西武台新座中学校 スペシャルレポート 3/教員と保護者が連携して、絶妙なバランスで進学をサポート

学校見学で感じた「先生との心地よい距離感」

4月から法政大学経営学部に進学する澤井靖文さんと母・裕子さんに、西武台新座中学校への志望理由や学校見学をした際の感想などを聞いた。

 

西武台新座中学校
▶︎写真左より:澤井裕子さん(母)、澤井靖文さん

友達に誘われた理科実験がきっかけで中学受験

6期生として、同校に入学した靖文さん。当初は中学受験を考えていたわけではなかったと、母・裕子さんは振り返る。

 

西武台新座中学校

 

「4年生ぐらいだったと思いますが、友達に誘われて近所の塾で行われていた理科実験に行くようになったんです。当時から算数が好きだったので、1教科でも得意な科目があれば高校受験のときに役立つかなと思い、算数だけその塾に通うようになりました。中学受験を考えるようになったのは、塾の先生から受験を勧められてからです。いろいろな人から話を聞いたり、リサーチしたりするようになり、知人の娘さんが受験して『いい学校だよ』と言われたのが西武台新座でした」(裕子さん)

どんなところがいいのか自分の目で確かめてみようと思い、靖文さんと一緒に学校見学に行ってみた裕子さん。他校と比べて、先生との距離が近いと感じたという。

「他校では、先生は指導者、生徒は学ぶ人というように、先生と生徒の間に溝がある感じでした。友達みたいに距離が近すぎるのもどうかと思いますが、西武台新座は『来てくれてありがとう!』みたいな気持ちが伝わって、和気藹々としている感じがいいなと思ったのです。この学校なら靖文に合うなと思い、本人にも感想を聞いてみたら『なんかいいかも』と言ったので受験しました。学校見学をしてみて波長が合うような感覚があるかは、とても大切だと思います」(裕子さん)

学校説明会では、保護者が説明を受けている間に、子どもたちは別室で模擬授業を体験。子どもだけの空間で、素を出せたのもよかったのではないかと語る裕子さん。靖文さん自身も、子どもだけだったのがよかったと振り返る。

 

西武台新座中学校

 

「先生がたくさん話しかけてくれたので『この学校、いいな』と感じました。子どもながらに、自分に合っていると感じたのだと思います。模擬授業は親の目がなかったので、のびのびと受けられました」(靖文さん)

 保護者にとっては給食も重要

同校を選んだもう1つのポイントは、給食が出ることだったと裕子さんは語る。

「実際に入学してみても、先生との距離は近かったです。担任の先生は、子どもたちの性格をちゃんと把握して、こう言ったらこう動くだろうということを考えてサポートしてくださったことがとてもありがたかったです。昼食がお弁当持参ではなく、給食だったことも本当に助かりました。保護者にとって、毎日のお弁当はかなりの負担になります。味も美味しいと聞いていたので、給食が西武台新座を選ぶ決定打だったとも言えます」(裕子さん)

給食はとても美味しかったので、よくおかわりをしていたという靖文さん。献立は、栄養士がカロリーやバランスを考えて作っているが、美味しいものを食べさせてあげたいという思いから、時にはカロリーやバランスより、生徒たちが食べたいものを優先して作っているという。

 

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「学期末には、特別メニューの日がありました。アンケートで3つのメニューから食べたいものを選び、1位になったメニューを『お楽しみ給食』として食べることができるのです。たまにカロリーオーバーの日もありますが、男子にとってはそれも楽しみでした。クラスでは、先生と生徒も、生徒同士も仲がよかったです。中学生になると授業も難しくなっていきますが、わからないところがあればすぐに質問できる雰囲気だったので、不安などもなく勉強できました」(靖文さん)

同校は、子どもと先生の距離だけでなく、保護者と先生の距離間もいいと感じた裕子さん。何か聞きたいことがあればすぐに相談に行ける雰囲気だったことが、親としてはとてもありがたかったという。

