私立中学

女子校

おばやしせいしんじょしがくいん

小林聖心女子学院中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(小林聖心女子学院中学校の特色のある教育 #6)

指定校推薦で関関同立へ進学したOGが語る小林聖心の教えと学び

過去5年間で、高3の7割に近い生徒が推薦で大学へ進学している小林聖心女子学院。関西難関私立大学へ指定校推薦で進学した卒業生にインタビューし、学院生活や大学受験について話を聞いた。

今、大学進学においては、高校での実績を活かした推薦制度が注目され、人気が高まりつつある。伝統のある小林聖心女子学院は、約60校の特別推薦枠があり、その数は高3生徒数よりも多いほどだ。今回は指定校推薦を活用して、2021年度4月から関西難関私大へ進学したOGに、大学受験について、また学院生活について語ってもらった。

卒業生の紹介

▶︎写真左より:相良真理さん、武田七海さん、宮本りんさん、上田桐子さん

■相良真理さん/関西学院大学国際学部2年
(以下相良さん)
中学から小林聖心女子学院へ入学。中学1年生の時、家庭の都合で一年間インドで暮らした経験や、小林聖心での行事などを通して、国際社会が抱える問題に興味を持つ。高校で選択した世界史を通して、さらに国際社会への興味が深まったことが、現在の進路につながった。

■武田七海さん/関西大学経済学部2年
(以下武田さん)
小学校から小林聖心女子学院へ入学。中学3年生の時、ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授の特集をテレビで見て、行動経済学に興味を持つ。大学進学時には行動経済学が学べる環境を求めて、大学を選択した。

■宮本りんさん/立命館大学文学部2年
(以下宮本さん)
中学から小林聖心女子学院へ入学。元々の日本史好きから、高校2年生の時に古文の授業で出合った『更級日記』をきっかけに、古典文学に興味が湧く。日本文学を深く学びたいと進学先を選択した。

■上田桐子さん/同志社大学グローバル地域文化学部2年
(以下上田さん)
中学から小林聖心女子学院へ入学。高校1年生の時に参加したフィリピンでの海外研修や、学院での学びを通して、グローバルな視点を持つようになる。現在の学部へは、様々な背景を持った人々の感情を大切にして研究を進められる点に魅力を感じて進学した。

小林聖心女子学院はどのような学校でしたか?

相良さん…中学校から入学しましたが、みんな広く優しく受け入れてくれました。入学してからすぐ、多くの人と関わりを持つことができたと感じています。大学に入学してからも連絡を取っている友人が多く、長きにわたって近況を話したり、相談したりできるような貴重な友人関係を築くことができました。

学校行事は他の学校にはあまりないような珍しい行事が多く、特にクリスマスに関連する一連の行事が思い出に残っています。世間で広く考えられている華やかなクリスマスとは異なり、プラクティスと呼ばれるクリスマス前に世界の様々な課題に目を向け、厳かに過ごす時間は非常に心に残っています。

学院の先生方は、生徒に近すぎず遠すぎず、困った時には親身になって相談に乗ってくださいました。特に進路決定の際には、担任の先生だけでなく、様々な先生方に意見を求めることができたので、非常にありがたかったです。

武田さん…日常生活でも行事でも、みんな自分の役割や得意なことを自覚して、動いていたと思います。クラスやチームをまとめるのが得意な生徒、縁の下の力持ちでみんなを支えてくれる生徒など自分の良い部分を自覚し、お互いを補い合って過ごしていました。学年の横のつながりはもちろん、他学年との縦のつながりもしっかり構築されていたと思います。

大学進学の時、私が学びたい行動経済学の分野が比較的新しく、該当する学部が少なかったのですが、先生方は親身に進路相談にのってくださり、情報をたくさん集めて背中を押してくださいました。

学院での生活においては、長く友達と一緒に過ごすので、時には衝突をすることもありましたが、その経験を通してお互いをより深く理解し、受け入れることができました。卒業した今でも、友達とは定期的に会って出かけたり、お互いの将来について真剣に話し合ったりできます。これは一貫校ならではの絆だと思います。

宮本さん…小林聖心は都会の喧騒から離れた豊かな自然の中にあり、落ち着いた環境で勉学に打ち込めます。何事にも意欲的かつ協力する姿を持つ生徒が多く、体育祭や合唱コンクールなどの行事では、一体となって良い雰囲気を作り上げ、成功できたのはよい思い出です。

部活動は、中高合同で活動するため、幅広い学年と交流します。美術工芸部に所属していましたが、普段の活動や学院祭を通して、先輩方に多くのことを教わりました。部活の同級生とも気が合い、生涯の友達と呼びあえる関係を築くことができました。

