私立中学

男子校

とうきょうとしだいがくふぞく

東京都市大学付属中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(東京都市大学付属中学校の特色のある教育 #6)

OBの活躍を身近に感じながら、勉強も部活も100:100!

進学校でありながら、「勉強も部活も100:100」をモットーとして掲げている東京都市大学付属中学校。文武どちらも100%全力で取り組む高校生を取材した。

東京都市大学付属中学校・高等学校は、東大や早慶上理など、難関大学への進学実績が注目されているが、同校のモットーは「勉強も部活も100:100」。中学、高校ともに9割以上の生徒が部活動に参加して、勉強も部活動も全力で取組んでいる。その文化が根付いた背景や生徒たちの成長について、広報部主任の田中望先生と高2の生徒3人に話を聞いた。

勉強も部活も100:100」は卒業生が残した言葉

同校のモットーとして学校案内などにも書かれている「勉強も部活も100:100」は、単なる両立ではなく、どちらも100%全力で取り組むという意味だ。これは、硬式野球部で活動しながら東大に合格した卒業生が残した言葉だという。

「そのようなOBの存在もあり、硬式野球部には六大学に進んで野球を続けたいという希望を持って活動し、実現させた卒業生が多いです。硬式野球部が勉強も部活も全力で頑張るという文化をつくってくれて、サッカー部などが追従し、学校全体に根付いてきました。勉強だけで終わらせるのではなく、それ以外にも自分なりに好きなことを見つけて、6年間大変なこともあったけど一生懸命やったと思ってもらえるような環境を整えています。施設・設備の面だけでなく、教員も近くでサポートするのが大きな特徴です。生徒主体での活動ではありますが、その線を越えない範囲で教員もサポートしていきます」(田中先生)

同校には中学から硬式野球部があり、ボーイズリーグに加盟して地域のクラブチームとも対戦している。硬式野球部やサッカー部のように、中学時代に練習を積み重ねて絆を深めたメンバーが高校でも活動を続ける部が多いが、自転車部やアメリカンフットボール部など、高校にしかない部活動もある。

「発育のタイミングなどは個人差がありますし、練習で辛い経験をすることもあるかもしれません。中・高同じ部でうまくいく生徒ばかりではないので、セカンドチャンスとして高校から新たに参加できる部活動も用意しています。中学から高校まで同じ部で頑張る生徒、高校から新しいチャレンジをする生徒、それぞれの形で成長できるように、生徒たちのニーズの多様性にも応えていきたいです」(田中先生)

同校のOBは練習の手伝いに来ることも多く、在校生にとっては身近なロールモデルとなっている。

「運動部はほとんどの部で、OBがコーチをやってくれています。六大学野球などで自分が活動している人はコーチまでは難しいですが、何らかの形で手伝いに来てくれるOBは多いです。自転車部は合宿に必ずOBが1人参加することになっているなど、各部、様々な場面でOBと接する機会があります。OBとのつながりが深いのも、本校の部活動の大きな魅力です」(田中先生)

▶︎広報部主任 田中望先生

運動部で活動している生徒3人にインタビュー

Hさん サッカー部 キャプテン(高2)
Mさん 自転車部 副部長(高2)
Sさん 硬式野球部 キャプテン(高2)

▶︎写真左から:Mさん、Sさん、Hさん

――部活動の目標や活動内容について教えてください。

Hさん サッカー部の目標は、都大会で2勝することです。完全中高一貫校なので、中学からメンバーがほとんど変わりません。中・高別々に練習していますが、中学での練習成果が高校の強さにつながります。練習環境は整っていて、ピッチが人工芝なので練習しやすいのが魅力です。

Mさん 中学では部活に入っていませんでしたが、コロナ禍で何もすることがなかったときに、自転車で外に出るようになったら楽しいなと感じるようになったんです。高校に上がるタイミングで自転車部があると知って、自転車部に入りました。自転車部はスピードの出るロードバイクに乗って走るので、安全面を考慮して高校だけの部活です。ロードバイクは、普通の自転車とは出せるスピードが違います。普段は、室内でローラー台(その場で自転車を漕げる装置)を使ってトレーニングしていますが、太ももはかなり鍛えられました(笑)。

Sさん 硬式野球部は、甲子園出場を目指して練習しています。春休み中に行われている春季地区大会は、上位校に夏の甲子園に向けた地方予選のシード権が与えられるので、重要な大会です。高3は夏の大会までやって引退して、そこから受験勉強に切り替えます。バスで10分ほどのところに総合グラウンド(東京都市大学グループ専用)があり、トレーニングマシンなども揃っているので練習環境もよいです。六大学リーグで活躍している先輩も多いので、勉強のモチベーションにもつながっています。

――部活動を通してどのようなことを学んで成長しましたか?

