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おばやしせいしんじょしがくいん

小林聖心女子学院中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(小林聖心女子学院中学校の特色のある教育 #9)

総合型選抜で大阪大学へ進学 OGに聞く、小林聖心の魅力

小林聖心女子学院では、生徒一人ひとりが自分らしい道を見つけ、納得のいく進路を選び取っている。今回は大阪大学に総合型選抜で合格した2名の卒業生に、学院で育んだ力と成長の軌跡を聞いた。

これまでも小林聖心女子学院からは、自らの志を掲げ、さまざまな分野へ進学する卒業生が輩出されてきた。どの生徒も学院での行事や学びに真摯に向き合い、経験の中から志を見出して進路を切り拓いている姿が印象的だ。今回は2025年春、大阪大学に総合型選抜で合格した卒業生を紹介。小学校からともに歩んできた2人が、自分を深く見つめながら、納得のいく進路を叶えた軌跡をたどる。

【お話を聞いた卒業生】
石本もえさん/大阪大学人間科学部人間科学科
東野結香さん/大阪大学法学部法学科

現在の進学先への志望理由を教えてください。

石本さん まだ進路が明確でなかった高校2年生の夏、大阪大学人間科学部のオンライン模擬授業を視聴したことが、阪大受験を意識したきっかけになりました。その授業は被災地支援に関する内容でしたが、人間の行動や社会のあり方を、さまざまな視点から捉え直す学びに強く惹かれました。

この模擬授業をきっかけに、「人間」にまつわる営みを多角的に探究する人間科学部の学びに魅力を感じるようになりました。文系の私にとって、理系的な手法を取り入れた文理融合のアプローチにも新しさを感じましたし、何よりおもしろそうと感じて。「進学したい大学」というよりも、「この学びを深めてみたい」と感じたことが、志望理由につながりました。

東野さん 私は、大学では自らの素地・基盤となる広い教養を身につけたいと考えています。また将来は、人と関わり、人のために働く仕事に就きたいため、異なる背景や価値観を持つ一人ひとりを尊重し慮ることができるようになりたいと思っています。その点で、総合大学として幅広い分野に強く、留学生を含め、さまざまな文化や背景を持った人が集う大阪大学は、とても魅力的でした。また色々な学びに広く触れられる一方で、各々が興味があることを高いレベルでとことん深掘りできる環境は、これまで知的好奇心に素直に過ごしてきた私にとても合っていると思い、志望しました。

もともと法曹界に興味があり、法学部を選びましたが、この思いをさかのぼると、小林聖心での生活につながっていきます。例えば小学校6年生の時には、中学校との連携授業で模擬裁判を体験した時、好奇心がとても刺激されたことを思い出します。またその後、中学、高校に進学してからは、学院祭の実行委員や体育祭実行委員長を務めましたが、「人を支えるにはどうすればいいか」ということに、ずっと関心があったように思います。小林聖心の学校生活を通して、自然と進路への思いが育まれたと感じます。

大学進学について、合格までの経緯やエピソードを教えてください。

石本さん 最初は、指定校推薦での進学を考えていたため、定期テストも自分なりにコツコツ取り組んでいました。ただ指定校推薦の場合、自分が受験する年に希望する大学や学部が必ずあるとは限らないため、母から「指定校推薦でもいいけれど、一般選抜でも受かる実力をつけておいたほうがいいんじゃない?」と言われたこともあり、高1からは塾にも通いながら少しずつ受験勉強も意識していました。

受験勉強を続けているうちに、手ごたえもあったので「一般選抜もいいかな」と思い始めました。一般選抜なら地元の国公立大学かなという程度で、漠然とした気持ちでいたのですが、先ほどの模擬授業の経験などがあり、阪大にシフトしました。私にとって阪大はチャレンジ校でしたが、先生方に応援していただきながら、気持ちを固めました。

総合型選抜は、受験回数が増えるということで挑戦を決めました。小論文や志望理由書の準備が本格的にスタートしてから、進路指導の先生に何度も添削していただき、納得できるまで書き直しました。出願時はそこまで自信はありませんでしたが、本番の小論文と面接で自分の考えをしっかり伝えることができたことで合格につながったのではないかと思っています。

東野さん 私はかなりの心配性で、小学校のころから「大学にちゃんと行けるかな・・・」と不安を感じるタイプでした。一方で勉強そのものはずっと楽しくて、定期テストもまじめに取り組んでいました。

高校生になってから、先生方や卒業生の方、いろいろな方々と話をさせてもらう中で、阪大法学部の先輩方に出会い、ロールモデルのように感じて「私もここで学んでみたい」と思うようになりました。進路決定には、何より学校のサポートが大きかったです。塾にも少し通いましたが、学校のことを全力でやりたい私には合わなかったんです。世間では一般選抜の勉強に全振りすべきという考えもある中で、小林聖心の先生方は、行事を頑張ることや、総合型選抜を受けることを決めた私に対して「あなたがやりたいようにやってみよう」と応援してくださり、志望理由書は、納得できるまで何十回も添削していただきました。

また面接練習も、私からお願いして何度も実施してもらいました。緊張しがちな私にとっては、想定問答を重ねることが大きな安心材料になりました。本番の面接で、実際に練習で取り組んだ質問が出てきた瞬間、「やってきてよかった」と感じたのをよく覚えています。進路指導の先生の細やかなサポートと励ましなしには、合格はつかめなかったと断言できます。

小林聖心女子学院はどんな学校でしたか?

