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明星中学校
スペシャルレポート 6

独自のデータ分析と教員の組織力で、
難関大学への進学をサポート!

公開日:2022.6.-

明星中学校・高等学校は、2021年度の大学合格実績で大きな伸びを見せた。難関大学への合格者が年々増加している背景にある、教員の組織力や独自のデータ分析によるサポート体制を取材した。

Index

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きめ細やかな指導を実現させた独自のデータ分析

2021年度は国公立大学に31名が合格し、これまでにない大きな伸びを見せた。私大では、早慶上理が28名、GMARCHが123名。特に、一般選抜で難関大学に合格する生徒の伸びが著しい。これらの成果につながった独自のデータ分析とその活用について、教頭の高木保欣先生(高校MGS主任)と藤井証高先生(ICT教育推進部主任)に話を聞いた。

模試の結果を独自に分析して次の目標を明確化

同校では、生徒が受けた模試の結果を担任だけでなく、教科担当、進路指導部など、その学年に関わるすべての教員で共有している。共有するために重要な役割を果たしているのが独自のデータ分析だと、藤井先生は説明する。

「本校の生徒は模試をたくさん受けますが、回数が多ければよいということではなく、模試を受けた後にどう活かすかが重要です。進研模試と河合塾の模試を同じ表で見られるように、分析後に色付けやランク付けをした個人成績を教員間で共有しています。本校オリジナルのデータ分析により、偏差値の推移、志望大学のランクと本人のランクなどが一目瞭然になりました。このデータを元に、どこができなかったのか、いつまでにできるようにするのか、次の模試までには何をするかを明確にしていきます」(藤井先生)

藤井証高 先生(ICT教育推進部主任)

一人ひとりの強いところ、弱いところ、伸ばしたいところ、すぐに取り組みたい課題などのデータを共有することにより、担任もタイムリーに面談で示すことができるようになった。一般選抜で受験する生徒たちは、高3の秋以降には毎週のように面談を行う。模試のたびにこのデータ分析を活用して面談を行うことで、かなりの伸びを実感したという。

「オリジナルのデータ分析により、全員に統一基準で指導できる体制が形になりつつあります。教科の先生がそれぞれに熱心な指導をしても、横の連携が取れていないとうまく力を発揮することができません。例えば、時期にあわせて教科の優先順位を決めることも大切です。理系も文系も英語は最優先なので、高2まではかなり力を入れて進めます。しかし、数学や理科も同じように力を入れることは生徒にとって負担ですし、数Ⅲなどは受験に必要な範囲も終わっていません。ですから、高2までに英語のレベルをしっかり上げておき、高3からは数学や理科に力を入れた方が効果的です。各教科の教員と情報共有ができているからこそ、このような体制を取ることもできます。結果を見ても、効果的に力を伸ばせることが実感できました」(藤井先生)

志望校検討会で生徒の情報を教員間で共有

高3の授業に関わる教員たちは、7月、11月、そして1月の共通テスト後に志望校検討会に参加する。そこで生徒一人ひとりの現状を把握し、今の課題、今後の方向性などを共有。それが学年全体の組織力につながっていると、高木先生は説明する。

「例えば、生物の先生に『○○さんには、共通テストであと何点取れるように指導してください』などと、具体的な話もします。その結果、その生徒にハードな課題を出し、生徒が担任に『きついです』などと愚痴をこぼしたとしても、担任もそれが必要であることを理解しているので、きちんとフォローできます。個々の教員に力があっても、組織力がないとなかなか結果につながりません。教員たちの意見がバラバラでは、生徒も学校を信頼して耳を傾けることができないでしょう。特に、本校の生徒が目指す大学の層に合格するためには、そういったきめ細やかな指導が必要だと考えています。受験指導に携わる教員たちは、様々な分野のスペシャリストです。都立や私立の進学校での経験がある教員もいますし、長く明星の生徒を見てきた教員もいます。外からの視点と中からの視点で、今までの経験値を集結させ、本校の生徒に合った受験指導が実現できるのです」(高木先生)

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塾や予備校に通わず合格できる学校完結型の指導体制

難関大学に合格した生徒の中には、塾や予備校に通っていない生徒も多い。それを可能にする、学校完結型の指導体制について話を聞いた。

授業や講習で全員を底上げすることを目指す

同校では、夏期講習や特別編成授業など、学校完結型で合格を目指す指導体制が整っている。学校の授業や講習をしっかりと受けていれば、高校3年間塾や予備校に通わずに難関大学に合格することも可能だと、高木先生は説明する。

高木保欣 教頭先生(高校MGS主任)