小林聖心は、学びへの熱量が高い先生が多いと感じています。ご自身の専門的な学びや留学、海外での勤務など、さまざまな経験を積んでこられており、それらから得たものを惜しみなく生徒に与えて下さいました。人生の先輩である先生方からのアドバイスや授業はとても面白く、興味深いものでした。私も高校2年生の時、古典の授業が面白いと感じなければ現在の分野に進んでいなかったと思います。「好きこそ物の上手なれ」とよく言いますが、「面白い」と思う分野を見つけることが肝心だと自分の体験を持って感じています。小林聖心の先生方は、それぞれの「面白い」を引き出してくれると思います。

上田さん…毎朝のお祈りの時間や黙想会など、ゆっくりと自分自身を振り返る時間を与えてくださる学校でした。その時間のおかげで、慌ただしい中でも自分自身の考えや感情を整理することができ、自己理解を深めることができました。また、振り返りを日々積み重ねることで、自分自身の内面に「節目」を作り出すことができ、それが成長につながったと感じています。

学校行事では、同学年や他学年の方と協力する場面が多くあるため、様々な個性を持つ人に出会うことができました。一人ひとりが自分の得意分野を活かして活動できるため、周囲から様々な刺激を受けて成長することができます。同時に、自分自身の個性や強みを発見することができ、次に何か新しいことに取り組むための自信になったと感じています。

小林聖心女子学院での学びで印象に残っていることを教えてください。

上田さん…私は「聴く力」を育てることができたと感じています。朝礼での先生方の講話や廊下の黒板に書かれた聖書の一文、クリスマスウィッシングで行われる聖書の朗読など、耳、目、口を使って聴き、言葉を味わう楽しさを教えていただきました。その経験を積み重ねることで、まずは相手の言葉に謙虚に耳を傾けてみる姿勢が大切であると知ることができました。これは、小林聖心の教えの核である”Big You, small i”の精神にもつながると思います。

特に英語学習においては、中学1年生から正確な発音と文法を教えていただき、さらに英語のスピーチコンテストを通して表現力も磨かれるため、6年間を通じて大学の英語の講義や留学生との交流に積極的に参加するための基礎的な力が、自然と養えていたと思います。重ねてプレゼンテーション力も、大学でとても役立っています。小林聖心では英語でのスピーチや人前に立って発表する機会があるため、誰に向けて話をするか、どのような内容や言葉選びが適切かといった観点から表現方法を学ぶことができます。また、多くの行事が生徒主体で行われるため、その準備段階では周囲との協力が不可欠となります。そこで培われた広く周りを見る視点は、大学の講義やサークル活動でのグループワークにおいても役立っており、友人との交流の輪が広がるポイントにもなっていると感じています。

宮本さん…一番の教えは、私も「Big You small i」の教えに基づく奉仕の精神です。学校生活のすべてを通して学んだ姿勢だと思います。困っている人がいたら助ける、それは当たり前の事ですが、いざとなった時に躊躇せずに行動することは簡単ではありません。6年間を通して得た、奉仕の精神の中にある積極性、すなわち「すぐに動いて対応する能力」は、積極的に行動することが求められる大学では特に役に立っていると実感しています。

武田さん…小林聖心で身につけられたことは多いですが、中でも「自分から動く力」は、今、役立っている力のひとつです。中高生活は、日常の中で自分たちが主体となって動いていました。授業の時はもちろん、椅子ならべや部活動まで自分たちが仕切って自分たちで動く、ということが多くありました。今考えると、先生方が指示して下さった方がスムーズに進んでいたかもしれないけれど、私たちにそのような機会を下さったおかげで、自分たちで動いていける力を身につけられたのだと感じます。

もう1つは、英語です。小林聖心では、小学校から英語の授業があり、身近に触れ合うことができたので、英語への抵抗感がありませんでした。中高に上がってからも、英語の文法や長文の授業はもちろん、Global Issuesや英語表現を通して、ネイティブの先生方と英語を実践的に使って学ぶことができました。プレゼンテーションやディスカッション、ディベートをしたおかげで、紙の上だけでなく、人の前で英語を使う力が身についたと思います。大学に入ってからも英語で開講されている授業をとったり、海外調査研究のコミュニティでたくさんの人と触れ合うことができています。

相良さん…小林聖心で身につけられたことは、自分で考える力と振り返る習慣です。特に、振り返る習慣に関しては、ほとんどの行事ごとに振り返る時間が用意されており、自分が何を思ってそのような行動や考え方に至ったのかということを、見つめなおすことができました。また自分で考える力に関しては、一人で考える時間と同級生と一緒に物事を考える時間それぞれが用意されていたので、主観的な考え方と客観的な考え方の両方ができるようにもなったと考えています。

