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2021/1/18(月)

アクティブ・ラーニング その現状と私立校の取り組み【教育keyword series4】

アクティブ・ラーニングとは

今、教育を語る上で、盛んに使われる言葉の一つとして、アクティブ・ラーニングが挙げられます。文部科学省の中央教育審議会が2012年に行った答申で初めて用いられました。直訳すると、能動的な学習ということになりますが、その文部科学省の定義は「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れ た教授・学習法の総称」となっています。

アクティブ・ラーニングが必要とされる理由

そう、従来は「教員による一方向的な講義形式の教育」が当たり前だったのです。理由があります。多くの知識を短時間で詰め込むには、一方向的な講義形式が適していたのです。しかし、時代は変わり、AIが多くの仕事を担おうとしている中、社会から求められるものは「知識の量」ではなくなってきました。これから求められるのは、知識を活用する力です。

具体的には、思考力や判断力、表現力ということになります。また、主体性を持ち、多様性を尊重しながら協働して課題を解決していく力と言ってもいいでしょう。アクティブ・ラーニングの重要性が声高に叫ばれるようになった背景には、社会が必要とする人材(の能力)が変化したことに応じて、教育のスタイルも変化を余儀なくされてきたという流れがあったのです。

アクティブ・ラーニングの現状

それでは、アクティブ・ラーニングの導入は、どれくらい進んでいるのでしょうか。「貴校では、アクティブ・ラーニングを実施していますか?」という質問をすれば、おそらく、ほぼ100%「はい」という答えが返ってくるはずです。では、アクティブ・ラーニングは、志望校選びの指標とはならないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。その内容とレベルは、学校によってまちまちだからです。

さまざまな形式があるアクティブラーニング

アクティブ・ラーニングを語る上で難しいことの一つに、決まった形がない、ということが指摘できます。Project Based Learning(PBL)、シンク・ペア・シェア、ラウンドロビン、ピアインストラクションなど、アクティブ・ラーニングにはさまざまな手法があるのです。学習テーマによって、また年次によっても適した手法は異なってきます。しかし、多くの手法に共通しているのは、個人で考えることとグループで議論することをうまく組み合わせること。そして、プレゼンテーションしたり教え合ったりすることで成果を全体でシェアすることです。

アクティブ・ラーニングは、導入していること自体は、めずらしいことではなくなってきています。問われるのは、どれだけ効果的な授業を行っているのかということ。『中学受験スタディ』で取り上げてきた各私立校の取り組みについてご紹介しますので、ぜひ、志望校選びの参考にしてください。

・コロナ禍でもPBLをオンラインで実施 和洋九段女子中学校
・グローバル教育3.0体制へ 工学院大学附属中学校
・英語力の向上にアクティブ・ラーニングを活用 大妻嵐山中学校
・全教科でアクティブラーニング型授業を導入 桐蔭学園中等教育学校
・コロナ禍でさらにアクティブ・ラーニングを推進 市川中学校
・ICTの活用で効率的なアクティブ・ラーニングを展開 西武台新座中学校

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