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三輪田学園中学校

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スクール特集(三輪田学園中学校の特色のある教育 #11)

事前・事後学習も充実!「シンガポールグローバルキャリアチャレンジ研修」

三輪田学園中学校は、シンガポールとマレーシアを訪れる国外研修を2025年度に新設。研修に参加した中3の生徒と引率した教員に話を聞いた。

三輪田学園中学校は、アジアで活躍する日本人や現地の大学生などと交流する「シンガポールグローバルキャリアチャレンジ研修」(中3~高2の希望者対象)を2025年度に新設。引率した石上美樹子先生(国際教育部・英語科)と参加した生徒2名に、プログラムの内容について話を聞いた。

「アジア」に目を向けた国外研修を新設

同校ではこれまで、国外研修プログラムとしてカナダ語学研修(中2・中3希望者)、イギリス語学研修(高1希望者)を実施してきたが、2025年度から「シンガポールグローバルキャリアチャレンジ研修」(中3~高2希望者)が加わった。夏休み中に7日間の日程で実施し、中3~高2の希望者25名が参加したという。

「これまでも国外研修は行ってきましたが、アジアでの研修がありませんでした。シンガポールやマレーシアは人口も増えていますし、経済的な勢いもあります。これから生徒たちが海外留学やグローバルな活躍を考えるときに、アジアにも目を向けられるように新たなプログラムとして加えました。シンガポールグローバルキャリアチャレンジ研修という名称からもわかるように、カナダやイギリスの語学研修とは目的が違います。グローバルに活躍するためにはどのようなキャリアを積む必要があるか知るための機会として、学年を中3まで広げてチャレンジしてみようというプログラムです。国外研修では安全面も大切です。シンガポールは日本との時差が1時間で、治安も良く、衛生環境も整っていることに加え、一般市民と英語で交流ができることも大きなポイントです」(石上先生)

シンガポールでは、現地の大学生を交えて英語でSDGsについてディスカッションをしたり、シンガポールを拠点にビジネスの第一線で活躍している人物に話を聞く機会も用意。
リーダーシップに関する講演や、パブリックスピーキングの練習も含まれている。大学生が案内する観光では多文化共生を肌で感じ、マレーシアでは学校や家庭を訪問して異文化交流を行う。

「海外で活躍している日本人による講演は日本語ですが、日頃の学校生活では出会えない方たちの経験談を聞く貴重な機会です。生徒たちは現地での仕事や暮らし方に関心を持ち、挑戦への応援となるような言葉からもインスパイアされていました。リーダーシップに関する英語の講演もとてもわかりやすく話してくださり、生徒たちの心に響いたようです。大学生との英語でのセッションでは3学年が均等になるようにグループを作りましたが、高校生はサブリーダーとして中学生を引っ張っていました。一方、中3の生徒は6名が参加しましたが、間違いを恐れずにどんどん発言して頼もしかったです」(石上先生)

▶︎シンガポール国立大学生と一緒に

事前学習と事後学習でより有意義なプログラムに

事前学習としてSDGsについて調べたことを英語でまとめたり、研修に向けて質問を準備したほか、7月には日本アセアンセンターを訪問した。

「日本アセアンセンターは、日本とASEAN加盟国との架け橋となる活動を行う国際機関です。社会科の授業などでアジアについても学んでいるとは思いますが、長年ASEAN諸国と関わってきた専門家から生の声を聞く機会を作りたかったのです。歴史や経済が入り口だとハードルが高くなってしまうので、間口を広げていろいろなアプローチで興味を持つ機会が必要だと考えました。同センターでは、シンガポールやマレーシア出身の職員に質問することができ、食事や暮らし、働き方などについても興味を持つきっかけになったと思います。人との出会いを大切にしてほしいという思いもありました。実際に訪れることで、そこでどんな人と出会ってどんな話をしたかが記憶に残るものです。英語を話すスピードが速くて聞き取れなかった経験も、リスニングを頑張ろうというモチベーションにつながっていきました」(石上先生)

