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東京成徳大学中学校

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スクール特集(東京成徳大学中学校の特色のある教育 #6)

クオリティの向上に期待!「文化祭」での経験を積み重ねて成長する生徒たち

東京成徳大学中学・高等学校では、生徒会スタッフが中心となって文化祭を実施。文化祭を通した生徒たちの成長などについて取材した。

東京成徳大学中学・高等学校では、生徒会スタッフが中心となり、生徒主体で文化祭を実施。クラスごとの様々な企画や文化祭を通した生徒たちの成長などについて、生徒会担当の寺田知弘先生に話を聞いた。

2025年のテーマは「おとぎばなし」

2025年度は、9月27日、28日の2日間にわたって文化祭(桐蔭際)が開催された。同校の文化祭は生徒主体で開催され、学年を追うごとにステップアップできるような企画に取り組んでいる。

「1年生は学習発表がメインの企画、2年生と3年生は迷路やお化け屋敷などのアトラクション系、4年生、5年生になるとさらに発展させたアトラクションなどを企画。高校生になると、自分のクラス以外の生徒と組んだ企画なども考えます。そして6年生は模擬店で、お金の管理なども生徒が行います。このような形を取っているのは、学年が上がるにつれてレベルを上げていってほしいという思いがあるからです。1年生からお化け屋敷などをやろうとすると、クオリティが担保できません。1年次は先輩たちの動きを見て、どのように文化祭を作っていきたいか学ぶ機会として考えています。2年生、3年生になるとそういったことも見えてきますが、まだそれほどクオリティの高いものはできません。高校生になるとかなりクオリティも高まり、中学時代に経験したことを形にできるようになります」(寺田先生)

基本的に企画への制限はなく、生徒たちがやりたいものを作り上げていくという。

「5月から6月ぐらいにホームルームの時間を使って意見を集めて、クラス企画を決定します。あまりにも現実味がないものが出た場合は、担任がアドバイスすることもありますが、今年は他クラスと大きくかぶる企画もなかったので、調整の必要もありませんでした。6月頃には各クラスの企画が決定するので、そこから動き始めてほしいところですが、実際に動き始めるのは2学期に入ってからです。今年は、『童話〜おとぎばなしのような不思議な世界〜』をテーマに各クラスで企画を考えました。例えば、1年生は『ごんぎつね』や『赤ずきん』と関連した企画、高校生は『IT(イット)』というホラー映画をイメージした内装のお化け屋敷を作るなど、テーマに沿った形で企画を考えるのが本校らしさかなと思っています」(寺田先生)

▶︎生徒会担当 寺田知弘先生

「経験の積み重ね」の大切さを実感

コロナの影響でオンライン開催になるなど、従来の文化祭が途切れてしまった時期があった。昨年からグラウンドでのスポーツ体験も再開し、生徒たちも文化祭での動きがようやくわかってきたように感じられたと寺田先生は振り返る。

「下級生は上級生の企画や動きを見て翌年につなげていくので、文化祭は積み重ねがとても大切なのだと、改めて感じました。グラウンドでは、軟式野球部、サッカー部、ラクロス部、フラッグフットボール部などが来場者向けにストラックアウトやキックターゲットといったちょっとした体験企画を実施しています。私はサッカー部の顧問をしていますが、昨年来場者としてチャレンジしたことを思い出しながら、準備をしている生徒もいました。そのときに優しくしてもらった記憶があるので、小学生にも優しく接することができています。それもまた、経験の積み重ねなのだと実感しています」(寺田先生)

昨年までは、コロナ禍での中断の影響から、まずは文化祭を「開催する」ことがメインとなっていた。しかし、今年になってやっと次のステップに進める段階にきたと感じられたという。

「企画のバラエティも増えてきましたし、やっとクオリティを高めていける段階になってきました。企画が決まっても、何から始めたらいいかわからず、なかなか動きだせないのが大きな課題です。他校の文化祭も見たりして、もっとクオリティを上げるために早くから準備できるようになってほしいと思っています。今年からの試みとして、生徒会が中心になって校内専用サイトを作り、進捗を共有できるようにしました。しかし、まだうまく活用できていなかったので、来年以降、成徳らしい文化祭にできるように情報を統率しながら準備を進めていってくれることに期待しています」(寺田先生)

