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女子校

しょうわじょしだいがくふぞくしょうわ

昭和女子大学附属昭和中学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(昭和女子大学附属昭和中学校の特色のある教育 #4)

先生が語る“昭和女子の今” Vol.2(主要教科編)

先生の声を通じて、学校を知る企画。第2回は、国語、数学、英語科の先生が、授業の特色や、教科として伸ばしたい力、育てたい生徒像について語る。

昭和中学校は今、どのような教育を行い、どのような生徒を育てているのか。先生へのインタビューを通して、学校を知る企画の第2回は、国語、数学、英語の先生が登場。授業の特色や、教科として伸ばしたい力、受験生に向けて入試に役立つ勉強法などを語ってもらった。

▶︎写真左より:英語科長 卯城大先生/国語科長 久保尚子先生/数学科長 今村量生先生

<お話を聞いた先生>
国語科長 久保尚子先生
数学科長 今村量生先生
英語科長 卯城大先生

授業の特色と指導について

Q最初に、各教科の授業の組み立てから教えてください。

久保先生 読解、評論、古典の分野で教える教員を分け、より生徒の理解が深まるように授業を組み立てています。また、古典は百人一首を中心に、古典文法や歴史的仮名遣いの読み方を中1から教えています。

今村先生 数学は中1の最初の定期テストを終えた後、3段階の習熟度のクラスに分けて、授業を実施します。レベルに応じた内容で指導し、なかでも理解の進んでいない生徒のクラスは少人数に絞り、丁寧に教えていきます。

卯城先生 英語の授業も3段階の習熟度別で行っています。ネイティブの教員が英会話の授業を受け持ち主にスピーキングやリスニングを、日本人の教員がリーディングや文法などを教え、両者が連携をとりながら4技能をバランスよく指導していきます。グローバル留学コースは、英検2級以上を取得している生徒を対象に取り出し授業を行っています。

Q教科の指導で心掛けていること、力を注いでいることは?

久保先生 国語科では「自分の考えを深められる生徒の育成」を目標に据え、授業の中でもまずは自分で考え、自分の言葉で表現するよう指導しています。また、授業外では読書を奨励し、本校独自の「読書ノート」に読んだ本の感想を書き込み、6年分の読書記録をつける取り組みを行っています。さまざまなジャンルの作品と出会えるよう、各学年の課題図書の設定や、「昭和の100冊(中学校編と高等学校編)」という冊子を作って配布しています。読書を通じて考える力と共に、教養を身につけてほしいと思っています。

今村先生 数学の問題を解く場合、生徒は最後の“答え”に焦点を当てがちですが、それは解答の一部でしかありません。それよりも「どうしてその答えが出たのか」「どのような理屈で答えを出したのか」という過程のほうが実は重要です。数学科では、途中式や考え方にポイントを置き、答えは1つだけれども複数の解法があることを見つけさせる指導を行っています。特に図形などはいろいろな見方ができるので、グループで意見を出し合い、いろいろな考え方をみんなで共有する協働的な学習(アクティブ・ラーニング)を実践しています。

卯城先生 英語は実技科目という側面もありますので、基本的なことを学んだ後は実際に使っていくことが大事です。本校では、授業に会話やグループワークを多く取り入れ、授業以外でも毎週金曜日をイングリッシュ・デーに設定して積極的に英語を使ったり、放課後にネイティブ教員の常駐するイングリッシュ・ルームを用意したり、本校に隣接する「ブリティッシュ・スクール・イン・トウキョウ」や「テンプル大学」と相互交流の場を設けたりと、自然に英語に触れられる機会を作っています。そして、もっと英語を学びたい生徒には、イングリッシュセミナーやレシテーションコンテスト(暗唱)、スピーチやディベートの大会、模擬国連など、数々の実践の場も用意しています。
また、生徒全員に英検の受検を課し、対策の講座を設けたり、オンラインの英検教材を英語科で作成したりもしています。2019年度からスマホやパソコンで利用できる英検対策アプリとオンラインの多読ソフトの導入も始まりました。ITを活用して、学校でも自宅でも自ら英語を学習するよう指導しています。

教科として伸ばしたい力と学習法

Q各教科で伸ばしたい力、そのために実践している学習法などを教えてください。

久保先生 現代はITの普及によって、何でも手軽に行える時代です。そんな世の中だからこそ、自分の力で根気強く考え、物事を進める力を、国語という教科を通して養いたいと考えています。具体的には、最後までしっかり本を読んで理解したうえで感想文を書く、ある題材に対して考えたことを自分の言葉でまとめ、プレゼンテーションをする活動を行っています。また、語彙を豊かにすることも大切にしています。読解の授業では生徒たちの体験に照らし合わせて「こういう時、あなただったらどうする?」などと問いかけ、内容を細かくかみ砕き、自分の中に落とし込こめるよう指導しています。その他にも、語彙テストや本校独自の漢字検定試験を実施して、言葉の使い方や単語を学ぶ機会を作っています。

今村先生 数学科では、計算力、図形的な感覚、論理的思考力、表現力、それらを総合した活用力の5本立てで目標を設定しています。最近の子どもたちは、スマホやパソコンなどの普及で、自分の指を動かして何かを作る体験や、じっくり物事を考えたりする機会が少なくなり、図形的な感覚や空間認識能力、モノを頭の中で回転させる力などが弱くなっていると感じます。そういう力を衰えさせないために、実生活や身近なことと関連させてイメージを膨らます工夫をしています。

卯城先生 英語科は4技能の育成を目指していますが、特に日本人が苦手とされる「話す」「書く」のアウトプットの力を伸ばしたいと考えています。授業で生徒全員にプレゼンテーションやディスカッションの機会を多く設けているのはそのためです。また、本校には7人のネイティブの教員がいて、授業以外でも英語で会話をしています。ボストン研修※ではさらに英語の実践を積むことができます。

※ボストン研修…米国ボストンにある学園所有の研修施設「昭和ボストン」を拠点にして行われる12日間の研修。中学2年生全員が参加する。

大学の入試改革で求める力と昭和の学び

Q来年から新しい大学入試が始まるなど、今の社会が求めている力が変わるなか、昭和が大切にしている学びとは?

