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立正大学付属立正中学校
スペシャルレポート <第5回>

1歩ずつ着実に積み重ねて大きく成長!
将来を見据えた「R-プログラム」

立正大学付属立正中学校では、社会で活躍できる人材の育成を目指し、Research(調べる)、Read(読み取る)、Report(表現する)という3つのスキルを伸ばす「R-プログラム」を2013年から実施。中学3年間で大きく成長した高校1年生2人とその学級担任にインタビューし、「R-プログラム」の柱となるコラムリーディングや職場体験について紹介する。

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思考力と表現力を伸ばす「コラムリーディング」&「スピーチ」

「R-プログラム」の中で、大きな柱となっているのが「コラムリーディング」と「スピーチ」だ。どのようなことから始めて、生徒たちはどのように成長していくのか。中学からの積み重ねで大きく成長している高校1年生。その担任をしている松本陽介先生(理科主任)に話を聞いた。

できることから少しずつステップアップ

ショートホームルームの時間を活用し、生徒たちは週2回程度「コラムリーディング」と「スピーチ」に取り組んでいる。テーマ文は、高校生新聞や雑誌から読みやすくて関心を持ちやすいものを選び、経済や文学、科学など、幅広い分野を網羅。学年ごとに同じテーマ文に取り組み、学年が上がるにつれて表やグラフを交えたデータ分析なども行っていく。中1はテーマ文を読み取って「意見や感想を200字程度にまとめ、1分間で発表する」ことを目標にしているが、最初は少しずつ書くことから始めていると、松本先生は説明する。

松本陽介先生

「中1では、まず書いてみることと、みんなの前で発表することを経験させます。とはいっても、いきなりたくさん書ける子はごくわずかです。『まずは〇行書いてみよう』『半分まで埋めてみよう』という感じで、少しずつ慣らしていきます。中2になると、より深く読めるようなテーマ文を選び、考えさせることにも力を入れます。中3では、社説などの難しい文章を読んで自分の考えも入れて文章をまとめるという感じでステップアップします。自分の考えを入れることについても、いきなり『どう思うか?』と聞いても難しいでしょう。まずは、テーマ文の意見に対して賛成か反対か、その理由を書くことから始めています。」

発表に関しては、1つのテーマで5人ぐらいがクラス内でスピーチを行う。発表しただけで終わらせず、聞いていた生徒たちからの質問を受け付ける時間も設けているという。

「みんなの前で『質問がある人!』と言っても緊張して挙手できない生徒もいるので、生徒同士で話し合いをさせたり、みんなの意見を聞いたりしたうえで隣の人ともう一度話し合い、人の意見を聴く力や自分の意見を伝える力を鍛えていきます。人前で話すことや自分の意見を言うことは、社会に出てから必ず求められる力です。自分が言いたいことを、簡潔に伝えることが大切だと思います。発表の回数はそれほど多くはありませんが、経験を重ねていくことでそういった力が身についていきます。」

添削するたびに生徒たちの成長を実感

「コラムリーディング」で書かれた文章は、担任がチェックしてコメントをつけて返却している。添削するたびに生徒たちの成長を実感できると、松本先生は語る。

「中1は、誤字・脱字のチェックから始まり、話し言葉から書き言葉への変換、文章の構成へと進んでいきます。コラムの意見に対して『先生はどう思いますか?』などと質問が書かれていることもあり、私の考えを書いたこともありました。文字数以内にきっちり収めてくる子もいれば、自分の意見をたくさん書いて用紙の裏面まで使って書いてくる子もいます。書くための時間は10分程度ですが、読んでいて『なるほど、ここまで考えることができるのか』と感心することも多いです。私の場合、文字数をオーバーする子には、提出前に自分で書いた文章を自分で添削させます。いらないと思った部分を、消しゴムではなく線で消すようにするのです。自分で添削することで文字数に収まるようになってくると、本当に述べたいことが残り、内容がギュッと凝縮されてより研ぎ澄まされます。どこを削ったのかわかるので、読んでいて成長していく過程もわかりとても面白いです。」

「コラムリーディング」で生徒が書いた文章

学年が上がると、ニュースで見た情報を書き込み、背景まで考えて書けるようになっていくという。

「例えば中3では、イギリスやパリ、台湾でも電柱が地中化されているのに、日本ではほとんどされていないため、地震などで倒壊の被害も多いという記事を取り上げました。そのとき、『イギリスなどは日本と比べてもともと地震が少ないので、単純に比較することはできない』という意見が出ました。テーマ文に書かれていないことまで考えたうえでの意見なので、中1からの成長を感じます。このような意見をクラスのみんなで共有していくことも『R-プログラム』の面白さです。」

