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立正大学付属立正中学校
スペシャルレポート 6

好きなことに熱くなれ!生徒の得意分野を伸ばし、
社会性を身に付けるクラブ活動!

公開日:2021.9.3

立正大学付属立正中学校・高等学校は、スポーツ系クラブ18、文科系クラブ12、同好会6、合計36のクラブがあり、中には全国大会に出場したり、コンクールで受賞したりと実績があるクラブも存在する。学校生活におけるクラブ活動の意味、生徒に身に付く力について、ご紹介する。

Index

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行学二道の精神が息づく立正のクラブ活動

立正大学付属立正中学校・高等学校のクラブ活動はスポーツ系、文科系ともに活発。「立正で部活をやりたい」と入学してくる生徒もいるほどだ。クラブ活動のネックとなるのは学業との両立だが、同校におけるクラブ活動について、入試広報部長の今田正利先生に話を聞いた。

ポリシーは生徒に好きなことを思い切り挑戦させること

「本校の大場校長が説明会で『自分の好きなこと得意なことを目一杯やってみよう』という本校のポリシーをよく語るのですが、その心は、好きなことに情熱を傾けることで自信をつけて、その自信が将来、社会に出たときにいろいろなことに影響を与えていく、行動に表していくということです。
学校での学びは決して教科の学習だけではなく、クラブ活動もそのひとつ。本校には文化系、スポーツ系さまざまなクラブがありますが、とにかく生徒たちが打ち込めるものがあればいいと思っています。個人が全力で打ち込んで、自分を高めていく。中には全国大会を目指す者もいるでしょうが、それがすべてではなく、自分の中で頑張る心を育てることが大事です。
仲間と切磋琢磨してひとつのことを成し遂げることもまたひとつの学び。本校は日蓮聖人の人格と教えをもとにおいた教育をしており、異体同心という言葉は、異なった体でも心を合わせればよい結果が残せるという意味。やはり社会は人間同士のつながりなので、仲間と一緒にやっていこうというのは、学校生活には重要です」と今田先生。

今田正利先生

自主性を育てるクラブ活動

同校の建学の精神は『行学の二道』。これは修行と修学の二つの道を指しており、学校や社会で学んだ知識や経験(学)を、行動で示すこと(行)のできる生徒を育てることが、立正の教育。クラブ活動を推奨しているのも、建学の精神に通じる学びがあるからだろう。

「クラブ活動の良さは、自立心を育めることです。スポーツ系のクラブが勝つための戦略を考えることは、受験勉強にも応用できます。彼らはそれを教師から教えてもらうまでもなく、自ら気づいて、学習に活かしているのです。また芸術系のクラブは見通しを立てて作品を作り上げていきますが、これは社会に出たら絶対に必要な力であり、本校が芸術を重要視しているのは、そこに意味があります。よほどの天才でなければ、ひとつの作品を完成させるために見通しを立てて、段階を踏んでコツコツと積み上げていくでしょう。美術、書道、華道など、みんな楽しそうにクラブ活動をしていますが、やりながら未来につながる学びを得ていると思います」(今田先生)

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生徒のやる気を支える充実の施設と自由な環境

クラブ活動を支える充実した施設

同校の人気を支える一つの要素として施設の素晴らしさもある。これは大場校長先生が「生徒に好きなことをさせる選択肢は多い方がいい」という考えがもとになっている。

「校舎が大崎にあった頃から弓道部はいい成績を残していたので、より活動がしやすいように、2013年に西馬込に移転した際に弓道場を新設しました。陶芸に使う窯は大崎時代からありまして、それは現在も継承しています。陶芸は土をこねることから始まり、トータルで先を見通して計画的に作り上げていくものなので、美術部だけでなく、芸術の授業でもしっかり取り組ませています」と今田先生。

弓道場(最大五人立ができる射場。全国大会でも実績のある弓道部を支える)

15畳の和室の礼法室は茶道部が活用。書道室には畳敷きのスペースがあり、大きな作品を仕上げるときに使用できるようになっている。スポーツ設備は、前述の弓道場のほか、公認競技と同じ規格の室内プール、プロのバスケットボールチームが練習にも使えるアリーナ、300畳の広さの武道場、ゴルフ部が活用しているゴルフ練習場など、思う存分クラブ活動ができる素晴らしい設備を整えている。とはいえ、学校側が生徒にクラブ活動の成績を求めているわけではなく、いい成績をおさめているクラブでも、決してエリート集団ではないと今田先生は語る。

