布することで、その地域で作られたものが多くの人に渡るのでSDGsにつながります。無料でもらうことに子どもは抵抗がなくても、大人は少し抵抗があり、「本当にもらっていいんですか?」という声も多く聞かれました。もう1つの活動は、地域高齢者との交流を目的とした「桜を楽しむ会」です。校内の桜が満開の時期に高齢者を招いて、ゲームや会話を楽しみました。
スマホ相談会は、SDGsの視点ではどのような役割があると思いますか?
Mさん
Mさん スマホの操作については、高齢者より若者の方が知っていることが多いです。わからないことが多いと嫌悪感を抱いたり、スマホやパソコンを自在に操れる層と情報の格差が生まれます。少しでも格差をなくすことが、住みやすさにつながると思うので、高齢者でも若者と同じような住みやすい環境になるようにサポートすることが必要だと思います。
これらの活動を通して、気づいたことを教えてください。
東京立正中学校
Mさん
SDGsというと自分から遠いイメージがありましたが、スマホ相談会などを行ってみると、意外と身近なことだとわかりました。他人ごとではなく、自分も絡めた身近なことと感じられるようになったと思います。
東京立正中学校
Aさん
一人暮らしの高齢者は、外に出る機会が少なく家にこもりがちで、人との関わりがなくなることも多いです。「桜を楽しむ会」を通して世代が違う人と関わることで、生活に彩りが生まれます。地域内での人と人のつながりも減ってきているので、改善するきっかけになる活動になったと思います。違う年代の方と関わり、地域が豊かになっていくことがSDGsにもつながると感じました。
高齢者や子どもと交流してみて、どのように感じましたか?
東京立正中学校
Mさん
僕は祖父母と同居していて、3歳のいとこともよく遊んでいるので、子どもたちとも高齢者とも自然に接することできました。日頃の経験から、高齢者にはゆっくりはっきり、わかりやすく話すことが大事だと感じています。
東京立正中学校
Aさん
私の場合は、高齢者とは普段は話す機会がありません。最初はどんな話題がいいか不安でしたが、実際に話してみたら、世代が違っても盛り上がることができました。例えば、スマホやインターネットをどのように使っているかとか、ディズニーリゾートの話など、高齢者も新しいことに興味があるようです。
本格的にスタートした3校協働SDGsプロジェクト
今進めている取り組みについて教えてください。
東京立正中学校
Mさん
今進めているのが、晃華学園中学高等学校と麗澤中学高等学校との3校協働SDGsプロジェクトです。各校5人ずつが代表となって、「福島から考える持続可能な未来」というテーマでオーガニックコットンの活用について話し合っています。例えば、PR方法について、原発事故による悪いイメージを払拭するためにどうしたらいいか、若者を中心にSNSで発信したほうがいいかなどを話し合っているところです。プロジェクトを進めるにあたって、福島県で有機農業による綿花の栽培や、オーガニックコットン製品の開発や販売をしている 「KiTEN」という会社の方から持続可能な取り組みについて教えていただいています。
他校からどのような刺激を受けましたか?
東京立正中学校
Mさん
僕はSDGsを知って活動を始めたばかりですが、他校からは予想もつかないような考え方が出てきます。例えば、若者の視点から見たSNSの活用方法や講習会を増やすなどの意見が出て、僕はSNSをやらないので、すごい変化球だと感じました。深く掘り下げると、見え方が違ってくることもわかりました。
今後やってみたいことはありますか?
東京立正中学校
Mさん
テレビをあまり見ないので、これまでは周りの問題に無頓着でした。SDGsを通して世界の問題を知り、考え方も変わってきたと思います。政治についても知りたくなりましたし、ボランティア活動にももっと参加したいです。
東京立正中学校
Aさん
もともと孤児や障がいがある方のことに関心があり、SDGsのゴールにも含まれているので、今まで以上に関心を持つようになりました。地域のことも大事ですが、ユニセフなどを通して世界の中でボランティアとして活動できたらいいなと思っています。
将来の夢や目標について教えてください。
東京立正中学校
Mさん
機械の修理が得意で、見える形で人の役に立ちたいので、医療機器の修理をする仕事ができたらいいなと思っています。母が看護師なので、母が務めるクリニックで父と一緒に医療機器の修理をする手伝いをしたことがあります。スイッチの不具合などを修理したときに、人の役に立っていると実感できました。全ての人が健康で、少しでも長く楽しい人生を送ってほしいので、大学で修理に関係する分野を学んで職業に活かしたいです。
東京立正中学校
Aさん
障がい児への支援などに関心があるので、福祉や医療に携われたらいいなと思っています。今はバレーボール部に所属しているので、部活も頑張りたいです。

東京立正中学校

【所在地・交通アクセス】
〒166-0013 東京都杉並区堀ノ内2-41-15
TEL 03-3312-1111

      • 東京メトロ丸の内線「新高円寺駅」より徒歩8分

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東京立正中学校
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