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女子校

しょうわじょしだいがくふぞくしょうわ

昭和女子大学附属昭和中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(昭和女子大学附属昭和中学校の特色のある教育 #22)

思いを “伝える”ことを極め、2年連続で全国1位! 躍進を続ける放送部

昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校の放送部は、毎年「NHK杯全国放送コンテスト」に出場し、2025年度、中学校の大会で2年連続の最優秀賞を受賞した。同部の活動について顧問の先生と生徒に話を聞いた。

高校、中学校とも「NHK杯全国放送コンテスト」の入賞常連校

同校の放送部は今年度、「NHK杯全国高校放送コンテスト」において、朗読部門(出場者総数4811名)で高校3年生が決勝進出(ベスト10)し優良賞を受賞、アナウンス部門(総数3067名)では高校1年生が準決勝進出(ベスト60)、高校3年生が準々決勝進出(294名)を果たした。朗読部門でベスト10入りしたのは、同クラブで初めてだったという。

また、「NHK杯全国中学校放送コンテスト」では、中学3年生がアナウンス部門で最優秀賞全国1位に輝き、朗読部門は優良賞3位を3年生と2年生の2名が受賞。アナウンス部門の最優秀賞受賞は2年連続の快挙となった。なお、同校の放送部は毎年、高校も中学校も東京都の予選を勝ち抜いて全国大会に出場し、上位の成績を修めている。

放送部の活動は、中学生は年1回のNHK杯全国放送コンテスト(Nコン)、高校生はNコンと全国高等学校総合文化祭(高文祭)の2回の大会に出場。それ以外では、体育祭で放送をしたり、昭和祭で発表をしたり、中学校の入試説明会の司会などを行っている。

▶︎練習は全員での発声から

活動日は週4日。大会前は顧問の五十嵐尚美先生と1対1で指導を受ける。「コンテストでは、発声や発音、アクセントなどが厳しく審査されるので、そういうところはきちんと修正をしていきます。あとは、自分の思いを“伝える”ことの大切さを話しています。伝えたいという思いをもって語れば、それは必ず相手に伝わりますし、審査員の評価も高くなります。だから生徒にはいつも、『原稿を読まないで』と言っています」と、五十嵐先生は言う。

▶︎顧問 五十嵐尚美先生

放送部の部員たちにインタビュー

放送部では、日頃どのような活動をしているのだろうか。4人の部員に話を聞いた。

【話を聞いた人】

Kさん 高校1年生 今年度の「NHK杯全国高校放送コンテスト」のアナウンス部門で準決勝進出(ベスト60)。中学3年生の時に、「NHK杯全国中学校放送コンテスト」のアナウンス部門で最優秀賞受賞。

Nさん 高校1年生 中学3年生の時に、「NHK杯全国中学校放送コンテスト」の朗読部門で優良賞3位受賞。

Eさん 中学3年生 今年度の「NHK杯全国中学校放送コンテスト」のアナウンス部門で最優秀賞受賞。

Sさん 中学2年生 今年度の「NHK杯全国中学校放送コンテスト」の朗読部門で優良賞3位受賞。

▶︎写真左からNさん、Kさん、Eさん、Sさん

—放送部に入部した理由を教えてください。

Kさん 私はスーパーサイエンスコースに在籍しているのですが、このコースは外部のイベントを含め、研究発表をすることが多くあります。将来的にも話をする機会はたくさんあると思うので、放送部でスキルを磨きたいと思いました。

Nさん 私は初等部でも放送委員をしていました。中学に上がり、どの部活に入るか迷っていたら、母に放送部を勧められ、体験会に行ってみました。その時の先輩の話し方がとても素敵だったので、入部を決めました。

Eさん 私の母は結婚式の司会の仕事をしていました。よく声を褒められているのを見ていたので、私も褒められたいと思ったのがきっかけです。また、私はグローバル留学コースなので、英語に触れる機会が多く、その分日本語への愛が強まっていき、日本語を正しくきれいに話せるようになるには放送部だと考えました。