「私や靖文の性格などもわかってくださっているので、面談では包み隠さず話すことができました。男の子にありがちですが『言わない、出さない、知らせない』ので(笑)、学校での成績やどんなことが起きているかわからないことが多かったです。ですから先生との面談では、授業をちゃんと理解できているかとか、友達と楽しく過ごせているかなど学校生活全般についてお聞きしていました。話が長くなるので、いつも面談の順番を最後にしてもらっていたんです。先生は、どうしたら靖文が動くか考えて先回りしたり、すぐにアクションを起こしてくださったりしました。担任以外の先生からも学校での様子を教えてもらったこともあり、多くの先生に見守られて成長できたと思います」(裕子さん)

生徒と保護者に寄り添った受験のサポート

理系として大学受験に挑んだ靖文さんと、担任の先生と連携して見守ってきた裕子さんに、合格までの道のりを聞いた。

 医学部を目指して進めていった受験勉強

靖文さんが受験する大学について考え始めたのは、高2の頃。医学部への進学を考えていたので、担任の先生には何度も相談したという。

「最初は薬学部に行きたいと思っていたのですが、薬学で人を助けるより、直接人を助けることができる医学部に行きたいと考えるようになりました。母にはあまり詳しく話していなかったので最初は賛成してもらえず、先生にいろいろと相談しました」(靖文さん)

靖文さんが言葉足らずだったこともあり、医学部への進学を手放しで賛成できなかった裕子さんも先生に相談。先生は2人の性格なども考えて、裕子さんの側につくのではなく、あえて靖文さんのフォローにまわった。

「医学部に進学するにはお金もたくさん必要ですし、人の命に直接関わる仕事なので、親としては心配も大きかったんです。私からも先生に相談して、私は叱咤激励する役割、先生は靖文の味方になってフォローする役割という感じで、バランスをとりながら見守りました。経済的に私立の医学部は難しいので、医学部なら国公立しか選択肢がありません。靖文は一途に医学部のことだけ考えていましたが、先生は医学部を目指しながらも受験できる他の道も探してくれていました。経営学部なら、得意な英語と数学で受験できる大学があります。もともとお金を動かすことにも興味があったので、結果的にその道に進むことができました」(裕子さん)

靖文さんが経営学部に進路を変更したのは、共通テストを受験した後だった。国公立の医学部を目指すか、私大の経営学部を受験するか迷った靖文さんは、先生の言葉で心を決めたという。

「共通テストがギリギリの点数だったので、医学部に挑戦するかかなり迷って、先生に相談しました。そのとき先生から『どうしても医学部を受験したい、という言葉がすぐに出てこないなら、それほど行きたいと思っていないのではないか』と言われて、自分の気持ちに気がついたのです。どこの学部に行っても、本当に勉強したければ1度卒業してからまた受験することもできます。もともと経営にも興味はあったので、そちらの道もありかなと思えました」(靖文さん)

 塾や予備校に通わずに合格

理系であったにも関わらず、理系の学部を1つも受験せずに経営学部に合格したという珍しい結果となった靖文さん。しかも、法政大学の対策はほとんどしていなかったのだ。

「学校では放課後に、志望校に合わせたレベルの演習や解説をしてくれる講習があったので、それには毎回出ていました。僕は、家では集中できないタイプなんです。学校が開いていれば行って、1人で集中して勉強しました。ずっと医学部の対策をしていたのですが、学校の授業をしっかり受けていたことで、どんな入試にも対応できる力がついていたようです。予備校や塾は自分には合っていないと感じたので、通わずに頑張りました」(靖文さん)

学校では誰よりも勉強していたが、家では誰よりもやっていなかったので心配したと、裕子さんは振り返る。

「努力次第ではまだまだ伸ばせたかもしれませんが、学校の勉強だけで思っていたラインよりも上に行けたのでありがたかったです。最後は本人が決めることだと思っていたので、私からは何も言いませんでした。自分で選んだ道なので後悔しないと思いますし、後悔しないように大学生活を送ってほしいです」(裕子さん)

