SDGsを取り組む「おすすめの私立中学校」

聖心女子学院中等科(女子校)

この記事で紹介するSDGs

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SNS、エコグッズ販売など多様なプランで挑戦するPFC


聖心女子学院は、世界を変えるための17の目標を掲げたSDGsに力を入れており、エコプレッソ基金で実施された「プラスチックフリーキャンパス」プロジェクト(以下、PFC)に参加している。

加工しやすく大量生産ができるプラスチックは、便利な反面、製造や処理の工程で排出される二酸化炭素が地球温暖化の原因の一つだったり、捨てられたプラスチックが海など自然を汚染していたり、世界中で問題になっている。この問題解決に取り組んでいるのがPFCだ。全国の小学校・中学校・高等学校の有志たちが、プラスチック使用を最小限に抑える活動を積極的に推進している。聖心女子学院では、約30名の生徒が、PFCのメンバーとして活動している(参加できるのは中学3年から)。

「2年前にNPO法人プラスチックフリージャパンから、本校で、プラスチックフリー活動を広めることはできないかというお話をいただきました。生徒会に話を持っていったところ、生徒会主体で取り組もうということになり、当時の生徒会長が立ち上げて発足したのが聖心女子学院のPFCです。全校生徒に声をかけ、有志が集まって活動がスタートしました」(PFC担当・平山先生)

PFCが掲げる目標は6つ。
・・・・・・・・・・・・・・・

  • ①(学び)全学年、プラスチックに関する基本的な知識と、その問題点を知る機会が提供されている。 また、問題解決の方法を考える機会がある。
  • ②(持ち物)持ち物は全て必要以上のプラスチック製品を使用しない。
  • ③(設備)学校全体で使い捨てまたは処理の難しいプラスチックを使用しない環境が整っている。
  • ④(意識)全ての生徒にプラスチック問題改善の意欲がある。
  • ⑤(知識)プラスチックの危険性や影響、日本や世界におけるプラスチック消費活動の実態を認識している。
  • ⑥(行動)日常生活の中でも必要以上のプラスチックを使用しない。また、周りの家族や友人プラスチック問題を伝え、行動を起こすよう促している。
  • ・・・・・・・・・・・・・・・
    自分たちで課題を見つけ、みんなで話し合い、プラスチック削減のためのベストな方法を探りながら、リサイクルなど、自分たちでできることを実践している聖心女子学院のPFCメンバー。「世界の一員としての連帯感と責任感を持って、より良い社会を築くことに貢献する賢明な女性の育成を目指す」という教育理念のある同校にとって「プラスチックフリーキャンパス」プログラムは、理想的な活動と言えるだろう。生徒たちは6つの目標を達成すべく、学業と両立しながら日々、啓発活動に取り組んでいる。

    生徒インタビュー

    Kさん 高3
    Aさん 高3
    Hさん 高3

    Q.聖心女子学院のプラスチックフリーキャンパスの活動について教えてください。

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    Aさん

    PFCは、SDGsの一環としてプラスチックの使用を最小限に抑える活動をしています。この活動は、PFCの 3本柱を軸としています。
    3本柱とは、
    1. 必要以上のプラスチックの使用をなくす
    2. 生徒が主体性を持って行動を起こす
    3. 学校全体を巻き込んで、積極的に情報を発信する

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    Hさん

    この3本柱の下で、プラスチックの使用を最低限にする学校作りを目指して、啓発活動や勉強会を行っています。


    Q.聖心女子学院のPFCでは、具体的にどのような活動をしていますか?

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    Kさん

    PFC発足当初は、プラスチックフリーに関するメンバーの知識が乏しかったので、ディスカッション中心の勉強会を行い、班ごとに個人の調べ学習を継続的に行うことで、メンバーそれぞれが主体的に問題に向き合うことができました。

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    Aさん

    社会の取り組みを学ぶためにSDGsの取り組みを積極的に行なっている企業を自分たちで探して交渉を行い、花王さん、伊藤忠商事さん、そしてスリランカで活動をしている神父様にご協力いただき、講演会を設けさせていただく機会を得ました。これらの講演会でも、社会の取り組みで私たちが参考にできることがないかと学んでいます。


    Q.みなさんのPFC活動を、他の生徒さんに知ってもらうための情報発信はどのようにしていますか?