Sさん 放送部が強豪クラブだと聞いて、体験会に行きました。その時、お手本を見せてくれた現在6年の先輩のアナウンスがすごくきれいで、そういう技術を身に付けたら話すことが楽しいだろうなと思い、入部しました。

▶︎Nさん

―Nコンまでの道のりや、苦労したことなどを聞かせてください。

Kさん 私は自然に読むことがとても苦手でした。昨年は、過去のコンテストのCD(優秀作品集)を聞き、同じように読む練習をして、自然な読み方を体に叩き込んでいきました。中学校の大会はCD審査なので、取り直すこともできましたが、高校は対面になり、ごまかしもやり直しもできません。よって今年は、練習時の完璧をいかに本番に持ち込めるかが課題でした。練習を繰り返すと完成度は上がりますが、今度は自然な読み方ができなくなる。自然に読めないというのは完璧ではないので、また練習を繰り返す。この堂々巡りを乗り越えるのが大変でした。

Nさん 私は朗読をする時に間を取り過ぎる癖があり、制限時間をオーバーすることもありました。読みたい、伝えたい箇所があるのに、時間が足りなくなるので、間を取るのを止めるか、それとも朗読の文章を減らすか、すごく悩みました。自分ではわからないので、家族の前でも読んで、意見を聞くこともありました。

Eさん 1,2年生の時も、部内選抜でNコンに出場させてもらったのですが、入賞することができず、今年は3度目の正直だと自分に言い聞かせました。モチベーションになったのは、昨年、K先輩が全国1位になったことです。先輩の音源を聞いて、自分も同じ原稿を読み、その差を埋められるように練習しました。K先輩には、大会直前まで読み方をみてもらっていました。

Sさん 私の課題は、朗読をする時、文に感情を乗せられないことでした。CDを繰り返し聞いたり、文を何回も読み直したり、一番頑張ったのは読む時に表情をつけることでした。例えば、嬉しいという内容なら嬉しそうな表情をつくってみる。そうすると声に気持ちが乗っていきました。大会前は、入賞できなかったらどうしようと不安になり、練習の時もうまくできず、泣いて帰ったこともありました。でも、最終的には「朗読ってやっぱり楽しい」と思えたので、頑張った甲斐がありました。

▶︎Kさん

―放送部の活動を通して、自分が成長したと思うことは?

Kさん 人前で話すことに恐怖がなくなりました。今は、100人とか200人の前でも話すことに抵抗がなく、と言うよりも一定の人数を超えると、逆に話をするのが楽しくなります。スキルが身に付き、またメンタルも強くなり、それが研究発表にも活かされていると感じます。今年3月に行われた「つくばサイエンスエッジ」では、ブースポスタープレゼンテーションで賞をいただくことができました。

Nさん 1年生の頃は、国語の授業で「教科書を読んでください」と言われると、「大丈夫かな?」と心配になり、声が小さくなりがちでした。でも、朗読で優良賞を取ったことで自信がつき、今はもっと読みたいと思うようになりました。また、放送部ではテレビ番組部門の作品も作っていて、脚本を書く人、読む人などの役割分担があり、先輩後輩とコミュニケーションをとる力も養われました。

Eさん 小学校の時と比べて、周りから評価をもらうことが多くなりました。2年生の時、人見記念講堂で行われた学校説明会で、800人を前に司会をしました。保護者のアンケートで「司会が良かった」とのコメントをもらい、また、Nコンでは専門家から良い評価をもらえ、大きな自信になりました。自分でも声を作り過ぎず、きれいに読むことができるようになったと感じます。

Sさん 私も賞をもらったことで、「これが私の声です!」と、胸を張れるようになりました。また、放送部では他者の講評も行っているのですが、当初は褒めることを書けても、批判するのが不得意でした。でも、伝えることは大事だし、今は言い過ぎることなく、「ここが課題点だよ」と書けるようになりました。部活以外でも、自分の意見を伝えられるようになったと思います。