書道室(丈の長い全紙も使える縦長の机。 大きな作品用に畳敷きのスペースも設置)

アリーナ(採光性を高めた設計。NBDL3連覇のプロバスケットボールチーム・東京エクセレンス(現・横浜エクセレンス)が 練習場として利用)

室内プール(公認競技と同じ規格。減菌方式は先進のMIOX(マイオックス)を導入)

武道場(広さ300畳、柔道場・剣道場として利用。床下には衝撃を和らげるクッション材入り)

「例えば野球部の場合、ほかの強豪校は、中学のシニアチーム出身で硬式野球をやっていた生徒がほとんどだと思います。しかし、本校は、中学校の軟式野球部出身者もけっこういます。部員の経歴は関係なく、野球をやりたい生徒が入部してきて、一生懸命やっている。それでいいんです。最終的な目標は、大学進学ではなく、本校の学びで人間力を高めること。その力を育める機会を得られるのがクラブ活動なのです」

部活動は楽しむもの。強制はしない

同校は、クラブ活動を推奨しているが、必須とせず、入部は自由。どこのクラブにも属していない生徒もいる。しかし、部活に一生懸命な生徒に刺激を受けて「自分はクラブ活動では結果を残すことはできないから、勉強を頑張ろう」と、入学時ではトップレベルからは遠い成績だった生徒が、猛勉強して首席で卒業したという例があるそうだ。まさに大場校長先生の『自分の好きなこと得意なことを目一杯やってみよう』というポリシーと学校側が整えた環境が、生徒同士に刺激を与え、彼らのやる気スイッチを押したと言えるだろう。

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生徒インタビュー

  • ・吉野朝香(よしの ともか)さん:高3 書道部 高校から3年間
  • ・谷中隼人(たになか はやと)さん:高3 山岳部 高校から3年間
  • ・黒杉涼(くろすぎ りょう)さん:高3 サッカー部 中学から6年間

スポーツ系クラブと文化系クラブに所属し、高校3年間、あるいは中学から6年間、同じクラブで活動をしてきた高校3年生の生徒たちに、それぞれのクラブ活動や3年間通して得た力について話を聞いた。

クラブ活動で立正を選んだ!

―― みなさんは高校3年間、クラブ活動に力を注いできたと思いますが、まず所属しているクラブを決めたきっかけを教えてください。

<吉野さん> 私は小学5年生から書道を習い始め、「高校では書道部に入ろう」と決めていました。志望校を探しているときに立正祭に来て、書道部の作品を見てすごく感動したんです。飾られていたトロフィや賞状を見て、素敵だなと思った作品を書いた先輩の名前も憶えて、この先輩みたいになりたいと思いました。私が入学すると同時に、その先輩は卒業して大学生になったのですが、その先輩と同じ場所に立ちたい思いで書道部に入部しました。

吉野朝香さん(書道部)

<谷中さん> 僕は推薦入試で入学したのですが、面接のときは「陸上部に入りたい」と言っていました。でも入学してから、踏み切れなくて。中学時代はバレーボール部だったのですが、それも何か違う気がして。そんなときに友達から山岳部に誘われて入部しました。想像以上に山登りが楽しくて、今に至ります。

谷中隼人さん(山岳部)

<黒杉さん> 父がサッカーチームで教えているので、その影響で小学1年生のときからサッカーをやっていました。立正中学に入学を決めてから、何度か部活体験をさせてもらったんですが、先輩が優しく教えてくれて、それが決め手になって、サッカー部に入部しました。

黒杉涼さん(サッカー部)

―― それぞれの活動を教えていただけますか?

