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ほうとくがくえん

報徳学園中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(報徳学園中学校の特色のある教育 #9)

難関国公立大学理系学部へ進学したOBが語る報徳らしさ

「文武両道」の充実した環境の中、スポーツでも勉強でも高いレベルで成果を上げる生徒が多い報徳学園。難関国公立大学進学を目指すⅡ進コースOBに、同校ならではの魅力について話を聞いた。

報徳学園中学校では、難関国公立大学現役合格・医歯薬系大学進学を目指す「Ⅱ進コース」と、国公立大学・難関私立大学を目指す「Ⅰ進コース」が設けられている。特にⅡ進コースは週38時間の授業時間を確保し、ハイレベルで徹底的な指導が特徴だ。毎年、現役で難関国公立大学に多数合格者を輩出しているⅡ進コース卒業生に、学園の魅力についてインタビューした。

卒業生の紹介

橋本旻音(みんと)さん
大阪大学医学部保健学科放射線技術科学専攻3回生
在学中はワンダーフォーゲル部に所属

三宅遼一さん
大阪公立大学工学域機械系学類海洋システム工学科2回生
中学では弓道部、理科研究部、高校では理科研究部に所属

▶︎橋本旻音(みんと)さん

▶︎三宅遼一さん

報徳学園での思い出や、学園の雰囲気を教えてください。

橋本さん…体育大会やマラソン大会など、体力を養う行事が多かったように思いますが、大学受験も体力勝負の一面があるため、役に立ったと思います。報徳学園はスポーツが強い男子校のイメージが強いですが、スポーツをしているしていないに関わらず、生徒は何ごとにも本気で取り組みます。文化祭も本気なので、それぞれの持ち味が出ておもしろかったですね。いい意味で空気を読みすぎず、まわりに遠慮することなく、のびのびとした男子校らしい雰囲気。それぞれが、それぞれの好きなことや得意なことを伸ばせる環境でした。

10代の私は、思ったことをすぐに行動に移してしまい、時にやりすぎてしまうところがありました。とくに中学生の時は、先生に本気で怒られたり、友達に迷惑をかけたりすることもありました。友達に「それはお前があかんやろ」と諭されることもありましたが、遠慮せずに助言や注意をしてくれる友達がいるのはありがたいこと。そんな関係性が、報徳学園のいいところだと思います。みんなに温かく見守られる中、成長した6年間でした。

三宅さん…高校を卒業して3年目の今、少し時間が経って振り返ると報徳学園は個性豊かな生徒が、自由にのびのびと成長できる環境だったと思います。「自由にのびのび」とは、決して「好き勝手」という意味ではありません。報徳学園は生徒と先生の距離が近いのも特徴のひとつです。そんな関係性の先生方が見守り、サポートしてくれていたからこそ「自由にのびのび」が可能だったと今はわかります。

私自身、中学生ならではのとがっていた時期が少しあったのですが、当時、先生に本気で怒られたこともありました。「ダメなものはダメ」ときちんと指導してくださったことで、自身の気づきになったと思います。

また報徳はスポーツに特化してがんばるコースの生徒も、勉強中心でがんばるコースの生徒も同じように存在感があるのがいいところです。得意とするジャンルはお互いに違いますが、だからこそリスペクトしあえるし、興味を持って応援しあえる文化がありました。

私は中学は弓道部に加えて、兼部で理科研究部に所属していました。弓道部は中学生も高校生も一緒に活動します。高校生がモデルケースとして、近くでお手本を示してくれる環境でした。中学入学当初は、高校生の先輩が大人に見えたものでした。

高校まで続けた理科研究部は、理系の自分には楽しい部活でした。顧問の先生はとくに地質学が好きな方だったため、長期休暇などは遠方まで出かけ、地層や鉱石について学ばせてもらいました。滋賀県の人里離れた山奥まで赴き、宿泊して地質学を学んだこともありました。顧問の先生の地質学にかける思いや情熱に、研究者としての姿勢も感じることができました。

難関国公立大学受験に向けて、どのように勉強をしましたか?

橋本さん…私は高3の夏に、進路を大阪大学医学部にいきなり変更したので、先生には大変驚かれました。きっかけは、ドラマ『ラジエーションハウス』です。放射線技師という職業を知り、興味を持ったのがきっかけです。急に進路を変えましたし、今思うとチャレンジングな決断でしたが、自分自身で決断できたことはよかったです。

受験勉強はいつから始めたということはなかったです。私たちが所属していたⅡ進コースは、普段から勉強への意識が高いクラスでした。受験期は1日10時間くらい勉強するのは普通というくらい。まわりががんばっているから、自分もやって当たり前という環境です。