入学前はハローぐらいしか知らなかったが、入学後に英語の力がぐんぐん伸びていったという靖文さん。

「英語と数学はSタイムという朝学習があり、発音の練習や、英語をどのように英語として伝えるかなどを学びました。その時間に学んだことが、とてもよかったです。これから先、英語を使って世界中をまわれたらいいなと思っています。まだ漠然とした思いですが、世界中の人とコミュニケーションをとって、こんな考えの人もいるんだなと世界を知って知見を広げたいです」(靖文さん)

「先生に恵まれた」6年間

クラス替えのない6年間、友達や先生との思い出について2人に聞いた。

 

西武台新座中学校
▶︎中学1年時の靖文さんと裕子さん(母)

 

 何気ない日常がすべてよい思い出

同校に入学すると、6年間クラス替えがない。少人数制で6年間変わらない仲間と過ごすことに、抵抗はなかったのだろうか。

 

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▶︎中学1年時の靖文さん

 

「僕の場合、かなり人見知りで、初対面の人に自分からぐいぐい近づけないので、クラス替えがないことはありがたかったです。その方が勉強もしやすかったですし、学校生活も楽しく過ごせました。6年間一緒に過ごせば、いやなところの1つや2つは見えてきますが、僕は楽観的に考えるタイプなので『こんな一面もあるんだな』ぐらいで、それ以上気になったりはしませんでした。卒業してからも連絡をとっていますし、明日もみんなで温泉に行きます。うちは僕だけの参加ですが、何人かのお母さんも一緒の旅行です。親同士も仲がいいので、親も子もそれぞれで楽しみにしています」(靖文さん)

靖文さんが同校に6年間通って、一番よかったことは「先生に恵まれていたこと」だと、裕子さんは迷わず答えた。

「英語がゼロからここまで伸びたことも、いろいろな友達に助けられながら成長できたのも、結びつけてくれたのは先生です。この出会いがなかったら、学校生活がつまらないものになっていたと思います。反抗期もありましたが、行き過ぎることなくちゃんと戻ってきました。西武台新座の子たちは、挨拶が自然にできるのもいいなと思っています。挨拶ができれば、会話のきっかけになりますし、相手との壁を崩すのにも役立つでしょう。コロナ禍を経て、これからまたコミュニケーションが取りやすくなっていく中で、挨拶ができる子と出来ない子は全然違ってくると思います」(裕子さん)

靖文さんには、6年間過ごした中で思い出の場所を聞いてみた。

「教室ですね。授業を受けて、お昼を食べて、みんなでわちゃわちゃして怒られたり、何気ない日常が全部いい思い出です。誰とも仲が悪くなることもなく、のびのびと勉強ができて、気持ちよく過ごせました。これから新しい出会いがあり、少し不安もありますが、挨拶から始めて友達を作っていきたいです。将来は起業してみたいという思いもありますが、まずはいろいろな人と出会って、頼られる人になれたらいいなと思っています」(靖文さん)

3歳下の妹さんも同校に通っており、4月から高校生になる。

「娘は見学などでこの学校に来ていた頃から気に入っていたようで、まだ受験していないのに入学した気になっていました(笑)。靖文の場合は、知っている人たちの中でのびのびと過ごして成長できるタイプ。娘の方は、自分から積極的に人づきあいができ、いろいろな人からいいところを吸収できるタイプです。高校生になってもクラスメイトは変わりませんが、担任の先生が変わり、高入生との出会いもあると思うので、その中でよいところを吸収して伸ばしつつ、楽しく過ごしてくれたらいいなと思っています。楽しく過ごせることは間違いないので、苦手意識のある科目が、普通ぐらいに思えるようになればさらにいいなと期待しています」(裕子さん)


取材を終えて

靖文さんの大学受験は、非常に珍しいケースであった。医学部に合格することは、簡単なことではない。しかし担任の先生は、最初から別の道を勧めるのではなく、頑張っている靖文さんを応援しつつ別の道へ進むことも想定していた。靖文さんや裕子さんの性格も把握した上で、靖文さんの可能性を広げる最善のサポートだったのだろう。裕子さんが「先生に恵まれていた」と迷わず答えたことが、とても印象的だった。

 

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