高校1年次に大きな差となる中学3年間の積み重ね

「コラムリーディング」は高1まで行われているが、取り組むテーマ文も学年が上がるにつれてレベルアップしていくという。

「高1では、PISA*の問題を解き、表やグラフなどのデータを読み取ってどこまでのことが言えるかなども考えます。例えば、あるアンケートを取り上げ、その都市の人口も考慮してそれで世論が動くかどうかを考えるなど、正解がない問題です。思考力を養うために、数式を使わずに文章だけで読み解いていく数学の問題も取り入れました。海賊が宝を分配していくときにいろいろな条件があり、条件にあてはめていくと取り分がどうなるか、というような問題です。高1ではそのような難しい内容にも取り組めるようになりますが、中1から積み重ねてきたからこそできるのだと思います。」

*PISAとは、 OECD(経済協力開発機構)加盟国を中心に3年ごとに実施される学習到達度調査。義務教育修了段階の15歳児を対象に、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野を調査する。

「コラムリーディング」は15分程度の積み重ねであるが、中学生のうちから取り組んでいくことに大きな意味があるのだと、松本先生は語る。

「書いたものから成長の度合いが手に取るようにわかります。中学3年間の積み重ねがある高1の生徒が書いたものは、読んでいてとても面白いです。コラムリーディングは高校から入学した生徒も取り組みますが、やはり大きな差があります。高1からだと書くことに対する抵抗や苦手意識を持ってしまっている子もいるので、中学生のうちから取り組んで積み重ねていくことが大きな成長へとつながっていくのだと思います。」

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“学びたいこと重視”の進路選択につながる「職場体験」

「R-プログラム」の中で、Research(調べる)の部分を多く担っているのがキャリアデザインプログラム(進路学習)だ。将来を見据えた大学進学を実現できるように、中学生のうちからキャリアデザインプログラムに取り組んでいる。今回は、中2・中3で実施している「職場体験」について紹介する。

将来をより具体的にイメージするきっかけとなる「職場体験」

中学生で実施するキャリアデザインプログラムの狙いは、「社会を知る」こと。仕事の現場を目の当たりにし、興味のある業種についての理解を深めて職業観を少しずつ育んでいく。中2と中3で実施する「職場体験」では、生徒が興味や関心のある分野を選んで希望を出し、教員が割り振った企業や飲食店、美容室、保育園、病院、ホテル、自衛隊、警察署などの職場を訪ねて3日間仕事を体験。体験後には、仕事内容の詳細や他業種との関わりなどをさらに調べて、新聞製作(中2)やプレゼンテーション(中3)を行う。

「自分が体験してみたい分野の職場に行けるので、将来をイメージするきっかけになるプログラムです。中2と中3が同時に行くので、毎年100近い企業や施設に協力を依頼しています。例えば、昨年は保育園に中2と中3が3人ずつ行きましたが、受け持つ場所を変えたりして対応していただきました。令和生まれのお子さんを担当させていただいた生徒もいて、とても貴重な体験になったと思います。国立博物館にもお願いできたので、英語が好きな子は外国から来た方の案内などをして、とても楽しかったと言っていました。中1は卒業生から現在の仕事について話を聞く『職業講話』があり、中2、中3で『職場体験』を実施します。これらを通して、中学生のうちから将来について具体的にイメージし、学びたいことや希望の職業につながる大学選びができるようになることを目指しています。」

2020年度は新型コロナウイルスの影響により、登校できるようになったのは6月になってから。高校1年生にとっては、大学について考えなければならない大切な時期であるため、登校してからいきなり進路の話になってしまったという。しかし内進生は、中学3年間で積み重ねたキャリア教育のおかげで問題なくスタートできたと、松本先生は語る。

「6月からのスタートとなりましたが、それを感じさせないくらい、生徒たちはしっかり成長しています。3年間の積み重ねがあったからこそ、6月からでも大丈夫だったのだと『R-プログラム』の成果を実感しました。生徒たちの成長は、普段の日常的な会話からも感じられ、日々、成長していく様子が見られることが楽しいです。授業の中でも、記述式の問題を出すと模範解答のような答えを書いてくる子もいたりして、様々な場面で力がついてきていることが実感できます。『R-プログラム』で育む力は、テストの点数としてすぐに現れるものではありませんが、これからの時代に必要とされる力です。改革が進む大学入試でも問われる力なので、まずは大学入試共通テストでその力が発揮されることを期待しています。」

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高校1年生(内部進学生)にインタビュー

中学から「R-プログラム」に取り組んでいる高校1年生の生徒2人に、中学時代に経験した「コラムリーディング」や「スピーチ」、「職場体験」について聞いた。

Tくん(高1)、Wさん(高1)

―― この学校を志望した理由は?

