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文化学園大学杉並中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(文化学園大学杉並中学校の特色のある教育 #7)

カナダと日本の高卒資格が得られるDDコースの学びを中学のうちから体験

カナダと日本の高卒資格が同時に得られるダブルディプロマ(以下DD)コースを最大の特徴とする文化学園大学杉並中学・高等学校。中学校にDD準備コースを設置し、よりスムーズな進級を後押ししている。

DDコース設置と共学化という大変革の6年

同校が、カナダと日本の高卒資格が得られるDDコース(*)を設置したのは、2015年度のこと。正確には、カナダブリティッシュコロンビア州と日本の高卒資格を得ることができる。設置のきっかけとなったのは、当時の副校長青井先生の熱い思いだ。入試広報部長の西田真志先生は、その当時のことを「何度も議論を繰り返し、最終的に、DDを他校にはない魅力にしていくという意志のもと『やってみよう』ということになりました」と振り返る。
そして、2018年度には、女子校から共学校へという大きな変革も成し遂げてきた。「カナダの教育省が『ぜひ、男子生徒にもカナダの教育を』と言ってきたことも共学化に踏み切った理由の一つです」と西田先生。「DDコースの認知が広がってきたこともあってか、日本のインターナショナルスクールに通っていた生徒や、両親のいずれかが外国人の生徒など多様性が感じられる環境に変化してきました。男子生徒が加わったことももちろん大きいですね。社会に出れば、性別も国籍も関係なくお互いに協力して仕事をしていく時代ですから、学校がそのような環境にあるのは、いいことではないでしょうか」

*ダブルディプロマコース…日本の中等教育と並行して、カナダのブリティッシュ・コロンビア州教育省から派遣された教員が、オールイングリッシュでカナダの公的教育を行う。卒業時は、カナダをはじめ、アメリカ、イギリスなど英語圏すべての大学に出願可能な卒業資格を取得することができる。

▶︎入試広報部長 西田真志先生

日本式とはまったく異なるカナダ式教育

「2019年度、中学校にDD準備コースを設けたのは、よりスムーズに高校のDDコースに進めるようにするためです。」
と西田先生は語る。DDコースは、高校1年からスタートする。英語はもちろん、サイエンス (理科)とマス(数学)のそれぞれ4時間を加えて、週20時間以上は英語で学ぶ授業となる。そうなると、一定の英語力が求められることになる。西田先生は「中学入学時はまだ英語を学んでいない生徒も多くいます。ただし中学2年から始まるDD準備コースは英検4級が一つの目安となります。ですから、中学に入ってから英語を学び始めたという生徒でもDD準備コースに進むことは十分可能です。DD準備コースでは、英語とヌメラシー(基礎数学)をカナダブリティッシュコロンビア州の教員が英語で実施しており、『英語で授業を受ける』ことに慣れてもらっています」」と説明する。

当日は、DD準備コースの英語の授業とヌメラシーの授業も取材することができた。英語の授業でまず目についたのは、小さなテーブルがついたキャスター付きの椅子に座った生徒たちが、先生の呼びかけに応じて教室内を移動しながら楽しそうに授業を受けている様子。そして、驚いたのがその内容だった。定期考査が近い時期だったが、その試験問題を生徒たちが自ら作っていたのだ。定期考査では、その中から先生が選んだものが実際に出題されるとのこと。西田先生によると「定期考査は、成績に繋がるものではありますが、日本に比べればその比重は決して重くありません。むしろ、日頃どのように授業に参加しているか、また提出物はどうかといったところを主に見て評価しています」とのこと。定期考査の問題をみんなで考えて作ることが、そのまま学びになる。カナダ式教育の一端に触れた思いがした。

次の授業、ヌメラシー(基礎数学)のテーマは「12」だった。「12」をどんな数式で表現することができるか。生徒たちは、5,6人のグループに分かれ、ディスカッションした結果をどんどん黒板に書いていく。「√144」「√169+2÷5×4」など様々な数式が並ぶ。数式が与えられ、計算の結果「12」という答えを導き出すのが日本式だとするなら、カナダ式はまるで逆。「日本式とカナダ式の教育を両方受けられるのが、DDコースやDD準備コースのいいところ。ものの見方が多面的になる効果があると思います」と西田先生。そして、評価方法がルーブリック評価*であることもポイントの一つ。自分が、どの地点まで到達すれば、どう評価されるのかを可視化することによって、モチベーションを高く保つことができるという。

*学習到達度を示す評価基準をあらかじめ観点と尺度からなる表として示すことにより、客観的な評価が可能となる。

DD準備コースの生徒にインタビュー

実際にDD準備コースで学ぶ生徒さん三人に話を伺った。

Yくん

「DDコースがあることに惹かれて文杉に入りました。DD準備コースの授業は、先生が一方的に教えてくださるのではなく、生徒たちが主体的に学ぶ対話型の授業が多くて楽しいです。小学校の時には、まったくなかった授業です。将来は、海外の大学を卒業して自分に合った職業に就きたいと思っています」

SKさん

「小6の時に、学校説明会に毎回参加しました。私は、英語をそんなに勉強してきたわけではないのですが、最初からDDコースに進みたいと思っていました。ヌメラシーの授業では、全部の言葉を聞き取れるわけではありませんが、先生が黒板に書いてくださるので、それと合わせて理解している感じです。将来は、キャビンアテンダントになりたいと思っています」

SZさん

「英語に力を入れている学校だと知って、文杉に興味を持ちました。実際に、オープンスクールや文化祭に来てダイバーシティを確認して自分に合っていると感じました。というのも、小学生時代、『外国人』ということで色々言われたことがあったんです。僕自身は、5歳から10歳まで父の母国アメリカで生活していました。将来は、映画業界で英語と日本語の力を生かせる仕事に就きたいと考えています」

<取材を終えて>
学校によっては、英語で英語を学ぶと言っても日本人教員が日本語を使ってフォローするようなケースも多い。しかし、DD準備コースの授業を取材し、先生や生徒さんの話を聞いてまず感じたのは「カナダの学校で、100%カナダ式の授業を受けている」ということだった。一方で、他の教科では日本式の授業も受けているということも大きなポイントだ。まったく性格の異なる教育を受ける中で、自分はどちらに合っているのか、どんな大学でどんなことを学びたいのか、さらにはどんな職業に就きたいのか、同校の生徒たちは、自然にその答えを見出していくことだろう。

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