三宅さん…私は受験の前から、京大を意識していました。具体的に志望校として決めてからは、先生になんといわれても志望校は変えませんでした。もともとバイオテクノロジーに興味があり、工学部に進学したかったので、一浪の時は前期で京都大学、中期で大阪府立大(現在の大阪公立大)、後期で岡山大学を受験。先生にはいろいろと情報をいただいたり、面接の練習をしていただいたりと大変お世話になりました。

報徳学園はスポーツもトップレベルでがんばっている生徒がいます。私たちのⅡ進コースは、彼らと同じようにハイレベルで勉強する環境でした。スピードも速いですし、内容も深いです。つまらないと思う授業はまったくありませんでした。高校2年生で履修範囲は終わり、3年生からそれぞれの目標に向かって、演習や対策にひたすら励むなかで、受験へのモチベーションが自然と高まったと思います。

報徳学園に入学したきっかけを教えてください。

橋本さん…私は父が高校から、叔父は中学から報徳学園に通っていました。その影響があったのと、家が近かったこともあって受験しました。

三宅さん…小学生の時、最初は中学受験は意識せずに数学だけ塾で学んでいましたが、塾が中学受験塾だったこともあって、自然と中学受験の流れに。それなら家から徒歩10分ほどで近くの報徳がいいなと思い、受験しました。

将来の夢や目標を教えてください。

橋本さん…大学では放射線技師の資格は取得しようと考えていますが、研究者としての道を究めたいとも考えています。とくに今、興味があるのは、世界でも日本がトップクラスと言われている核医学とMRIについてです。

大学に入ってから、ボランティア活動として、悩みをお持ちの方の電話相談をさせてもらうようになりました。電話をかけてこられるのは、私より若い人もいれば、年上の方もいます。いろいろな方のお話に耳を傾け、寄り添うなかで、自分も気づきをもらっています。さまざまな事情を抱える方との付き合いの中で、何か社会で役に立てることをしたいと思うようになりました。

三宅さん…現在、工学部で船舶に関することを学んでいます。もともと船舶に興味があったわけではないのですが、入学してから受講した講座がおもしろく、また教授との出会いに導かれて、そちらへ進んだという感じです。将来はこのまま船舶に関することに進んでいくと思います。今までいわゆるゴリゴリの理系だった私ですが、大学入学後、一般教養で選択した法律に関する講座が非常におもしろく、初めて文系分野に興味を持ちました。こちらも引き続き学んでいければいいなと思っています。

勉強以外では、現在、オーケストラ部に入っています。もともと3~10歳までバイオリンを習っていたのですが、中学受験をきっかけにやめました。それきりになっていたのですが、大学入学後、友人にオーケストラ部に誘われ、再スタート。部活のため、忙しく、毎日、バイオリンの練習をしています。

Ⅱ進コースを担任していた島内士朗先生より

彼らのクラスは、当時は13人と少数精鋭クラスでした。それぞれが個性的で、自分で考える習慣が身についており、私が勉強に対して発破をかけなくとも、全員で目標に向かって切磋琢磨する雰囲気がありました。

報徳学園は報徳教育として「以徳報徳」を理念に掲げますが、私たちは“徳”を“よいところ”ととらえています。子どもたちには「徳を伸ばす=自身のよいところを伸ばす」と教えています。このクラスは個性豊かで、まさに「13の徳」が集まっていたクラスでした。

【取材を終えて】
取材後、校門近くで、部活途中のラグビー部の生徒が、気持ちよいあいさつをしてくれた。報徳学園ラグビー部といえば、春の全国高校選抜で兵庫県で初めて全国優勝し、話題になったばかり。さすが全国レベルの体つきと驚いていたところ、入試広報部長の堀谷享生先生が以下のように話をしてくれた。

「本校はスポーツのイメージが強く、全国大会常連校の部も多いです。そのため体育会系のノリで、授業などもガヤガヤしているのではないかと思われることもあるのですが、体育会系の生徒も、勉強は勉強で一生懸命やってくれています。スポーツで成績を残せる生徒は勉強時も集中力が違います。クラブと勉強の両立する姿に教師の方がすごいなと思わされる時があるほどです。また全国レベルを目指すということは、部としての責任を部員それぞれがわかっていますから、人間性も磨かれます。今回、インタビューをしてもらったⅡ進コースはとくに、勉強でトップレベルを目指すコースのため、体育会と同じような意気込みを感じるコースです」

スポーツでも勉強でも、男子校ならではののびのびとした環境のなかで、自分の得意を伸ばせること、またお互いに切磋琢磨して高い意識が保たれている様子がよくわかるインタビューだった。これからは自分の特性を特別性まで磨きあげて勝負することが求められるような時代だ。そのために大切なのは10代をどう過ごすか。男子校らしい思い切り過ごせる環境が、今だからこそ注目されると感じた。

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