「教員がチームとなって全員の生徒をみて、次のステップに導いていける指導体制を整えています。2021年度に一般選抜で受験した生徒の中で塾や予備校に通っていたのは、3割ぐらいです。早稲田に合格した5人も、塾や予備校には通っていませんでした。通常の授業はもちろん、補講や補習、夏期講習会、入試対策講座などでしっかりとサポートしていきます。一般選抜で受験する高3は、共通テストの前日まで特別編成授業を行い、共通テスト後も2次試験対策を実施。明星大学などへ推薦で進む生徒とはクラスを分けているので、全員で共通テストを乗り越えて頑張ろうという空気ができています。最終的な到達目標を見据えたシラバスを作っているので、安心して学校に任せていただきたいです。希望の大学に進学した卒業生が講演に来てくれて、『学校の授業や教材をやっておけば大丈夫!』と言ってくれることも、在校生によい影響を与えています」(高木先生)

高校のMGSクラスでは、中学からの内進生と高入生が混在しており、お互いを刺激し合うよい環境となっていると、藤井先生は語る。

「内進生はのんびりしている子が多いので、高入生からよい刺激を受けているようです。高入生は、都立が第一希望だった子も多いので、それを引きづらないで、次のステップに向けてリセットできるように教員たちも考えています。成績が上がってくると生徒も乗ってくるので、成功体験を積み重ねることが大切です。だからといって、ハードルを低くしているわけではありません。高木先生の英語などは、とてもレベルの高い授業です。ここは緩くできないというところは、引き締めていきます。それに付いてきて成績が伸び出だすと、生徒は間違いなく変わっていくのです」(藤井先生)
※特別選抜クラスは高入生とは混ざらず、6年間クラス替えはしない。

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「受験を頑張る」という経験を通して生徒を育てる

近年、合格実績の伸びが注目されているが、テクニックなどの表面的な受験指導を行っているわけではないという。受験を通して見えてくる、生徒たちの成長について話を聞いた。

「受験を頑張れた」という経験が大切

勉強が好きな生徒ばかりではないが、結果が出始めるとその後は伸びるのも早い。高1のときは勉強が嫌いで宿題も出さず、注意することも多かったある生徒について、藤井先生は振り返る。

「コロナ禍だったのでZoomで面談を重ねていくうちに気持ちのスイッチが入り、模試の成績も上がり始めたのです。高1の模試では偏差値が40台だったのですが、50台、60台と着実に伸びていき、青山学院大学に合格することができました。頑張った成果が見え始めてくると、教員のアドバイスも素直に受け入れるようになるので、さらに点数や偏差値が上がるのが早くなります。気持ちが変化するスイッチは生徒ごとに違うので、日頃の会話や面談で探っていきます。伝えるべきことを、どのタイミングで言うかも重要です。一番効果的だと思うタイミングで伝えられるかで、その後の伸びも変わってきます。生徒の心を動かすことができなければ、成績を上げることもできません。ですから進路指導では、生徒一人ひとりと向き合うことが大切です」(藤井先生)

前述の生徒は、受験までは勉強を頑張ることに集中したが、その経験はこの先に様々な分野で活かすことができると、藤井先生は考えている。

「嫌いだった勉強でさえここまで向き合うことができたので、その頑張りは今後の人生で他のことにも活かせるはずです。大学で新しいことにトライしたら、興味のあることならもっと頑張れると思います。新しい環境で何を始めるか、非常に楽しみです。部活動と同じように、勉強でも頑張るという経験をして、成長していってほしいと思っています。私たち教員は、受験を通してこのような経験をさせてあげたいと考えているのです」(藤井先生)

2021年度はこれまでにないほど大きな伸びを見せたが、さらなる躍進に期待していると、高木先生は語る。

「今回のように結果を出すと、テクニックなどの表面的な受験指導をしているように見られるかもしれません。しかしそうではなく、私たちは受験を通して生徒を育てているのです。今回大きな伸びを見せましたが、他の学年より人数が多かったこともありますし、これで完成とは思っていません。生徒たちにはまだまだ伸びしろがありますし、教員も経験を積んでいくことで、さらなる躍進が期待できます。今後は、探究の授業などを通して、難しいことにも立ち向かっていける生徒が育ってくるでしょう。その結果、難関大学にチャレンジする生徒が増えて、ハイレベルな分野に進出する生徒がでることに期待しています。素直で前向きで、いろいろなことにチャレンジしたいと思っている子に、ぜひ本校に来てほしいです」(高木先生)


取材を終えて

実際にオリジナルの分析データを見せていただいたが、生徒の目標を伝えるにもわかりやすく、教員間でも共有しやすいデータであった。それを活用し、一人ひとりの目標を立てて、面談を重ねていくことは簡単なことではない。しかし、そのような細やかなサポートがあったからこそ、今回のような結果が出せたのだろう。合格実績の数字だけでなく、このような過程にもぜひ注目していただきたい。

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