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しょうわじょしだいがくふぞくしょうわ

昭和女子大学附属昭和中学校 

スクール特集(昭和女子大学附属昭和中学校の特色のある教育 #9)

先生が語る“昭和女子の今”Vol.6(実技教科編)

先生の声を通じて、学校を知る企画。第6回は、体育科・家庭科・音楽科の先生に、授業の特色や教科で育成したい力などについてインタビュー。普段はあまり知られることのない実技教科に焦点を当てる。

今回は、技術家庭科、保健体育科、音楽科の先生に授業の特色や育てたい生徒像について話を聞いた。知識や技能とともに、生きる力や心を育む実技教科の学びを紹介する。

<お話を聞いた先生>
技術家庭科 玉井先生
保健体育科 濱田先生
音楽科 三好先生

▶︎写真左より:玉井先生、濱田先生、三好先生

授業の特色、指導で大切にしていること

――授業の内容、指導で心がけていることを教えてください。

玉井先生 衣食住の学びを中心に、中学ではパソコンや茶道の講習も取り入れています。その他、保育や福祉、消費生活について学習するなど、幅広い分野で授業を行っています。家庭科は、日常生活に最も身近で、また、将来、一人暮らしをしたり家庭を築いたりする時に支えとなる力を養う教科だと言えます。よって、生徒たちには、学校で習ったことを家でも実践することを勧めていますね。また、難しい内容を教える時も「これは私たちの生活につながっているんですよ」、「あなたたちが自立する時に必要な事なんですよ」と自分の事として考えられるように指導をしています。

濱田先生 本学園は体育施設が4つ、プールや広いグランドも整備され、施設が充実しています。そんな環境のもとで、球技や器械運動、陸上、ダンス、水泳と様々な種目に取り組んでいます。運動に関しては、一人ひとり身体能力が異なるので「今、自分が持っている能力を最大限に発揮しよう」と声をかけ、指導をしています。保健の授業では体や健康について学習し、運動が体力作りや健康を維持する上で大切であることを伝えています。

三好先生 本校は、グローバル人材の育成を教育目標に掲げ、音楽科としてもそこにどうつなげられるかを考えながら授業を組み立てています。たとえば外国語の歌を歌う時は発音も重要視しますが、楽曲の背景にある文化や歴史を理解することを大切にしています。また、他国の文化を理解するには、まず自国の文化を理解することが必要なので授業でも日本の音楽史を学習します。本校は行事で歌舞伎や能などの伝統芸能を鑑賞する機会を設けていますので、観賞活動と関連づけた解説をして日本文化の学びを深めています。

――授業の特色や指導で力を入れていることを教えてください。

玉井先生 調理実習や被服製作など、実践を重視した授業を実施しています。中学校では運針の時間をとり、2年生は2020年度から浴衣づくりに挑戦します。完成したらみんなで着付けの練習をして、ボストン研修※でも、自分で仕立てた浴衣を着てもらいたいですね。また、中1と中3は校内の和室で、裏千家の先生から茶道を習います。立ち振る舞いや礼儀作法なども学び、ボストン研修で現地の人と交流する時もお点前をして、おもてなしをします。
 さらに中1では、パソコンのタイピング技術を修得します。中3になると全員がP検(ICTプロフィシエンシー検定)の4級を受検。ICT活用の基礎を身につけて、高校の情報科へと学びをつなげます。
 このように様々な学びに取り組んでいますが、やはり生徒たちは調理実習が一番楽しいようです。調理実習も学年が上がるごとにレベルを上げ、高2では、生徒たちが献立を考えます。材料費も上限を決め、食材を購入するところから総合的に調理をすることを目指します。

濱田先生 体育科では、同じ種目で段階的な指導を行っています。たとえば、バスケットボールやバレーボールは、中高で行っているのですが、中学では基礎的な技術やルールの習得、高校生になると自分たちでポジションを決めて、ゲームの作戦を立て、審判も務めてゲームを運営します。同じ競技を中学で経験していることもあり、高校生は意見交換を活発にしていますね。たとえ仲良し同士でなくても、アドバイスができる関係性が作られています。
 また、毎回、授業の始まりに5分間走をしています。その都度、距離を記録し、1年の時よりも2年、2年の時よりも3年と距離を伸ばす生徒も多く、それが自信につながっているようです。5分間走は、他人との比較ではないので自分の成長記録になるという意味合いがあります。(現在は、新型コロナの影響で実施していません)

三好先生 創立100年の歴史をもつ昭和には、50曲以上の学園歌があります。なかには初期に作られたものもあるのですが、学校の日常から体育祭、学寮(合宿)などの行事まで様々な場面を歌にしています。それをみんなで歌唱することで、学校生活の意味合いを理解していきます。そして、これだけ歌を歌う機会がたくさんあると自然と音をとる能力も身についていきますね。本校に赴任した時、初めての楽曲でも音をとれる生徒が多いなと感じました。歌を歌うことでみんなの気持ちが1つになったり、頑張ろうと思えたり、時には疲れが癒されたり、そういう音楽の力を学園歌を通じて感じ取ってもらいたいです。
 
※ボストン研修…中学2年生全員が学園所有の海外研修施設「昭和ボストン」を拠点に行う12日間の研修プログラム。毎年3月に実施している。

教科の学びを通じて育てたい力

――教科の学びを通して生徒たちをどのように育てたいですか?

