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のーとるだむじょがくいん

ノートルダム女学院中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(ノートルダム女学院中学校の特色のある教育 #5)

伝統校ならではの豊富な推薦制度で、さまざまな大学への進学が可能に。

中高一貫校を選ぶ際、大学進学実績を大切にする傾向は強い。ノートルダム女学院は同法人内の大学への進学だけでなく、有名私立大学への推薦が充実している。推薦制度で進学した生徒と卒業生に話を聞いた。

ノートルダム女学院中学高等学校は、創立70周年を迎えた京都の伝統校だ。大学進学時には推薦制度を活かし、多様な大学へ進学が可能。近年では関西を中心に有名私大や医歯薬・看護系大学への進学実績が充実している。その背景には、一人ひとりの希望にあわせた大学受験をサポートできる推薦にチャレンジしやすい環境がある。今回は幅広い推薦制度について、入試広報部長の山田由樹先生からのお話をレポート。また実際に推薦で進学を果たした現役生・卒業生の声を紹介する。

入試広報部長 山田由樹先生より

関西私学を中心に113校300枠の推薦枠を持つ

ノートルダム女学院高校は、伝統校として学校推薦型選抜(旧推薦入試)の実績が積み重ねられており、毎年、関関同立を中心とした有名私大への推薦は安定している。とくに関西学院大学は協定校であり、2021年は指定校推薦枠で24名が進学を果たした。関東では、カトリック校特別入試制度が活用できる上智大学へも毎年合格者を輩出している。高3生徒数より多い推薦枠があり、選択できる学部が幅広いのも特徴だ。

【指定校推薦枠(2021年度実績)】
関西学院大学指定校推薦枠 24名
関関同立推薦枠 49名
医歯薬・看護系大学推薦枠 41名
など

指定校推薦はもちろんだが、近年、私大進学で注目される総合型選抜(旧AO入試)に関しても積極的だ。総合型選抜の選考では、出願時に志望理由書だけではなく、課題やレポートなどの提出が求められることもあり、大学によってスタイルが異なる。さらに大学や学部によって選考方法や期間も異なり複雑なこともあって、最近では総合型選抜専用塾も増えている。そのような中、ノートルダム女学院では、担任や進路指導の教師が、総合型選抜へのチャレンジを丁寧にサポートする体制を整備。高校生活を通して、生徒のことをよく理解している教師によるサポートは心強く、合格を目指して安心して励める環境だ。

また加えて、2019年度より、3年連続で京都大学へ合格者を輩出していることにも注目だ。そのうち2名は国公立大学型学校推薦型選抜といわれる特色入試を活用している。京大出身の学院教師が、京大に向いていると感じた生徒をほぼマンツーマンで指導し、塾などを活用せずに合格に至ったというから驚きだ。

ノートルダム女学院では、在学中に幅広い活動ができるよう、学校側が積極的に生徒を支援する。自分たちがやりたいことを実現しやすい環境が特徴のひとつだ。こういった学びの環境が生徒の積極性を育み、学校推薦型選抜で求められる人材の育成につながっていると感じた。

▶︎入試広報部長 山田由樹先生

生徒会漫才コンビの学校推薦型選抜チャレンジのレポート

昨年度、同学院のスクール特集に登場してくれた生徒会長のOさんと、副会長のMさん。高校3年生となり、大学受験においては学校推薦型選抜(指定校推薦)と総合型選抜にチャレンジしていた。受験期の取り組みや学校推薦型選抜について話を聞いた。

写真左より:Oさん、Mさん

―――生徒会活動が終わった高校3年生の学院生活はいかがですか?

Oさん 生徒会長時代は、毎日、最終下校時刻まで残っているくらい学校生活が充実していました。部活もいくつかかけもちしていたこともあって、校内のいろいろなところにたくさんの仲間、居場所がありました。今、部活も生徒会も終わり、学校が15時半には終わることもあって、少し手持ちぶさたな感じがしているくらいです。

Mさん 生徒会の活動は終わりましたが、受験はもちろん、グローバルワークショップB (GWB)のイベントにチャレンジしました。高2までは生徒会で忙しくてできなかったことを、高3でやっている感じですね。また私が昨年、生徒会で漫才をしていたことを知ってくれている英語ネイティブの先生が、「文化祭で漫才やらへん?」って誘ってくださったので、秋には英語と日本語をコンセプトにした漫才にチャレンジしました。また今年は英検1級が取得できました。大学受験と両立して、ソロ活動が充実しています。