入試で力を入れたこと、指定校推薦に必要な学力の身につけ方について

武田さん…私はとにかく学校の勉強をしっかりすることを念頭に置いていました。推薦の希望書を出す直前まで、一般入試を受けるかも迷っていました。しかし、どちらにしても学校の勉強が大学進学の上で土台になる部分なので、学校でやった事は分からない部分や曖昧な所は絶対に残さず、その日の内に解決するようにしていました。

関関同立へ進学する上での学力は、小林聖心で十分に形成できると思います。現に私は経済学部で、授業で数学に触れることがありますが、高校までの数学で十分に理解することができています。また、英語に関しては、先述した通り、質の高い教育が受けられるので大学入学後も途方に暮れることはないはずです。

上田さん…普段から学校での毎日の学習や定期テストの準備に力を入れました。十分に理解できていない部分や疑問点があれば、先生方に直接聞きに行ったり、友人に聞いたりして対応していました。また指定校推薦では「小林聖心女子学院の生徒」として大学進学に臨むため、小林聖心ならではの行事や活動に積極的に参加し、そこから得た学びを毎回しっかりと振り返ることを心掛けていました。

指定校推薦の試験に臨む場合には、主に小論文の対策に力を入れて準備を進めました。具体的には、空き時間に参考書を読んで基礎的な知識を得たり、実際に作成したものを現代文の先生に読んでいただいたりしていました。新聞や雑誌などを積極的に読み、国内外の情勢にアンテナを張っていましたし、日々の学習や小林聖心の図書館にあるたくさんの蔵書から、様々な知見を得ることができました。それらは大学での学びにつながっていると感じています。

宮本さん…普段の授業を真剣に受け、着実に実力をつけることに尽きるかと思います。私は指定校推薦を目指していたわけではなかったので、一般入試を受験するつもりで勉強していました。結果として一般入試への努力が、指定校推薦につながった形です。振り返りますと、中学受験で継続する力を身につけ、その後の小林生活でもそれを土台に勉強する習慣をつけました。習慣をつけると勉強のコツがわかってくるので、結果にもつながります。高校でもその姿勢を崩さず、かつ受験を考えて油断しなかったのは、大きな利点でした。強いていうなら受験だけに舵を切らず、普段の勉強も疎かにしない姿勢が指定校推薦を獲得できた理由だと思います。

また関関同立を目指す上で、重要な学力は英語だと思います。どの学部を選択しても英語は必ずついてきます。そういった点で、学院ではスピーキング・リスニング・リーディング・ライティングを習慣的に学ぶことができ、英語力を満遍なく伸ばすことができました。これらの習慣は英検やTOEFLなどの資格取得にも大きく役立ちます。資格試験用に勉強せずとも、応用できる基礎力を着実につけられました。

指定校推薦には人間力も必要ですが、学院は行事が多く、生徒が活躍する機会も多いです。積極的に行事に参加することで得られる経験もありますし、留学のプログラムも豊富なので外に自分自身の目を向けるチャンスも多くあります。日常的にも世界情勢を把握しやすい環境が整えられているので無理なく人間力が鍛えられます。

相良さん…指定校推薦において力を入れて準備したことは、面接や自己推薦文の書き方です。特に、面接は担任の先生と一緒に事前に練習を重ねて対策しました。

大学進学において、学力や人間力は小林聖心で過ごした6年間で、無理なく形成できました。学力に関しては、生徒が興味をもつような授業を心がけてくださる先生方が多く、自然とその科目や分野に関して学びたいと思えるよう導いてくださいました。人間力に関しては、様々な行事を通して、学年全体の生徒との関わりを持つ機会が多く、コミュニケーション能力や協調性を磨くことができたと感じています。また、ボランティア活動などを通して、学校外の様々な人々との関わりを持つことができる点も、人間力を形成できた要素であると思います。

これから中学受験にチャレンジする小学生や保護者の方にメッセージを。

宮本さん…小林聖心女子学院は、中学受験時の試験科目が4科目から2科目になり、受験者の負担を軽減し、受けやすく、また入りやすくなった印象を持ちます。しかし、入ってからの授業についていくことにおいては、積み重ねが必要だと思います。特に英語は私もついて行くことはもちろん、慣れることに苦労しました。周りの皆も必死に勉強に励みます。そうやって勉強して自分の中に習慣として組み込むことで余裕が徐々に生まれていき、自分の興味のある学問、目指したい道、そして希望する大学や学部が具体的に見えるようになります。過去の先輩たちの功績によって多くの推薦校の大学を持つ小林聖心はこういった日々の努力が実る学校と言えます。

