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やまわきがくえん

山脇学園中学校 

スクール特集(山脇学園中学校の特色のある教育 #1)

「探究する力」が武器になる新入試始動

英語・国際教育と理数教育に重点を置く山脇学園。同校では、2020年度より「探究力」を重視する「探究サイエンス入試」を始める。今回は、そのねらいと同校の理数教育の特徴についてレポートする。

好奇心をもって探究する力の育成を目指す同校には、考える力を育てる場、「サイエンス アイランド(SI)」が設けられている。そして、その「考える力」を持つ子どもの力をもっと伸ばしたいと、中学入試に導入した「探究サイエンス入試」がいよいよ2020年度からスタートする。「サイエンス アイランド」とは? そして、新たに導入される「探究サイエンス入試」とは?

科学が詰まった「サイエンスアイランド(SI)」

「思考」「判断」「表現」を学力の三要素としている同校。この3つがぶつかり合うことで「探究」につながるという。そして、それぞれの能力を育てる場としての3つのアイランドがあり、各アイランドを活用している。

イングリッシュアイランド(EI)は、表現することに重きを置いた活動をする施設だ。外国に留学したような環境で英語を能動的に学ぶ施設で、ネイティブ教員とともに、英語を使った活動を行っている。EIでの活動は、オールイングリッシュが原則だ。英語で話すことが日常なため、生徒の口から無意識のうちに英語が飛び出すという。

リベラルアーツアイランド(LI)は、様々なテーマで判断を行うことで、課題を発見し考察する力・情報を収集し分析する力・発想力・協働力・表現力など、社会で活躍するために求められる力を育む場となっている。オープンスペースでホワイトボードが1グループに1台使えるようになっており、グループディスカッションやプレゼンテーションによって意見を交換・発信しやすい環境が整えられている。

そして、思考する場として活用されているのがサイエンスアイランド(SI)だ。「科学を通して社会に貢献する女性の育成」を目標に、科学への志と技術を身につけるためのプロジェクト型学習(PBL)が行われている。
「SIができて9年目になりますが、ここは思考するということに特化した場として運営しています。理科や数学は思考するのにとても適している学問ですので、自ずとこれらの学問を中心とした活動をする場となっています。SIには実験室もあるので、仮設を立てて検証することで思考を深めていきます。このような場の活動を通じて、本校では1/3くらいの生徒が自然科学の分野に進んでいます。」(大島先生)

▶︎大島先生

小さな科学者を育てる「サイエンス」の取り組み

科学への取り組みは中学校に入学した時から始まっている。中学1・2年では理科の授業とは別に「サイエンティストの時間」という授業が設けられている。科学への興味を引き出し、志と技術を育むべく、基本的な実験操作の習得と考察力・表現力を磨く探究型の授業だ。ここでもSIを活用して「小さな科学者」たちが実験・研究を行っている。

「例えば、1枚の紙を使って300グラムのペットボトルを乗せても壊れない橋を作ります。材料は紙1枚と限られていますので、最大の長さは自ずと決まってきます。長い橋は強度がなく、すぐに落ちてしまいます。短くすると強度は上がりますが、長さが足りなくなります。そのギリギリのラインをどうやったら見つけられるかをグループで試行錯誤し、橋を完成させます。このように生徒たちが楽しみながら探究活動ができるよう工夫しています」(藤村先生)

「サイエンティストの時間は全員が受ける授業です。ここで科学に興味を持った生徒たちの一部は中学3年生になると、科学研究チャレンジプログラムという希望制のクラスを選択します。このクラスではロボット班、PC班、生物班に分かれ、年間を通して研究を行っています。中3は7クラスありますが、その中の1クラスが科学研究チャレンジプログラムを実施するクラスです。生徒たちは1年間かけて自分のテーマを設け、SIを使って実験・研究をしています。通常の授業は他のクラスと同じですが、プラスアルファ、放課後の活動として研究活動を行うことができます」(大島先生)

