共学校がいいって本当? 女子校、男子校、共学校それぞれの特徴 第3回 男女で切磋琢磨し成長する共学校

時代のニーズに合わせた共学化の波

私立中学校高等学校の共学化の波が、止まる気配はないようです。2020年には、小野学園女子中学校高等学校が共学化し、品川翔英中学校高等学校となり、2021年には、村田女子高等学校が共学化するとともに広尾学園小石川中学校高等学校と校名変更。中学募集も開始しました。同じく2021年、聖徳⼤学附属⼥⼦中学校⾼等学校が共学化し、光英VERITAS中学校⾼等学校に改称。また、2022年には、星美学園中学校高等学校がサレジアン国際学園中学校高等学校としてスタートしています。

関西では2022年、大阪信愛中学校高等学校と修文学院高等学校が女子校から共学校になりました。2023年には目黒星美学園中学校高等学校が、サレジアン国際学園世田谷中学高等学校として生まれ変わり、自由ヶ丘学園高等学校(男子校)は校名を変えずに共学化します。

多様性の時代を迎え、男女ともに国際社会で活躍できる土壌がある現代。共学校で男女が切磋琢磨して学ぶことが、未来へのステップとして重要だとされる時代なのかもしれません。

環境を変えずに中学生活へ

共学校の良さとして、まずあげられるのは、小学校からあまり学習環境を変えずに中学生活へ移行できることです。多くの小学生は、6年間を共学で過ごしています。公立はもちろん、私学の小学校も一部、男女別学の学校(暁星小学校、光塩女子学院初等科、白百合小学校など)はありますが、小学校は共学、中学校から別学という私学の小学校の方が多数派。つまり、多くの生徒たちは小学校で6年間、男女一緒に学校生活を送ってきたので、私学の共学校に進学しても、その環境は変わらない中、中学生活をスタートできるのです。

男女の違いを認識できることが共学校の魅力

男女が共に学校生活を送る中で、違いを意識することができるのも共学校ならではの特徴です。心身ともに成長が著しい中学生は、小学生の時には考えもしなかった「男女の違い」に気づくでしょう。その違いを知るからこそ、お互いの良さを認め合え、それぞれの長所を参考にすることもできるようになっていくのです。

2018年に共学化した桐蔭学園中等教育学校では、全生徒が生徒会の一員として学校づくりを行っています。「男子が活躍すれば女子も一緒に盛り上がり、男子も女子もお互いに褒め合うことができている。それぞれの良さを承認し合い、お互いが補完関係にある」とのこと。男女の違いを知った上で、協力関係を築くことができることが、共学校の魅力でもあるのです。

男女で取り組む学校行事が、社会で必要な力を育む

体育祭、学園祭など、生徒に運営を任せる学校は多く、共学校では、それらを男女が協力して成し遂げます。プログラムの構成、会場の設営など話し合う機会はたくさんあるでしょう。現在は、新型コロナ感染症の影響で、多くの学校が外部からの来客は制限していますが、本来は、大勢のゲストが訪れる学校のビッグイベント。生徒が一丸となって取り組む学校行事は大きな経験になるはずです。

そして、学校行事を男女で協力して作り上げたという達成感は、そのまま未来へとつながるでしょう。社会では同じように、職場で男女がチームを組んで企画を立ち上げ、プレゼンテーションを行い、成果を上げるために協力して業務に取り組むことは多いからです。共同作業で知った男女それぞれの能力、共学校で得た知識や経験は、社会人になった時の大きな力になることでしょう。

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