スクール特集(四條畷学園中学校の特色のある教育 #11)

憧れがつながる場所。生徒がつくる四條畷学園中学校の魅力
学校説明会や広報活動を担う「ナイスガイズ」。主体的に挑戦する生徒たちの姿が、四條畷学園中学校の温かな校風と学びの魅力を映し出す。
学校の魅力を最もよく知るのは、日々を過ごす生徒たちである。四條畷学園中学校には、学校説明会やオープンスクール、広報活動などで活躍する生徒グループ「ナイスガイズ」がある。学校の魅力を伝えるさまざまな場面で活躍する生徒たちの存在だ。しかし、彼らは決して「広報担当」として活動しているわけではない。自分がやりたいことに挑戦し、仲間と学校を盛り上げる中で、一人ひとりが自然と成長していく。その姿こそが、四條畷学園中学校の教育そのものを物語っている。
「あの先輩みたいになりたい!」憧れが次の憧れを育てる
「学校説明会で前に立って話していた先輩がすごく楽しそうだったんです」
「体験授業で教えてくれた先輩が優しくて、『私もやってみたい』と思いました」
ナイスガイズに参加したきっかけを尋ねると、生徒たちからはこんな声が聞かれた。小学生の頃に学校説明会で出会った先輩たちの姿が忘れられず、入学後すぐに活動へ参加したという生徒もいた。先輩たちの生き生きとした姿に魅力を感じ、「自分も挑戦してみたい」という思いが、参加への一歩となっていた。
取材を通して驚いたのは、「先生に勧められたから」という生徒が一人もいなかったこと。「友達に誘われたから」「先輩に憧れたから」「楽しそうだったから」と、参加する理由はそれぞれだが、その根底には共通して、「あんな先輩になりたい」という思いがあるからだ。
ナイスガイズは、自ら参加を希望した生徒たちによって運営される取り組みである。学校説明会の司会や校内案内、イベント運営、動画制作、SNS発信、資料づくりなど、その役割は幅広い。現在は60名程が所属しているものの、毎回全員が参加するわけではない。それぞれが部活動や生徒会、勉強との両立を図りながら、自分ができるタイミングで主体的に活動している。
だからこそ、「やらされる活動」ではなく、「自分で選ぶ活動」になる。その雰囲気を象徴するようなエピソードがあった。


中学2年生のSさんは、人前で話すことが苦手だったという。
「1年生の頃は、『ナイスガイズに入ったら、みんなの前で話さないといけない』と思い込んでいて、一歩踏み出せませんでした」
ところが2年生になり、「一度やってみよう」と思って参加してみると、その印象は大きく変わった。
「実際にやってみたら、めっちゃ楽しくて」
その一言には、挑戦することへの素直な喜びが込められていた。別の生徒も、「最初は前に立つタイプではなかった」と話す。それでも活動を重ねるうちに、「自然とやってみようと思えるようになった」という。決して先生に言われたからではない。身近な先輩たちの姿に刺激を受け、自ら挑戦しようという気持ちが育まれていったのである。この言葉こそが、同校が大切にする主体性を象徴しているように感じた。生徒たちは誰かに背中を押されて変わるのではなく、仲間や先輩の姿を見て、「自分もやってみたい」という気持ちが芽生え、その思いが次の一歩につながっているのだ。


「ありがとう」が次の挑戦につながる
活動を続ける理由を尋ねると、多くの生徒が「楽しい」という言葉を口にした。「楽しさ」は、単なるイベントの面白さではない。
「受験生を案内した時に『ありがとうございました』と言ってもらえると、達成感がすごくあります」
そう話す生徒の表情からは、自分の行動が誰かの役に立ったという実感が伝わってきた。学校説明会で不安そうにしていた小学生や保護者が、笑顔で帰っていく。その姿を間近で見られることが、大きなやりがいになっているという。
また、「イベントや取材の手伝いができることがうれしい」「学校の役に立てることが楽しい」と語る生徒もいた。
活動の中心にあるのは、「自分が目立つこと」ではなく、「誰かのために動くこと」。その経験の積み重ねが、生徒たちを少しずつ成長させている。その姿を見た小学生が、「この学校に入りたい」と憧れる。憧れが新たな憧れを生み、次の世代へと受け継がれていく。この温かな循環こそ、ナイスガイズという活動が続いている理由なのだろう。


