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しらゆりがくえん

白百合学園中学校 

スクール特集(白百合学園中学校の特色のある教育 #3)

中・高で100種類の実験!五感で感じる「理科」の楽しさ

理科の授業に実験や観察を多く取り入れ、中・高通して約100種類の実験を実施している白百合学園中学校。物理分野の実験を行う中1の授業を取材した。

白百合学園中学校では、「理科」の授業に実験や観察を多く取り入れ、生徒たちが「理科」を身近に感じられる環境を整えている。今回、物理分野の実験を行う中1の授業を取材し、授業を担当した小薗江優理先生(理科教諭・理科部顧問)と授業に参加した生徒に話を聞いた。

五感を使って「理科」を身近に感じる実験

同校では、中高一貫教育の中で約100種類の実験を実施。校内には4つの理科室があり、2クラス同時でも実験を行えるように、ビーカーやフラスコ、ガスバーナーなどの器具をはじめ、使用する薬品の種類や量も揃えられている。光学顕微鏡のほか、実体顕微鏡も1人1台使える台数を完備。岩石標本などの種類も多く、生物・地学分野の観察などを行う環境も整っている。

「理科で扱うテーマは身の回りにあふれているものなので、それを意識してもらえるように、身近なものを使って実験するようにしています。例えば、音に関する実験では、食品トレイに輪ゴムを張って音の高さを比べたり、光の性質を調べる実験では、空き缶を使って簡単な分光器を作ったりもしました。理科を身近に感じて楽しむことが興味へとつながるので、中学生のうちは『楽しい』と感じてもらうことを特に意識して授業を展開しています」(小薗江先生)

同校の卒業生である小薗江先生が「理科」への興味を深め、教師になりたいと思ったのは、高1の時に行った実験がきっかけだったという。

「私が在籍していたころも、様々な実験を行っていました。その中でも、高1の化学で行った、錯イオンの実験が印象に残っています。薄いブルーの銅イオンにアンモニア水を加えると、テトラアンミン銅(Ⅱ)イオンが生成されて、とても綺麗な深青色になったのです。色の変化が本当に綺麗で、そこから理科への興味が深まりました。今は写真や動画も手軽に見られますが、本物を目の前で見るのとはやはり違うと思います。自分で液体を混ぜてみて、その色に変化したからこその感動がありました。また、実験を多く経験していると、試験で実験に関する問題を解くときに、実験用語や事象を瞬時にイメージすることができます。実際に自分の手で触れることで、理解度も上がっていくと思います」(小薗江先生)

▶︎小薗江優理先生(理科教諭・理科部顧問)

中1の授業「いろいろな圧力の実験」を取材

今回取材した中1の授業では、「いろいろな圧力」(物理分野)に関する実験が行われた。
この日行う5つの実験に関するプリントが2枚配られると、生徒たちは黙読して実験方法や考察のポイントを理解する。実験のうち1つは、小薗江先生が生徒たちの前で行ったが、ほかの4つはグループごとに生徒たちが自主的に行う。熱湯を使う実験が含まれていたため、小薗江先生が火傷に注意しながら行うこと、どのような場合に火傷しやすいかをしっかりと説明。その後、生徒たち自身で使用する器具や材料を取りに行き、グループごとに実験が開始された。

3~4人が1グループとなり、プリントに書かれた手順に従って実験を行っていく。この授業の中で最も生徒たちの興味を引いたのは、ゆで卵を使って大気圧の威力を感じ取る実験。三角フラスコに少量の熱湯を入れ、口の部分にゆで卵を乗せてフラスコに冷水をかけると、フラスコの口より大きいゆで卵がフラスコの中に入っていく。次に、ゆで卵が入っている三角フラスコをさかさまにして、スタンドに立てて熱湯をかけると、フラスコの口をふさいでいたゆで卵が外に出る、という実験だ。この実験の途中であるグループが、熱湯をかけてゆで卵を外に出すぎりぎりのところで冷水をかけてみると、ゆで卵がまたフラスコの中に戻っていくことを発見。予定にはなかった実験操作だが、生徒たちが興味を持って自発的に試し、新たな発見があったことで生徒たちは大いに盛り上がっていた。

すべての実験を終えると、各自で机の上を片付ける決まりとなっている。そして毎回、実験の手順や考察を書いたレポートを提出。実験前に小薗江先生は、実験を成功させることも大切だが、なぜこのような事象が起きるのか考えることが大切だと説明していた。

実験を通して育む「自発性」

実験の前に、実験に関するプリントを黙読させることは、読解力や自発性を養うことにつながっているという。

「読解力を養うには長文を読むことも大切ですが、短文からも読解力をつけてほしいという思いがあります。実験をするためには、実際に行動しなければなりません。短文から正確に指示や内容を理解して、行動できるかを見ています。中1の初めは、私が説明してから実験を行っていたのですが、生徒たちは受け身になりがちで、『次はどうしたらいいですか?』という質問が多かったです。自分で考える力を育て、自発的に動けるようになってほしいと考え、時期を見て今のスタイルに移行したところ、次はどうしたらいいかという質問はどんどん減りました。実験に必要な器具を自分で取りに行き、グループで協力して実験を行えるようになり、実験後の片づけを率先してする生徒も増えてきています」(小薗江先生)

実験後に提出するレポートは、実験の目的、準備、方法を白紙の状態から生徒自身で書けるように指導している。

「レポートは、誰が見てもその実験が再現できるように、そして考察などもしっかり書けるように、年度の始めに書き方を教えました。最初の頃はうまく書けなかった生徒も、慣れてくるとしっかり書けるようになっていきます。実験は、順序立てて物事を処理する力が必要です。実験やその後のレポートは、他の教科への取り組みにもよい影響を与えるだけでなく、卒業後にアルバイトをしたり、就職したときに、優先順位をつけて仕事をこなしていく力にもつながっていくと思います」(小薗江先生)

