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スクール特集(郁文館中学校の特色のある教育 #8)

夢合宿と郁秋祭をリメイクした代替行事「IKUBUN Dream Festival」開催!

郁文館中学校では、夢合宿と郁秋祭の代替行事を6日間にわたって開催。EQプログラムや海外とのオンライン交流など、様々なプログラムが行われた初日の様子を取材した。

郁文館中学校は、2021年10月4日~10月9日の6日間、夢合宿と郁秋祭の代替行事として「IKUBUN Dream Festival」を開催。開催初日にプログラムの取材を行い、高校・グローバル高校の教頭・都筑敏史先生(社会科)に話を聞いた。

「人間力」「グローバル力」を育む多彩なプログラム

独自の教育システム「夢教育」で学力・人間力・グローバル力の向上を目指す同校では、各学年を通じて多彩なプログラムを行っている。3つのうち人間力とグローバル力を鍛えるために重要な役割を果たしているのが、夢合宿と郁秋祭(文化祭)だと都筑先生は説明する。

「緊急事態宣言下で実施できなかった2つの行事を、1週間の中で織り交ぜて行う代替行事が『IKUBUN Dream Festival』です。夢合宿では、挨拶や礼節、自立した生活習慣、友人とのコミュニケーションなど、人間力を鍛えるプログラムを中心に行っています。今回の行事では、それを1週間の中でプログラム化して体験していきます。一方、郁秋祭は、一人ひとりが主人公として輝ける行事です」(都筑先生)

人間力を鍛えるプログラムとしては「ABCグランプリ(A:当たり前のことを、B:バカ真面目に、C:ちゃんとやる)」「EQプログラム」などが用意されている。「EQ」とは、「こころの知能指数」と表現され、社会生活を送る上で重要となる力。プログラムは、外部のEQ教育トレーナーから事前に研修を受けた教員が進行するという。

「ABCグランプリは、挨拶、清掃、検温シートの入力やロッカーの施錠などがしっかりできているか、総合的に評価してクラス別にランキング化します。この機会にしっかりと、生活習慣を確立させることがねらいです。EQプログラムは、設定した課題をグループでクリアしていきます。アイデアを出し合い、他者の意見を聞いて解決策を見いだしていくためには、協調性やコミュニケーション能力が必要です。担当教員は、どのような声がけをすると効果的か、悩んでいるときはどのようなサポートが必要かなど、事前にレクチャーを受けています。あまり導きすぎないように、待つことも大切にして、ファシリテーターに徹します。これらは、通常なら夢合宿で行っているプログラムです」(都筑先生)

グローバル力を育むプログラムとしては、郁文館が運営するバングラデシュの姉妹校との交流をオンラインで実施する。

「座学ではできないことなので、特に初めて交流する中1や高1の生徒は、これを機にバングラデシュを身近に感じてほしいです。今回は時間の関係で、代表生徒が英語で質問します。相手も英語で返してくるので、学ぶ姿勢や英語力など、刺激を受けて高め合う機会となるでしょう」(都筑先生)

▶︎高校・グローバル高校 教頭・都筑敏史先生(社会科)

参加者全員の発表をオンラインで保護者に配信

郁秋祭のコンテンツとしては、「未成年の主張 SDGs」「社会問題に関するディベートバトル」などを用意。これらの発表は、オンラインで保護者も見られるようになっている。

「全校の保護者の皆さんに来校していただくのは難しい状況ですが、生徒たちが成長している姿をぜひ見ていただきたいです。生徒たちが日々何を学び、どのような成果を出しているか保護者が知るためには、発表という形がわかりやすいと思います。ですから、主にSDGsに関連したプログラムと『ミニ夢の日』の発表を保護者の皆さんにライブ配信することにしました」(都筑先生)

同校では毎年1回、『夢の日』というイベントを地下体育館で開催している。今回行う「ミニ夢の日」は、その圧縮版となる。現段階での自分の夢について発表し、夢に向かって一番努力している子は誰か、投票形式でクラスの代表を選出。代表となった子は学年で発表し、その中で学年の代表を決めて、代表は全生徒の前で発表する。

「本校では、生徒手帳の代わりに夢手帳を配付しています。自分の夢や達成する日付、達成するための道のりなどを具体的に書くページがあり、それをもとに具体的な行動を起こしていくのです。学期に1回は、夢カウンセリング(面談)を30分以上かけてじっくりと行っています。大多数の子はすでに夢を見つけていますが、まだ夢を見つけていない子もいますし、夢が途中で変わってもよいのです。夢を持った生徒は、スイッチが入ると一気に変わり、キラキラしています。そんな姿を、保護者の皆さんにもぜひ見ていただきたいと思いました。夢や進路について、著名な方に講演してもらうこともありますが、一番刺激を受けるのは、自分の隣にいる身近な子がこんなに努力しているのだと知ったときなのです」(都筑先生)

