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【連載|人を数学する】第0回 人生の折り返しは何歳? 〜人体・人間社会を数学の眼差しでみる〜

人生の折り返しは何歳? ジャネの法則

問題です。

21世紀のはじまりはいつでしょうか。

西暦2000年1月1日だと思っていた人は1999年12月31日深夜に「20世紀さようなら、21世紀こんにちは」と叫んでしまいました。20世紀は1901年1月1日から2000年12月31日までですから答えは2001年1月1日です。22世紀になる時はお間違えのないように!

世紀のはじまりは1です。1901年から2000年までの100年間が20世紀、2001年から2100年が21世紀です。残念ながら本稿を読んでいる大人は22世紀カウントダウンには立ち会えません。私たち人間の寿命は100年足らず。WHOが発表した2020年版の世界保健統計によれば、平均寿命が最も長い国は日本で84.2歳、 2位はスイスで83.3歳です。

そこで問題です。

人生100年だとして折り返し何歳でしょうか。

私たちは小学生の時より大人の時の方が、1年間を短くなったと感じます。小学生の時の1年間は今よりも長かったと思い出すことができます。小学校の1年生から4年生までの4年間と、19歳から23歳までの4年間は同じ長さに感じません。青年の4年間はあっという間です。まさに「光陰矢のごとし」の意味を、私たちは年を経るごとに実感していきます。

フランスの哲学者ポール・アレクサンドル・ルネ・ジャネ(1823-1899)は、この人間の時間の感じ方を考察しました。そして、次のように結論づけました。

「人間にとって現在という時間の感じ方は、これまで生きてきた時間との比として感じている」

例えば、10歳の少年の1年間は、それまで生きてきた10年に対しての1年つまり10分の1と感じているということで、60歳の大人の1年間は、それまで生きてきた60年に対しての1年つまり60分の1と感じているということです。60歳の大人の1年は10歳の時の1年の6分の1に短くなったと感じているということです。

このように、時計が刻む時間に対して、人間が感じる時間を“感覚時間”と呼ぶことにしましょう。

10歳の人間にとって、それまで生きてきた時計の合計は、
1年+1年+1年+1年+1年+1年+1年+1年+1年+1年=10年
であるのに対して、

“感覚時間”の合計は、
1/1年+1/2年+1/3年+1/4年+1/5年+1/6年+1/7年+1/8年+1/9年+1/10年=2.928…年となります。

ただし、ここではわかりやすくするために、1歳のときの1年間の“感覚時間”を1年としました。

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