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    Hさん

    PFCの活動をより知ってもらうためのロゴ制作をしたり、PFC校内新聞を発行し、活動内容をわかりやすく掲載したりしています。また、それぞれのメンバーがポスターを制作して、SDGsに関する学びや、プラスチックフリーについて、それぞれの成果報告を学校全体に向けて発信しています。昨年度はペーパーエコファイルの制作を企画し、卒業記念品として採用されました。

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    Aさん

    プラスチックの使用を減らすための活動の第一歩として、校内でステンレスストローと繰り返し使える蜜ろうラップ制作キットの販売会を行いました。蜜ろうラップは、容器に被せると手の熱でラップの形が変わります。ストローもラップも洗って何度も使えるので、とてもエコです。

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    Kさん

    聖心女子学院全体にPFCを広める活動として、初等科でPFCエコファイルデザインコンテスト開催しています。これは、プラスチックフリーをテーマにした絵を募集し、その中からPFCメンバーが絵を選んで、ペーパーエコファイルを制作するという企画。初等科生にもペーパーエコファイルを使ってもらおうという目的の取り組みです。


    Q. PFCの活動を校外に向けて発信する取り組みはしていますか?

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    Kさん

    多くの方が来校される、みこころ祭(文化祭)では、PFCの活動をまとめたポスターを制作し、展示しました。SNSでも情報発信をしていこうとインスタグラムを開設。活動を動画で発信したところ、多くの方からリアクションをいただき、校外にも影響を与えることができると実感し、今後の励みになりました。


    Q. 今年の活動について詳しく教えてください。

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    Aさん

    今年は傘改革から始まりました。生徒会から、校内の置き傘をどうにかしてほしいと相談され、傘立てに放置されていた持ち主がわからない傘を回収しました。回収した94本の傘のうち、64%(60本)、がビニール傘という現状を問題に思い、傘には必ず記名をし、長く大切に使うこと、できるだけビニール傘は買わない、使わない、置き忘れないことを目標に、生徒会と協力して啓発活動を始めました。

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    Hさん

    私たちは回収した傘と学校の置き傘10本、計70本の傘を柄とビニールの部分に解体して、Plasticityというビニール傘のリサイクル企業に寄付しました。ここは、「Plastic」の問題を抱える「City」にフォーカスを当て、現在の環境問題が、近い将来に解決されるという思いを込めて「10年後になくなるべきブランド」をコンセプトにしたリサイクル商品の製造と販売を行なっている企業です。

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    Kさん

    Plasticityは、寄附した傘1本につき、商品が買える100円分のポイントが貯まる制度があり、その制度を使って、Plasticityの商品を購入し、12月に行われる校内チャリティイベントの景品にしようと考えています。今後もプラスチック傘の問題について各自の家でも意識を持ってもらえるように啓発活動を進めたいと思っています。


    Q. みなさんは、この活動を通じて感じていること、プラスチックの環境問題に関わって気づいたことなどありましたら教えてください。

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    Aさん

    生活の中に馴染んでいるプラスチックが多いと実感しました。この活動に加わる前は、ビニール傘の多さに気づかなかったのですが、プラスチックの多さに敏感になることで、減らしていけるのではないかという視点に変わることができました。

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    Kさん

    PFCの活動を成り立たせるために、30人のメンバーにどういう活動をしてもらうかについて悩みました。2年前に立ち上げたときは、とにかくプラスチックを減らすという目標を掲げていて、ビニール傘を減らそうなど、具体的な目標がなく、それを探すこと、見つけることの難しさを実感しました。でも活動を通して、メンバーと話し合ったりしていくうちに、意外なところで活動の具体的な案が見つけられると思い、30人のメンバーがいるからこそ、いい活動ができると感じています。

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    Hさん

    プラスチックが環境に良くないという点に特化して活動してきましたが、一方で、やはりプラスチックは便利で、プラスチックの代替え品を探すのは大変だなと思います。春休みに「プラスティックフリー生活を送る」という活動をしてみたのですが、逆にプラスチックは便利だと思うこともありました。例えば、シャープペンシルを使わず、鉛筆を利用していましたが、やはりシャープペンの方が使いやすかったです。プラスチックの代替え品を考えるのが、今後の課題だと思います。