開会式で映像を担当したIBS委員会にインタビュー

「IKUBUN Dream Festival」の開会式で、事前に撮影した書道部のパフォーマンス映像や、過去の郁秋祭の様子を編集した動画を制作して配信した、IBS委員会(Ikubunkan Broadcasting System)のメンバーに話を聞いた。

Rさん(高2・内進生 IBS委員長)
Yさん(高2・高入生)
Aさん(高2・高入生)
Nさん(中3)
Sさん(中3)
Kさん(グローバル高1・内進生)

――オープニングの映像にどのような思いを込めましたか?

Rさん 僕は5年前に、夢合宿があって面白そうだと思ってこの学校を受験しました。入学してみたら、体育祭や文化祭のエンターテインメントとしてのすごさに感動しました。普段、体育の授業をやっている体育館がライブのステージに変った瞬間の感動は、今でも鮮明に覚えています。ステージの下から撮影するのが本当に楽しくて、僕の生きがいだったのですが、去年からそれができなくてモヤモヤしていました。今回、夢合宿と郁秋祭の代替行事が開催されることになり、郁秋祭を一番好きな僕たちIBSが盛り上げるのがいいと思って、映像を作りました。郁秋祭を経験できていない学年にも、郁文館や郁秋祭ってこんなにすごいんだということを映像を通して伝えたいです。

――どんな映像を作りましたか?

Rさん 過去の映像は、2017年から郁秋祭の歴史を編集したものです。中1のときに見た、あの輝いていたステージの様子を編集していたら、思わずうるっときてしまいました。クラスも違う話したこともない子たちが、肩を組んでペンライトを振って、郁文生全員がライブで一体になっているんです。あの雰囲気が大好きですし、そんな郁文館が大好きだと改めて感じました。それを知らない学年にも、映像を通して伝えたいです。会期中は、昼休みに毎日、発表の機会が減ってしまっている文化部の様子を映像で公開していきます。

Yさん 明日から、ダンス部、書道部、演劇部、軽音部、エンディングの動画を配信していきます。昼休みに各教室のプロジェクターで動画を流して、各部の活動を発表する場にしていきたいです。

――制作した映像を通して、どんなことを伝えたいですか?

Yさん 僕は高校から入学したので、郁秋祭をライブで体験できていません。内進生から、今までの行事がどれだけ楽しかったか、一致団結してきたかを聞いています。将来、映像に関わる仕事がしたいと思っているので、言語のないコンテンツを通して郁文館の魅力を配信していきたいです。

Aさん 開会式では司会を担当したのですが、とても緊張しました。私はエンタメ委員会にも入っているので、演出も担当しています。今まで、自分たちで主体的に動く行事がなかなかできなかったのですが、今回、クラスで一緒に何かを成し遂げる機会ができました。発表などが盛り上がるといいなと思っていますし、私たちの映像もみんなが楽しんでくれることに期待しています。

Nさん 私は中1のときに郁秋祭を経験し、司会も担当しました。そのときに、周りが一体となって場を盛り上げてくれたことが印象に残っています。私が盛り上げるだけでなく、 みんなが盛り上げてくれたという、素晴らしい体験でした。1、2年生はそれを知らないので、郁文館の本当の楽しさや魅力を伝えたいです。

Sさん 中1からIBSとして活動しています。ステージの下から演者や観客をカメラで撮影すると、カメラ越しでも熱気が伝わってきました。その熱気や会場の盛り上がりを、後輩たちに伝えたいと思っています。

Kさん 僕は、中学から郁秋祭を経験してきています。経験できていない学年にその素晴らしさを知ってもらい、IBSが作った映像を通して楽しんでもらいたいです。

▶︎写真左から:Kさん、Sさん、Nさん、Aさん、Yさん、Rさん

協調性を育む「EQプログラム」

体育館や講堂などでは、学年ごとに様々な「EQプログラム」が行われていた。フープを使ったプログラムは、「全員1回はフープをくぐる」という条件で、10回くぐったタイムを競う。くぐり方は自由に考え、8人グループの場合は誰が2回くぐるかも重要である。2人同時にくぐるというアイデアで、4秒という記録を出したグループもあった。

そのほか、決められた距離からスポンジをバケツに入れるためにアイデアを出し合うプログラムや、鬼ごっこを発展させたプログラムなど、様々な形でチームビルディングが行われていた。

7月の「夢の日」で優勝したバトン部の生徒にインタビュー

Fさん(高2・高入生)

――将来の夢について教えてください。

Fさん バトンを通して世界中の人々を笑顔にしたいです。そして、言葉の力を借りずに、世界中の人とつながりたいと思っています。小さい頃は、人前で話すことが苦手で、自分をうまく表現できませんでした。それが、バトンを持つことによって、体や笑顔など、言葉以外の方法で自分を表現できたのです。郁文館は、自分の夢を最大限に活かすステージやチャンスを与えてくれます。そのチャンスを活かして、今のうちにできることを全力でやろうと思っています。

――「ミニ夢の日」では、どのような発表をしますか?