―――大学進学について教えてください。

Oさん 同志社大学生命医科学部を指定校推薦で合格しました。この学部で脳の機能について学びたいと思い、進学を希望しました。とくに体の機能を支える医療機材の開発に興味があります。聞こえや視力について、脳との関係性を活かした医療機器の開発に携わり、もっと安全に暮らせるよう社会貢献したいと考えています。一方、同志社大学の“行動に移すことが大切”だという理念に共感したことも志望理由のひとつです。私自身、ノートルダム女学院では生徒会や部活動など、自分で進んで積極的に行動してきました。生徒会活動を通して、人前で話すことも慣れました。在学中にいろいろチャレンジさせてもらえてよかったですね。大学では学祭での企画などにも興味を持っています。

Mさん 私は立命館大学総合心理学部を総合型選抜で受験し、無事に合格できました。志望理由は2つあります。1つはプロジェクト発信型英語プログラムがあったこと。今まで自分がグローバル英語コースで学んできて、文化的背景、社会的背景が違う人たちと交流することで得られる新しい視点はすごいと感じています。これからも英語の学びを継続し、英語の運用能力を高めていきたいと思っています。

2つ目は他大学の場合、心理学の勉強は文学部にあったり教育学部にあったりしますが、立命館大学の場合は総合心理学部として独立していることです。人の感情が起きる仕組みや、人の心と社会のつながりなど、幅広く学べるところがいいと思いました。自分の得意な英語と勉強したい心理学の両方が学べると考えたことがポイントです。

―――お二人とも推薦制度を活用して大学受験をされましたが、学院からはどのようなサポートを受けましたか?

Mさん ノートルダム女学院で、生徒会など、いろいろ経験をさせていただいたことを強みに、1学期には立命館大学を総合型選抜で受験しようと考えました。出願には提出書類が多く、レポートもありましたが、担任で国語科の先生がサポートをしっかりしてくださいました。出願が9月頭からスタートだったため、夏休み中も何度も指導をしていただきました。

Oさん
大学は生徒会活動などの実績を活用して、指定校推薦で進学しようと早い段階から考えていました。同志社大学の指定校推薦は11月頭から出願がスタートします。志望理由書の提出、口頭試問と面接があります。志望理由書の作成は10月頭からスタートしました。指導は高2で担当して下さった国語科の先生にお願いしました。また面接の練習も何度も行い準備しています。

総合型選抜で進学した卒業生の活躍

ノートルダム時代の生徒会長の経験が転機に
宇宙のおもしろさに惹かれ、総合型選抜で関西学院大学理学部へ

関西学院大学理学部物理・宇宙学科
山下音緒さん(2020年度卒業生)

現在、大学でUNIVERS&(ユニバーサンド)という団体を立ち上げ、中高生を中心に宇宙の魅力を発信する出張講座を実施している山下さん。宇宙への興味と積極的な姿勢はノートルダム女学院時代に培われたとのこと。現在の活動と、ノートルダム時代について話を聞いた。

▶︎山下音緒さん(2020年度卒業生)

―――UNIVERS&(ユニバーサンド)の活動について教えてください。

関学には部活やサークル以外に、アカデミックコモンズプロジェクトという自主活動が可能です。大学に入学してすぐのオリエンテーションでおもしろそうだなと思い、宇宙の魅力をもっと多くの人に知ってもらえる活動ができればと思い、友人と立ち上げました。

宇宙が大好きな2年生と1年生が集まって10名くらいで活動しています。メンバーは個性的で、全員宇宙が大好き。私たちにとっては大学での学びをアウトプットできる活動でもあります。メンバーにホームページ制作ができる人がいるので、すでにWEBサイトを立ち上げ、活動の内容を発信しています。

2022年の夏休みは、コロナ禍でできていなかったイベントがようやくできるようになり、大忙しでした。出張講座は学校によってカラーが違いますし、同じ学校でも学年によって雰囲気も違って興味深いです。中高生が宇宙に興味をもってくれて、積極的に質問してくれることや、イベントを一緒に楽しんでくれることがやりがい。これからも活動を通して、宇宙の魅力に気づいてくれる人をひとりでも増やしたいですね。