    Q. それぞれプラスチックフリー活動を始めて、私生活で変化はありましたか?

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    Aさん

    すごく変化がありました。今まで環境に悪いと分かっていても、「そうなんだ」と思うだけで行動に移すことはなかったのですが、プラスチックだけでなく、これは無駄じゃないかとか、これ減らせるのではないかと考えるようになりました。例えば、着なくなった服は捨てようと思っていましたが、今は「寄付できるところはないかな」と無駄をなくす発想ができるようになりました。

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    Kさん

    やはり校内でビニール傘は使わないと呼びかけているので、私もビニール傘は使いません。家族にも使わないようにとお願いしていますし、使うのなら大切に使ってほしいと言っています。あとプラスチック容器のタッパーも使わず、保存するときはガラス容器を使用しています。

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    Hさん

    私はこれまでシャンプーや消毒液など、なくなったら容器ごと処分していました。でもこの活動でプラスチックのゴミを減らすことの大切さを知ったので、詰め替え用の大容量のものを購入して、なくなったら容器を再利用して、シャンプーを詰め替えたり、消毒液も小分けにして使ったりするようになりました。


    Q. この活動を通して、ご自身の将来に繋がるような気づきはありましたか?

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    Aさん

    企業の講演会で、さまざまな取り組みをしていることを知り、意識が変わりました。これまでは、環境問題は大切だけれど、自分がやらなくても誰かがやってくれるし、やらなくても生きていけると思っていたけど、その問題に人生を懸けて取り組んでいる方たちのお話はすごく興味深かったし、とてもかっこいい生き方だと思いました。具体的な将来像ではありませんが、環境問題や、困っている人たちに対して、自分の力で貢献できる大人になりたいです。

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    Kさん

    私は、環境問題や自然に関する、さまざまな講演会を見たり聞いたりして、PFCという団体として、小さなことでも続けていくことが大切なんだと、意義を感じましたし、机上の空論ではなく、仲間を増やして取り組む大切さも知ることができました。個人的には、貧困問題に関心があるので、もっと勉強していきたいです。

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    Hさん

    この活動で、プラスチックが世の中に溢れていることを実感したとき、人間が発展していくに従って、便利なものにはメリットだけでなく、デメリットもあることを強く感じました。他にも発達した技術には、問題点も隠されていると思うので、調べて考えていきたいと思います。


    Q. 今後についてはどのように考えていますか?

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    Aさん

    プラスチック問題だけにフォーカスするのは限界があると思います。今後はプラスチックだけでなく、もっと幅広くSDGsに関する問題に取り組んでいきたいです。

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    Kさん

    聖心女子学院には姉妹校があるので(札幌聖心女子学院、不二聖心女子学院、小林聖心女子学院)、例えば、札幌の環境の中ではどういう取り組みをしているのかなど、活動を報告し合って、PFCのコミュニティを広げていきたいです。

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    Aさん

    昨年度、全国ユース環境活動発表大会に参加したことがきっかけでNPO法人Blue Earth Projectから活動参加のお誘いをいただき、他の学校とのコネクションができました。今後は他校と協力していく活動も行っていきます。東洋英和女学院さんと山脇学園さんとの活動が進められそうです。



    学校説明会日程等

    ※新型コロナウイルスの感染状況等により、日程が変更となる可能性があります。各学校のHP等で最新の情報をご確認ください。


    開催日 開催時間 説明会名 予約
    2022/12/20(火) - 中等科クリスマス・ウィッシング [学校ホームページをご確認ください]

    入試日程

    試験日 試験名 募集人数 選抜方法 出願期間
    2022/12/22(木) 中等科1年生 帰国生入試 約10

    2教科(国語・算数)、面接

    2022/11/14(月)〜2022/12/2(金)
    2023/1/14(土) 初等科5年転入・編入 約24

    2教科(国語・算数)、作文、面接

    2022/12/7(水)〜2022/12/8(木)

    聖心女子学院中等科

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    聖心女子学院中等科

    聖心女子学院中等科

    所在地・交通アクセス

    〒108-0072 東京都港区白金4-11-1

    TEL 03-3444-7671

    • JR「目黒駅」より [大井競馬場]行バス乗車 「白金台駅前(東大医科研病院前)」下車 徒歩10分
    • 南北線・三田線「白金台駅」2番より徒歩10分

    マップ

    この学校の

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