事前学習と事後学習をしっかりと行える点が、学校で実施するプログラムの強みだと石上先生は語る。

「事前の課題を用意して教員がサポートすることで、生徒たちも準備が必要だという意識が高まります。何の準備もせずに現地に行っても、ディスカッションするのは難しいでしょう。自分の意見として言えるように準備して行くからこそ、現地でのプログラムが有意義なものになるのです。事後学習としては、研修後にまとめたものを文化祭で発表します。記憶は薄れるものなので、研修後にまとめたり、振り返ることが大切です。主体的にできる生徒もいますが、提出したものを見てくれる人がいたり、友達と共有したり、発表の場があることでモチベーションが高まります。今年度が初めてのプログラムだったので、改善すべき点も見えてきました。例えば、ビジネスプランを考えるところまでやりたかったのですが、それぞれの内容が濃くて時間が足りませんでした。来年は時間配分を再検討して、ビジネスプランの提案までできるようにプログラムを進化させていきたいです」(石上先生)

研修に参加した中3の生徒にインタビュー

Mさん(中3)
Nさん(中3)

▶︎Mさん(写真左)とNさん(同右)

――この研修に参加してみようと思った理由を教えてください。

Nさん 今回は寮に滞在するので参加しやすかったです。この研修は今年が初めてだったので、どんなプログラムか好奇心もあって申し込みました。

Mさん 私は中2のときにカナダ研修に行きました。私もホームステイが心配でしたが、慣れてきたら楽しかったです。もともとシンガポールは観光名所や多文化に興味があったので、今回も参加してみようと思いました。日本は日本人が多いけれど、シンガポールにはいろいろな国の人が暮らしているので違いを感じてみたかったからです。

――事前学習として日本アセアンセンターを訪問した際に、印象に残っていることを教えてください。

Nさん 日本はこれから、ASEAN諸国との結びつきが大事になってくると説明され、確かにそうだと思いました。輸入に頼っている日本は、輸入が絶たれたら命とりになるので、ASEAN諸国との仲を深めていくことが重要だということが学べました。

Mさん シンガポール出身とマレーシア出身の方に英語で質問しましたが、答えの英語がとても速くてほとんど聞き取れませんでした。

――現地ではどんなプログラムがありましたか?

Nさん シンガポール国立大学に行って、シンガポールトップ3の大学に通う学生とセッションをしました。三輪田生5名に大学生のリーダー1名が付いたグループでの、自由な雰囲気の対話です。自己紹介から始まって、SDGsの5番(ジェンダー平等を実現しよう)や6番(安全な水とトイレを世界中に)についてのディスカッションをしました。

Mさん SDGsについては、日本で事前学習としてまとめておいて現地で結論を出すという感じです。ディスカッションは英語なので、わからない単語などは高校生の先輩に聞いて助けてもらったこともあります。どのプログラムも授業という感じではなく、セッションは大学生も交えておしゃべりする感じで、とてもリラックスして参加できました。

Nさん 最終日に個人プレゼンとグループプレゼンがあり、私たちはSDGsの6番についてポスター発表をしました。マリーナバラージュという貯水ダムの見学もしましたが、シンガポールは水が少ないので水問題が深刻です。マレーシアから水を輸入しているので、マレーシアとの関係が大切という話も聞きました。2061年までは契約で水を輸入できるけれど、その後は自分たちで真水を用意しなければならないそうです。

――リーダーシッププログラムについて印象に残っていることを教えてください。

Nさん 立ち位置のイラストを見て、荷物を運ぶ人、その前に立つ人、運ばれている人の中で誰がリーダーか考えたことが印象に残っています。私は一番前の人だと思ったのですが答えは「全員」だったので、立ち位置は関係ないのだとわかりました。

Mさん 一人だけがリーダーではなく、一人ひとりがリーダーであり、一人に責任を押しつけないというような意味もあるのかなと思いました。

――現地で活躍している日本人の講演は、どんなことが印象に残っていますか?

Mさん マイクロソフト社など、長年グローバルに活躍されていて「リーゼントマネージャー」として知られている、岡田兵吾さんのお話が印象的でした。「自分の人生は自分で決めよう」と聞いて、確かにそうだと思いました。親に決めてもらうのではなく、自分で選択して生きていきたいです。

Nさん パソナ・シンガポール法人のマネージングディレクターとして活躍、シンガポールで子育てもしている森村美咲さんのお話が印象に残っています。仕事を持つ女性のシンガポールでの子育ては、メイドさんを雇って子どもの面倒をみてもらったり食事の用意をしてもらっていて、日本の共働きとは全然違うことがわかりました。

――観光で印象に残ったことはありますか?