―――宇宙に興味を持ったきっかけを教えてください。

小学生の頃から宇宙に興味があったり、物理を勉強したいと思ったりもしていましたが、まわりに言うほどでもありませんでした。ノートルダム女学院中学1年生の時のことです。クラスでのホームルームで、クラスメイトが急に“昨日、宇宙のことを考え始めたら、眠れなかった”と言ったのです。その時、担任の先生も“その気持ちすごくよくわかる”と言って共感され、その後、クラス全体で宇宙の話題で盛り上がったことがありました。その時、“実はみんな、宇宙に興味があるのではないか”と感じました。私は教育にも興味があるし、宇宙にも興味があります。どちらを選ぼうかと考える時に、どちらもできるのではないかと考えるようになったことは原体験だと思っています。

その後、高2の時に鹿児島で実施されたスペースキャンプに参加しました。当時は宇宙か教育か、進路に悩んでいたのですが、そのキャンプがとてもおもしろかったので、宇宙物理の方へ進むことを決意しました。

―――バンド活動もされているそうですね

私はやりたいことは全部やりたいタイプです。笑 バンドでは、学祭でステージに出ましたし、学祭委員もしました。“できたらかっこいい方を選ぶ”のがモットー。要領がよいわけではないので、いろいろと悩むこともあるのですが、やってみてできたらかっこいいと思うことはとりあえずやってみるようにしています。

ノートルダムには、私は小学校からお世話になりました。このチャレンジングな性格は、生徒がやりたいことをのびのびとさせてくださるノートルダムライフで養われたと思っています。

―――ノートルダム時代は生徒会長だったと聞いています。

ノートルダム時代は理系のSTE@M探究コースでした。中学は現在のグローバル総合コースです。生徒会は中学・高校と活動をしました。小学校の時は、あまり積極的に活動できる方ではなかったのですが、小6で茶道部の部長をしたことで自信になり、中学校では思い切って生徒会長に立候補しました。

私はまわりの人に相談しながら、チームで進めていくタイプです。リーダーらしくないリーダーと言いますか、自分が抜けているところもあるので、まわりにサポートしてもらいながら進めるようにしています。こういったスタイルもノートルダム時代から変わっていません。

―――ノートルダム女学院のよいところを教えてください。

ノートルダムを離れてから、あの場所にあること自体が実は本当にすばらしいことだったと気づきました。京都の美しい四季を感じながら、哲学の道を通って学校に通うことが、当時は当たり前でしたが、ステキな環境だったと思います。

またノートルダムでの学校生活があっての今だと思います。ノートルダムの生徒は、みんなのびのびとしています。友達が好きなことついて、自分が好きでないとしてもけなさないところがいいです。多少のいざこざはあったと思いますが、それぞれの世界観をお互いに大切にしている。そんな雰囲気がよかったです。また女子だけなので、自分たちでなんでも解決しなきゃという積極的な姿勢が行事になどでもありましたね。

―――大学受験について教えてください。

関学には総合型選抜で受験しました。南極天文学の先生の研究室に惹かれました。また高1の時にスタディキャンプで三田キャンパスへ行ったのですが、その時にも天文学を専門にされている先生の話を聞いたことも影響しています。

―――将来のイメージはありますか?

今後は研究のために大学院進学も考えています。将来的には科学の面白さを伝えるような仕事をしたいと考えています。私には研究をしている人たちがとても楽しそうに見えます。研究が楽しいことを伝えようとしたら、自分も研究をしてみた方がいいよと大学の先生にも言われました。

科学は知りたいという好奇心が元にあると思いますが、それが人間関係にもつながればいいのにと思うことが、私の根本にあります。また想像力も私が大切にしていることのひとつです。今、絵が上手な友達と、想像力がふくらむような絵本の製作も行っています。今後は研究を続け、私らしく科学の面白さを伝えられる方法を見つけたいと考えています。

【取材を終えて】
今、大学受験の方法はさまざまだ。高校時代の活動を活用し、積極的に学校推薦型選抜を利用する流れも目立つ。附属校がありながらも、指定校推薦をはじめ、学校推薦型選抜の手厚いサポートを活用することで、幅広い選択肢があるノートルダム女学院は、今の時代の大学進学にいち早く対応できていると感じた。

今回の取材は、ノートルダム女学院の伝統行事である高3生のスクールリング授与式が終わったばかりのタイミングだった。

スクールリングは、代々の先輩にも同じものが贈られてきたノートルダム女学院生の証。リング授与式を終えると、卒業に向けてのカウントダウンを実感するという。リングは校内でも着用が認められ、おそろいを身につけて過ごすことで学院生としての絆をいっそう感じるそうだ。その絆を心の頼りに、卒業後もそれぞれの進路で活躍される姿がイメージできた。

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