Hさん サッカー部は高1と高2で70人ぐらいいるので、まとめるのが難しいです。1つの練習をやるにしても回転が遅くなりがちで、自分の番が回ってくる間にだらけてしまうこともあります。人数が多いデメリットもあればメリットもあるので、メリットを活かしながらだらけないようにする統率力が磨かれたかなと思います。大人数をまとめていくためには、注意することも必要です。ただ注意するのではなく、しっかりと意思確認をしてみんなの意識を統一することが大切だと思います。そのために、ミーティングをこまめに開いて、チーム全体で何を意識してやっていくかを共有するようにしています。今のチームは、守備は強い方ですが前線の決定力や攻撃力が課題です。

Mさん サッカー部と違って自転車部は部員が少なくて、高2は4人、高1が9人です。少ないなりの苦労があって、たとえば夏の合宿は部員が10人いないと行けない校内のルールがあります。直前になってそれを知ったので、頑張って高2の部員みんなで高1を勧誘して、なんとか合宿に行けました。合宿は毎年、富士山の5合目まで自転車で登ります。河口湖までの往復も含めて、5日間で500キロを自転車で走るのが恒例です。部活動には注意をしてまとめていく人も必要ですが、注意するだけだと、嫌な雰囲気で終わってしまうかもしれません。僕は明るいキャラを活かして場を和ませるために、顧問の先生から副部長に任命されたと思っています。後輩が注意された後に、こんないいところもあるからそこは伸ばしていこうねとフォローするのが僕の役割です。人にはそれぞれの役割があって、足りないことを補い合っていくことが大切だと思います。そういった経験を重ねて成長して、少しだけですが大人に近づけました。

Sさん 硬式野球部は、中学からきつい練習を乗り越えてきた絆や団結力があると感じられ、その関係は卒業しても続くと思います。クラスメイトとはまた違う、特別な絆で結ばれたチームメイトと出会えたことが僕にとってはよかったです。休日は朝から夕方まで練習があるので、チームメイトとはクラスメイトより長い時間過ごします。その中で、キャプテンとして主軸となり、見本になれるように、やるべきことはしっかりやって、たまには同じ仲間としてふざけ合ったりもしながら、バランスを取りながらみんなをまとめていけるようになりました。

――影響を受けたOBや先輩について教えてください。

Hさん サッカー部は5月のインターハイが終わったら引退する人が多いのですが、今年度は高3の先輩が4人、夏の大会まで残ってくれました。その中の1人は、指定校推薦(=学校推薦型選抜)で進学したので、2月まで一緒に練習してくれたんです。卒業直前まで一緒だったので、先輩ですがかなり親しくなりました。後輩との距離間が絶妙で、とても面白い先輩だったのでチームの雰囲気をよくしてくれて、人間的に魅力を感じています。高3になって受験勉強などで悩むことがあるかもしれませんが、「心配なことがあったら頼れよ」と言ってくれたので心強いです。

Mさん ロードバイクで道路を走るときには安全面に注意しないと衝突事故などもあり得るので、新歓ツーリングや夏の合宿には必ずOBが来てくれます。食べ物の差し入れを持ってきてくれることが多いですが、花火を差し入れてくれたときはみんなで楽しめたので嬉しかったです。僕たちは人数が少ないですが、先輩方の楽しかった思い出や頑張った記憶を伝えてくれるので、僕たちも頑張ろうという気持ちになります。

Sさん OBの方たちが練習にきてくれて、指導やノックをしてくれます。六大学で活躍している先輩の試合を見に行くこともあり、卒業後の活躍を見て自分も頑張ろうという気持ちになり、それが後輩たちにもつながっていきます。六大学以外で野球を続けている先輩もいるので、様々な進路の可能性について知ることができ、自分たちにとって先輩方は大きな存在です。

――将来について教えてください。

Hさん 中学から人数の多いサッカー部で活動してきましたが、中学時代に顧問の先生から「人を引き寄せる人間になれ」と言われたことが印象に残っています。もともと人と関わることが好きですし、サッカー部でコミュニケーション力も磨かれたと思うので、人と関わる仕事がしたいです。個人プレーより、みんなで協力しあって何かを作ったり、プロジェクトなどを進める仕事が自分には合っていると思います。

Mさん 海の生き物が好きで、特にクジラやシャチなどの海洋哺乳類に興味があるので、そういった研究ができる大学に進みたいと考えています。自転車は趣味として続けたいです。

Sさん 東大の野球部に進んだOBを見てきたので、僕も東大で野球を続けることを目指しています。東大ならレギュラーになって早い段階で試合に出られると思うので、東大に合格できるように頑張ります。

――この学校のいいなと思うところを教えてください。

Hさん 部活ではOBコーチ制度というのがあって、サッカー部もOBコーチが指導してくれています。自分もコーチとして呼んでもらえるように頑張りたいです。

Mさん 校舎が綺麗で、廊下が広いです(笑)。先生方は生徒の性格などもしっかりと見た上で、部長や副部長、キャプテンなど、それぞれに合った役割を任せてくれていると感じられます。 

Sさん 私立から国公立までいろいろな大学を目指す生徒がいますが、それぞれの目標に向けて先生方がしっかりとサポートしてくれます。

<取材を終えて>
今回は運動部の生徒に話を聞いたが、それぞれが部活動を通してOBや先輩からよい影響を受けていることが印象的だった。中学生は、高校生の先輩だけでなくOBからも刺激を受けられるのだ。キャリアスタディなどでもOBの話を聞く機会があるが、部活動のコーチや練習の手伝いなどをするOBは、より身近な存在として感じられ、自分の将来をイメージすることにもつながるだろう。

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