【連載|人を数学する】第0回 人生の折り返しは何歳? 〜人体・人間社会を数学の眼差しでみる〜

人生を積分する

このモデル(仮説)のもとで、ある年齢までの“感覚時間”の合計を計算することができます。上の図では“感覚時間”を1年間隔で考えてみましたが、間隔を1ヶ月、1日、1時間、1秒とどんどん小さくすることで、“感覚時間”の合計はより正確に求められます。

a歳からb歳までの人生について“感覚時間”の合計Sは積分法により計算されます。まさに人生を積分する計算です。

はたして、a歳からb歳の人生の半分を迎えるのは√(a×b)歳と算出されます。0歳から100歳までの時計の時間の半分を迎えるのは、(0+100)×1/2=50歳です。これを「相加平均」と呼びます。

いわゆる普通に一番使われる平均のことです。それに対して、2つの数の積を1/2乗した√(a×b)は「相乗平均」と呼ばれます。人生を積分して得られた“感覚時間”の合計を元に計算された人生の半分を迎える年齢は「相乗平均」だということです。

出来上がった公式のaとbに様々な年齢を代入して、人生の半分を迎える年齢を算出してみましょう。

最初のa(歳)には0を代入することはできません。1歳から100歳までの場合、人生の半分を迎える年齢は√(1×100)=10歳となります。この結果はあまりにも信じられないものです。そこで、始まりの年齢を物心つく年齢として4歳として計算してみます。4歳から100歳までの場合は、√(4×100)=20歳となります。bに日本人の平均寿命を代入してみると、約19歳!

みなさんは物心ついたのは何歳でしたか、そして何歳まで生きたいと思っていますか。それがaとbです。この公式に代入して、人生の折り返しの年齢を計算してみましょう。

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