石本さん 何ごとにも積極的に自分から動ける生徒が多いと思います。またいつも思いやりや感謝の言葉があることも特徴です。今、大学で新しい環境にいるからこそ、特に小林聖心との違いを感じるのかもしれませんが、例えば、プリントをみんなに回す時、大学では、ただ黙って回すのですが、小林なら「ありがとう」と伝えながらプリントを回していたなとか、ふと思い出します。小さな積み重ねですが、他者を思いやる心につながっていたと感じます。

困っている人がいれば自然と誰かが声をかけるし、自分の役割を超えても必要であれば、自分で判断して行動できる人が多かったですね。

東野さん 全体的な雰囲気としては、一人ひとりが、のびのびと自分を発揮している感じがありました。自分勝手でばらばらなのではなく、周りへの深い信頼に基づいた強い絆があったと思います。

私たちの学年は本当に個性豊かで「一致団結」に苦戦したことも(笑)。でも、お互いをお互いとしてそのまま受け入れる雰囲気が強くあって、最終的には、「一様に粒の揃った集団になる」のではなく、「一人ひとりの受容、信頼」という形でまとまっていったような気がします。

ありのままの自分を、安心して出せるというのは、私たちの学年に限った話ではありません。好きなことや得意なことはそれぞれですが、だからこそ全員が輝ける場所があったのだと思います。

学校行事に関しては「やる時はやる!」という感じで、一生懸命取り組む雰囲気があり、楽しく充実していました。私も行事が大好きだったので、主体的に関わっていました。

そして先生方は、いつも生徒のことをよく見てくださっていて、本当にお世話になりました。先生と生徒の距離が良い意味で近く、相談もしやすかったです。また、先輩や友達なども身のまわりに尊敬できる人がたくさんいる環境でしたね。

小林聖心女子学院での学びや教えについて

石本さん 小林聖心では「振り返り」をする機会が多く、行事や授業の後にその経験から何を感じたか、どう考えたかを文字にすることが当たり前のようにありました。最初は少し難しいと感じることもありましたが、言語化することをくり返す中で、自分の行動をより深く見つめられるようになったと思います。この学校ならではのすごくいい時間、有意義な時間だったのではないかと思います。

東野さん 石本さんが「言語化する」というのを聞くと、振り返りによる成長を「あぁ、たしかに」って思います。まず振り返りで自己内対話の時間を持って、一度、自分の感情を見つめられます。それを書くことで言語化でき、友人や先生との深い信頼関係の中で素直に表明できるという循環が生まれます。それによって「感情を整理して伝えること」と「自分をきちんと理解すること」の両方ができるようになっていると感じます。

中学受験にチャレンジする小学生、保護者の方に、小林聖心女子学院をおすすめするポイントを教えてください。

石本さん 小林聖心女子学院のいいところは、大学進学実績だけを重視する学校ではないところです。「本当に生徒自身が行きたい大学」に行かせたいという学校の方針を感じます。もし他で志望大学について「そんなところは無理」と言われたとしても、小林では認めてくれるというか、「全力でやってみよう」と応援してもらえます。だからこそ生徒同士もそれぞれがしたいことや目標を応援しあえていると思います。また比較的少人数で、先生が丁寧に指導してくださるところもいいところです。小林聖心はカトリックの教えも含めて、いろいろな経験を通じて「教養」を身につけることができるとも感じます。

東野さん やりたいことに思いきりチャレンジできるところです。勉強だけやりなさいという姿勢ではまったくないですし、一人ひとりがそれぞれ興味のあることに挑戦する姿を見守ってもらいながら、サポートしていただける環境でした。同じ学年には芸術系大学や海外の大学に進学した人もいます。チャレンジを無謀と言わずに、どうやったら合格できるかを一緒に考えながら実現を目指すことができました。

またチャレンジのチャンスが多いため、成功体験が積めますし、その結果、自分に自信が持てるようになるのだと思います。

このようなのびのびとした環境のため、それぞれにやりたいことができているから、自然と主体性が生まれますし、実際に成功したら自信にはなりますが、過度に結果を求められすぎないからこそ、プロセスにフォーカスできるというか、チャレンジそのものを楽しめるようになると感じています。

今後の夢や目標を教えてください。

石本さん まだ明確ではありませんが、小林聖心にいた頃から「世界に目を向ける」ということは大切にしてきました。小林聖心は募金の機会が多いのですが、そういった活動を通じて海外の現状について学ぶことが多くありました。人間科学部では、心理学や教育、福祉など、幅広い領域に触れることができるので、学びを深めながら、自分の興味や関心をさらに探っていきたいです。高校と大学で学んだことを活かして、海外でも活躍できるようになりたいと考えています。

東野さん はじめは法曹界を進路に据えて考えていましたが、小林聖心で尊敬できる先生方との出会いもあって、教育にも興味がわいてきました。大学では教職課程も履修しています。大学では、専攻も価値観も国籍も多様な人が、それぞれ学びのために集う雰囲気が楽しくて、文理問わず他学部の先生の授業も受けています。将来ははっきりとは決まっていませんが、自分の力を人のためにめいっぱい使って、社会に貢献する人になりたいです。

<取材を終えて>
学院生活を通して自分を見つめ、やりたいことに正面から向き合う力を育んできた2人。人間科学部と法学部という進路は異なるが、いずれも「人と社会にどう関わり、貢献していくか」という視点を軸に進路を考えてきたことがうかがえる。小さな気づきを大切にしながら志を見つけ出し、確かな進路へと結実させた2人からは、学び舎への深い愛着も感じられた。

「人のために尽くしたい」というまっすぐな思いの背景には、小林聖心女子学院が重んじるカトリックの精神、そして“奉仕”の教えがある。他者を思いやる姿勢が学院全体に自然と息づいており、その中で生徒たちの思いも静かに育まれていく様子が印象的な取材だった。

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