<吉野さん> 書道は個人の作品を文化祭やコンクールなど目標に合わせて作り上げていきます。基本的に個人の活動が主ですが、みんなで作り上げる共同作品もあります。昨年、高校文化連盟書道展には、部員たちみんなで「日本百名山」として、大きな全紙に日本地図を描き、そこに日本百名山の名前を書き込んで出品し、高評価を得られました。

共同作品「日本百名山」

<谷中さん> 山登りは体力的にハードなので、体力トレーニングや山登りの基礎知識を顧問の先生から学びながら実践と知識と両方に取り組んでいます。やはり楽しいのは、山行と言われる山登り。調理器具や材料を持っていき、山頂についたら料理をしたり、テントを張ったり、部員全員で協力して行います。山岳部は、中学時代に、野球やバレーボールなどスポーツやっていた部員が多く、みんな体力があるんです。今年はインターハイで東京都の予選を勝ち抜き、全国大会に出場できることになりました。

登山競技東京大会 優勝

<黒杉さん> サッカー部は中高合わせて70名くらい部員がいます。1週間5~6日は練習があり、内容もキツイです。僕は入部してから、練習がキツくて、中学時代、何度もやめたいと思ったことがありますが、先輩の活躍を見ながら、自分も高校生になったら先輩のように大会に出られるようになりたい、結果を残したいと思うようになり、その思いで6年間続けて来られたと思います。立正のサッカー部は中高一緒に練習をするので、先輩の背中を見ながらサッカーができるので、後輩に与える影響は大きい。目標を持てるようになりますから。

サッカー部も使用する約5,300㎡の人工芝のグラウンド

仲間とともに過ごした日々、チームワークが宝物

―― これまで部活動に力を注いできて、印象に残っている出来事は何でしょうか。

<吉野さん> 個人的なことですが、自分が目標に掲げている賞を受賞したときですね。高校1年のときは、静岡で行われた授賞式に招待していただいたのですが、その授賞式に、私が書道部に入ったきっかけになった憧れの先輩と一緒に出席できたんです。先輩の方が上の賞ですが、とにかく一緒に出席できたことがとてもうれしかったです。それから、部員みんなで取り組んだ共同作品はとても印象深いです。失敗が許されないので、みんなで声出してアドバイスしあって書いたので、思い出がつまっています。

<谷中さん> 一番印象に残っているのは、高校1年のときに夏合宿で登った剣岳ですね。まだ高1なので、その山がどんなにすごい山なのかも知らずに行ったら、体にロープを巻き付けて崖を登ったり下がったりして、正直、怖かったけれど、顧問の先生の指導のもといい経験ができました。あと楽しい思い出としては、月1回の月例山歩ですね。日帰りで山に登って、食事を作って食べて降りるのですが、山岳部は男女の壁がなく、みんなとても仲がいいので、和気あいあいとしていてとても雰囲気がいいんです。もし、調理用具や調味料を忘れたりすると、山頂では調達できないので、担当になると緊張しますが、そんなことも含めていい思い出です。

山岳部顧問の先生と谷中さん

<黒杉さん> 高校1年のとき、トップチームで練習させてもらったのですが、「もっと落ち着いて周囲をよく見るとうまくいくよ」と先輩がアドバイスしてくれたんです。その言葉を忘れず、素直に守って練習していたら、褒めてもらって、練習試合に出させてもらえるようになりました。それまでは失敗が怖くて、前に行けなかったけれど、うまくできるようになると気持ちが前向きになり変わっていって……。そのときの先輩のアドバイスは忘れられません。

でも自分にとっては、6年間の日々の練習のすべてが印象深いです。中学生同士の練習や高校の先輩との試合も思い出に残っていますし、部員同士で話し合いながら、みんなで大会に向けて士気を挙げていく感じも良かったなと思います。練習がキツイときはみんなで励ましあって、うまくいったときは褒めあって、そうやって四季を過ごしてきて、青春していたし、本当に楽しかったです。

クラブ活動での経験がスキルとコミュ力をあげた

―― クラブ活動を通してどのような力がついたと思いますか?

<吉野さん> やはり書道の技術が上がり、知識がついたと思います。書道にはいろいろな書体があり、ひとつの書体を極める人もいれば、いろいろな書体で書く人などさまざまです。私はいろんな書体を試したいタイプなので、3年間、いろいろな書体、いろいろなサイズの作品を書いてきました。最初は「できるかな」と思うのですが、何度も何度も書いているうちにコツをつかんでくるんですね。放課後、書道に没頭し過ぎて、時間を忘れて、最終の下校時刻ギリギリになってしまい、ヒヤヒヤしたことが何度もありました(笑)。力がついたのは、顧問の先生や卒業した先輩の指導も大きいので、感謝の気持ちでいっぱいです。

書道部顧問の先生と吉野さん

<谷中さん> まだ2年と半年くらいしか山岳の経験はありませんが、自分にとっては山岳と出会って、初めての経験がたくさんできたことが大きな力になっています。体力もかなりついたと思いますし、チームワークの素晴らしさも学びました。