▶︎藤村先生

通常では経験できない大学との共同研究や学会発表も

科学研究チャレンジプログラムでの活動は学校の中だけにとどまらない。5月には沖縄県西表島でのフィールド活動を実施。時には大学の先生方と一緒に活動したり、学会での発表を行ったりと、中学生では経験できない取り組みもある。更に中学3年生時の活動を経て高校生になっても継続して研究を行う生徒もいる。

「ここまでくると研究内容もかなり専門的で、私たちでは答えられないこともあります。そんな時に答えを見つけられるような人を紹介する、というのも私たち教員の仕事だと思っています。実際、大学教授などにつなげ、中3からマングローブの研究をしている高2の生徒は、琉球大学の先生と直接アクセスさせてもらっています。そんな先輩の姿を見て、今の高1も中3からマングローブの研究をしています」(大島先生)

自由な発想とプロセスが重要な「探究サイエンス入試」

子どもには「なぜ?」がたくさんある。その「なぜ?」を大事にして育てたい。同校の6年間のサイエンスへの取り組みを活用して、次のステージに羽ばたいてほしい。そんな思いで導入するのが「探究サイエンス入試」だ。入試科目は理科(30分)、課題研究(60分)。理科は小学校の基礎知識を問う内容で、計算処理の必要な問題・読解力の必要な問題となっている。

特筆すべきは「課題研究」。これは、答えよりもそのプロセスに重点が置かれる。探究活動のステップである「観察→仮説→検証→結果→考察→発表」を見る試験で、解答用紙(発表シート)だけでなく、その答を出すまでのプロセスを書いたシートも提出する。例えば、こんな感じだ。

問1 この教室の中で、激しい運動をせずにあなたの心拍数を変化させるにはどうしたらよいか。具体的な方法と理由を答えよ。

問2 問1であげた方法を実際に試してみて、自分が正しかったかどうか考えよう。また、自分の考えをもっと正しいというためには、今度どのようなことをすればよいか。

このような問題を「観察→仮説→検証→結果→考察→発表」と順序だてて考え、最後に発表シートにまとめる。わかりやすくするために表やグラフを使用したりすることも必要だ。

「わくわくするような問題を作りたいと思っています。一般の4科の入試では考えるプロセスは見られませんから、探究サイエンス入試でプロセスをみて、研究活動がすごく得意だという生徒に中学入学の時点で入って欲しいなという気持ちですね。ぜひ、自由な発想を持ってチャレンジして欲しいです」(大島先生)

在校生にインタビュ―SI部を通して広がる世界

SIの部活動であるSI部。化学班・物理班・生物班・数学班・天文班の5つに分かれ、探究活動を行っている。理系進学を希望する生徒だけでなく「実験が好き」な文系の生徒も在籍している。SI部員は学部で主催されるさまざまなコンテストに参加し、その研究成果を発表しているという。実際にSIで研究をしている在校生に、活動内容を聞いてみた。皆さん、楽しんで研究に没頭しており、それぞれに将来の希望を語ってくれた。

●Kさん、Nさん(高1・生物班)
ヌマエビがどの色に集まってくるのか、一緒にヌマエビの色学について研究をしているというお二人。中学3年生の「科学チャレンジプログラム」から引き続きSI部で研究を続けている。

Q.科学チャレンジプログラムに参加した理由を教えてください。

Nさん:理科が好きで、SIという施設があることを知っていて入学しました。学校見学会でSI部の体験が楽しく、入学したら研究したいと思っていました。もともとは蟻に関してもっと深く研究してみたかったんです。蟻が食べ物までたどり着いて、そこから仲間のアリを呼ぶまでとか、巣のできる過程とか、いろんな部屋などを実際に見てみたいと思っていました。

Kさん:私はそこまで考えてなかったのですが、中学1、2年のときのサイエンティストの授業で興味が湧きました。動物園が好きでよく行っていたのですが、パンダがぐるぐる回り始めたり、繁殖期になると木の上に登ってメスの方をみたりするのが気になって、哺乳類の研究をしたいと思いました。本当はネズミとか小動物とか実験動物を使って実験がしたかったのですが、学校では無理なのでヌマエビになりました。

Q.具体的にはどんな研究をしていますか?