<Wさん> 綺麗な校舎で学校生活を送れることが一番の魅力でした。バスケットボールをやっていたので、高校受験のない中高一貫校なら部活と勉強を両立しやすいことも理由の1つです。今もバスケ部で頑張っています。

Wさん(高1)

<Tくん> 事前に教育方針などをしっかりと調べて、自分に合っていると思ったので受験しました。特に「R-プログラム」については、中1から将来に向けた対策ができるのがいいなと思いました。

Tくん(高1)

―― 中1で「コラムリーディング」や「スピーチ」を始めたときは、どのように感じましたか?

<Wさん> 正直なところ、最初のうちは文章を書くのは大変だなと思っていました。慣れるためには、やはり回数を重ねていくことが大切だと思います。1週間に2回、毎週提出して先生からコメントをもらいます。みんなが書いたものについても、直した方がいいところなどを先生が共有してくれるので、そこからまた自分の文章について考え直したりして、だんだんと書くことにも慣れていきました。

<Tくん> 書くことは嫌いではなかったので抵抗はありませんでしたが、人前で発表することはとても緊張しました。書き方については先生からの添削などがあり、少しずつ慣れていったと思います。最初のうちは、読解力と表現力をつけることを目指して取り組みました。

―― 「コラムリーディング」の積み重ねによって、どのような成果を感じていますか?

<Wさん> 中1のときは文字数が足りないぐらいだったのですが、中2、中3と続けていくうちに慣れてきて、字数オーバーするぐらい書けるようになりました。中3の後半ぐらいからは、指定の文字数に収めることを意識して書いています。先生から、書き終わった後に一度読み返して、相手にわかりやすいか確認するようにというアドバイスがあったので、それを実践して自分で修正できるようになりました。

<Tくん> まず表現力が高まってきて、書いていくうちに語彙力がアップするなど、国語に直結する力が高まったと感じられました。さらに、いろいろな分野の文章を読むので、国語に限らず幅広く知識を得ることができていると思います。

―― 「スピーチ」については、どのように変わりましたか?

<Wさん> みんなの前で発表する回数は意外と少ないですが、1回目より2回目、2回目より3回目というように、回数を重ねるほど緊張もやわらいで慣れていきます。スピーチも、経験していくことが大事だと思います。得意な人は紙を見ないで、周りを見ながら発表しているなど、他の人のスピーチを見て参考にするという学びもありました。最初の頃よりは、うまくできるようになったと思います。

<Tくん> スピーチの後には、みんなで意見の共有をしていますが『君の意見はダメ』などと言われることはないので安心してできます。答が1つではない問題を扱っているので、他の人の考えを聞いて、「そのような考え方もあるのか」と学んで次に活かすことができます。普段の生活では人前で発表する経験はあまり多くないですが、この学校では弁論大会もあり、経験を積んで損はないのでありがたいです。今のうちに経験しておくことは、大人になってから絶対に役立つと思います。

―― 継続して取り組んでいくモチベーションは?

<Wさん> 私の場合は、自分で書けるようになって、書くことが苦ではなくなったことが嬉しくて、それが続けていく力になっていると思います。書くことで、自分の成長が自分自身でも感じられるのです。高1になってからは、数学がテーマ文のコラムリーディングにも取り組みました。計算ではなく、文章を読んで条件に当てはめながら読み解いていくタイプの問題です。とても難しかったですが、今後、大学入試共通テストなどでも思考力が問われるので、このような文章にも少しずつ触れていって、慣れていけたらいいなと思っています。

<Tくん> 中1のときから、これからの社会ではこのような力が求められるようになると叩き込まれています。大学入試共通テストでも記述式の問題が出題されるようになるので、受ける受けないに関係なく取り組んで、今できなくても、徐々に能力を高めていくことが大切だと教わりました。中学生ぐらいだと、目的を言われないと不安になり、挫折もしやすいと思いますが、最初に目的をしっかりと言ってもらえたので不安も払しょくされて、続けていこうという気持ちになれました。いきなり試験問題を解くより、コラムリーディングで扱うような身近な話題から始めた方が入口も広いので、続けやすくて負担も少ないと思います。

―― 中2の「職場体験」では、どのような仕事を体験しましたか?

