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報徳学園中学校

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スクール特集(報徳学園中学校の特色のある教育 #11)

サイエンスキャッスル2023で受賞! “好きを極める”理科研究部レポート

報徳学園の好きなことに打ち込める男子校ならではの環境は、運動部の活躍は言うまでもなく、大学進学や文化部でも成果を出している。今回はサイエンスキャッスル2023で、賞に輝いた理科研究部が登場!

理科研究部の活動について

中学と高校が一緒に活動する理科研究部は、約20名。自身も学生時代は研究に没頭していたという木下和生先生が顧問を務め、生徒の研究活動を支援している。部活動は毎週月曜・木曜の2回。生物班と化学班に分かれ、研究にいそしんでいる。学年を越えて全体が仲良く、高校生が中学生をサポートして活動できるているのは中高一貫校だからこそだ。

顧問の木下先生は「大学の研究室で実際に行われている研究にできるだけ近いことを中学や高校時代から体験し、研究そのものの楽しさをまずはつかんでもらいたい。また研究の成果を積極的に披露、発表することでやる気を形にし、挑戦する気持ちを育んでいます」と、活動の狙いを話してくれた。

日々の研究や発表活動の他にも、学外での科学イベントに参加したり、合宿として大学の研究室や科学施設を見学したりと視野を拡げる活動も積極的に行い、生物班、化学班ともにアウトプットに注力して活動している。

▶︎木下和生先生

サイエンスキャッスル2023優秀ポスター賞受賞!

2023年12月、現高校3年特Ⅰコースの長田悠佑さんは、サイエンスキャッスル2023関西大会において「エステル化によるサリチル酸オクチルの合成」に関してポスター発表を行い、優秀ポスター賞を受賞した。サリチル酸オクチルは日焼け止めや解熱剤などに使われる成分だが、これを安価な素材で簡単な方法で合成に成功したことをまとめて発表。難易度の高い実験が、専門家からも高く評価された。

実際の実験はスムーズに進んだわけではなく、結果を出すまでにさまざまなチャレンジを試みたそう。その中では大阪公立大学理学部化学科の研究室にも協力してもらった。締め切り前には毎日実験を行い、土曜も学校で研究に没頭、木下先生のサポートを得ながらも成功にたどりつけたとのこと。実験の過程をそばで見ていた後輩たちも、大会当日は会場へ。先輩の雄姿を顧問の先生とともに見届け、大いに刺激をもらったのだとか。

高校から報徳学園に進学した長田さん。入学当初、将来は看護師を目標としていたそうだが、理科研究部での活動を通して研究の楽しさに開眼。大学進学は理学部に目標が変わったという。好きなことに没頭することで、将来が明確化した好例だ。

成果が期待されるのチンアナゴの生態研究

最近、水族館などで展示され、人気者のチンアナゴ。生物班では2023年から、チンアナゴを飼育し、棲息および巣穴を変える条件について研究している。海の生物を学校で飼育するのは、環境維持など難しく感じるが、東京にある環境移送のベンチャー企業イノカのサポートを受けてスタートしたプロジェクトだ。もともと生き物が好きな生徒が多く、水質管理や餌やりなど、楽しく研究が行われている。

まだその生態には謎が多いといわれるチンアナゴは、定期的に住む場所(巣穴)を変えるのだそう。水槽では2㎝・8㎝・15㎝の高さで砂が入れられており、4匹のチンアナゴがどのようなタイミングで巣穴を変えるのか、研究されている。チンアナゴ効果か、2024年4月は生物班を希望する新入部員が増えたとのこと。すっかり生物班の人気者のチンアナゴ。教員の間でも話題で、学校をあげて注目されているそうだ。

2023年10月には関西大学で開催されたINNOVATE AQUARIUM EGG ジュニア部門 2023年度成果発表会、2024年3月には令和6年日本水産学会春季大会発表の機会を得るとともに、専門家からアドバイスを受け、さらなる成果を目指している。

中学1年生の新入部員、浄徳さんにインタビュー

2024年春に入学したⅠ進コースの浄徳宗太郎さんに、理科研究部や学校生活について話を聞いた。

▶︎Ⅰ進コース 浄徳宗太郎さん

「中学受験は小学6年生になってから準備をスタートしました。報徳学園に進学を希望したのは、近くて通いやすかったから。今は自転車で通っています。もともと化学実験の物質の反応なども好きだったこともあって理科研究部に入部しました。中学の先輩はもちろん、高校の先輩もわかりやすくいろいろと教えてもらえて、とても楽しいです」とのこと。言葉どおり、積極的に実験にも参加し、先輩に指導をしてもらっている様子でいきいきと話してくれた。

木下先生は「理科研究部は中高が一緒に活動していることで、難題にチャレンジする先輩の姿を後輩も一緒になって応援しているよい雰囲気。この雰囲気の中、生徒には今までに世の中になかった新しいことを、ひとつでも見つけて発表できる経験をしてほしい。今後も研究で結果を出し、大会で発表をすることを目標に指導していきたい」と笑顔で話してくれた。

<取材を終えて>
実は顧問の木下先生ご自身は、大学生の頃、実験に苦手意識があったそう。大学に入ってから研究をスタートするのではなく、ある程度、中学高校で経験を積んで、送り出してあげたいという思いが原点にあるそうだ。一方、全国レベルで活躍する報徳学園の運動部が刺激になっていることで、理科研究部も全国を目指そうと盛り上げているとのこと。答えのない課題にチャレンジすることは、これからの時代にまさに必要な姿勢のひとつ。また中学や高校での研究実績が、大学進学に活用できるケースも増えている。好きを伸ばせる環境は、進学校選びに欠かせない視点だと感じた。

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