久保先生 評論の授業では、読む、聞く、話す、書くの4技能を、基本から段階的に教えています。最終的には、自分の意見を論理的に組み立て、自分の考えを相手に伝えられるように表現することへつなげていきます。こうした取り組みは、新しい大学入試とも直結していて、世間で求められている力と本校が取り組んできたことの積み重ねが一致していると感じます。
語彙が豊かになると自分の考えが深まり、表現の幅も広がります。そのためにも本を読んだり、直接、人とコミュニケーションをとったりする活動はこれからも大事にしていきたいと考えています。

今村先生 研究会などで、新しい大学入試は、途中の式や考え方を重視する形態だと聞き、それは昭和が以前から取り組んできたことなので、追い風になっていると感じます。
私たちは「数学とは、公式を暗記して問題を解く学問ではなく、自然現象の根本にある考え方である」ということを生徒に伝えています。たとえば、ボールを投げた時の軌道は、二次関数の式でシンプルに表現できます。また、ピタゴラスの定理(三平方の定理)は、古代エジプトの時代に土地の区画整理などに使われていたこと、利益や複利計算など数学は実生活に役立つことなどを話し、身近な学びとして生徒たちの関心を引き出す授業を展開しています。

卯城先生 現代の社会では使える英語力が求められていますが、本校もまさにそれを大事にしています。昭和のキャンパスには、米国ペンシルベニア州立の総合大学「テンプル大学」の日本校やブリティッシュ・スクールがあり、様々な海外研修や留学プログラムを導入するなど英語を使う機会が豊富にあります。そして、自分の意見を発信する道具として英語を使いこなすことを目標に指導をしてきました。よって、今の時代の流れが本校に追い付いてきたという感触がありますね。

昭和が求める生徒像と入試について

Q 昭和中学校が求める生徒、また、受験の際に必要な力や、そのための勉強法とは?

久保先生 時間が限られているので、文章を速く正確に読み取る力が求められますが、その他は、小学校の授業で習ったこと、基本をしっかり身につけておけばよいと思います。そして、国語の勉強だけでなく、他教科のこともバランスよく学び、いろいろな体験もしてほしいですね。というのも、文章を読んだ時、実際に経験をしたことから登場人物の心情に共感したり、作者の考えが理解できたりするからです。また、入試問題の素材は最近話題になっていることを中心に準備をしています。そういうところからも、身の回りのことに関心をもって生活してみると良いでしょう。

今村先生 問題を正確に早く解く力も必要ですが、もっと大切なのは簡単なものでもいいので理屈がわかっている、自分で考えて答えが出せるということです。そのためには、教科書をしっかり学び、答えを出すだけでなく「どうして、その答えになるのか」「もっと他の考え方はないか」と探し求める勉強をしてほしいと思います。そうすれば解けるような問題を私たちも作っています。

卯城先生 英語科として求めているのは、意欲のある生徒です。英語を学ぶことが好きという気持ちや、今後、英語を使ってこんなことをしたいと意欲のある生徒は、失敗を繰り返しても伸びていきます。答案も空欄でなく、自分なりに書いてみる生徒を評価していきたいですね。入試問題は、「読む」、「聞く」、「書く」の3技能をバランスよく取り入れています。日頃から英語を聞いて、自分の意見を英語で表現する練習をしてみるとよいでしょう。英検を目標に、勉強に取り組むのもおすすめです。

Q最後に受験生へメッセージをお願いします。

久保先生 勉強以外にも多くの経験を積み重ね、いろいろな人とコミュニケーションを取りましょう。そのように取り組んできたことが内面を豊かにし、さまざまな場面で活かされます。

今村先生 ITはとても便利ですが、特に小学生の時期は、便利な道具で10をやるよりも自分の手で苦労をして1をやったほうが身になります。折り紙や工作の中にも算数のヒントがたくさん潜んでいます。できるだけたくさんの実体験を積んでほしいと思います。

卯城先生 本校には英語力をつける環境が整っています。英語を使って海外で活躍したい、国内にいながら海外に貢献したいなど生徒たちがやりたいことや、夢の実現のために「英語力をつけるお手伝いをしたい」というのが英語科教員の思いです。

<インタビューを終えて>
今回は、主要教科の先生から授業の特色や、教科として伸ばしたい力、育てたい生徒像などを伺った。国語科では、語彙力を高め、自分の考えを論理的に表現する力を育成していること、
数学科は、答えのものより、答えを導き出す過程を大事にしていること、英語科は、授業以外でも英語を学ぶ様々な機会をつくり、実践的な英語力を育成していることが印象に残った。また、3教科とも以前から重視して取り組んでいる学習が大学入試改革で必要とされる力の育成に直結し、先生たちが先を見据えて授業を研究していることが理解できた。

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