小薗江先生は、座学の授業でも「理科」への興味につながるように、身の回りにある「理科」を話題に出し、科学雑誌「ニュートン」の記事なども取り上げている。

「先日は、『宇宙の終わり』という特集が面白かったので、地球や太陽に終わりはあるのかというテーマで話してみたら、生徒たちも面白かったと言ってくれました。興味を持てば理科が楽しくなると思うので、授業に直接関係ない話でも取り上げています。今日実施したゆで卵を使った実験で、フラスコから卵が出そうになったときに冷水をかけて戻すという、こちらが予想していなかったことを行ったグループがありました。生徒たちの柔らかい頭ならではの発想に、教員たちが気づかされることも多いです。予定にない実験でも、生徒たちが興味を持ったことは、危険でなければどんどんやってほしいと思っています」(小薗江先生)

中1の生徒2人にインタビュー

小薗江先生が担当した授業に参加していた生徒2人に、理科の授業や学校について聞いた。

――今日の実験でどんなことを感じましたか?

Wさん 中学受験の勉強などで圧力については学びましたが、実際に実験したことはなかったので楽しく学べました。特に、ゆで卵の実験が楽しかったです。

Tさん 普段あまり意識していない大気圧を、自分の目で見ることができて嬉しかったです。どの実験も、グループのメンバーみんなで協力してできました。私は、下敷きと吸盤を使って大気圧を感じる実験が一番楽しかったです。大気圧はもっと弱いと思っていましたが、思っていたよりずっと強い力だと実感できました。

▶︎左より、Tさん・Wさん

――今までで一番楽しかった実験は?

Wさん 音を調べる実験です。ビーカーに水を入れて音階を作ったり、輪ゴムを張って音階を作ったりして音について調べました。自分で触って、輪ゴムをはじいて音階を確かめることができたので楽しかったです。

Tさん 光を7色にわける分光器を作って、太陽や蛍光灯の光を比べたのがとても面白かったです。

――今後、理科の授業でどんなことを学びたいですか?

Wさん 元素記号を学びたいです。父や兄から、記号だけで物質を表すことができる元素記号はとても美しいと聞いているので、元素記号の授業を楽しみにしています。

Tさん 理科資料を見ていたら、遺伝子のページが面白そうだと思いました。耳たぶの形やつむじの巻き方を友達と比べてみたいです。

――この学校のいいなと思うところを教えてください。

Wさん 小学生のときに学園祭に来たら、「ごきげんよう」と挨拶してくれたのがとても新鮮でした。在校生が明るく丁寧に接してくれて、さっとゴミを回収してくれたのもかっこいいなと思いました。私は語学が好きなので、フランス語を学べたり、英語のディベートサークルで活動できたりするのも楽しいです。制服がかわいいことも、とても気に入っています。

Tさん 私も受験前に学園祭に来ましたが、在校生の接し方が優しくて、いい学校だなと感じました。明るさや優しさが表現されていたダンス部のダンスも印象に残っています。フランス語を話せるようになりたいので、季節ごとにフランス語を使って楽しむ行事があるのもうれしいです。中学から入学しましたが、入学式の日に白百合学園小出身の生徒が優しく話しかけてくれたのが、とてもうれしかったです。

学園祭で人気の理科部と天文部の活動

同校の理科部は、文系、理系に関係なく「理科」が好きな生徒が集まり、アットホームな雰囲気の中で実験を楽しんでいる。

「縦割りで学年を越えた班を作り、班ごとに自分たちでやりたい実験を決めています。『電気パン』(牛乳パックと金属板で作った容器にホットケーキミックスをベースにした生地を入れて、電流を流して生地を膨らませる実験)など、食べ物に関する実験を好んでやっていますが、『火薬を使わない線香花火』(硫黄や木炭などをすりつぶして和紙に乗せてこよりにする)など、面白い発想の実験もありました。失敗することもありますが、実験ごとにレポートを書かせているので、なぜ失敗したのかを考えて次の実験に活かしていきます」(小薗江先生)

学園祭では、来校者が体験できる「スライム作り」や「葉脈標本作り」を行って、毎年人気を集めている。

「スライム作りは、食紅で色をつけるので好きな色を選べて、小学生などに人気です。葉脈標本作りは、葉っぱを水酸化ナトリウムで煮て葉脈だけの姿にしたものをラミネート加工して、栞として持ち帰えることができます。来校者にも見ていただける演示実験も、毎年何種類か行っています。また、本校の5階にはプラネタリウム室があり、五藤光学研究所で作られた、専門機関にあるような本格的な機材で上映します。学園祭では、天文部の生徒たちがナレーションをしながらプラネタリウムを上映するのが伝統です。学園祭に来ていただけたら、ぜひ理科部や天文部の活動も見ていただきたいです」(小薗江先生)

<取材を終えて>
中1の授業では、どのグループも自発的に、そして楽しそうに実験を行っていた。出そうになったゆで卵を冷水でフラスコに戻すことに成功したグループの生徒たちが「戻った!」と言っていたときは本当に嬉しそうだった。小薗江先生が錯イオンの実験をきっかけに理科への興味を深めたように、同校には生徒たちが理科への興味を深めるきっかけを得る環境が整えられている。学園祭では来校者も見たり体験したりすることができる実験を行っているので、ぜひその楽しさを感じていただきたい。

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