Kさん:最初は水槽に光を当て、光に集まるか実験していましたが全く反応せず、光には集まらないことがわかったので、バットに2種類の色を貼ってどちらに多く集まるか実験することにしました。実験していると角にエビが集まりやすかったので、角を無くすなど工夫しました。ビデオをセットして10分ごとに記録しています。いろいろな色の組み合わせでやっていますが、今のところ、赤に多く集まってきます。

Q.地道で根気のいる研究のようですが、これからも研究を続けますか?

Kさん:はい。まだ、なぜその色に集まってくるのか理由がわからないので、それを解明したいです。

Nさん:理由を解明して、それを漁とかに役立てたいです。

Q.将来はどんな道に進みたいと思っていますか?

Nさん:私は食品開発をしてみたいと思っています。生物とか微生物の働きを知ることはそれにつながると思うので、今回生物に関われてよかったなと思っています。サイエンティストの授業もとても楽しく、理科の実験をたくさんしたいと思っている人にはいいと思います。

Kさん:獣医師になりたいと思っていましたが、その後にさらに研究している人もいるので、獣医師になって研究の道に進みたいと思います。SIの活動をすることで考えたり検証したりするコツがわかるので、研究に役立と思います。


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●Sさん(高校2年生・物理班)
パワーポイントを使ってプロジェクションマッピングをやってみようという取り組みをしているSさん。これまでの活動について聞いてみた。

Q.物理班に入ったきっかけは?

Sさん:私の時代はSI部に入った人はいろんな班を体験できる時代があって、その中で物理班が一番面白そうだと思って勉強し始めました。機械に興味があり、物理班に入って初めてプログラミングを教えてもらい、ロボット作りをしました。

Q.今までで一番印象に残った取り組みは何ですか?

Sさん:中2のときにロボットを作り、World Robot Olympiad(WRO)の決勝に進んだことです。中1まで何もできなかったのが、先生のアドバイスをいただきながらペアの子と作って出場しました。周りの先輩の出場者のロボットもすごく斬新で刺激的だったのですごく印象に残っています。その時のテーマは循環型社会だったので、過疎化によって荒れ放題になった里山に人が手を加えることによって、中規模の撹乱を起こして生物の多様性を守りつつ資源を上手く循環させるというコンセプトでレゴを使ってロボットを作りました。
発表する時に、世界大会に行った先輩がいるんですが、その先輩が山脇に来てくれて、発表の時のアドバイスもしてくれて、すごく自分にとってためになりました。

Q.今はどんな取り組みをしていますか?

Sさん:今はパワーポイントでプロジェクションマッピングをやっています。紙で家の模型を作り、そこにパワーポイントで作成した画像をプロジェクターで映します。長さを調整しつつ画像を浮き上がらせたり、アニメーションを使って下からだんだん消えるようにしたりしてチェック柄を映し出しています。中学3年生の時の科学チャレンジプログラムではPC班に入ってゲームを作っていて、その時に使った映像に興味を持ち、高1の10月からプロジェクションマッピングを始めました。

Q.今後はどんな道に進みたいですか?

Sさん:この学校に入るまでは文系に進むんだろうなと思っていました。でも、サイエンティストの時間や科学チャレンジプログラム、SI部を通して理系も面白いと思うようになり、今は工学系に進みたいと思っています。バイオミミクリーという生物の動きを機械に応用する研究に興味があって、その研究室には入れたらと思い、大学を探しています。
SIクラブは先輩からこうしなさいと言われてやるのではなく、自分がやりたいことがやれるところが魅力です。科学系の先生と仲良くなれたのはすごくよかったと思っています。

<取材を終えて>
とても中高生とは思えない、専門的な研究に驚いた。プロセスを問う「探究サイエンス入試」の導入で、さらに探究心溢れる子どもが増えるはずだ。大人になっても「何でだろう?」と何にでも疑問を持つ好奇心と考えることを忘れず、私たちの生活をより豊かにしてくれるような、新しい発見や新しい発明をする卒業生がどんどん現れることを期待したい。

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