Fさん バトンのほかに、もう1つ夢があります。日本人としてのありかたやおもてなしを、世界中の人に伝えることです。そのために英語をもっと頑張りたいと思っているので、もう1つの夢についても、みんなに知ってもらいたいです。

長野県とオンラインでつながる「農林業講義」

通常は、夢合宿を行う鴻夢館のある長野県東御市の農場で、農林業プログラムを体験することになっているが、代替としてオンラインでの農林業講義を実施。有機農業についてクイズ形式で学び、東御農場で使っている有機の土と有機でない土に触れて比べる体験なども行われた。

中学生のときに、農林業体験をした生徒2人に話を聞いた。

Gさん(高2・内進生)

――農林業体験について教えてください。

Gさん 中2のときに長野へ行って、みんなで作業をしながら学びました。私たちは種を植える係だったのですが、有機農業の土は感触が違っていたことを覚えています。有機の土は、動物の糞なども混ざっているので臭いもしますが、普通の土より柔らかかったです。

――農業についてどのような印象を持ちましたか?

Gさん 去年、起業塾のプログラムに参加したときにも、農業に携わる方に話を聞きました。日本の自給率は低いですが、意外にも世界で5番目の農業大国です。ビジネスとしても、これから成長する可能性が感じられます。もっと若い人たちが、SDGsも絡めて取り組んでいけば、ビジネスとしても面白くなっていくと思います。


Mさん(高2・内進生) 

――農林業体験や農業についての考えを教えてください。

Mさん 僕も中2のときに体験しましたが、有機の土はとても熱かったです。それは、微生物がよく動いているからだと聞きました。農業の問題点は、若者が少ないことだと思います。農業の楽しさを学ぶ機会が必要なので、今回のような講義がきっかけになればよいと思いました。

昼食時には、管理栄養士によって栄養バランスが考えられた「まごころ弁当」が配られ、動画による食育も行われた。

バングラデシュの姉妹校とのオンライン交流

バングラデシュ・ナラヤンクル村にある姉妹校「Narayankul Dream Model High School」は、同校の渡邉美樹理事長兼校長が代表理事を務める「公益財団法人School Aid Japan」が2013年に開校。バングラデシュのモデル校となるような学校を運営し、教育関係者が見学や研修に訪れることで、開発途上国の教育レベルの向上に貢献することを目指している。

プログラム前半は、人口や識字率、人気の歌手や女優など、バングラデシュに関する知識をクイズ形式で学んだ。後半は、現地職員が映像で校内を案内した後、質問者として選ばれた生徒たちが英語で現地の生徒と交流。日本のイメージや、現地での教育問題、英語の勉強方法などを質問した。教育問題については、「理科の実験をしたくても、本などで学んだことを実践するためのツールが足りない」と回答。現地の生徒たちが直面している問題を知り、日本との違いなどを学んだ。

このプログラムに参加していた生徒に、交流の感想や将来の夢について聞いた。

Sさん(グローバル高1年・内進生) 

――バングラデシュの姉妹校との交流はどうでしたか?

Sさん バングラデシュという国については、テレビで見たことがあるぐらいでしたが、姉妹校があると親近感がわきます。このような交流の機会があると、一気に身近になった感じです。

――将来の夢を教えてください。

Sさん 僕は将来、俳優になりたいと思っています。日本だけでなく、世界で活躍したいので留学できるこの学校を選びました。英語だけでなく、海外のミュージカルについての技術なども勉強でき、夢を全力で応援してくれるところが魅力です。この学校に入学してから、自分でもすごく成長しているなと感じています。「協働ゼミ」という探究の授業があって、16種類から選べるのですが、僕は「アートゼミ」を選びました。美術や音楽、ファッションなど、いろいろなアートについて学べます。歌手をやりながら、演技もできる人を目指しているので、将来はブロードウエイの舞台に立ったり、ハリウッド映画にも出たいです。

<取材を終えて>
同校にとって、夢合宿や郁秋祭がどれほど重要な役割を果たしているか、生徒たちのインタビューからも伝わってきた。代替行事ではあったが、人間力やグローバル力を育むプログラムが多数組まれ、一人ひとりが主人公として輝ける場もしっかりと用意されている。例年とは違う形ではあるものの、生徒たちにとって貴重な経験となっただろう。

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