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明治学院中学校

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スクール特集(明治学院中学校の特色のある教育 #6)

様々な「出会い」を通して成長していく生徒たち

2023年4月から校長に就任した大西哲也先生と、勉強や部活動、生徒会活動などで充実した学校生活を送る中3の生徒に話を聞いた。

明治学院中学校は、「道徳人・実力人・世界人の育成」を目指し、キリスト教に基づく人格教育を行っている。2023年4月から校長に就任した大西哲也先生に、同校ならではの「出会い」のある学校生活や、「出会い」によって成長した生徒たちについて話を聞いた。

大きな成長へとつながる、生徒それぞれの「出会い」

英語科の教員、副校長を経て、2023年4月から校長に就任した大西哲也先生。新校長として説明会などで伝えていきたいことは、同校はキリスト教教育を中心とした歴史ある学校であり、教育目標の土壌に「隣人愛」があることだという。

「本校では、授業や行事、クラブ活動、礼拝など、学校生活の中で様々な出会いがあります。高3の生徒が卒業する際に『出会い』と言うタイトルで卒業文集を書きますが、『キリスト教』との出会いについて書く生徒が毎年少なくありません。クリスチャンの生徒はそれほど多くないですが、毎日行っている礼拝で何か心に響くことがあるのでしょう。『あのときの礼拝は心に残っている』という声を聞くと、毎日コツコツと蒔いてきた種が生徒たちの心に届いていると感じます」(大西校長先生)

同校での「出会い」が、進路選択に大きな影響を与えることも少なくないと、大西校長先生は語る。

「例えば、それまで美術に興味がなかったけれど、美術の授業で教員から声をかけられて美術部に入った生徒が印象に残っています。美術と出会って才能を開花させて、美大へ進学しました。高校からアメフトを始めた生徒はめきめきと才能を発揮し、アメフトの推薦で大学に進学。大学では日本一になり、社会人でも活躍しました。すべての生徒にこのようなドラマチックな出会いがあるわけではありませんが、一人ひとりにそれぞれの形で出会いがあるのです。その出会いを通して生徒たちが成長することを応援し、尊重できる学校でありたいと考えています」(大西校長先生)

同校には、他校ではなかなか経験できない、クラブ活動での「出会い」もある。

「クラブ活動の種類も多く、アメフトとラグビーの両方があるのも珍しいでしょう。ハンドベル部があるのも、ミッション系の学校ならではだと思います。高校のハンドベル部は2年に1回、アメリカへ演奏旅行に行きます。40日間の中でいくつもの家庭にホームステイするので、ホストファミリーとの出会いもたくさんあります。音楽に言葉の壁はありませんが、ホームステイ先で思いをうまく伝えられないこともあるでしょう。もっとうまく伝えたいと思い、帰国してから英語を頑張って大学で留学した子もいました」(大西校長先生)

▶︎校長 大西哲也先生

2023年は海外プログラムも再開

同校では高2で文系、理系を選択し、文系選択者は高3で国公立大学や難関私立大学への進学を目指す「受験進学コース」と、明治学院大学への推薦進学を目指す「推薦進学コース」に分かれる。共通テストや定員の厳格化などが影響し、近年は内部進学希望者が増えており、昨年は50%を越えたという。

「明治学院大学へ進む道をつくることも大切ですが、一方で、他大学を受験する生徒にも、これまで以上に対策などを充実させて、希望する進路の実現をサポートしていきたいと考えています。勉強に自信が持てるようにしっかりと学べる環境を整えるだけでなく、OBやOGの力を借りて体験談を聞く機会をつくるなど、チャレンジしようとする気持ちが持てるように、教員も意識していくことが大切です。まずは一般入試を目指す力をつけていきますが、留学やホームステイなどの海外プログラムに参加した生徒は、総合型選抜などにその経験が活かせるでしょう」(大西校長先生)

新型コロナの影響があり、海外に目が行きにくい状況が続いていたが、今年度以降は以前のように、海外プログラムなどでモチベーションが上がることにも期待していると、大西校長先生は語る。

「海外へのゲートが開けば、本校の教育理念である『世界人』に目を向けられるように力を入れていきたいです。今年1月には、3年ぶりにアイオワ州のNorthwestern Collegeにて3週間のWinter English Programを実施しています。高3の希望者から選抜された12名が語学研修や異文化交流を行い、充実した3週間を過ごしました。今年度はホームステイプログラムの準備も進めており、来年度以降にスタートさせる新たな海外プログラムも検討しています」(大西校長先生)

明治学院大学には、カリキュラム留学プログラムがあり、経済学部国際経営学科や法学部グローバル法学科等では、2年次に3ヶ月から半年間、海外留学することがカリキュラムに組み込まれている。

「コロナ禍では国際系の学部への進学が以前より伸び悩みましたが、今年度からまた海外に目を向ける生徒も増えるでしょう。本校では、中1からネイティブ教員による英会話の授業があり、リスニングで使用しているのはナチュラルスピードの教材です。英会話は中1から高2までで、高3になるとライティングの授業になります。限られた時間で段落を作ってエッセイを書けるように指導し、4技能をしっかり身につけていくので、GTEC(ベネッセの英語4技能テスト)でもライティングの成績がよい生徒が多いです」(大西校長先生)

理系の生徒たちが活躍できる進路への期待

明治学院大学は、2024年4月に初の理系学部「情報数理学部」を新設。高度ICTを利活用し、数理的理解に基づいた応用力・問題解決能力を身につける教育を行う学部である。