▶︎Eさん

―これからの目標を教えてください。

Kさん 個人の目標としては、放送部で教わったことを忘れないようにし、将来、人前で話をする時も、培ったスキルを使いこなしていきたいです。部活では、今年、2つ上の先輩が朗読部門で決勝に進出し、それが本当にうれしくて、私もベスト10(決勝)に残りたいという思いが強くなりました。その先輩は後輩の面倒見も良く、人としても素晴らしいので、私もそういう人になって、後輩にバトンを繋いでいきたいです。

Nさん 私の将来の夢は保育士になることです。この夏、保育士体験をしたのですが、子どもの前で絵本を読んだ時に、「読むのが上手だね」と褒めていただきました。この先も力が落ちないよう、練習を続けていきます。部活の目標としては、まずは直近の高文祭で、結果を残したいです。そしてNHK杯で決勝に残った先輩は、私と同じ朗読部門なので、先輩の後を追って決勝に行きたいです。

Eさん グローバル留学コースは、高1の秋から10ヵ月間のカナダ留学があるので、大会は高1と高3のNコン、高2の高文祭しか出られません。1つ1つの大会に、今まで以上に力を入れて臨みたいです。また、これまで先輩からいろいろ教わってきたので、今度は自分が後輩に教えてあげられる先輩になりたいです。

Sさん 私も後輩には、技術的なことはもちろん、精神面のサポートもしてあげたいです。個人的には、話すことを一生もののキャリアにしたいと考えています。私は生まれて初めて、放送部というやりがいを見つけることができました。学校に行きたくない時でも、その日に部活があれば絶対に行こうとなるし、自分が楽しいと思えることを、将来も続けていきたいです。

▶︎Sさん

放送部の活動を通じて、やり抜く力や相手を思いやる心を育む

五十嵐先生は、NHK杯に出場した生徒について、「コンテストの直前は、プレッシャーに押し潰されそうになっていても、みな本番に強いんですよ」と言う。「私自身は臆病だから、毎回緊張し、『こんなにドキドキするのなら、もうコンテストに出るのを止めよう』と思ってしまうくらいです(笑)。でも、生徒たちは堂々としており、練習以上の実力を発揮してくれます。結果も出して、『入賞常連校と言えば、昭和女子だね』と周りに言われると嬉しいし、生徒のことが誇らしく、やっぱりコンテストに出て良かったと思うのです」

今年度から放送部の顧問を務める榛葉圭介先生は、「生徒たちが何度も繰り返し練習する姿を見ていると、努力や本気度というのは言葉に表れるんだな、言葉はその人の心を表すということを勉強させてもらいました。それは教師の私にも言えることで、授業をする時も熱意というか、自分が楽しいと思ってやらなければ、伝わらないことを生徒から教わった気がします。生徒たちがコンテストで結果を出せたのは、最後まで諦めずに努力をしてきたから。これを糧に、今後もいろいろなことに挑戦し、大変なことも乗り越えてほしいですね」と話す。

最後に五十嵐先生は、放送部で培われることや、部員に期待することをこう述べる。「アナウンスでも朗読でも、一番重要なのは、聞き手の気持ちに寄り添うことです。生徒たちは日頃からそういうことを意識して話す練習をしているので、お互いを思いやり、先輩は後輩に優しく接しています。おそらく部活以外でも、相手のことを考えて会話をしたり、友だち同士でもきつい言い方や傷つける言葉は使っていないのではないでしょうか。

そして、生徒たちが将来、話すことを職業にしなくても、人前で話をすることは一生ついて回るものです。プレゼンでも1対1の会話でも、聞く人の身になって、自分の気持ちを素直に伝えられる人になってほしいと願っています」

▶︎顧問 榛葉圭介先生

<取材を終えて>
同校の放送部は、全国に名の知れた強豪クラブだが、指導では話す技術だけでなく、自分の思いを伝えることや、聞き手の気持ちに寄り添うことを大切にしているのが印象的だった。また、部内の上下関係が良好で、全国大会入賞の実力が何年にもわたり受け継がれているのも素晴らしく、そして何よりも生徒たちが話すことを楽しんでいるのが良いと感じた。

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