玉井先生 苦手なことでも初めてのことでも、チャレンジする気持ちを育てたいですね。お裁縫が苦手な生徒も当然いますが(笑)、そういう生徒には「ここをこうしたら上手くいくよ」となるべくわかりやすいアドバイスを送って励ましています。そして、諦めずに何度も挑戦していけば必ず上達をします。
茶道の授業でも「正座が苦手」「抹茶が苦そう」と後ろ向きの生徒もいますが「日本の文化を知らないと海外に行った時に語れないでしょう。まずは体験することが大事」と伝えています。実際、初めて体験したことがとても好きになったという生徒もいますね。
また、礼儀作法などは大人になった時に「習慣として身についていて良かった」と振り返る卒業生も多くいます。

濱田先生 体育科も同じで、運動が苦手であっても最初から投げ出すのではなく、自分の力を精一杯出してほしいと思っています。そのチャレンジが次のステップの意欲につながり、それを繰り返すことで技能だけでなく精神面も鍛えられます。また、集団的な活動を通して協調性や思いやりの気持ち、コミュニケーション力なども育てていきたいです。
高校生になると生徒が自ら競技の運営をしたりするので、そのなかで判断力なども養われます。また、授業の準備や後片付けを自発的にやってくれます。そういう気配りができるのは、昭和の生徒の特徴かもしれませんね。

三好先生 生徒のなかには、音楽の授業でしか、クラッシックを聴くことがない。歌舞伎や能を鑑賞するのは、学校行事の時だけ…という生徒もいます。しかし、そういう機会を大事にして自分の興味を広げてほしいと思っています。
また、家庭科、体育科と同様、音楽科でも歌やリコーダーの得手不得手はあります。でも、不得手であっても、努力をすることで今の自分よりも確実にレベルアップする。そういう体験を積んでほしいです。
音楽は、人を感動させたり安らぎを与えたり、豊かな心を育ててくれます。そういう教科なので技術だけに結びつかないような授業を心がけています。

――印象的な生徒、エピソードはありますか?

玉井先生 家庭科の授業ではないのですが、以前、ジェンダーを学ぶプロジェクトに関わったことがあります。ジェンダー施策の先進国であるフィンランドで研修も行われ、数人の生徒が参加しました。そのなかの1人はとても引っ込み思案だったのですが、研修後、全校生徒の前で学習成果を発表し、それが自信となってどんどん積極的になっていきました。今は上智大学で福祉を学んでいます。1つの体験をきっかけに、人はこんなに成長するのだと実感した出来事でした。

濱田先生 本校の体育祭は生徒主体で行われるのですが、生徒たちは自分が楽しむだけでなく、観客の視点に立っていかに美しく見えやすいかを考え、運営をしています。得点の表示一つとっても念入りに打ち合わせをしていますね。そして、準備から片付けまでが体育祭であると位置付け、スピーディに動いています。クラブごとに係の役割があって、先輩のテキパキとした姿から後輩が学ぶという良いサイクルも生まれています。

三好先生 毎年6月に、コーラスコンクールを実施しています。他の学校は中学校だけで行うところが多いのですが、本校では、高校から音楽の授業が選択制になるにも関わらず、5年生(高校2年生)まで全員が参加をします。中学生は音楽の授業でも練習をしますが、高校生は放課後しか練習ができません。そのなかで、音楽が得意な生徒がリーダーシップをとってまとめていく姿には感心させられます。例年、5年生は、ハレルヤを歌うのですが、これまでの伝統を受け継ぐ誇らしさや、先輩のハレルヤを超えようという気概がコーラスにも表れています。また、コンクールは人見記念講堂で開かれ、伴奏するピアノもスタインウエイです。「広いホールに歌声が響く感動が、今も忘れられない」と言う卒業生もたくさんいます。

実技教科に対する生徒たちの感想

3人の中学3年生に実技教科の感想を聞いた。

<家庭科>
「調理や裁縫だけでなく、パソコンや茶道などいろいろなことを学んで、技術を身につけられるので将来の生活に役立ちそうです」
「私は調理実習が一番好きですが、普段、体験することがない茶道や礼儀作法を授業で学べるのは、私立校ならではだと思います」

<体育>
「授業前の5分間走は、始める時はつらいけれども終わった後はすっきりします。私は、自分から運動をするほうではないので体育の時間は貴重です」
「昭和は運動施設が充実していて、いろいろなスポーツに取り組めます。初めてやる種目が好きになることもあります」

<音楽>
「授業は、音楽の歴史に触れたり、歌やリコーダーを練習したりしながら、みんなが一緒になって1つのものを創り上げる時間が多いです。私が好きなのも合唱や合奏です」
「リコーダーを吹く時に、みんなでカウントをとったり合わせたりするのが楽しいです」
「コーラスコンクールの練習でクラスが団結し、頑張ろうという雰囲気が好きです」

先生から受験生へメッセージ

玉井先生 本来なら、学校説明会の時に体験授業を行い、家庭科はストラップとお菓子作りをしています。その時は、在校生が手伝いに入るので、先輩の様子も見ることができます。今年はZoomを使って、卵ボーロの作り方をリアルタイムで配信しました。家庭科に限らず実技教科はいろいろな体験ができるので、そういう機会ができたらぜひ学校に来てもらいたいです。

濱田先生 受験は体力が必要なので、三食きちんととって睡眠も十分に、あとは適度に運動をしてほしいですね。体と心はつながっているので、自分の目標を達成するためにも元気に健やかに過ごしてください。

三好先生 昭和の生徒は明るくて素直な生徒が多いです。説明会が開催できるようになったら、足を運んで生徒の様子を見て学校を知ってほしいと思います。

<取材を終えて>
普段、実技教科の話を聞く機会はそれほど多くないので、今回のインタビューは、とても興味深かった。実技教科は、生徒たちの「知徳体」の育成には欠かせないものであり、特にコロナ禍で世の中が変わった今、実技教科で培われる生きる力や人間力、また体力や技能などもより必要とされるのではないかと強く感じた。

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