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山脇学園中学校

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スクール特集(山脇学園中学校の特色のある教育 #7)

「考える」ことが好き! 2025年度新設の「理数探究入試」から感じる新しい風

山脇学園中学校では、2025年度に「理数探究入試」を新設。受験生からの反応や同入試で入学した生徒の傾向などを取材した。

山脇学園中学校では、2025年度に「理数探究入試」を新設。受験生からの反応や同入試で入学した生徒の傾向などについて、中1担任の窪田萌先生(中1数学教科責任者)と「理数探究入試」で入学した中1の生徒に話を聞いた。

思考力や読解力をはかる「理数探究入試」

同校では2025年度入試から、算数と理科の問題を通じて思考力や読解力をはかる「理数探究入試」を実施。2025年度は定員20名のところ152名の応募があり、初年度から多くの受験生から関心を集めた。

「以前実施していた英語AL入試や探究サイエンス入試と比べても、多くの受験生に関心を持ってもらえたことに驚きました。算数の試験問題にはしっかり考えて書かなければならない記述式もありますが、真剣に取り組んでもらえたことが解答用紙からも伝わってきます。受験後のアンケートには『問題を解くのが楽しかった』という感想も多く、そのように思ってくれたことも嬉しかったです」(窪田先生)

「理数探究入試」で合格した生徒には、「算数自由探究課題」として、算数や数学に関する本を読んでテーマを決めて、調べて実験したり工作したりして探究し、B4程度の用紙にまとめるという課題が出された。この課題のポスター発表を5月中旬に実施したところ、想像を超える発表が見られたという。

「少し難しいかなと思って出した課題でしたが、こんなことを考えられるのかと驚くようなものが多かったです。こちらが考えていた以上に調べていたり、自分の考えも入れて考察していたりしました。発表もとても堂々としていました。テーマは、バーコードの仕組みや黄金比について調べたものや、図形や確率、代数など、多岐に渡っていました。ポスターは写真やイラストで見せる工夫もされていて、本当に素晴らしいものばかりでした。理数探究入試で入学した生徒たちから、新しい風が吹いてきていると感じています」(窪田先生)

▶︎中1数学教科責任者 窪田萌先生

「志」の種を見つけて育てるための様々な工夫

「理数探究入試」で入学した生徒たちは全体を通して、よく考えて、じっくり取り組む力があると感じられるという。

「理数探究入試の初年度ということもあって、教員も手探りで進めていますが、より深く考えたり挑戦していけるようにサポートしていきたいと考えています。将来、どのような進路を選んでもいいように、興味の幅を広げてもらいたいです。どのような選択をしても深く考えることは大切なので、定期的にプレゼンをする機会も作りたいと思っています。数学は、世の中のあらゆる場面で活用されている身近なものです。数学の授業では、教科書の内容を覚えるのではなく、なぜそうなるのかに注目できるように、進めています。また、ある程度単元が進んだらグループで難しい問題に取り組む時間も作っています。教え合いの中で自分の考えを深めて、言語化したり記述に落とし込み、より理解を深められるようにしています」(窪田先生)

2026年度「理数探究入試」を考えている小学生へのメッセージ

2026年度も「理数探究入試」の定員は20名。日頃から気になったことを考えたり調べたりすることは、どの入試にも役に立つので大事だと窪田先生は語る。

「まずは深く考えることが大切ですが、そこから自分で調べるところまでできるとさらに学びが深まるでしょう。今の生徒達を見ていると、自分でアクションを起こせる生徒は、本校で大きく成長していると感じます。中1の2月には、社会にどのように貢献したいか自分の『志』を改めて考え、1年間の集大成として発表するスピーチコンテストを実施しています。人に伝えるためにスピーチ内容を考えることは、自分の興味をさらに深めることにつながるでしょう。何を伝えるか、悩んでしまうこともあるかもしれません。悩んでもよいので、悩んだ後には思い切って殻を破って行動できるようになってほしいです。いろいろなことに興味を持ってほしいので、楽しさにつながる種はどの教員もたくさん蒔いています。興味のアンテナを伸ばして挑戦しながら楽しむ中で、自分はこれだという『志』を見つけて、それを目指して進んでいってほしいです」(窪田先生)

▶︎スピーチコンテスト

「理数探究入試」で入学した1年生Yさんにインタビュー

――この学校を受験しようと思った理由を教えてください。

Yさん 友達からいい学校だと聞いて興味を持ったので、学校説明会に行ってみました。行ってみたら、生徒の雰囲気が明るくて、先生も優しそうなので楽しく通えそうだと思って受験しました。

――「理数探究入試」で受験しようと思った理由を教えてください。

Yさん 理科や算数はあまり得意ではなかったのですが、考えることが好きです。担任の先生から、「理数探究入試」は考えることが好きな人に向いているから受けてみたらと勧められたので受験してみました。4年生から塾に通って4科の勉強はしていましたが、「理数探究入試」のために特別な対策はしていません。

――ポスター課題ではどんなことについて調べましたか?

Yさん サンタクロースが何人いたら、クリスマスに世界中の子どもたちへプレゼントを配りきれるか調べました。新聞記事で公認サンタクロースは100人ぐらいだと知って、100人で足りるのかなと思ったことがきっかけです。子どもたちが寝ている間に配らなければならないので、年齢による平均睡眠時間を調べたりして、計算を間違えたりもしましたが考えることが楽しかったです。自分なりに計算してみたら、2万305人になりました。時差まで計算していなかったので正確な数ではありませんが、100人よりずっと多くのサンタクロースが必要だということはわかりました。

▶︎Yさんがポスター課題で考察した時のシート

――入学前は理科や算数があまり得意ではなかったそうですが、入学してからはどうですか?

Yさん 理科は実験がたくさんあって楽しいですし、実験するから知識も身につきやすいです。数学も先生の説明がわかりやすくて理解しやすいので、なんとかついていけています。

▶︎観察・実験・実習を多く行う理科の授業

――数学のグループワークはどうですか?

Yさん 授業でわからないことがあったとき、友達なら気軽に聞けるし、逆に友達が困っているときに教えてあげると自分の理解も深まるのでグループワークはいいなと思います。私はいつもじっくりと考えてから解くので、私が友達に教えることは少ないですが、私が困っているときには友達が教えてくれます。

▶︎数学のグループワーク

――学校生活ではどんなことが楽しいですか?

Yさん みんな優しいので、楽しく学校生活が送れています。体育祭などの行事は一致団結して、みんな全力で取り組んでいます。体育祭では障害物競走の麻袋で飛ぶ競技に出場して、あまり追い抜けませんでしたがとても楽しかったです。

――受験生へのメッセージをお願いします。

Yさん 「理数探究入試」は、理科や算数が得意でなくても、考えることが好きなら向いていると思います。特別な対策はしませんでしたが、何か気になったことがあれば、わかるまで電車の移動時間に考えたりしていたことが役に立ったのかもしれません。気になったらそのままにせずに、自分で考えて調べたりして、自分なりに答えを出しています。当日は焦らずに、リラックスして試験に臨めば力を発揮できると思うので、本番まであと数ヶ月頑張ってください。


<取材を終えて>
Yさんが取り組んだポスター課題が、非常に興味深かった。正確な答えを出すのは、専門家でも難しいだろう。「子どもたちが寝ている間に配らなければならない」といった条件を考慮して計算をしたことなどからYさんの人柄が感じられ、「考えることが楽しかった」と語ったことが印象的だった。理科や算数が特別に得意でなくても、深く考えることが好きなら、まずは「理数探究入試」の過去問にぜひチャレンジしていただきたい。

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