<黒杉さん> 主体的に行動することや、人をまとめる力が伸びたと思います。小学生時代は、人を笑わせたりするのが好きだったんですが、中学生になり、クラスの委員長を務めたりするようになると、友達を笑わせるだけじゃ人生ダメなんだと(笑)。今、中央委員長をやっていますが、人をまとめあげることができれば、人との信頼関係も深まりますし、みんなと一緒にひとつのことを成し遂げたときの達成感が違うと感じました。

僕は、自分の意見を抑えられないタイプなんですが、ぶつけるだけでは誰も付いてきてくれないので、まずは自分の意見を言って、みんなの意見も聞いて、その場をまとめあげていく。そういうスキルはついたし、コミュニケーション能力は上がったと思います。サッカー部でキャプテンを務めて多くの気づきを得ましたし、部活やっていて本当に良かったと思います。

黒杉さん

―― クラブ活動でついた力を活かして、将来はどのような目標や夢を持っていますか?

<吉野さん> ずっと書道、書道って話してきましたけど、私の将来の夢は幼稚園の先生なんです。でも個人的に書道はずっと続けていって、師範になりたいと思っています。そして幼稚園の先生になる目標が叶ったら、次の目標として、子供たちに書道を教えたいと思っています。幼稚園の先生と子供の書道塾を開くことが私の夢です。

<谷中さん> 僕はまだ将来について明確に夢や目標は定まっていないのですが、山岳部を経験してチームワークの素晴らしさを経験できたので、大学へ行っても、社会人になっても仲間を見つけたいですね。山に関しては、部活を離れても、個人的に月例山歩は続けたいです。山へ行くと、けっこう年配の方も多いんですよ。だから息の長い趣味にしたいなと思います。できれば新しい仲間と一緒に山歩を楽しみたいです。

<黒杉さん> 大学では、サッカー部で磨いたコミュニケーション能力を活かしたいのと、僕は英語が好きなので、できれば国際商学部などで学び、将来は通訳か商社マンになりたいです。部活動を通して年齢の違う初対面の人との会話を経験し、相手のことを知りつつ、自分のことをも話して会話を回していくことができる力が身に付いたと思うので、部活で鍛えたコミュニケーション能力を社会人になって発揮したいと思います。。

立正の魅力は、施設の良さと先生との距離の近さ

―― 立正大学付属立正中学校・高等学校の魅力について、教えてください。

<吉野さん> 書道部の顧問の先生をはじめ、先生方がみんな優しいことです。部活のこと、勉強のこと、進路のことなど、本当に親身に話を聞いてくれますから、先生が立正の魅力ですね。

<谷中さん> 志望校を決めるとき、僕はこの学校を「校舎がキレイ」という点で選んだんです。でも入学したら、それだけじゃなかった。設備がいいのはもちろんですが、文化祭、体育祭などみんな中高で行うので、中学生との交流もありますし、山岳部の顧問の先生含め、先生方がとてもいいと思います。

<黒杉さん> まず、先生との距離が近くて、話やすい。どんな話でも聞いてくれます。あと設備もいい。やはり外から見て校舎がきれいだと印象が良いし、惹かれるじゃないですか。そういう魅力も立正にはあります。あと強い部活が多いのでやりがいがあり、文武両道で学生生活を楽しく過ごせるのが魅力だと思います。

黒杉さん(左)、吉野さん(中)、谷中さん(右)


取材を終えて

同校におけるクラブ活動の位置づけがとてもいいと感じた。自由度が高く、楽しみながらも上を目指せる環境というのが魅力。部を強くするために学校側が厳しさを要求したりせず、生徒たちの自主性ややる気を信じているからこそ、生徒たちは充実したクラブ活動ができるのだろう。取材に協力してくれた書道部、山岳部、サッカー部の3人の生徒さん、それぞれが自分のクラブを誇りに思っているのが言葉の端々から感じられ、中身の濃いクラブ活動ができているのが伝わってきた。学校側も設備を万全に整えながら、それぞれの生徒が「好きなことを極める場であればいい」と広い心で見守っている。生徒たちはクラブ活動を通して、たくさんの思い出と社会人になったときに活用できる力を、楽しみながら、自然に身につけている。

【 Back number 】立正大学付属立正中学校のスペシャルレポート<第5回>

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