共学校がいいって本当? 女子校、男子校、共学校それぞれの特徴 第1回 女子校だからこそ育成できる力

実社会と同じような男女共学の方が適応力が育つ?

中学受験の情報として、ほぼ毎年のように男子校・女子校の共学化のニュースが取り上げられている昨今。特に女子校の共学化ニュースが目立っています。共学化に関しては、学校運営に関わる理由もあるとは思いますが、1985年「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」として男女雇用機会均等法が生まれ、職場において性別を理由にする差別を禁止し、女性のキャリアを推進していく社会へと変化していった時代の流れも大きいのかもしれません。実社会と同じように男女が切磋琢磨して学ぶ共学の方が、適応力が養われる……と。しかし、女子校の力を侮ってはいけません。

「なぜ?」から答えを確実に見出す女子校の学び

そもそも男子と女子では学習への取り組み方が違うと言われています。女子聖学院中学校取材の際、同校の先生がおっしゃっていました。「女子は『なぜこうなるの?』という疑問を持つことが多いので、答えだけを提示するのではなく『〇〇だから△△の結果になる』と説明していきます」と。ひとつひとつの問題を理解させて、コツコツ積み重ねていく学習が女子には必要であり、女子はそういう学習でこそ力を発揮するのです。先生側も辛抱強さが必要になりますが、磨けば光る原石のように、丁寧に学力を築き上げていけば、成績がアップしていく可能性が高いのです。

マイペースで目標に向かって突き進める学習スタイル

男子は競争意識が高く、ライバルがいると燃えますが、女子は学習について「あの子よりテストでいい点数を取る」などと、ライバル心をメラメラと燃え上がらせるというエピソードはあまり聞いたことがありません。どちらかといえば自分との闘いであり「前のテストよりもいい点数を取る!」という意識が強い。そういう目標を掲げられるからこそ、コツコツと積み重ねていくことができるし、そのペースを守れるのは女子校だからこそ。男子の競争意識にペースを乱されることがないのです。

女子が理数系苦手ってホント?

また女子は文系に強く理系に弱いと言われてきました。文章から作者の考えを読み解くなど、じっくりと向き合う国語の授業など、コツコツと学びを深めていく女子向きかもしれませんが、ここ数年、理系女子が大躍進。おそらく今までも理数系が得意な女子は一定数いたのです。

男子校から共学化した、芝浦工業大学附属中学校の女子生徒さんを取材した際「小学校時代、理系の自分は、話の合う子がなかなか見つからなかったけど、この学校に入学してから、みんなと話しが合うので、毎日学校に来るのが楽しい」と語っていました。

理数系が得意なのに、進学した学校が女子校の場合、理系に力を入れていないために希望する進路に進めない、好きな理数系の学びを深めることができない、あるいは、女子校に行きたかったけど、理数コースのある共学校を受験したというお子さんもいたかもしれません。

理数系コースのある女子校が増えていく可能性

しかし、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校にも女子校は入っており、関東圏では、前橋女子高等学校(群馬)、浦和第一女子高等学校、川越女子高等学校(いずれも埼玉)、お茶の水女子大付属高等学校、豊島岡女子学園高等学校(いずれも東京)、関西圏では、武庫川女子大学附属高等学校(兵庫)が指定校になっていますし(2021年調べ)、昭和女子大学附属昭和中学校高等学校にはスーパーサイエンスコース、日大豊山女子高等学校には理数Sクラスがあります。また、東大合格者が女子校トップの名門・桜蔭学園は、理系女子が半数以上を占めており、文化祭では理数系クラブの発表の場・サイエンスストリートが大人気なのは有名です。さらに、2022年度よりサイエンスクラスを新設する山脇学園中学校高等学校では、サイエンスアイランド(SI)と呼ぶ充実した施設を活用して「サイエンティストの時間」を設けるなど、今から理数教育に力を入れています。
探究しっかり学び、知識を積み上げていく女子校ならではの教育で、文系や語学だけでなく、理数系も強化することが女子校人気を後押しするのではないでしょうか。

女子校はまだまだ進化する!

現在、桜蔭学園、女子学院、雙葉という御三家はもちろん、豊島岡女子学園や、進学校として大躍進している洗足学園、香蘭女学校、吉祥女子、鴎友女子などは、毎年の中学受験の志願者が多く安定していますが、中堅どころ以下では定員割れをしている厳しい状況の女子校もあります。しかし、そういう学校がすべて共学化してしまうのは寂しい。理解力を重視し、学びの下地をつけてくれる女子校教育はまだまだ進化できるはずです。

スタディ公式SNSで最新情報をチェックしよう!