「文系から進む道もありますが、これまで内部進学という選択肢がなかった理系の生徒にとって進路の幅が広がることに期待しています。内部進学は、高校3年間での5段階評定の平均値によって、上位から希望する学部・学科を指定することができます」(大西校長先生)

昨年の文化祭では、理系の生徒たちが工夫した出し物が来場者から注目を集めたという。

「本校の文化祭は、学習発表、クラブ活動の発表、クラスの出し物など、バランスの取れた構成になっています。クラスの出し物は工夫したものが多く、昨年は高2の理系クラスが遊園地にある『バイキング』と呼ばれるアトラクションを小さいサイズで作りました。船の形をした乗り物が、左右に大きく揺れるアトラクションです。生徒たちは、揺れ幅の安全性を計算して、屋外の屋根がある場所にパイプを打ち込んで4人乗りの舟を作りました。乗客はヘルメットをかぶって乗り、生徒たちが紐を引っ張って、計算した危なくない高さまで揺らします。理系らしく『π king (パイキング)』と名付け、乗ってみた保護者からの評判も上々でした。来場者に乗ってもらうまでには何度も自分たちでテストをして、『先生も乗ってみてください』と言ってきたので教員たちも協力しています。やる前から『危ないからやめなさい』と言うのではなく、『きちんと安全性を確保した上で』という条件を出し、担任もサポートしながら実現しました。文化祭は中高合同で開催するので、中学生がこのような先輩たちの出し物を見られることも大きな魅力だと思います」(大西校長先生)

中3の生徒にインタビュー

男子硬式テニス部のキャプテンとして、また、生徒会会長として充実した学校生活を送っている中3の生徒に話を聞いた。

Nさん 中3(男子硬式テニス部キャプテン、生徒会会長)

――中学受験で明治学院中学校を選んだ理由を教えてください。

Nさん キリスト教系の幼稚園に通っていたことと、明治学院中は英語の学習に力を入れているので、英語力が伸ばせそうだと思ったので受験しました。

――入学してみて、どのように感じましたか?

Nさん いろいろなことが自由に出来る学校だと感じています。例えば、文化祭や体育祭は、生徒が中心になって行うので、自由だなと感じました。みんなの意見が1つにまとまらないときは大変ですが、みんなで協力して1つのものを作り上げることが楽しいです。

――これまで受けた中で、印象に残っている授業はありますか?

Nさん 理科は実験が多くて、教科書を見るだけでなく、実物を見て学ぶことができます。中2のときには、カエルやニワトリの脳、豚の目など、解剖をたくさんやりました。教科書だけだと、大きさや、どのように動くかがわかりにくいですが、実際に見ることができたのでわかりやすかったです。初めて解剖したときは少し戸惑いましたが、慣れてきたら平気になりました。

――先生の印象を教えてください。

Nさん 優しい先生が多いです。僕はあまり質問をすることはありませんが、質問すれば休み時間ギリギリまで使って教えてくれます。

――生徒会の会長になったきっかけを教えてください。

Nさん 小学生のときに先生から、「やりたいことがあるなら、やらないよりはやった方がいい」と言われたことが印象に残っています。中1からクラスの委員長なども自然にやるようになり、生徒会の会長もやってみたいと思ってなりました。

――会長になってみて、どのように感じましたか?

Nさん 任期は、今年1月から12月までです。周りもみんな頑張っているので、自分もしっかりやろうと改めて思いました。

――任期の間に、生徒会で取り組みたいことはありますか?

Nさん 制服のことなど、学校でのルールが曖昧になっていることがあるので、守るべきことをしっかりと全体で共有して、意識できるようにしたいです。

――硬式テニス部を選んだ理由を教えてください。

Nさん 小学生のころからテニスをやっていたので、自然な流れで入部しました。高校生と一緒に練習しているので、高校生から見れば自分ができてないこともたくさんあり、学ぶことも多いです。技術的なことだけでなく、周りを見て動くことや、どこで何をすべきか常に考えないといけないことなど、いろいろ学びがあります。高校生は、僕の目が届いていないところまで見ているなと感じることも多いです。

――クラブ活動での目標を教えてください。

Nさん 今は都大会に出ることが目標です。団体戦は、部を代表してコートに立つので個人戦より緊張します。高校生になっても、テニスを続けたいです。

――進路については、どのように考えていますか?

Nさん 理系の学部に進学したいと考えています。

――今後の目標を教えてください。

Nさん 海外旅行だけでなく、仕事も海外でしてみたい気持ちがあるので、英語をもっと勉強したいです。今は、設計など、自動車関係の仕事がしたいと思っています。ホームステイなど、海外プログラムにも参加したいです。英会話の授業で先生に海外のことをいろいろ教えてもらっていますが、やはり行ってみないとわからないこともあると思います。

――この学校のいいなと思うところを教えてください。

Nさん 一人ひとりの考えを大事にしているところです。文化祭や体育祭では、実行委員だけが進めていくという感じではなく、一人ひとりが意見を出し合ってみんなで決めます。

<取材を終えて>
緑豊かなキャンパス内にあるライシャワー館は、ケネディ政権下に誕生した異色の駐日大使、E.O.ライシャワー博士が16歳まで過ごした建物。白金にあった建物を1966年に復元し、現在は校長室や会議室として利用している。広大なグラウンド、チャペルや聖書植物園など、キャンパス内にある同校ならではの施設も、様々な「出会い」につながっていくのだろう。

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