以前は入場チケットを発行していたが、昨年からQRコードをかざして入場するようになった。この入場システムのプログラミングも、当時高3だった生徒が行った。

「入場システムをQRコードにできないかという話は以前から出ていたのですが、昨年の高3が『やります!』と言ってくれて、完成させてくれたんです。今年の準備には、大学生になったその卒業生も参加してくれました。今年はパンフレットを紙から電子に変えて、スマホで見られるようにしましたが、それも生徒たちが作っています。生徒会のメンバーと一緒に他校の文化祭などを調べている中で、電子パンフレットの例を見せたらやってみたいという話になりました。そういった企画以外の部分でも、少しずつクオリティが上がってきています」(寺田先生)

2025年の注目企画はジェットコースター

4年生では、二段構造にして下から手が出てくるようなお化け屋敷を作ったクラスもあり、1年生からの積み重ねがクオリティの高さにつながっていることが実感できたという。今年特に注目された企画としては、ジェットコースターが印象に残っていると寺田先生は語る。

「4年生のクラスが教室にジェットコースターを設置したのですが、小学生からも人気を集めていました。ジェットコースターは曲がる部分が一番難しいですが、木でレールを作って2箇所曲がるジェットコースターを作ることができたのです。技術的なことは、そういったものを作るのが得意な教員がいるので、安全面なども含めて全面サポートしています。ジェットコースターのように時間をかけないとできないものがあり、時間をかければクオリティが高いものができることもわかったと思います。今年の経験を活かして、より盛り上がれる企画を考えられるようになっていってほしいです」(寺田先生)

▶︎ジェットコースター

2年生まではパネルを使って迷路を作ったり、段ボールで工作することが多い。3年生や高校生は木やネジ、電動ドリルなどを使って作業をするようになる。そういったスキルの向上だけでなく、生徒たちが秘めている可能性の発見にもつながるのが文化祭のよさだという。

「文化祭は、自分はこんなこともできるんだと知る機会にもなっていると思っています。例えば昨年担当したクラスでは、物静かで前に出るようなタイプではない生徒がクラス企画の準備を進める役割をやりたいと立候補しました。リーダーに向いているタイプではないと思っていたので、少し心配ではありましたが任せてみたのです。やってみたらうまくまとめることができ、しっかりとリーダーシップを発揮することができていました。そういった発見があるのも、文化祭のよさだと思います。ダンス部が1人か2人しかいないクラスの生徒たちが、ホールでダンスをする企画をしたいと言い出したこともありました。経験のない生徒たちばかりでできるか不安がありましたが、やってみたらダンス部以外の生徒たちも人前で踊ることに楽しさを感じることができたのです。それを見て、翌年はダンス企画をやりたいと思うようになった後輩たちもいました。大人の視点からはできそうにないと思えることでも、思い切ってやらせてみると新たな発見につながります」(寺田先生)

文化祭では6年生も積極的に活動

6年生が積極的に活動していることも、同校の文化祭の大きな特徴である。

「6年生は模擬店を出店しますが、毎年ほとんどが売り切れるほどの人気です。今年は6年生が例年より少なかったので、料理部も模擬店に参加してくれました。専門学校と協力してカルツォーネを限定100個で販売したら、即売り切れるほどの人気でした。料理部にとってもよい経験になったと思うので、来年以降も続けてほしいと思っています。後夜祭は軽音楽部の演奏などで盛り上がりますが、6年生もダンスをしたり、劇をやるなど、中心となって頑張っています。6年生は『自分たちが動かないと盛り上がらない!』という感じで、文化祭には積極的に参加したい生徒が多いようです」(寺田先生)

文化祭は部活動の発表の場でもあり、グラウンドでのスポーツ体験会のほか、体育館では ダンス部と軽音楽部、ホールでは合唱部と吹奏楽部が日頃の練習成果を発表する。

「クラス企画も部活動の発表も含めて、文化祭を行うこと自体がそれぞれにとって1つの成功体験になると思っています。その上で、クオリティも高めていければ、さらによい経験になるでしょう。今年から、どの企画がよかったか決める投票も始めました。文化祭は来場者をおもてなしすることも大切ですが、生徒たちが楽しんでいなければ来場者も盛り上がりません。生徒自身が盛り上がれるように、生徒会の動きにも期待したいです」(寺田先生)

<取材を終えて>
ジェットコースターの動画を見せていただいたが、想像以上にクオリティの高いものが出来ていた。クラス企画や部活動の発表以外に、英語のスピーチコンテストなども行われている。同校での学びについて知る機会にもなるので、文化祭を訪れる際にはぜひパンフレットで発表のスケジュールを確認していただきたい。

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