Nさん マーライオン公園の桟橋で、みんな口を開けて写真を撮っていたのが面白かったです。マーライオンが出している水を口で受け止めているように見えたり、口から水を出しているように見える位置があり、みんな試していました。

Mさん マーライオンの後方に小さなマーライオンがあって、それも可愛いなと思いました。

Nさん 国立博物館では、デジタルアートの展示を見ました。シンガポールの歴史をデジタルアートで表現した後に、日本の占領地だったこともでてきて、日本で勉強するだけでなく現地だからこそわかることもあるのだと思いました。

Mさん 大学生リーダーと半日観光をしたときに寺院を訪れたのですが、日本のお寺と違って彫像で埋め尽くされていたのが印象に残っています。地下鉄に乗るときに、駅のエスカレーターが日本より速くて楽でした。回転率がいいので、速い方が便利だと思います。

――マレーシアの学校訪問ではどんなことをしましたか?

Nさん 大歓迎してもらえて、とても楽しかったです。折り紙を教えながら一緒に折って、紙飛行機を飛ばしたりしましたが、折り方を教えたらみんなすんなりできました。楽しそうだったので私も嬉しかったです。

Mさん 上手に折れる人とそうではない人がいて、人それぞれ手先の器用さが違うんだなと思いました。頑張って教えたら、みんな完成することができたので嬉しかったです。鶴を折ったときは、一人ひとりの個性がわかりやすく出ていました。

Nさん Instagramのアカウントを教え合おうとぐいぐい来て、とても積極的でした。今もやりとりをしていて、食べたものや買ったものの写真を送り合ったりしていますが、誕生日にはプレゼントを贈り合うことにもなっています。

――マレーシアの食事はどうでしたか?

Nさん スプーンを使わずに、チキンカレーを右手で食べるという経験をして楽しかったです。

Mさん カレーは美味しかったですが、手で食べるのは初めてだったので新鮮でした。

――研修に参加した後、どのように変わったと感じていますか?

Nさん 学校の授業態度や宿題に対する意識が変わったと感じています。研修に行く前は、仕方ないからやるという感覚で取り組むこともありました。帰国後は全部自分が選んだことなのだからと前向きに考え、自分で勉強したり、やりたいことをやり遂げようという気持ちで取り組めています。現地では、自分から取り組もうとしなければ置いていかれる勢いがありました。参加するなら事前学習も含めて、自分から発言しようとする姿勢が大切だと思います。

Mさん これまでは授業中に、考えがあってもなかなか言い出せずにいました。研修を通して、何か考えがあっても伝えないと意味がないとわかったので、どんどん伝えていこうと思っています。まだ授業中に手を挙げるまではいきませんが、授業後に質問しに行くようにはなれました。対面で人に聞くことをもっと大切にしていきたいです。対面の方が伝わりやすいですし、自分の意見も考えながら言えます。現地の大学生を交えたディスカッションなどを経験して、もっと英語で話せるようになりたいと思うようになりました。研修に参加して得るものがあるかは、自分のやる気次第だと思います。

――将来についてはどのように考えていますか?

Nさん 国際弁護士になりたいと思っています。修学旅行で広島に行ったとき、日本で被爆した韓国や中国の方の裁判で活躍した弁護士の話を聞いて、弁護士の仕事に関心を持ちました。シンガポールでの研修に参加してみて、日本だけでなく海外でも活躍できたらいいなと思ったので、国際弁護士になりたいです。

Mさん 以前は獣医になりたいと思っていましたが、カナダやシンガポールなどで様々な経験をしたら他の職業にも興味が出てきました。今はまだ決められていないので、これから絞りこんでいきたいと思っています。 

<取材を終えて>
インタビューした2人からも、事前学習をしっかりしていたことが伝わってきた。日本アセアンセンターの訪問も含めて、現地へ行く前の準備をしっかりとしていたからこそ、現地で得るものも大きかったのだろう。3学年が対象となっているが、中3でのチャレンジは精神面での大きな成長が期待できると感じられた。

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