当たり前のことですが、大学がゴールではありません。近年の厳しい社会情勢の中、自分が社会でどう生きていくか問われていると思います。これは学院が常に私たちに問いかけていたことです。今、振り返りますと、小林聖心の教育は「人として自立して社会でどう生きてゆくか」を当事者として、真剣に仲間と考え続ける充実したものだったと感じます。
また、性別による先入観のない環境で一人の人間として学び、成長できることは非常に恵まれたことでした。ジェンダーや女性の在り方についての話題が多く上がるようになった今、女性の自立と向き合う教育方針はさらに重要視されるはずです。これからの女性の教育の場所として、小林聖心女子学院を強くお勧めいたします。

武田さん…やはり中高一貫校で六年間を同じ仲間と過ごすことは、思春期で自分を形成していく上で良い環境だと思います。小林聖心は四季折々の景色に囲まれて友達と過ごすことができるとても素敵な学校です。勉強はもちろん、学校行事では皆との絆が感じられ、達成感が味わえますし、生徒思いの先生方と素敵な友達と一緒にたくさん思い出を作ることができます。卒業しても頻繁に会って、なんでも話せる一生の友人に出会ってください。

相良さん…小林聖心をおすすめするポイントとしては、小林聖心ならではの環境で、6年間過ごすことができる点です。多くのことはお話したとおりですが、無理なく学習し、そのうえで一人の女性として自立した人生を歩むための指針となるものを見つけることができると思います。

上田さん…まず、小林聖心女子学院は緑豊かな環境に恵まれているため、落ち着いた環境で学生生活を過ごすことができます。また、中高一貫校ならではの学校行事が多くあり、それによって縦(先輩や後輩)と横(同級生)とのつながりが深まり、様々な人間関係を形成することができます。何より6年間の学生生活を通して行われる振り返りでは、長期的な視点で自分自身の成長を感じることができ、自身の核となる部分を6年間かけて形成することができる学校です。

今後の目標、将来の夢を教えてください。

相良さん…目下のところの目標は、秋学期の留学で日本では学ぶことができないことを経験し、今後の人生にどのように活かせるかを考えることです。将来の夢ははっきりと定まってはいませんが、社会的に困っている人の役に立つことや、国内だけではなく国外でも働いてみたいと考えています。

宮本さん…私の将来の夢はまだ定かではありませんが、日本文学、または文学に関係する仕事やまたはフランス語に関する仕事をしたいと思っております。大学でフランス語やフランスの文化・伝統が好きになったのでこれからも努力を続け、生かせる仕事に出会えればと思っております。学生生活での目標としてはこれからも時間を大切に使い、積極的にさまざまな活動に参加し、多方面から刺激を受けて成長することです。

武田さん…今後は留学に向けて準備を進めていき、アメリカで現地の経済について学びたいと思っています。また、行動経済学を活かした政策や実験をゼミなどでしていき、実社会で活かせる学問を学びたいと思っています。

上田さん…高校1年生の時に参加したフィリピン体験学習での経験が忘れられず、現在は大学のボランティアサークルで、主にフィリピンの貧困地域に暮らす女性や子どもたちの支援に取り組んでいます。現時点での目標は、友人たちと共に大学生だからこそできる支援の在り方を考え、それを実際に行動に移していくことです。また最近は、支援先の方々が主体となって取り組めるボランティア活動に関心があるため、将来は途上国の自立支援に関わる仕事に就きたいと考えています。

【インタビューを終えて】
 今回は指定校推薦で大学に進学した卒業生に話を聞いたが、それぞれに興味のある分野での高度な学びを求め、指定校推薦で進学をしていた。学校を代表する生徒としての品格と人間性、学びへの積極的な姿勢がとくに際立ったインタビューとなった。途中、なかでも盛り上がったのは、経験豊かで教育への情熱が深い教師についての思い出話。4人で盛り上がる様子からは、学院で過ごした温かな6年間が垣間見られた。

またインタビューの終わりに、「女性が真に自立して生きるために必要なこと」をテーマに話してもらった時には、
・堂々としていること
・何ごとにも積極的であること
をあげ、勇気をもって一歩を踏み出す行動することで、新しいつながりが生まれ、世界が広がるとまとめてくれた。その積極性は、何ごとに対してもいつでも一生懸命に取り組む小林聖心の精神そのものと言えるだろう。卒業生のスピリットが、社会に少しずつよい影響を与えてくれるはずと、頼もしく感じたひと時となった。

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