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スクール特集(女子聖学院中学校の特色のある教育 #6)

東京女子大学との高大連携が実現!指定校推薦枠も4名から10名へ拡大

女子聖学院は、東京女子大学と高大連携協定を発表。同じプロテスタントの学校として、東京女子大創立当初から関わりのある同校。高大連携の内容について同校の塚原隆行教頭先生に話を聞いた。

東京女子大学の創立に深く関わった女子聖の創設者

2021年9月、女子聖学院は東京女子大学と高大連携協定を締結した。同校と東京女子大学は同じプロテスタントのキリスト教という共通点だけではなく、東京女子大学の創立にあたり、同校の創立者である B.F.クローソン院長は、大学創立促進委員会の委員を務め、 M.F.レディアード宣教師は、東京女子大最初の理事会の理事として、大学の設立に大きな役割を果たした。加えて、創立当時、東京女子大学の週一回の「聖書」の授業を、聖学院中学校初代校長 石川角次郎先生が担当するなど、古くから同校と東京女子大学は深い関わりがあった。
今後ますます交流が活発になるであろう女子聖学院と東京女子大学。今回の高大連携の経緯と今後について、同校の塚原隆行教頭先生にインタビューをした。

「『女子聖学院五十年史』を紐解きますと、東京女子大学が開学をする前年の1917年に、本校でキリスト教女子教育会第5回大会が開催されました。全国のキリスト教主義学校の代表者・宣教師が集まり、その中には、東京女子大学と北米の教会を結ぶ働きをされたライシャワ-先生や初代校長となる安井てつ先生もご出席し、開学準備が順調であることを報告するなど、両校の中心となる先生方が連携し、東京女子大学がスタートしました。また、本校と東京女子大学は『一人一人の学生・生徒を大切にし、自立した女性を育てる』という校風に共通点が多いのも特徴です」と塚原先生。
同校と東京女子大学の高大連携はなるべくしてなった、お互いに積極的な歩み寄りにより、実現したと言えるだろう。

卒業生が東京女子大学で活躍

同校からは毎年、東京女子大学に卒業生を送り出している。2021年の時点で17名の卒業生が東京女子大学に在籍。生徒主体で作り上げる学校生活を送り、自立心を育む同校の教育を受けた卒業生たちは、同じモットーを持った東京女子大で積極的かつ行動的に学生生活を送っている。
「本校から東京女子大学に進学した学生を、先生方は温かく迎えてくださっています。同じミッション校であり、毎日の礼拝など共通点が多く、卒業生たちはスムーズに大学生活になじむことができているようです。2年ほど前、各校の教員が集まる会で、東京女子大学の先生が、本校の卒業生が授業でおもしろいコメントをしてくれたと話してくださいました。些細なことでも印象に残った学生のことを覚えてくださっていること。また卒業生が学習に積極的に取り組み、先生の印象に残る学生に成長していることに喜びを感じました」と塚原先生。
国際社会で活躍できる力をつけている同校の卒業生も多く在籍。大学の新入生オリエンテ-ションの話者に選ばれたり、在学中メキシコとコロンビアに留学し論文大賞を受賞したり、在学中ネパ-ルで小学生の世話をし、その後英語教授法を深めて学校創設に取り組むなど、同校の卒業生は東京女子大学へ進学し、大きく羽ばたいている。

指定校推薦枠が4名から10名へ

1988年から東京女子大学への指定校推薦枠を獲得し、昨年度は4名。同校の卒業生たちの東京女子大学での活躍の影響もあり、高大連携により、指定校推薦枠もこの度10名へと増加した。
「2013年卒業生から一般入試で入学した学生も含めて、30名が東京女子大学へ進学しています」と塚原先生。毎年行われる校内大学説明会にも必ず東京女子大学の先生が出席。また2019年には、同女子大の先生が出張講義を行い、大変好評だったそうだ。
「2名の先生が講義をしてくださいましたが、そのうちの一人、大学宗教委員長の佐野正子先生は、女子聖学院の卒業生です。この講義に出席した生徒のうち2名が東京女子大学に進学しており、佐野先生は実に温かく迎えてくださったそうです」(塚原先生)。高大連携以前から、東京女子大学とはすでに良い関係を築いていた同校。高大連携でよりいっそう、自立した人間を育む両校の女子教育の充実が期待できるだろう。

生徒の将来へと繋がる高大連携プログラム

教育内容の連携について、塚原先生はさまざまなプログラムが始まっていくと語る。
「今後は、東京女子大の先生に来ていただき、継続的に出張講義を実施していくほか、同校の高校生が東京女子大に出向き、各学部の研究室の見学、大学のプログラムへの参加、大学生との交流など活発に行っていきます。大学とはどのような学びをする場所なのか、その研究を実際に体験し、自分の将来へ繋げるきっかけを作りながら、視野を広げてほしいと考えています」

東京女子大学への進学者が増加する可能性

女子聖学院の大学進学について、秋に合否が決まる入試、つまり総合型選抜と学校推薦型選抜を利用する生徒が増えているようだ。塚原先生によると
「2021年現在の社会人1年生が本校の高3だった頃は、4分の3の生徒が一般入試で、推薦入試、AO入試で進学する生徒は4分の1でした。ところが2016年の私立大学の定員厳格化により、生徒それぞれ、自ら大学受験状況をリサーチし、女子聖学院で築き上げた学びや自身の強みで受験ができる公募やAO入試にチャレンジする生徒が年々増えていきました。本校では希望制によるプロジェクト学習『パラスポーツ応援プロジェクト』を聖学院中学高等学校と合同で実施しています。またオーストラリアのターム留学ほか国際プログラムも豊富にあるので、生徒たちは、そういったプログラムに積極的に参加をし、多くの学びを得て、その成長過程を、推薦入試やAO入試(現在の総合型選抜)の大学受験に活かすというのが、ここ4年間の本校の大学入試の特徴です」
2021年度入試では、学校推薦型選抜(推薦入試)、総合型選抜を利用する生徒が約70%と一般入試を逆転している。これは新入試改革と新型コロナ感染拡大による不安が重なった影響も大きいが、今後、同校で力を入れている探求学習も総合型選抜の背中を押していきそうだ。

東京女子大学との高大連携効果によっては、指定校推薦だけでなく、総合型選抜や一般入試で、東京女子大受験に挑戦する生徒が増える可能性は大きい。まずは、同校と東京女子大学との高大連携がどのように展開していくのか。期待とともに見守っていきたい。

<取材を終えて>
東京女子大学開学に同校が深く関わっていたとは驚きだった。同じプロテスタントのキリスト教で、教育目標に共通点も多く、塚原先生がおっしゃるように、女子聖学院での学びがそのまま東京女子大学での学習に活かされることは間違いない。まるで親戚関係のような親しみやすさで、さまざまな高大連携プログラムもスムーズに進んでいくと思われる。同校の生徒はもちろん、保護者も同校と教育内容において親和性の高い東京女子大への進学ならば安心できるだろう。高大連携の今後が実に楽しみだ。

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