「やりたい」を任せることで、主体性を育てる
ナイスガイズには、「これをやりなさい」という決められた役割はない。人前で司会を務める生徒もいれば、動画制作や資料作成など裏方として力を発揮する生徒もいる。それぞれが自分の得意なことや興味のあることを生かし、自ら選んだ役割で学校づくりに関わっている。
活動を支える広報部長の中司先生は、「生徒たちのアイデアが活動の出発点です」と話す。「こんな動画を作りたい」「先生にインタビューする企画はどうだろう」「創立100周年に合わせて校歌を現代風にアレンジしたら面白いのではないか」そんな自由な発想を、生徒たちが持ち寄り、実現に向けて話し合いを重ねていく。中には、学校公式SNSで発信する動画や創立100周年のカウントダウン企画を、生徒たちだけで考え、制作したものもあるという。先生が細かく指示を出すのではなく、生徒の挑戦を信じて任せる。その姿勢が、生徒たちの主体性をさらに引き出している。
「育てているというより、私自身が生徒たちに育てられている感覚なんです」
そう笑顔で話す中司先生の言葉が印象的だった。
生徒が失敗することもあるが、その一つひとつを成長につながる大切な機会だと考え、同校では、必要な場面では教員が責任を引き受けながら、生徒たちの挑戦を見守り続けている。そうした挑戦を積み重ねることで、生徒たちは確実に成長していくという。だからこそ教員は、生徒を信じて任せることをやめない。その信頼関係が、ナイスガイズの活動を支える大きな土台となっている。

▶︎広報部長 中司先生
忙しい毎日だからこそ、得られる学びがある
生徒たちは、日々時間に余裕があるわけではなく、野球部やバスケットボール部、陸上部などの部活動に所属し、生徒会活動を兼任する生徒も多い。受験を控えた3年生にとっては、勉強との両立も欠かせない。それでも活動を続ける理由を尋ねると、「楽しいから」という答えが返ってきた。活動日には事前にアンケートが配信され、自分で参加できる日を選ぶ。部活動の顧問に相談し、ナイスガイズの活動が終わると急いで部活動へ戻る生徒もいる。試合前は部活動を優先し、落ち着いた時期にはナイスガイズに参加するなど、それぞれが自分でスケジュールを考えながら活動している。
中司先生は、この経験そのものが大切だと語る。
「何を優先するか、自分で決断する。その中で悩み、時には後悔することもあるでしょう。でも、その積み重ねが、将来必ず生きてくると思っています」
時間の使い方を考え、自分で決断し、その結果に責任を持つ。ナイスガイズの活動は、将来社会で求められる力を、中学生のうちから自然と育む機会にもなっている。
「この学校に入りたい」その思いが未来へつながる

今回の取材で特に印象に残ったのは、多くの生徒が「学校説明会で出会った先輩」に憧れて入学を決めたと話していたことだ。
「説明会で見た先輩が楽しそうだった」
「体験授業で教えてくれた先輩がかっこよかった!」
「学校全体の雰囲気が温かかった」
入学理由はさまざまだが、その多くに共通していたのは、「人」に惹かれたということだった。そして今、その生徒たち自身が学校説明会で小学生を迎え、学校の魅力を伝える立場になっている。まさに、憧れが次の憧れへと受け継がれているのである。
取材の最後、「未来の後輩へメッセージをお願いします」と尋ねると、生徒たちからはこんな言葉が返ってきた。
「修学旅行、一緒に行こう!」
「先輩後輩の壁がなくて、本当に楽しい」
「先生との距離が近くて、何でも相談できる」
「授業が面白い!」
「みんな仲がいい!」
飾らない一言一言に、学校生活を心から楽しんでいる様子がにじんでいた。挑戦を応援する先生と、その期待に応えようと努力する生徒たち。そして、その姿に憧れた後輩が入学してくる。こうしたつながりが、人と人との成長を生み続ける四條畷学園中学校の魅力なのだと感じた。
<取材を終えて>
今回の取材では、生徒たちの受け答えの素直さと、自分の言葉で思いを伝える姿がとても印象に残った。「自然とやってみようと思った」「ありがとうと言われるとうれしい」「先輩に憧れた」どの言葉にも背伸びをした様子はなく、等身大の中学生らしい思いが込められていた。一つひとつを聞いているうちに、「主体性」とは教え込まれるものではなく、自ら挑戦したいと思える環境の中で育まれていくものなのだと実感できた。また、中司先生の「育てているというより、育てられている」という言葉も印象的だった。生徒を信じて任せる先生と、その期待に応えようと挑戦を続ける生徒。その関係性が、学校全体の温かな雰囲気をつくり出しているのだと感じた取材となった。学校説明会で出会った先輩に憧れ、やがて自分が憧れられる存在となる。ナイスガイズの活動には、四條畷学園中学校が大切にしている教育の本質が詰まっていた。未来の受験生にも、ぜひこの温かな空気を実際に感じてほしい。














