<Wさん> 島忠ホームズで、実際に働いている人と同じような仕事を体験しました。朝はお店の周りの掃除から始まって、店内の掃除や品出しをします。同じお店に3人で行ったのですが、それぞれ持ち場のコーナーが決められていて、3日間そこで働きました。お客様に「〇〇はどこですか?」などと聞かれると、1日目は店員さんを探して対応してもらいましたが、3日目には自分でも場所を覚えていたので案内できるようになり、とてもよい経験になったと思います。

<Tくん> トヨタの販売店で、車を修理するところを見学したり、接客を体験しました。お客様にお茶やおしぼりを出すなど、まずは社員の方の真似からはじめて、手伝えることをやってみました。お客様にどう思われたかはわかりませんが、自分としてはだんだんと緊張せずに接客できるようになったと思います。

―― 中3の「職場体験」では、どのような仕事を体験しましたか?

<Wさん> 中3で体験したのは、健康診断などを行っているクリニックで受付などの仕事です。名前を呼んで案内したり、採血する様子を見学したりしました。3日目には、訪問看護を行っている老人ホームや個人のお宅に付いて行きました。訪問看護という仕事を知ることができて、お年寄りとお話しするのがとても楽しかったことが思い出に残っています。

<Tくん> 立正大学文学部史学科で、江戸時代の文献を読んだり、貴重な資料を保管する手伝いなどをしました。読んだ文献について感想を言ったり、立正大学にレポートのようなものを提出しましたが、そこでもコラムリーディングで培ってきた力を活かすことができたと思います。

―― 「職場体験」を通して、将来についてどのように考えましたか?

<Wさん> 私は小学生のときから、看護師の仕事に興味を持っていました。ドラマがきっかけだったのですが、中1のときに肺炎で入院して、看護師さんを身近に感じて自分もなりたいと思うようになりました。まだなんとなくなりたいという程度でしたが、より具体的にイメージできるようになったのが中3の職場体験です。それまではお年寄りと話す機会がなかったのですが、話を聞くのがとても楽しくて、看護師になって訪問看護の現場で働きたいと思うようになりました。

<Tくん> 僕は国語科の教員になりたいと思っています。もともと古文に興味があったのですが、その経緯は長くなるので省きます(笑)。中1の担任の先生が国語科で古文を専門にしている先生で、『古文を専門的に勉強するなら教員になるといい』とアドバイスをもらったことから、教員を目指したいと思うようになりました。それで、江戸時代の文学などに強い立正大学で職場体験をしたいと思ったのです。教員になるにはコミュニケーションも大切なので、中2のときは接客業を選びました。生徒と対話するのに、教員がもじもじしていてはダメだと思うので、よい経験になりました。将来の夢がまだはっきりと決まっていない人でも、いろいろな職業を体験しておくことは将来に活かせると思います。

―― 大学受験についてはどのように考えていますか?

<Wさん> 看護が学べる大学について調べていて、いくつか候補が見つかりました。パンフレットを請求して入試科目の情報なども見て、どの科目で受験するか考えています。

<Tくん> 大学では古文を専門として学びたいので、國學院など、古文で有名な大学に進学できるように日々努力しています。いろいろな大学について先生に聞いたり、自分でも調べたりしていますが、この学校の先生は、コミュニケーションが取りやすくて、勉強に限らず相談がしやすいです。僕は、中1のときに担任だった先生のおかげで今があると思っています。大学に進学したら博士課程まで進んで、教員になってこの学校に戻ってきて恩返ししたいです。


取材を終えて

中学生で「職場体験」をしてどこまでできるのだろうかと思ったが、中学生なりに仕事を覚えて、働くことで得られる喜びなども感じていた。インタビューした2人は、将来を具体的にイメージしたうえで受験する大学について考えることもできている。2人の話から、「職場体験」が非常に有意義だったことが伝わった。同校の「職場体験」は、学年ごとに同じ企業や施設へ行くのではなく、数名ずつに分かれて興味がある分野で仕事を体験できる点にも注目していただきたい。

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